LOW:ロウズの配当推移
ロウズ・カンパニーズ(Lowe’s Companies Inc.)の配当利回りと株価を確認します。
権利落ち日や配当性向(1株配当÷EPS、EPS比で配当を払い過ぎていないかを見る指標)等も確認します。
配当利回りと株価の推移:3ヶ月チャート
2026年5月22日終値のLOW株価は215.03ドルです。2026年3月発表の四半期配当1.20ドルを年換算すると年間配当は4.80ドルとなり、単純利回りは約2.23%です。[3]
年間利回り、配当成長率、配当性向、EPS等
年平均の配当利回りや配当成長率、配当性向、年間の一株配当($)、平均株価、通年EPSの推移を確認します。
平均株価は、MacrotrendsのAnnual Average Stock Priceを優先して整理しています。2025年度の会計期間は2026年1月30日終了ですが、平均株価の列は暦年ベースの年平均株価を用いるため、厳密な会計年度ベースとは一致しません。[4]
| 年 | 配当 | 平均株価 | 年EPS | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 平均利回り | 成長率 | 配当性向 | 年計 | |||
| 2026E | 約2.23%* | 0% | 約38%* | 4.80 | 215.03* | 12.50* |
| 2025 | 2.03% | 4% | 40% | 4.75 | 234.54 | 11.85 |
| 2024 | 1.95% | 5% | 37% | 4.55 | 233.31 | 12.23 |
| 2023 | 2.20% | 21% | 33% | 4.35 | 198.10 | 13.20 |
| 2022 | 1.84% | 32% | 31% | 3.60 | 201.30 | 11.85 |
| 2021 | 1.35% | 24% | 36% | 2.80 | 207.10 | 7.75 |
| 2020 | 1.62% | 9% | 41% | 2.25 | 139.00 | 5.49 |
| 2019 | 1.90% | 11% | 73% | 2.06 | 108.60 | 2.84 |
| 2018 | 1.93% | 17% | 45% | 1.85 | 95.90 | 4.09 |
| 2017 | 1.93% | 19% | 46% | 1.58 | 81.70 | 3.47 |
| 2016 | 1.79% | 24% | 49% | 1.33 | 74.20 | 2.73 |
| 2015 | 1.49% | 23% | 39% | 1.07 | 71.70 | 2.71 |
| 2014 | 1.64% | 24% | 41% | 0.87 | 53.00 | 2.14 |
| 2013 | 1.59% | 13% | 41% | 0.70 | 44.10 | 1.69 |
| 2012 | 2.04% | 17% | 43% | 0.62 | 30.40 | 1.43 |
| 2011 | 2.25% | 26% | 37% | 0.53 | 23.60 | 1.42 |
| 2010 | 1.81% | 17% | 35% | 0.42 | 23.20 | 1.21 |
| 2009 | 1.76% | 6% | 24% | 0.36 | 20.40 | 1.49 |
| 2008 | 1.52% | 17% | 18% | 0.34 | 22.40 | 1.86 |
*2026Eの平均株価は2026年5月22日終値、EPSは会社側の2026年度調整後希薄化EPSガイダンス12.25〜12.75ドルの中央値12.50ドルを用いた参考値です。2026年の配当は2026年5月時点の四半期配当1.20ドルを年換算しています。
54年連続増配の実績
ロウズ(LOW)の配当実績は、住宅関連小売業界の中でも非常に長い部類に入ります。2008年から2025年度にかけて、1株配当は0.34ドルから4.75ドルへと大きく増加しました。2025年5月の増配により、同社は54年連続増配を達成しています。[5]
2025年5月には四半期配当を1.15ドルから1.20ドルへと4%増配しました。2026年3月に宣言された配当も1.20ドルであり、2026年5月時点では次の増配発表前の水準が維持されています。住宅市場の金利感応度が高い局面でも、長期の増配記録を維持している点は評価できますが、足元の増配ペースは過去の高成長期より落ち着いています。[1]
配当成長率の進化と戦略的転換
ロウズの配当成長率は、住宅市場の動向と株主還元強化戦略を反映して変化してきました。
- 2008〜2014年:基盤構築期(金融危機後の回復と成長基盤の再構築)
