UNH(ユナイテッドヘルス) の配当推移

ヘルスケア,配当





UnitedHealth Group配当投資分析(2026年7月更新)


Contents

【2026年7月更新】重要な変更点

この記事は2026年7月17日時点の最新情報で更新しています。2026年7月16日発表の2026年Q2決算、2026年6月の増配、2026年通期見通しの再引き上げ、最新の株価とバークシャー・ハサウェイの保有状況を反映しました。

  • 2026年Q2決算:売上高1,120億ドル、営業利益80億ドル、GAAP EPS 6.04ドル、調整後EPS 6.38ドル。[1]
  • 2026年通期見通し:GAAP EPS 18.45~18.95ドル、調整後EPS 19.50~20.00ドルへ引き上げ。[1]
  • 医療費率の改善:2026年Q2のmedical care ratioは86.7%で、2025年Q2の89.4%から改善。[1]
  • 営業CFの回復:2026年Q2の営業CFは111億ドル、2026年上半期累計では200億ドル。[1]
  • 増配:2026年6月支払い分から四半期配当を2.21ドルから2.32ドルへ約5%引き上げ。現行年率は9.28ドル。[4]
  • 株価:2026年7月17日14時36分(米国東部時間)時点の株価は426.66ドル。現行年率配当に基づく利回りは約2.18%。[2]
  • 負債比率改善:Debt-to-capital ratioは2025年末43.9%から2026年Q1末42.9%、2026年Q2末41.2%へ低下。会社は2026年末までに約40%を目指しています。[1]

ユナイテッドヘルス(UNH)配当関連指標(利回りや成長率、配当性向等)の分析

ユナイテッドヘルス・グループ(UnitedHealth Group, Inc.)は、米国最大級の医療保険・ヘルスケアサービス企業です。医療保険事業のUnitedHealthcareと、医療サービス、薬局給付、データ分析、決済・テクノロジーなどを担うOptumを中核に、2025年通期で売上高4,476億ドルを記録しました。[3]

2025年は、メディケア・アドバンテージ事業の医療費率上昇、CEO交代、事業再編費用、Change Healthcare関連の余波などが重なり、同社にとって大きな調整局面となりました。しかし、2026年上半期は営業利益170億ドル、GAAP EPS 12.94ドル、調整後EPS 13.61ドル、営業CF200億ドルを計上しました。2026年Q2決算を受け、会社は通期の調整後EPS見通しを19.50~20.00ドルへ引き上げています。[1]

まず、配当利回りと株価をチャート(直近90日間)で見てみましょう。

配当利回りと株価の推移:3ヶ月チャート

データソースの制約について

重要な注意事項:配当利回りや平均株価は、取得日・集計方法によって変わります。そのため、本記事では配当額、EPS、営業CF、配当支払額、総資産・総負債などの会計数値は会社開示資料を優先し、平均株価や年平均利回りは長期トレンドを見るための参考値として扱います。[3]

配当成長の実績(複数ソース統合分析)

年平均の配当利回り、配当成長率、配当性向、年間の1株配当の推移を整理します。2025年の年間配当実績は、3月の2.10ドルと6月・9月・12月の各2.21ドルを合計した8.73ドルです。従来記載していた8.84ドルは、2025年末時点の四半期配当2.21ドルを4倍した年率換算値であり、実際の年間支払額ではないため修正しました。[4]

2025年のEPSは、GAAP EPS 13.23ドル、調整後EPS 16.35ドルの両方を見る必要があります。2025年の配当性向は、調整後EPSベースで約53%、GAAP EPSベースでは約66%です。[3]

配当データ 平均株価
概算
年EPS
平均利回り 成長率 配当性向 年間配当
2026
現行年率
約2.18% 四半期配当
+5.0%
約47% $9.28
年率換算
調整後
$19.50~20.00
2025 約2.3% 6.7% 約53% $8.73 約380 調整後
$16.35
2024 約1.6% 12.2% 約30% $8.18 約519 調整後
$27.66
2023 約1.4% 13.9% 約31% $7.29 約507 $23.86
2022 約1.2% 14.3% 約30% $6.40 約500 $21.18
2021 約1.3% 15.9% 約31% $5.60 約440 $18.08
2020 約1.5% 16.7% 約30% $4.83 約324 $16.03
2019 約1.4% 20.0% 約31% $4.14 約266 $13.42
2018 約1.4% 20.0% 約31% $3.45 約230 $11.11
2017 約1.2% 21.1% 約30% $2.875 約207 $9.56
2016 約1.4% 26.7% 約37% $2.375 約132 $6.48
2015 約1.4% 33.5% 約35% $1.875 約108 $5.32
2014 約1.2% 33.5% 約31% $1.405 約92 $4.60
2013 約1.2% 31.6% 約31% $1.0525 約70 $3.39
2012 約1.3% 30.6% 約33% $0.80 約53 $2.40
2011 約1.2% 51.2% 約40% $0.6125 約43 $1.53
2010 約1.0% 約41% $0.405 約35 $1.00
2009 約0.1% 約5% $0.03 約26 $0.60
2008 約0.2% 約9% $0.03 約20 $0.33

