リチウム/レアメタルETFを比較する(LIT・REMX)

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【未来の鉱物ETF】LITとREMXを徹底比較!リチウム・レアアース投資

リチウムやレアメタル(およびレアアース)に投資するETFのデータを比較し、情報を整理してみます。

このページでは資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート、配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を紹介してみましょう

【未来の鉱物ETF】LITとREMXを徹底比較!リチウム・レアアース投資

EV(電気自動車)シフト、再生可能エネルギー、半導体、そして安全保障――。現代社会と未来のテクノロジーを支える上で不可欠なのが、「リチウム」や「レアアース(希土類)」といった鉱物資源です。今回は、これらの未来を左右する重要資源に関連する代表的なETF「LIT」「REMX」を比較し、それぞれの投資テーマと特性、注意点を詳しく解説します。

【2025年8月最新】地政学的リスクが現実化

2025年4月、中国は7つのレアアース元素(サマリウム、ガドリニウム、イッテリウム、テルビウム、ジスプロシウム、ルテチウム、エルビウム)およびレアアース磁石の輸出に許可制を導入。これは米国の対中関税に対する報復措置であり、グローバルなサプライチェーンに深刻な影響を与えています。自動車、防衛、医療機器産業への影響は避けられない状況です。

【LIT】グローバルX リチウム&バッテリーテック ETF

投資テーマ:EVシフトの核心、「白い石油」に投資する

「白い石油」とも呼ばれるリチウムは、EVの心臓部であるリチウムイオン電池に不可欠な素材です。LITは、リチウムの採掘・精製を行う資源会社から、パナソニックやテスラのような電池メーカーやEVメーカーまで、リチウムのバリューチェーン全体に投資します。EVシフトという巨大なメガトレンドに、まるごと乗ることができるETFです。

LITの基本情報とポートフォリオ(2025年8月現在)

連動指数:Solactive Global Lithium Index

経費率:0.75%

純資産:$1.05 billion

構成銘柄数:40銘柄

上位構成銘柄:
・Albemarle (8.76%)
・SQM (5.94%)
・Tianqi Lithium (4.89%)
・EcoPro BM (4.45%)
・Tesla (4.33%)

国別比率:
中国 (約23%), 米国 (約21%), 韓国 (約12%), 日本 (約11%), オーストラリア (約11%) などグローバルに分散

パフォーマンス(2025年8月現在)

YTD(年初来):+12.8%
1年間:+26.51%
配当利回り:0.58%


【REMX】ヴァンエック・レアアース/ストラテジック・メタルズ ETF

投資テーマ:ハイテクと安全保障の鍵、「戦略的物資」に投資する

レアアースや戦略的金属は、EVの高性能モーター、風力タービン、半導体、スマートフォン、さらにはミサイルなどの防衛装備品まで、最先端技術に欠かせない「産業のビタミン」です。REMXは、これらの採掘・精製に関わるグローバル企業に投資し、現代社会の根幹を支える「戦略的物資」の価値に賭けるETFです。

REMXの基本情報とポートフォリオ(2025年8月現在)

連動指数:MVIS Global Rare Earth/Strategic Metals Index

経費率:0.57%(2026年5月まで経費上限適用)

構成銘柄数:28銘柄

上位構成銘柄:
・MP Materials (12.61%)
・China Northern Rare Earth (9.28%)
・Lynas Rare Earths (7.47%)
・Albemarle (6.53%)
・Shenghe Resources (5.66%)

国別比率:
中国 (約40-45%), オーストラリア (約25%), 米国 (約15%), カナダ (約5%) など

パフォーマンス(2025年8月現在)

1年間:+28.45%〜+49.47%
地政学的要因により高いボラティリティを示す

【2025年7月重要ニュース】米国防省がMP Materialsに0M投資

米国防省は2025年7月、MP Materials(REMXの最大構成銘柄)に4億ドルの投資を発表。これは米国の国内レアアースサプライチェーン構築の一環で、中国依存からの脱却を目指す戦略的投資です。REMXはこのニュースを受けて9%上昇しました。

REMXの最重要注意点:中国への高い集中度と地政学的リスクの現実化

REMXのポートフォリオは、構成銘柄の約40-45%が中国企業で占められています。2025年4月の中国によるレアアース輸出規制により、地政学的リスクが現実のものとなりました。中国は世界のレアアース生産の約70%、精製・加工の約90%を支配しており、米中対立の激化や中国政府による突然の規制など、中国固有の地政学的リスクやカントリーリスクを直接的に負うことを意味します。投資する際には、この高い中国比率を必ず理解しておく必要があります。

【2025年の変化】REMXの経費率改善

REMXの経費率は0.59%から0.57%に改善されました(2026年5月まで経費上限適用)。わずかな改善ですが、長期投資において意味のあるコスト削減です。

まとめ:投資のポイントと選び方

LITとREMXは、どちらも未来のテクノロジーに不可欠な資源に投資しますが、その焦点と地政学的リスクの度合いは大きく異なります。

LITが向いている人:

「EVシフト」という、比較的ストーリーが分かりやすいメガトレンドに集中して投資したい人。バリューチェーン全体に分散されていることによる安定感を重視し、中国リスクを比較的抑えたい人。

REMXが向いている人:

EVだけでなく、半導体や防衛産業など、より広範なハイテク分野と地政学的な重要性に賭けたい人。ポートフォリオの高い中国比率という深刻なリスクを許容でき、かつ地政学的な動向を注意深く追跡できる人。

【2025年投資判断における重要な考慮点】

中国のレアアース輸出規制により、REMXの投資リスクは従来よりも大幅に高まっています。特に、中国企業への高い集中度(40-45%)は、政策変更や地政学的緊張の高まりによって、ETFの価値が短期間で大きく変動する可能性があることを意味します。一方で、米国防省によるMP Materialsへの投資など、西側諸国の脱中国依存の動きも活発化しており、長期的には中国以外の企業にとって追い風となる可能性もあります。

どちらのETFも、特定のテーマに集中する分、価格変動が大きくなる傾向があります。2025年現在の地政学的な緊張状態を踏まえ、世界の技術動向や地政学的なニュースに関心を持ち、長期的な視点で投資できる方にとって、ポートフォリオの成長を加速させる面白い選択肢となるでしょう。


株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。


ポートフォリオ

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄ははチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