- 2015〜2018年:安定成長期(高い配当成長と事業効率化の進展)
- 2019〜2021年:調整・加速期(パンデミック期の住宅関連需要増加)
- 2022〜2024年:高成長期(2022年の大幅増配後、2023〜2024年も増配継続)
- 2025年〜:安定期(年間4%前後の増配で、利益成長・M&A・財務バランスを重視)
この変化は、ロウズの戦略が「高水準の株主還元」だけでなく、「Total Home戦略とプロ顧客向け事業の拡張による持続的成長」へ軸足を移していることを示しています。2022年の大幅増配はパンデミック後の住宅関連需要と利益拡大を背景にしたものでしたが、2025年以降は、M&Aによる投資負担も踏まえた、より持続可能な増配ペースに移行していると考えられます。
適度な配当利回りとTotal Home戦略
ロウズの配当利回りは、一般的に1.5%〜2.5%の範囲で推移してきました。2026年5月22日終値ベースの年換算利回りは約2.23%で、いわゆる高配当株というより、配当成長と株主還元の継続性を重視する銘柄と整理できます。[3]
- 高配当成長との両立:利回りは高すぎないが、長期での増配実績がある
- Total Home戦略への投資:住宅の新築、改修、メンテナンスを広く取り込む
- プロ事業拡大:専門業者向け事業を強化し、DIY需要の変動を補う
- オムニチャネル強化:オンライン、配送、店舗受け取りなどの利便性を高める
- 株主還元の継続:配当と自社株買いを組み合わせて資本効率を高める
同社の戦略は、従来の店舗小売中心モデルから、住宅関連の幅広い支出を取り込むモデルへ進化しています。2025年度にはADGとFBMの買収により、プロ向け流通、内装、設計、施工関連サービスの取り込みを進めました。これにより、ロウズはDIY需要だけでなく、プロ顧客・住宅建設・修繕需要の取り込みを強めています。[6]
配当性向の健全性と事業多様化
ロウズの配当性向は、2008年以降おおむね健全な範囲で推移してきました。2025年度は、希薄化EPS11.85ドルに対して年間配当4.75ドルで、配当性向は約40%です。2026年度は会社側の調整後希薄化EPSガイダンス中央値12.50ドルと年換算配当4.80ドルを前提にすると、配当性向は約38%です。[2]
住宅関連小売は景気循環や金利の影響を受けやすい業種ですが、配当性向が40%前後にとどまっているため、現時点では配当支払いに一定の余裕があります。ただし、2025年度は大型買収により投資CFが大きく増加しており、今後は買収後の統合、債務負担、住宅市場の回復ペースをあわせて確認する必要があります。
財務パフォーマンスと成長見通し
以下の表では、売上高、営業CF、純利益はM$(百万ドル)単位、営業CFマージン(表記は同マージン)は%単位で表示しています。
主要財務指標の推移
| 年度 | 売上高 | 営業CF | 同マージン | 純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2026 Q1 | 23,078 | 3,350 | 15 | 1,628 |
| 2026E | 93,000* | 未定 | — | 約6,700〜6,900* |
| 2025 | 86,286 | 9,864 | 11 | 6,654 |
| 2024 | 83,674 | 9,625 | 12 | 6,957 |
| 2023 | 86,377 | 8,140 | 9 | 7,726 |
| 2022 | 97,059 | 8,589 | 9 | 6,437 |
| 2021 | 96,250 | 10,113 | 11 | 8,442 |
| 2020 | 89,597 | 11,049 | 12 | 5,835 |
| 2019 | 72,148 | 4,296 | 6 | 4,281 |
| 2018 | 71,309 | 6,193 | 9 | 2,314 |
| 2017 | 68,619 | 5,065 | 7 | 3,447 |
| 2016 | 65,017 | 5,617 | 9 | 3,093 |
| 2015 | 59,074 | 4,784 | 8 | 2,546 |
| 2014 | 56,223 | 4,929 | 9 | 2,698 |
| 2013 | 53,417 | 4,111 | 8 | 2,286 |
| 2012 | 50,521 | 3,762 | 7 | 1,959 |
| 2011 | 50,208 | 4,349 | 9 | 1,839 |
| 2010 | 48,815 | 3,852 | 8 | 2,010 |
| 2009 | 47,220 | 4,054 | 9 | 1,783 |
| 2008 | 48,230 | 4,122 | 9 | 2,195 |