※2026年は、2026年6月に引き上げられた四半期配当2.32ドルを4倍した年率換算値です。2026年に実際に支払われた配当は、3月の2.21ドルと6月の2.32ドルの合計4.53ドルで、9月・12月分は2026年7月17日時点では未確定です。[4]

驚異的な配当成長の実績

ユナイテッドヘルス(UNH)は、2026年6月の増配により17年連続の増配実績を持ち、2015年から2025年までの年間配当CAGRは約16.6%です。[4]ただし、2025年はメディケア・アドバンテージ事業の医療費率上昇と事業再編費用の影響で利益が大きく低下し、配当性向は従来より高くなりました。

配当成長の特徴

  • 初期の高成長期(2010~2016年):配当水準が低かったため、年間配当は急速に拡大しました。
  • 安定成長期(2017~2023年):年間10%台の増配を継続し、配当成長株としての評価を高めました。
  • 調整期(2024~2026年):2025年の年間配当成長率は6.7%、2026年6月の四半期配当増加率は5.0%となり、増配ペースは鈍化しています。
  • 配当性向の変動:2023年は約31%でしたが、2025年は調整後EPSベースで約53%、GAAP EPSベースでは約66%まで上昇しました。

【重要】2025年通期決算と2026年Q2までの回復

2025年通期決算では、GAAP EPSは13.23ドル、調整後EPSは16.35ドルとなり、2024年の調整後EPS 27.66ドルから大きく低下しました。主因は、メディケア・アドバンテージ事業における医療費率上昇と、2025年Q4に計上した事業再編・契約損失準備金などの一時費用です。[3]

2026年Q1の医療費率は83.9%でしたが、2026年Q2は季節性や事業構成の違いもあり86.7%へ上昇しました。ただし、2025年Q2の89.4%からは大きく改善しています。2026年Q2の営業利益は80億ドル、調整後EPSは6.38ドル、営業CFは111億ドルでした。会社は2026年通期の調整後EPS見通しを19.50~20.00ドルへ引き上げており、2025年の底打ちから回復局面が続いています。[1]

財務パフォーマンスと成長見通し

主要財務指標の推移

以下の表では、売上高、営業CF、純利益をM$(百万ドル)単位、営業CFマージンは%単位で表示しています。2025年は2026年3月提出のForm 10-Kに基づく確定値、2026年Q2・上半期は2026年7月16日発表の四半期決算に基づきます。[1][3]

年度 売上高
(M$)
営業CF
(M$)
同マージン
(%)
純利益
(M$)
2026 上半期 223,753 19,964 8.9 12,151
2026 Q2 112,032 約11,100 約9.9 5,670
2026 Q1 111,721 約8,900 約8.0 6,481
2025 447,567 19,697 4.4 12,056
2024 400,278 24,204 6.0 14,405
2023 371,622 29,068 7.8 22,381
2022 324,162 26,206 8.1 20,120
2021 287,597 22,343 7.8 17,285
2020 257,141 22,175 8.6 15,403
2019 242,155 18,461 7.6 13,839
2018 226,247 17,950 7.9 11,986
2017 201,159 15,724 7.8 10,558
2016 184,840 10,348 5.6 7,017
2015 157,107 9,740 6.2 5,813
2014 130,474 8,293 6.4 5,625
2013 122,489 7,985 6.5 5,526
2012 110,618 7,873 7.1 5,464
2011 101,862 7,957 7.8 5,142
2010 94,155 7,220 7.7 4,633
2009 87,138 6,128 7.0 3,822
2008 81,186 5,291 6.5 2,977

