HP(HPQ)とHPEの違い|日本HP・日本ヒューレット・パッカードを含めて比較

情報技術,銘柄比較

【2026年8月5日更新】
HP Inc.(HPQ)とHewlett Packard Enterprise(HPE)の2026年度Q2決算、日本法人の正式名称、配当、2026年8月4日終値を反映しました。最新決算は両社とも2026年度Q2です。次回Q3決算の具体的な発表日時は、公式発表後に更新します。[1][2]

HP Inc.とHewlett Packard Enterpriseは、2015年に旧Hewlett-Packardから分かれた別会社です。

  • HP Inc.(NYSE:HPQ):パソコン、ワークステーション、プリンター、インク・トナーなどを扱います。
  • Hewlett Packard Enterprise(NYSE:HPE):法人向けサーバー、ストレージ、ネットワーク、AI・クラウド基盤を扱います。
  • 株式会社日本HP:HP Inc.側の日本法人です。
  • 日本ヒューレット・パッカード合同会社:HPE側の日本法人です。

PCやプリンターを探している場合はHP側、企業向けサーバー、ネットワーク、AI基盤を探している場合はHPE側が基本的な窓口です。株式投資の観点では、HPQは配当と成熟事業のキャッシュ創出力、HPEはAI・ネットワーク投資とJuniper Networks統合後の成長が主な評価材料になります。

製品・サポート先を探している方へ

  • PC、ワークステーション、プリンター、インク、トナー:株式会社日本HP
  • 法人向けサーバー、ストレージ、ネットワーク、AI・クラウド基盤:日本ヒューレット・パッカード合同会社

両社は現在、異なる企業グループに属する別法人です。製品の問い合わせ先やサポート窓口も異なります。

HPとHPEの違い

旧Hewlett-Packard Companyは2015年の会社分割によって、PC・プリンター中心のHP Inc.(HPQ)と、法人向けITインフラ中心のHewlett Packard Enterprise(HPE)に分かれました。旧HPの株主にはHPE株式が分配され、HPE株は2015年11月2日にニューヨーク証券取引所で通常取引を開始しました。[3]

項目 HP Inc.(HPQ) Hewlett Packard Enterprise(HPE)
企業の位置付け 個人・企業向け端末とプリンティング 法人向けITインフラ
主力製品 PC、ワークステーション、プリンター、周辺機器、インク・トナー サーバー、ストレージ、ネットワーク、AIシステム、ハイブリッドクラウド
主な顧客 個人、一般企業、教育機関、公共機関 大企業、データセンター、通信事業者、官公庁
米国上場ティッカー HPQ HPE
主な投資テーマ PC更新、AI PC、プリンター消耗品、コスト管理、配当・自社株買い AIサーバー、ネットワーク、Juniper統合、クラウド、企業IT投資
主なリスク PC市場の成熟、プリンター需要、部材価格、価格競争 買収統合、負債、AI需要の変動、シナジー未達、非GAAP調整項目

「HP」とだけ表記されている場合、一般消費者向けのPCやプリンターではHP Inc.を指すことが多くあります。一方、企業向けサーバー、ストレージ、ネットワーク製品ではHPEが使われます。社名が似ていますが、現在は事業・上場株式・日本法人が分かれています。

日本HPと日本ヒューレット・パッカードの違い

株式会社日本HP日本ヒューレット・パッカード合同会社は、略称の違いではなく、異なる企業グループに属する別法人です。

項目 株式会社日本HP 日本ヒューレット・パッカード合同会社
属するグループ HP Inc. Hewlett Packard Enterprise
英語名 HP Japan Inc. Hewlett Packard Japan, G.K.
米国上場ティッカー HPQ HPE
主な事業 PC、プリンティング、付随するサービス・ソリューション コンピューター、周辺機器、ソフトウェア、ITサービス、AI・クラウド・ネットワーク
主な利用者 個人、企業、教育機関 企業、官公庁、通信事業者、データセンター

株式会社日本HPの公式会社概要は、事業内容をPC、プリンティングおよび付随するサービス・ソリューションとしています。日本ヒューレット・パッカード合同会社は、企業向けコンピューター、周辺機器、ソフトウェア、ITサービスなどを扱います。[4][5]

日本国内では、米国本社の分割に先立つ2015年8月1日に国内事業も分社されました。[6]

HPQとHPEの事業・投資特性を比較

両社はいずれもハードウェアを扱いますが、顧客、製品、景気感応度、株主還元の特徴は異なります。HPQはPC・プリンターから得られるキャッシュフローと配当、HPEはAIサーバー、ネットワーク、ハイブリッドクラウドへの企業投資が主な評価材料です。

