レイ・ダリオのポートフォリオ(保有銘柄を一覧)

政治経済

レイ・ダリオとブリッジウォーター – 最新情報2025年10月版

レイ・ダリオ(Ray Dalio)は米国の投資家であり、世界最大級のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者です。彼の歩みと投資哲学、そして同社の最新動向と公開株式ポジション(13F)を概観します。

レイ・ダリオの歩み

Ray Dalio

※写真出所はWIKI

1949年8月8日にニューヨークで生まれ、ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得後、いくつかの金融会社で経験を積みました。その後、既存の組織文化に馴染めず、1975年に自宅のアパートの一室からブリッジウォーター・アソシエイツを設立します。

ブリッジウォーターは、長短の債務サイクルを含むマクロ経済の因果関係を体系化し、アルゴリズム化した「マシーン(機械)」により意思決定を行う「グローバルマクロ」戦略で知られます。社内文化は「徹底的な真実と徹底的な透明性」を掲げ、意思決定のメカニズムに組み込まれてきました。[1]

同社は「ピュア・アルファ」や「オール・ウェザー」などの戦略で、市場全体と低相関のリターンを目指して拡大。ダリオ氏は2017年に著書『PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則』を出版し、経営と投資の原則を広く共有しました。

経営移行:同社は段階的に創業者主導から次世代体制へ移行し、2022年10月4日にダリオ氏からオペレーティング・ボードへの支配権移管を完了。ダリオ氏は共同CIOからも退きました。[2]

【最新】2025年7月31日付で、ダリオ氏は保有していた最終持分を売却し、取締役会からも退任。創業から約50年を経て、ブリッジウォーターとの資本関係と経営上の関与を完全に終了しました。[3][4]

現在の体制(2025年10月時点):CEOはニア・バー・ディア(Nir Bar Dea)。投資は共同CIOのカレン・カルニオル=タンブール、ボブ・プリンス、グレッグ・ジェンセンらが担います(同社「People」および取締役会ページに基づく)。[5][6]

資産運用について

レイ・ダリオは、リスクパリティの概念を基にした「オールウェザー(全天候型)」戦略の提唱者として知られています。これは、経済がどのような状況(好景気、不景気、インフレ、デフレ)にあっても、安定したリターンを目指す分散投資戦略です。[7]

トニー・ロビンズの著書で紹介された、個人投資家向けの簡略化されたモデル配分は以下の通りです。[7]

  • 株式 (S&P 500など): 30%
  • 長期米国債 (20-25年): 40%
  • 中期米国債 (7-10年): 15%
  • 金 (ゴールド): 7.5%
  • コモディティ (商品): 7.5%

この配分の特徴は、株式よりボラティリティの低い債券の比率を厚くすることで、ポートフォリオ全体のリスクバランスを最適化する点にあります。

保有株式ポートフォリオ(13F・参考)

【重要】以下は米SECに提出されたForm 13Fに基づく、2025年6月30日時点(提出日:2025年8月13日)の「米国上場株式ロング」ポジションです。通貨・債券・コモディティ・デリバティブ・ショート等は含まれず、同社全体の戦略を表すものではありません[8]

順位 銘柄名 (ティッカー) ポートフォリオ比率(13F内)
1 SPDR S&P 500 ETF (SPY) 約 5.3%
2 iShares Core S&P 500 ETF (IVV) 約 5.2%
3 NVIDIA Corp (NVDA) 約 4.1%
4 iShares Core MSCI Emerging Markets ETF (IEMG) 約 4.0%
5 Alphabet Inc. Class A (GOOGL) 約 3.3%
6 Alibaba Group (BABA) 約 3.0%
7 Procter & Gamble Co (PG) 約 2.5%
8 Meta Platforms Inc. (META) 約 2.3%
9 Johnson & Johnson (JNJ) 約 2.2%
10 Microsoft Corp (MSFT) 約 2.0%

※比率は13F提出(2025年8月13日提出、2025年6月30日時点)の公表値の範囲で概数を記載。13Fは「米国上場株式のロング」に限定され、同社全体のポジションを示すものではありません。[8]

最近の動向

運用成績(直近):ブリッジウォーターの旗艦「Pure Alpha」は2024年通年で+11.3%を記録。2025年は年初来も堅調との報道が続いています(2025年10月初旬報道)。[11][12]

組織・人事:2023–2025年にかけて業務再編や人員最適化、機能の都心分散(マンハッタン拠点整備)などの動きが確認されています。[13]

ミニ解説:13Fは「米国上場株式のロング」だけを四半期ごとに開示する制度です。ブリッジウォーターの本質は通貨・金利・コモディティ・デリバティブ等を組み合わせたマクロ戦略にあり、13Fだけでは全体像を把握できません。[8]

【注】(出典リンク)

  1. 文化・原則(同社公式の説明) → Bridgewater: Culture(一次) (確認日:2025-10-20)
  2. 支配権移管の完了(2022-10-04) → Bridgewater: Completed Transition(一次)/参考報道 → Bloomberg(二次) (確認日:2025-10-20)
  3. 最終持分売却と取締役退任(2025-07-31の投資家向け書簡報道) → Reuters(二次) (確認日:2025-10-20)
  4. 最終持分売却・ボード退任(速報の追補) → Markets Group(二次) (確認日:2025-10-20)
  5. 現行の役員・人事(People) → Bridgewater: People(一次)/CEOプロフィール → Nir Bar Dea(一次) (確認日:2025-10-20)
  6. オペレーティング・ボード構成 → Operating Board(一次) (確認日:2025-10-20)
  7. オール・ウェザー配分(個人投資家向け簡略版の紹介) → Forbes(2016)(二次) (確認日:2025-10-20)
  8. 13F(EDGAR・一次情報の入口) → SEC EDGAR Company Search(一次) (確認日:2025-10-20)
  9. Q2 2025 13Fの集計値(上位・比率等) → 13f.info(集計)(二次)/ HedgeFollow(二次) (確認日:2025-10-20)
  10. 保有銘柄の増減内訳(参考) → HoldingsChannel(二次) (確認日:2025-10-20)
  11. 運用成績:2024年 +11.3% 等 → Reuters(2025-04-01)(二次)/ Hedgeweek(二次) (確認日:2025-10-20)
  12. 2025年の足元動向(年初来堅調との報道) → Bloomberg(2025-10-02)(二次)/ Institutional Investor(2025-10-01)(二次) (確認日:2025-10-20)
  13. 再編・人員最適化等の報道 → CTInsider(2025-01)(二次) (確認日:2025-10-20)

Posted by 南 一矢