LIN(リンデ)今後の見通し

株価•決算,素材

リンデ(Linde plc)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

直近決算

LIN(リンデ)は5月1日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想4.27$→結果4.33$
・売上高:予想86億$→結果87.8億$(前年同期比+8%)
★ガイダンス
《四半期》
・EPS:予想4.45$→結果4.4~4.5$
《通年》
・EPS:予想17.84$→結果17.6~17.9$
★出所
IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。

企業概要

リンデ(Linde plc, Nasdaq: LIN)は、世界最大級の産業用ガス企業として、幅広い分野にガスと関連技術を提供しています。事業は「Americas/EMEA(欧州・中東・アフリカ)/APAC(アジア太平洋)の各ガス事業」と「Engineering(プラント・エンジニアリング)」を中心に構成され、ガス供給(オンサイト/パイプライン、バルク、シリンダー)からプラント設計・建設まで一貫して対応します。2025年通期の売上高は339.86億ドル、営業利益は89.23億ドル、調整後営業利益は101.37億ドルでした。[1]

同社は80超の国・地域で事業を展開し、ヘルスケア、化学・エネルギー、食品飲料、金属・鉱業、製造業、エレクトロニクスなど多様な顧客基盤を持ちます。登記上の本店所在地はアイルランド・ダブリンで、主要執行拠点は英国サリー州ウォーキングおよび米国コネチカット州ダンベリーにあります(2025年Form 10-K時点)。[2]

その事業分野は以下の通りです。

大気ガス:酸素、窒素、アルゴン、希ガスなどの製造・供給(空気分離)。鉄鋼、化学、医療、食品、エレクトロニクスなど幅広い用途で使われます。2025年Form 10-Kでは、大気ガスとプロセスガスを中核製品とし、地域別に製造・販売・顧客関係を管理していると説明されています。[3]

プロセスガス:水素、ヘリウム、二酸化炭素、一酸化炭素、電子ガス、特殊ガス、アセチレン等の製造・供給。クリーン水素やCO2回収・活用と連携する案件も拡大しています。例として、2024年にはDowのPath2Zero向けカナダ案件で20億ドル超の投資を伴うクリーン水素供給契約を発表し、2025年には米ルイジアナ州の大規模低炭素アンモニア施設向けに長期産業ガス供給契約を締結しました。[4][5]

エンジニアリング・プロセス技術:ガス製造プラント(空気分離・水素・合成ガス・ヘリウム等)の設計・建設。空気分離、水素、合成ガス、オレフィン、天然ガス処理などの分野に強みを持ち、CO2の回避・回収・利用に関わる技術も提供します。2025年通期のEngineering売上高は22.50億ドル、営業利益は4.08億ドルでした。[6]

製造装置および関連技術:医療ガス機器、供給設備、コーティング・アプリケーション、ガス利用技術などを、地域ガス事業やEngineeringと一体で提供します。2025年通期の売上構成を供給方式別に見ると、シリンダー等のPackaged Gasが118.53億ドル(35%)、Merchant(バルク)が101.59億ドル(30%)、On-Siteが80.83億ドル(24%)、Engineering等を含むOtherが38.91億ドル(11%)でした。[7]

リンデは、独Linde AGと米Praxairの対等合併(2018年完了)により誕生しました。米連邦取引委員会(FTC)による承認条件の下、米国・カナダ・ブラジルなどで一部資産の売却を行ったうえで、2018年10月に経営統合を完了しています。[8][9]

最近の業績(最新):2025年通期は、価格改定と生産性改善により利益率・資本効率を改善しました。売上高は339.86億ドル(前年比3%増)、調整後営業利益は101.37億ドル(同4%増)、調整後営業利益率は29.8%、調整後EPSは16.46ドルでした。2026年Q1は、売上高87.81億ドル(前年同期比8%増)、営業利益24.39億ドル、調整後営業利益26.30億ドル、調整後EPS4.33ドルでした。2026年通期の調整後EPS見通しは17.60〜17.90ドルへ引き上げられています。[10][11]

ミニ解説:リンデの強みは、オンサイト・パイプライン供給などの長期契約、地域密着の供給網、幅広い産業分散、価格転嫁力、生産性改善にあります。2025年通期時点では、契約上の将来最低購入義務やプラント販売に関連する残存履行義務が約620億ドルあり、長期契約の厚みが収益の安定性を支えています。2026年Q1も、AmericasとAPACでは電子、製造、金属・鉱業、化学・エネルギー向けが増収を支えた一方、EMEAでは化学・エネルギーや製造業向けの数量減が残っており、地域別の強弱を見分ける必要があります。[12]

【注】(出典リンク)

  1. 事業構成・2025年通期業績・セグメント概要 → Linde Form 10-K(2025年12月期)Linde Financial Reports(確認日:2026-05-10)
  2. 事業国数・本店所在地・主要執行拠点 → Linde Form 10-K(2025年12月期)Linde About Us(確認日:2026-05-10)
  3. 大気ガス・プロセスガスの製品分類 → Linde Form 10-K(2025年12月期)(確認日:2026-05-10)
  4. カナダ・アルバータのクリーン水素設備(Dow Path2Zero向け、20億ドル超投資) → Linde Press Release(2024年8月27日)Reuters(2024年8月27日)(確認日:2026-05-10)
  5. 米ルイジアナ低炭素アンモニア施設向け長期供給契約 → Linde Press Release(2025年6月23日)(確認日:2026-05-10)
  6. Engineering事業の内容・2025年通期売上高と営業利益 → Linde Form 10-K(2025年12月期)Linde Engineering Press Release(2025年2月4日)(確認日:2026-05-10)
  7. 供給方式別売上構成(Packaged Gas/Merchant/On-Site/Other、2025年通期) → Linde Form 10-K(2025年12月期)(確認日:2026-05-10)
  8. PraxairとLinde AGの経営統合完了(2018年) → Linde Press Release(2018年10月31日)(確認日:2026-05-10)
  9. 米FTCの承認条件(一部資産売却等) → FTC Press Release(2018年10月22日)(確認日:2026-05-10)
  10. 2025年通期業績・2026年初期見通し → Linde Full-Year and Fourth-Quarter 2025 ResultsLinde公式リリース(確認日:2026-05-10)
  11. 2026年Q1業績・2026年通期調整後EPS見通し → Linde First-Quarter 2026 ResultsReuters(2026年5月1日)(確認日:2026-05-10)
  12. 長期契約・残存履行義務・2026年Q1地域別動向 → Linde Form 10-K(2025年12月期)Linde First-Quarter 2026 Results(確認日:2026-05-10)

四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果

最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。

売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。

(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。

【出典】

Posted by 南 一矢