*2026Eの売上高は会社側ガイダンス920億〜940億ドルの中央値、純利益は調整後EPSガイダンス中央値12.50ドルと2026年度第1四半期の希薄化後平均株式数560百万株を参考にした概算です。2026年度の通期実績ではありません。2026 Q1は2026年5月1日終了四半期の実績です。
2026年度第1四半期:買収効果とオンライン成長で増収
2026年度第1四半期(2026年5月1日終了)は、売上高が230.78億ドルとなり、前年同期の209.30億ドルから増加しました。純利益は16.28億ドル、希薄化EPSは2.90ドルで、前年同期のEPS2.92ドルから小幅に低下しました。一方、ADGとFBM買収関連費用96Mドルを除いた調整後希薄化EPSは3.03ドルでした。[2]
既存店売上高は0.6%増、オンライン売上は15.5%増でした。会社は、春商戦の実行力、Pro、Appliances、Online、Home Servicesの好調を要因に挙げています。住宅市場のマクロ環境は厳しいままですが、2026年度第1四半期で4四半期連続の既存店売上増となった点は、短期的な底堅さを示しています。[2]
住宅市場正常化とTotal Home戦略の推進
ロウズの業績は、パンデミック期の住宅関連特需が一巡した後の正常化局面にあります。2025年度通期の売上高は862.86億ドルで、2024年度の836.74億ドルから増加しました。ただし、これはADGとFBMの買収効果も含むため、既存店ベースの成長だけで見る必要があります。2026年度見通しでは、売上高920億〜940億ドル、既存店売上高は横ばい〜2%増、調整後希薄化EPSは12.25〜12.75ドルが示されています。[2]
経営陣は、住宅市場のマクロ環境は引き続き厳しいとしつつも、Pro、オンライン、ホームサービスの成長を重視しています。2026年度第1四半期も、Pro、Appliances、Online、Home Servicesが成長の支えとなりました。[2]
戦略的M&Aによるプロ事業強化
2025年度のM&Aは、Total Home戦略の中核に位置づけられます。Artisan Design Group(ADG)の買収完了は、新築住宅・内装分野での設計、流通、施工サービスの強化につながります。Foundation Building Materials(FBM)の買収完了は、乾式壁、断熱材、天井材、商業ドアなどの建材流通を通じて、大口プロ顧客向けの提案力を広げるものです。[6]
2025年度の連結財務諸表では、ADGとFBMの業績は「Other」セグメントとして表示されています。2025年度のOtherセグメント売上高は22.08億ドルで、全体売上高の2.6%でした。2026年度第1四半期には、買収関連の無形資産償却等により96Mドルの税前費用を認識しています。買収の通年寄与は2026年度以降により大きく反映されるため、プロ事業の拡大が売上・利益率にどの程度寄与するかが今後の確認点です。[2][6]
財務構造の健全化と資本効率の改善
ロウズは長年にわたり積極的な株主還元を行ってきたため、株主資本がマイナスとなる局面が続いています。これは単純な自己資本比率だけでは評価しにくい財務構造であり、同社を見る際には営業キャッシュフロー、債務水準、利払い負担、株主還元の持続性をあわせて確認する必要があります。
2025年度の営業キャッシュフローは98.64億ドルで、2024年度の96.25億ドルから増加しました。一方、2025年度の投資CFは122.64億ドルの支出となり、うち事業買収が100.88億ドルを占めています。2025年度の財務CFは16.21億ドルの流入で、債務発行による資金調達が買収資金を支えた形です。[7]
2026年度第1四半期は、営業キャッシュフロー33.50億ドル、投資CFは5.01億ドルの支出、財務CFは30.45億ドルの支出でした。同四半期には、配当6.74億ドル、自社株買い3.63億ドルを実施しています。2026年5月1日時点の総資産は549.41億ドル、総負債は642.11億ドル、株主資本はマイナス92.70億ドルです。[8]
まとめ:戦略転換期のロウズの投資価値
ロウズは、住宅関連小売業界の大手として54年連続増配という希少な実績を持ちながら、現在は「高水準の株主還元」と「Total Home戦略による持続的成長」のバランスを調整する局面にあります。2025年度はADGとFBMの買収により、プロ顧客向け事業の拡大を大きく進めました。一方で、住宅市場は高金利や住宅取引停滞の影響を受けやすく、短期的な成長率には慎重さも必要です。
現在のロウズの強みは以下の点にあります。
- 54年連続増配という米国小売業界屈指の配当記録
- 2008年から2025年度にかけての高い配当成長実績