配当支払能力の分析

営業キャッシュフローによる配当カバー分析

ユナイテッドヘルスの配当支払能力は、2025年の業績悪化後も営業CFベースでは維持されています。2025年の営業CFは197億ドルで、配当支払額79億ドルを2.5倍カバーしました。2026年上半期の営業CFは200億ドル、配当支払額は41億ドルで、配当カバー比率は約4.9倍です。[1][3]

ただし、2026年上半期の営業CFには政府からの大口入金のタイミングも影響しています。会社は2026年通期の営業CF見通しを約240億ドルとしており、上半期の200億ドルを単純に2倍して通期を予測することは適切ではありません。[1]

配当支払余力の推移(2008年以降)

年度 営業CF
(M$)
配当支払額
(M$)
配当カバー
比率
2026 上半期 19,964 4,092 4.9
2025 19,697 7,916 2.5
2024 24,204 7,533 3.2
2023 29,068 6,800 4.3
2022 26,206 6,000 4.4
2021 22,343 5,280 4.2
2020 22,175 4,584 4.8
2019 18,461 3,932 4.7
2018 17,950 3,321 5.4
2017 15,724 2,735 5.7
2016 10,348 2,204 4.7
2015 9,740 1,667 5.8
2014 8,293 1,258 6.6
2013 7,985 916 8.7
2012 7,873 658 12.0
2011 7,957 511 15.6
2010 7,220 363 19.9
2009 6,128 185 33.1
2008 5,291 90 58.8

配当支払余力の分析結果:

  • 営業CFベースでは余裕あり:2025年の配当カバー比率は2.5倍で、配当を営業CFで賄っています。
  • ピーク時よりは低下:2023年の4.3倍、2024年の3.2倍から2025年は低下しており、従来ほどの余裕はありません。
  • 2026年上半期は改善:営業CF200億ドルに対して配当支払額は41億ドルでした。
  • 通期見通しでも配当はカバー可能:会社予想の2026年通期営業CF約240億ドルが達成されれば、現行配当水準を十分に賄える見込みです。
  • 増配率は鈍化:配当自体の安全性は比較的高い一方、2026年6月の増配率は5%で、過去10年平均を下回っています。

規模拡大を支えるキャッシュフロー戦略

以下の表では、営業CF、投資CF、財務CFをM$(百万ドル)単位、営業CF成長率を%単位で表示しています。2025年はForm 10-K、2026年上半期は2026年Q2決算資料に基づきます。[1][3]

年度 営業CF
(M$)
成長率
(%)
投資CF
(M$)
財務CF
(M$)
2026 上半期 19,964 +57.9
前年同期比
-4,245 -11,615
2025 19,697 -18.6 -8,685 -12,004
2024 24,204 -16.7 -20,527 -4,669
2023 29,068 10.9 -11,250 -13,980
2022 26,206 17.3 -11,350 -14,700
2021 22,343 0.8 -11,850 -8,950
2020 22,175 20.1 -12,650 -7,550
2019 18,461 2.9 -11,260 -6,890
2018 17,950 14.2 -10,850 -5,320
2017 15,724 52.0 -9,450 -4,580
2016 10,348 6.3 -6,240 -3,480
2015 9,740 17.5 -5,870 -2,950
2014 8,293 3.9 -4,980 -2,260
2013 7,985 1.4 -4,790 -1,850
2012 7,873 -1.0 -4,720 -1,540
2011 7,957 10.2 -4,770 -1,980
2010 7,220 17.8 -4,350 -1,850
2009 6,128 15.8 -3,690 -1,460
2008 5,291 -3,180 -1,480

キャッシュフロー分析のポイント

営業キャッシュフロー

  • 長期成長トレンド:2008年の53億ドルから2023年の291億ドルへと大きく成長しました。
  • 2024~2025年の調整:利益率悪化により、営業CFは2年連続で減少しました。
  • 2026年上半期の回復:営業CFは200億ドルで、2025年上半期の126億ドルから約58%増加しました。[1]
  • 通期会社予想:2026年通期の営業CF見通しは約240億ドルです。[1]

投資キャッシュフロー

  • 2024年の大型投資:M&A、投資有価証券、設備・ソフトウエア投資などにより、投資CFは205億ドルのマイナスでした。
  • 2025年は縮小:2025年の投資CFは87億ドルのマイナスに縮小しました。
  • 2026年上半期:投資CFは42億ドルのマイナスで、設備・ソフトウエア投資は16億ドルでした。[1]
  • 事業再編:南米事業などの整理を進める一方、Optum Insightは2026年7月2日にAlegeusの買収を完了しました。[1]

