リチウム/レアメタルETFを比較する(LIT・REMX)
リチウムやレアメタル(およびレアアース)に投資するETFのデータを比較し、情報を整理してみます。
このページでは資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート、配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を紹介してみましょう
【未来の鉱物ETF】LITとREMXを徹底比較!リチウム・レアアース投資
EV(電気自動車)シフト、再生可能エネルギー、半導体、そして安全保障――。現代社会と未来のテクノロジーを支える上で不可欠なのが、「リチウム」や「レアアース(希土類)」といった鉱物資源です。今回は、これらの未来を左右する重要資源に関連する代表的なETF「LIT」と「REMX」を比較し、それぞれの投資テーマと特性、注意点を詳しく解説します。
【LIT】グローバルX リチウム&バッテリーテック ETF
投資テーマ:EVシフトの核心、「白い石油」に投資する
「白い石油」とも呼ばれるリチウムは、EVの心臓部であるリチウムイオン電池に不可欠な素材です。LITは、リチウムの採掘・精製を行う資源会社から、パナソニックやテスラのような電池メーカーやEVメーカーまで、リチウムのバリューチェーン全体に投資します。EVシフトという巨大なメガトレンドに、まるごと乗ることができるETFです。
LITの基本情報とポートフォリオ
連動指数 | Solactive Global Lithium Index |
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経費率 | 0.75% |
上位構成銘柄 | Albemarle (米), Tesla (米), TDK (日), Panasonic Holdings (日), Samsung SDI (韓), BYD (中)など |
国別比率 | 中国 (約23%), 米国 (約21%), 韓国 (約12%), 日本 (約11%), オーストラリア (約11%) などグローバルに分散 |
【REMX】ヴァンエック・レアアース/ストラテジック・メタルズ ETF
投資テーマ:ハイテクと安全保障の鍵、「戦略的物資」に投資する
レアアースや戦略的金属は、EVの高性能モーター、風力タービン、半導体、スマートフォン、さらにはミサイルなどの防衛装備品まで、最先端技術に欠かせない「産業のビタミン」です。REMXは、これらの採掘・精製に関わるグローバル企業に投資し、現代社会の根幹を支える「戦略的物資」の価値に賭けるETFです。
REMXの基本情報とポートフォリオ
連動指数 | MVIS Global Rare Earth/Strategic Metals Index |
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経費率 | 0.59% |
上位構成銘柄 | Zhejiang Huayou Cobalt (中), China Northern Rare Earth (中), MP Materials (米), Pilbara Minerals (豪)など |
国別比率 | 中国 (約51%), オーストラリア (約22%), 米国 (約10%), カナダ (約4%) など |
REMXの最重要注意点:中国への高い集中度
REMXのポートフォリオは、構成銘柄の約半分が中国企業で占められています。世界のレアアース生産を中国が寡占しているためですが、これは米中対立の激化や中国政府による突然の規制など、**中国固有の地政学的リスクやカントリーリスクを直接的に負う**ことを意味します。投資する際には、この高い中国比率を必ず理解しておく必要があります。
まとめ:投資のポイントと選び方
LITとREMXは、どちらも未来のテクノロジーに不可欠な資源に投資しますが、その焦点は異なります。
- LITが向いている人:
「EVシフト」という、比較的ストーリーが分かりやすいメガトレンドに集中して投資したい人。バリューチェーン全体に分散されていることによる安定感を重視する人。 - REMXが向いている人:
EVだけでなく、半導体や防衛産業など、より広範なハイテク分野と地政学的な重要性に賭けたい人。ポートフォリオの高い中国比率というリスクを許容できる人。
どちらのETFも、特定のテーマに集中する分、価格変動が大きくなる傾向があります。世界の技術動向や地政学的なニュースに関心を持ち、長期的な視点で投資できる方にとって、ポートフォリオの成長を加速させる面白い選択肢となるでしょう。
【出典・情報源】
株価:過去~現在
※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
ポートフォリオ
次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄ははチャールズシュワブのサイト内のページを参照。