比較項目 HPQ HPE
2026年度Q2売上高 144億ドル
前年比9.0%増[1]
106.78億ドル
前年比40%増[2]
2026年度Q2非GAAP EPS 0.86ドル
前年比21.1%増
0.79ドル
会社予想0.51~0.55ドルを上回る
四半期配当 0.30ドル
年率1.20ドル換算
0.1425ドル
年率0.57ドル換算
参考配当利回り
2026年8月4日終値
約4.16%
株価28.82ドルで計算
約1.09%
株価52.39ドルで計算
会社予想ベース参考PER
非GAAP EPS
約9.3~9.9倍 約15.2~15.6倍
投資上の特徴 高配当、成熟事業、低い評価倍率、株主還元 AI・ネットワーク成長、Juniper統合、利益・FCF見通しの引き上げ

※株価は米国市場の2026年8月4日終値です。配当利回りは直近四半期配当を4倍した年率換算額で計算しました。参考PERは同じ株価を2026年度の会社予想非GAAP EPSで割った概算です。非GAAP指標は買収費用、無形資産償却、再編費用などの一部を除くため、GAAP利益や実際のキャッシュフローと併せて確認する必要があります。[7]

HPQとHPEの最新決算を比較

2026年度Q2決算の要点

  • HPQ:売上高144億ドル、GAAP希薄化後EPS0.49ドル、非GAAP EPS0.86ドル、営業キャッシュフロー9億ドル、フリーキャッシュフロー8億ドルでした。通期非GAAP EPS見通しは2.90~3.10ドル、通期FCF見通しは28億~30億ドルです。[1]
  • HPE:売上高106.78億ドル、GAAP希薄化後EPS0.44ドル、非GAAP EPS0.79ドル、営業キャッシュフロー14億ドル、フリーキャッシュフロー9億ドルでした。通期非GAAP EPS見通しは3.35~3.45ドル、通期FCF見通しは少なくとも35億ドルです。[2]
年・期 HPQ 売上高
(前年比)
HPE 売上高
(前年比)
2026年度Q2 144億ドル
+9.0%[1]
106.78億ドル
+40%[2]
2026年度Q1 144億ドル
+6.9%[8]
93億ドル
+18%[9]
2025年度 553億ドル
+3.2%[10]
343億ドル
+14%[11]
2024年度 536億ドル
-0.3%[12]
301億ドル
+3.4%[11]

※B=10億ドル。両社の会計年度は10月末までです。HPEは2025年7月2日にJuniper Networksの買収を完了したため、2026年度の前年比成長率には連結範囲の拡大が含まれます。

2026年度Q3の会社見通し

項目 HPQ HPE
売上高 具体的なレンジは非公表 115億~121億ドル
GAAP EPS 0.47~0.63ドル 0.84~0.89ドル
非GAAP EPS 0.61~0.71ドル 0.88~0.93ドル

2026年8月5日時点で、Q3決算発表の具体的な日時は公式IR上で確認できません。予想日を確定日として扱わず、各社のIR発表後に更新します。HPEは通常、2月・5月・8月・11月に決算を発表すると案内しています。[2][13]

HPQとHPEの将来性

HPEの将来性|AI・ネットワーク・Juniper統合

HPEの成長テーマは、AIシステム、データセンター向けサーバー、ネットワーク、ハイブリッドクラウドです。2025年7月2日にJuniper Networksの買収を完了し、ネットワーク製品だけでなく、AIネイティブな運用管理、セキュリティ、ルーティング、データセンターネットワークを取り込みました。[14]

HPEの追い風

  • Networkingの規模拡大:2026年度Q2のNetworking売上は27億ドルで、前年比148.2%増でした。
  • Cloud & AIの成長:売上は77億ドルで22.9%増。Serverは55億ドルで32.7%増でした。
  • 利益・キャッシュフロー見通し:通期非GAAP EPSを3.35~3.45ドル、FCFを少なくとも35億ドルへ引き上げました。
  • 提案領域の拡大:サーバー、ストレージ、ネットワーク、セキュリティ、クラウド運用を一体で提案できる体制が強化されました。

HPEのリスク

  • 前年比40%増収にはJuniperの新規連結効果が含まれ、すべてが既存事業の自然成長ではありません。
  • 買収関連費用、無形資産償却、統合コスト、負債削減が利益とキャッシュフローに影響します。
  • AIサーバー需要は強い一方、受注の大型化や顧客の設備投資時期によって四半期ごとの変動が大きくなる可能性があります。
  • 2027年度以降も有機的な成長を維持し、計画したシナジーを実現できるかが重要です。