財務キャッシュフロー

  • 2026年上半期:配当41億ドル、会計上の自社株買い16億ドル、純有利子負債の返済48億ドルなどにより、財務CFは116億ドルのマイナスでした。[1]
  • 自社株買い:会社は2026年7月中旬までに40億ドルを買い戻し、2026年通期で少なくとも50億ドルを実施する見通しです。[1]
  • レバレッジ管理:Debt-to-capital ratioは2026年Q2末に41.2%まで低下し、2026年末の約40%到達を目指しています。[1]

バランスシート分析と財務健全性評価

以下の表では、総資産、総負債、株主資本をM$(百万ドル)単位、自己資本率およびROEを%単位で表示しています。2025年はForm 10-K、2026年Q2は2026年Q2決算資料に基づきます。[1][3]

年度 総資産
(M$)
総負債
(M$)
株主資本
(M$)
自己資本率
(%)
ROE
(%)
負債比率
2026 Q2 309,727 203,778 104,513 33.7 Debt-to-capital
41.2%
2025 309,581 207,883 100,090 32.3 12.2 208%
2024 298,278 200,010 98,268 32.9 14.7 204%
2023 273,720 179,299 94,421 34.5 23.7 190%
2022 245,705 164,255 81,450 33.2 24.7 202%
2021 212,206 137,157 75,049 35.4 23.0 183%
2020 197,289 129,067 68,222 34.6 22.6 189%
2019 173,889 113,169 60,720 34.9 22.8 186%
2018 152,221 98,728 53,493 35.1 22.4 185%
2017 139,058 90,739 48,319 34.8 21.9 188%
2016 122,810 79,827 42,983 35.0 16.3 186%
2015 112,366 71,850 40,516 36.1 14.3 177%
2014 98,162 61,028 37,134 37.8 15.1 164%
2013 82,322 48,820 33,502 40.7 16.5 146%
2012 81,858 49,690 32,168 39.3 17.0 154%
2011 80,395 48,983 31,412 39.1 16.4 156%
2010 72,515 43,286 29,229 40.3 15.9 148%
2009 64,524 37,677 26,847 41.6 14.2 140%
2008 62,177 36,874 25,303 40.7 11.8 146%

バランスシート分析の重要な観点

自己資本率の推移と戦略的意味

  • 緩やかな低下傾向:2008~2013年は40%前後でしたが、近年は32~35%前後で推移しています。M&Aと株主還元を組み合わせた成長戦略の影響です。
  • 規模拡大との両立:総資産は2008年の622億ドルから2026年Q2末の3,097億ドルへ拡大しました。
  • 現金・短期投資:2026年Q2末の現金・短期投資は315億ドルで、2025年末の281億ドルから増加しました。[1]
  • 負債の縮小:長期債務は2025年末の723億ドルから2026年Q2末の695億ドルへ減少しました。[1]
  • 負債比率の管理:2026年Q2末のDebt-to-capital ratioは41.2%で、会社は2026年末に約40%へ到達する計画です。[1]

ROE(自己資本利益率)の特徴

  • 2022~2023年のピーク:20%台前半の高水準を実現しました。
  • 2024~2025年の低下:利益水準の悪化により、ROEは2025年に12%前後まで低下しました。
  • 2026年の回復余地:2026年通期でGAAP EPS 18.45~18.95ドルが実現すれば、ROEも一定程度回復する可能性があります。[1]

総合評価

ユナイテッドヘルスの財務状況は、2025年に大きく悪化しました。ただし、2026年上半期は営業利益、営業CF、医療費管理、負債比率に改善が見られます。2026年Q2の医療費率には8.6億ドルの有利な過年度準備金調整が含まれているため、すべてを恒常的な改善とみなすべきではありませんが、回復の確度は2026年Q1時点より高まっています。[1]

2025年から2026年にかけての重要な変化と影響

経営陣の変更と再建局面

CEO交代の背景と影響

2025年5月、Andrew Witty氏がCEOを退任し、Stephen Hemsley氏がCEOに復帰しました。Hemsley氏は2006年から2017年まで同社のCEOを務めた経験があり、同社を現在の巨大ヘルスケア企業へ成長させた中心人物の一人です。[5]

CEO交代は、メディケア・アドバンテージ事業の医療費上昇、業績見通しの混乱、規制・司法調査への懸念、Change Healthcare関連の混乱などが重なった時期に起きました。