- 2025年度の配当性向が約40%にとどまる配当余力
- 2026年度見通しベースでも配当性向が約38%に収まる見込み
- 全米規模の店舗網、配送網、ブランド力
- Total Home戦略による住宅ライフサイクル全体への対応力強化
- ADG・FBM買収によるプロ事業の拡大
- 2026年度第1四半期に既存店売上が0.6%増、オンライン売上が15.5%増となった点
- 2026年度の売上高920億〜940億ドル、調整後EPS12.25〜12.75ドルの見通し
一方で、注意すべき点としては以下があります。
- 住宅市場の金利感応性による売上変動リスク
- 高金利、住宅価格高止まり、住宅取引低迷による大型リフォーム需要の停滞
- Home Depotとのプロ市場をめぐる競争継続
- ADG・FBM買収後の統合リスクと投資回収の不確実性
- 2025年度に事業買収で100.88億ドルを支出したことによる財務負担
- 2026年度第1四半期に買収関連費用96Mドルを認識しており、短期的には利益率の重しになる点
- 在庫・物流コストの変動やサプライチェーンリスク
- 関税・輸入コスト・消費者購買力の変化による利益率圧迫リスク
よくある質問
ロウズの配当削減リスクはどの程度ありますか?
2026年5月時点では、配当削減リスクは高いとは考えにくいです。2025年度の配当性向は約40%、2026年度の調整後EPSガイダンス中央値を使った想定配当性向は約38%であり、利益に対して配当は十分にカバーされています。ただし、住宅市場の急激な悪化、買収統合の失敗、利払い負担の増加が重なれば、増配ペースが鈍化する可能性はあります。
Total Home戦略は従来のビジネスモデルとどう違うのですか?
Total Home戦略は、従来の「店舗小売中心」から、「新築・改修・メンテナンスまで住宅ライフサイクル全体のソリューション提供」へと事業の取り込み範囲を広げる取り組みです。ADGは内装仕上げ・設計・施工、FBMは建材流通を担い、ロウズのプロ顧客向け提案力を広げる役割を持ちます。
住宅市場の金利上昇はロウズにどのような影響を与えますか?
金利上昇局面では、住宅購入や大型リフォームの需要が鈍化しやすくなります。一方で、既存住宅の修繕・メンテナンス需要は比較的底堅く残ることがあります。ロウズはプロ市場、オンライン、ホームサービス、買収したADG・FBMの活用により、DIY需要だけに依存しない収益構造を目指しています。
【注】(出典リンク)
- 2026年3月配当宣言・2025年増配 → 一次情報:Lowe’s Companies, Inc. Declares Cash Dividend → Lowe’s Announces Increase in Quarterly Cash Dividend(確認日:2026-05-23) ↩
- 2026年度第1四半期決算・2026年度見通し → 一次情報:Lowe’s Reports First Quarter 2026 Sales and Earnings Results → Lowe’s Q1 2026 Press Release PDF(確認日:2026-05-23) ↩
- 株価・配当利回り計算 → 参考情報:Yahoo Finance Historical Data → Google Finance LOW(2026年5月22日終値215.03ドル、年換算配当4.80ドルを前提に当サイトで算出、確認日:2026-05-23) ↩
- 平均株価 → 参考情報:Macrotrends – Lowe’s Annual Average Stock Price(確認日:2026-05-23) ↩
- 2025年配当引き上げ・54年連続増配 → 一次情報:Lowe’s Announces Increase in Quarterly Cash Dividend(確認日:2026-05-23) ↩
- ADG・FBM買収とプロ事業強化 → 一次情報:Lowe’s Completes Acquisition of Artisan Design Group → Lowe’s Completes Acquisition of Foundation Building Materials(確認日:2026-05-23) ↩
- 2025年度キャッシュフロー・買収支出 → 一次情報:Lowe’s 2025 Form 10-K → Lowe’s 2025 Q4決算リリース(確認日:2026-05-23) ↩
- 2026年度第1四半期キャッシュフロー・貸借対照表 → 一次情報:Lowe’s Q1 2026決算リリース → Lowe’s Q1 2026 Press Release PDF(確認日:2026-05-23) ↩
::contentReference[oaicite:1]{index=1}