HPQの将来性|AI PCとプリンター事業

HPQの成長テーマは、法人PCの更新、AI PC、Windows移行、ワークステーション、周辺機器、サービスです。一方、収益性の高いプリンター消耗品を含むPrinting事業の安定性は、配当と株主還元を支える重要な要素です。

HPQの追い風

  • Personal Systemsは13%増収:2026年度Q2の売上は102億ドルでした。個人向けは10%増、商用向けは14%増です。
  • AI PC・商用PC:企業の更新需要や高付加価値製品への移行が平均販売価格と製品構成を支える可能性があります。
  • キャッシュ創出力:2026年度Q2のFCFは8億ドルで、配当と自社株買いを合わせ3億7,400万ドルを株主へ還元しました。
  • 低い会社予想ベース評価倍率:2026年8月4日終値と通期非GAAP EPS見通しから計算した参考PERは約9.3~9.9倍です。

HPQのリスク

  • Personal Systemsの売上は増えましたが、総出荷台数は前年比7%減でした。売上増には価格、製品構成、為替などの影響も含まれます。
  • Printing売上は横ばいで、プリンター本体の総出荷台数は7%減少しました。
  • PC・プリンター市場は成熟しており、高い長期成長率を見込みにくい事業構造です。
  • 部材価格、メモリー価格、関税、価格競争が利益率を圧迫する可能性があります。

HPQとHPEの配当を比較

両社とも四半期配当を実施しています。インカムを重視する場合はHPQの利回りが高く、HPEは利益に対する配当負担が比較的小さい設計です。

項目 HPQ HPE
直近四半期配当 0.30ドル 0.1425ドル
年率換算 1.20ドル 0.57ドル
参考配当利回り
2026年8月4日終値
約4.16% 約1.09%
会社予想非GAAP EPSに対する配当性向 約39~41% 約17%
分配頻度 四半期 四半期
配当の特徴 高い利回りと株主還元を重視 成長投資を優先しつつ増配

最新の配当日程

  • HPQ:1株0.30ドル。基準日は2026年9月9日、支払日は2026年10月7日です。2026年度第4回の四半期配当です。[15]
  • HPE:1株0.1425ドル。権利落ち日・基準日は2026年6月16日、支払日は2026年7月15日です。2026年8月5日時点で、その次の配当は未発表です。[16]

HPQの年率配当1.20ドルは、会社の2026年度非GAAP EPS見通し2.90~3.10ドルに対して約39~41%です。HPEの年率配当0.57ドルは、非GAAP EPS見通し3.35~3.45ドルに対して約17%です。どちらも非GAAP利益を用いた参考値であり、実際の配当余力はGAAP利益、営業キャッシュフロー、FCF、負債返済と併せて確認する必要があります。

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移(IYW:iShares U.S. Technology ETFを含めて比較)

※チャート右目盛り:米国10年国債利回り

決算(予想:結果)

バリュエーションをどう見るか

HPQ:低い評価倍率には成熟事業のリスクも織り込まれる

2026年8月4日終値28.82ドルを、2026年度非GAAP EPS見通し2.90~3.10ドルで割った参考PERは約9.3~9.9倍です。表面的には低い水準ですが、PC市場の成熟、Printingの縮小、部材価格、関税、低い長期成長期待が評価を抑える要因です。

高い配当利回りと低い評価倍率だけで判断せず、Personal Systemsの数量、Printingの消耗品売上、営業利益率、FCFを確認する必要があります。

HPE:成長期待と買収後の利益の質を確認

2026年8月4日終値52.39ドルを、2026年度非GAAP EPS見通し3.35~3.45ドルで割った参考PERは約15.2~15.6倍です。HPQより高い評価ですが、AI・ネットワーク事業の成長とJuniper統合後の利益拡大への期待が反映されています。

HPEの非GAAP利益は、無形資産償却、株式報酬、買収・統合費用などを除外します。基礎収益力を把握しやすい一方、実際に発生する費用を無視できるわけではありません。GAAP利益、非GAAP利益、FCF、負債を併せて確認します。

HPQとHPEのどちらを選ぶべきか

配当・割安感を重視するならHPQ

  • 参考配当利回りは約4.16%
  • 会社予想ベース参考PERは約9.3~9.9倍
  • PC・プリンターの成熟事業からキャッシュを創出
  • AI PCや法人PC更新が上振れ要因

一方、出荷台数の減少、Printingの停滞、部材価格、長期成長率の低さに注意が必要です。

AI・ネットワーク成長を重視するならHPE

  • AIサーバーとCloud & AIが成長
  • Juniper統合でネットワーク事業が拡大
  • 会社が利益・FCF見通しを引き上げ
  • 企業IT投資の拡大を取り込みやすい

一方、買収効果を除いた有機成長、統合費用、負債、シナジー実現、株価上昇後の評価に注意が必要です。

まとめると、HPQは「配当と成熟事業のキャッシュ創出力」、HPEは「AI・ネットワーク投資による成長」を選ぶ銘柄です。両社は同じ旧HPを起源としますが、現在の事業と投資判断の軸は大きく異なります。

HPとHPEに関するよくある質問

HPとHPEは同じ会社ですか

同じ会社ではありません。2015年に旧Hewlett-Packard Companyから、HP Inc.とHewlett Packard Enterpriseへ分離した別会社です。

HPQとHPEの違いは何ですか

HPQはPC、プリンター、ワークステーション、消耗品などが中心です。HPEは法人向けサーバー、ストレージ、ネットワーク、AI・クラウド基盤が中心です。

株式会社日本HPと日本ヒューレット・パッカードは別会社ですか

別会社です。株式会社日本HPはHP Inc.側、日本ヒューレット・パッカード合同会社はHPE側の日本法人です。

HPのパソコンやプリンターを扱うのはどちらですか

株式会社日本HPです。個人・法人向けPC、ワークステーション、プリンター、インク、トナーなどを扱います。

HPEのサーバーやネットワーク製品を扱うのはどちらですか

日本ヒューレット・パッカード合同会社です。法人向けサーバー、ストレージ、ネットワーク、AI・クラウド基盤などを扱います。

HPQとHPEの配当はどちらが高いですか

2026年8月4日終値と現在の年率換算配当で計算すると、HPQは約4.16%、HPEは約1.09%です。株価と配当額の変化により利回りも変動します。

HPEの将来性をどう見ればよいですか

AIサーバー、ネットワーク、Juniper統合は追い風です。一方、2026年度の高い増収率には買収による連結効果が含まれます。2027年度以降の有機成長、利益率、FCF、負債削減、シナジー実現を確認する必要があります。

HPQとHPEの次回決算日はいつですか

2026年8月5日時点では、Q3決算の具体的な発表日時を公式IR上で確認できません。確定日は各社のIR発表で確認してください。

免責事項:本記事は2026年8月5日時点で確認できる情報を整理したもので、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。株価、配当、会社見通し、評価倍率は変動します。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。

【注】(出典リンク)

  1. HPQ 2026年度Q2決算・事業別売上・EPS・キャッシュフロー・通期見通し → HP Inc.「Fiscal 2026 Second Quarter Results」(確認日:2026-08-05)
  2. HPE 2026年度Q2決算・セグメント売上・EPS・配当・Q3および通期見通し → HPE「Fiscal 2026 Second Quarter Results」(PDF)HPE Q2 2026 Earnings Presentation(PDF)(確認日:2026-08-05)
  3. 旧HPの会社分割とHPE株式の分配 → HP Inc.「HP Board of Directors Approves Separation」(確認日:2026-08-05)
  4. 株式会社日本HPの正式名称・事業内容 → 日本HP「日本HPについて」(確認日:2026-08-05)
  5. 日本ヒューレット・パッカード合同会社の正式名称・事業内容 → HPE日本「会社情報」(確認日:2026-08-05)
  6. 日本国内事業の2015年分社 → 日本HP「重要なお知らせ」(確認日:2026-08-05)
  7. HPQ・HPEの2026年8月4日終値 → MarketWatch「HPQ」MarketWatch「HPE」(確認日:2026-08-05)
  8. HPQ 2026年度Q1決算 → HP Inc.「Fiscal 2026 First Quarter Results」(確認日:2026-08-05)
  9. HPE 2026年度Q1決算 → HPE「Fiscal 2026 First Quarter Results」(PDF)(確認日:2026-08-05)
  10. HPQ 2025年度通期決算 → HP Inc.「Fiscal 2025 Full Year and Fourth Quarter Results」(確認日:2026-08-05)
  11. HPE 2025年度・2024年度決算 → HPE Investor Relations「Quarterly Results」(確認日:2026-08-05)
  12. HPQ 2024年度通期決算 → HP Inc.「Fiscal 2024 Full Year and Fourth Quarter Results」(確認日:2026-08-05)
  13. HPEの決算発表時期に関するFAQ → HPE Investor Relations「Dividend History / Investor FAQs」(確認日:2026-08-05)
  14. HPEによるJuniper Networks買収完了 → HPE「Closes Acquisition of Juniper Networks」(確認日:2026-08-05)
  15. HPQの2026年度第4回四半期配当 → HP Inc.「HP Inc. Declares Dividend」(確認日:2026-08-05)
  16. HPEの配当履歴 → HPE Investor Relations「Dividend History」(確認日:2026-08-05)

Posted by 南 一矢