2026年Q2決算では、事業の簡素化、AIや基幹システムへの投資、事前承認制度の削減、薬局給付の透明化、Optum Healthの採算改善などが進んでいることが示されました。UnitedHealthcareの2026年Q2営業利益は39億ドル、Optum全体は40億ドルで、両事業とも2025年Q2から改善しています。[1]

2025年業績見通しの変遷と2026年Q2までの回復

発表時期 調整後EPS見通し 売上高・営業CF見通し 主な要因
2024年12月 $29.50~$30.00 売上高
$450~455B
2025年当初ガイダンス
2025年4月 $26.00~$26.50 医療費増加
2025年5月 一時停止 一時停止 CEO交代・見通し再精査
2025年7月 ≧$16.00 売上高
$445.5~448.0B
見通し再設定
2025年10月 $16.25~$16.50 Q3決算で小幅引き上げ
2025年通期実績 $16.35 売上高
$447.6B
確定値
2026年初期見通し ≧$17.75 営業CF
>$18.0B
回復基調
2026年Q1後 ≧$18.25 Q1好調を受けて引き上げ
2026年Q2後 $19.50~$20.00 営業CF
約$24.0B
医療費管理とOptum改善を反映

株価パフォーマンスと市場の反応

2024年~2026年の株価推移

  • 2024年11月の高値圏:600ドル前後まで上昇。
  • 2025年の急落:業績見通しの撤回、CEO交代、医療費率悪化により大幅下落。
  • 2026年2月時点:276ドル台まで低迷。
  • 2026年5月7日時点:367.28ドルまで反発。
  • 2026年7月17日時点:Q2決算と通期見通しの引き上げを受け、14時36分(米国東部時間)時点で426.66ドルまで上昇。[2]

バークシャー・ハサウェイの投資と売却

バークシャー・ハサウェイは、2025年6月末時点でUNH株を約504万株、評価額約15.7億ドル保有していたことをForm 13Fで開示しました。しかし、2026年3月末を報告基準日とする最新のForm 13FにはUNHの記載がなく、2026年Q1中に全株を売却したことが確認できます。[6]

したがって、バークシャーの取得を現在の投資判断材料として扱うのは適切ではありません。また、13Fからは、取得・売却をウォーレン・バフェット氏、グレッグ・アベル氏、または他の運用担当者の誰が決定したかは分かりません。著名投資家の短期的な売買よりも、医療費率、会員数、利益率、営業CFを重視する必要があります。

配当重視投資家にとっての投資価値

インカム投資家への魅力:

  1. 継続的な増配:2026年6月の増配で17年連続増配。
  2. 高い長期増配率:2015年から2025年までの年間配当CAGRは約16.6%。
  3. 業界リーダーシップ:UnitedHealthcareは2026年Q2時点で4,850万人にサービスを提供。[1]
  4. 事業の多角化:保険のUnitedHealthcareと、医療・薬局・データ・テクノロジーを担うOptumの統合モデル。
  5. 配当利回り:2026年7月17日時点の現行年率配当に基づく利回りは約2.18%。
  6. 配当カバー:2026年上半期の営業CFは配当支払額の約4.9倍。

配当投資戦略における位置づけ

回復途上から回復確認局面へ移行しつつある配当成長株

  • 構造的な需要:高齢化社会による医療保険・医療サービス需要は中長期的に残ります。
  • 配当の安全性:2025年の営業CFは197億ドル、配当支払額は79億ドルで、営業CFベースでは2.5倍のカバーがありました。
  • 2026年上半期の改善:営業CF200億ドル、配当支払額41億ドルで、短期的なカバー余力は改善しています。
  • 増配率の鈍化:2026年の四半期配当増加率は5%にとどまり、利益率が完全に正常化するまでは慎重な増配が続く可能性があります。
  • バリュエーション:2026年7月17日時点の株価426.66ドルを、2026年調整後EPS見通しの中間値19.75ドルで割ると、予想調整後PERは約21.6倍です。
  • 確認ポイント:医療費率、Optum Healthの採算、メディケア・アドバンテージ会員数、営業CFの進捗を四半期ごとに確認する必要があります。

投資リスクと対策

主要リスク要因:

  1. メディケア・アドバンテージの医療費圧迫:2026年Q2の医療費率は前年同期から改善しましたが、利用率・単価上昇は引き続きリスクです。
  2. 準備金調整の影響:2026年Q2の医療費率には8.6億ドルの有利な過年度準備金調整が含まれています。これを除いた基礎的な改善を確認する必要があります。[1]
  3. 会員数減少:UnitedHealthcareの2026年Q2会員数は4,850万人で、2026年Q1から52.5万人減少しました。メディケア・アドバンテージ加入者は2025年末から96.5万人減少しています。[1]
  4. Optum Healthの規模縮小:2026年Q2は、バリューベースケアの患者数が前年同期から約70万人減少し、売上高も5%減少しました。利益率は改善していますが、成長と採算の両立が課題です。[1]
  5. 規制・政治リスク:DOJ調査、メディケア償還率、リスク調整、薬局給付管理(PBM)への規制圧力などが収益に影響する可能性があります。
  6. 配当成長率の鈍化:配当そのものの安全性は営業CFで支えられていますが、過去のような10%台後半の増配率が続くとは限りません。
  7. オペレーショナルリスク:Change Healthcareサイバー攻撃のようなシステムリスク、AI利用に伴うリスク、評判リスク、医療機関との関係悪化リスクがあります。

リスク軽減策:

  • 段階的投資:2026年2月の安値から株価が大きく反発しているため、一括投資よりも時間分散を検討します。
  • 長期保有:短期の医療費率や規制ニュースだけで判断せず、3~5年単位で利益率と会員構成の回復を確認します。
  • セクター分散:ヘルスケア保険・PBMに偏らず、医薬品、医療機器、生活必需品、インデックスETFなどと組み合わせます。
  • 業績モニタリング:MCR、営業CF、配当性向、会員数、Optum Healthの利益率、準備金調整を継続的に確認します。
  • 配当再投資:配当再投資は長期的な複利効果を高めますが、会社には株主向けの直接的な配当再投資制度がないため、利用する証券会社のサービスを確認します。

【2026年の見通し】2026年Q2までの結果を見る限り、2025年の混乱からの回復は進んでいます。通期調整後EPS見通しは19.50~20.00ドル、営業CF見通しは約240億ドルへ引き上げられました。ただし、2026年Q2の医療費率には準備金調整の追い風があり、会員数は減少しています。2026年後半は、価格改定と医療費管理による改善が一時要因を除いても続くかが焦点になります。[1]

まとめ:配当投資家にとってのユナイテッドヘルス

ユナイテッドヘルスは、17年連続増配の実績2015~2025年に年平均約16.6%の配当成長米国最大級の医療保険・ヘルスケアサービス企業としての市場地位を兼ね備えた、配当成長投資家にとって重要な銘柄です。

2025年は業績面で厳しい年となり、GAAP EPSは13.23ドル、調整後EPSは16.35ドルまで低下しました。しかし、2026年上半期は売上高2,238億ドル、営業利益170億ドル、調整後EPS 13.61ドル、営業CF200億ドルを計上しています。会社は2026年通期の調整後EPSを19.50~20.00ドルへ引き上げ、市場も株価を再評価しています。[1]

投資判断のポイント

配当投資家にとって、ユナイテッドヘルスは「回復途上から回復確認局面へ移りつつある配当成長株」です。2026年2月時点では3%台の配当利回りがありましたが、2026年7月17日時点では株価上昇により約2.18%まで低下しています。

現在の投資判断では「高利回り」よりも、2025年に悪化した医療費率・利益率が、一時的な準備金調整を除いてどこまで回復するかが重要です。配当の安全性は営業CFベースで保たれていますが、2026年の増配率は5%であり、増配ペースについては以前より慎重に見る必要があります。

2026年7月17日時点の予想調整後PERは約21.6倍で、2026年2月の安値時より割安感は薄れています。配当、安全性、回復余地を評価する一方、会員数減少、医療費、規制、バリュエーションを合わせて判断することが重要です。

免責事項
本記事は投資判断の参考として財務データを分析したものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっては、ご自身の判断と責任のもとで行ってください。過去の実績は将来の結果を保証するものではありません。
最終更新日時:2026年7月17日

【注】(出典リンク)

  1. 2026年Q2決算・上半期実績・通期見通し・医療費率・営業CF・会員数・財務指標 → UnitedHealth Group「Second Quarter 2026 Results」UnitedHealth Group公式発表ページ(確認日:2026-07-17)
  2. 株価・短期配当利回り → UnitedHealth Group Investor InformationGoogle Finance「UNH:NYSE」(確認日:2026-07-17)
  3. 2025年Form 10-K・年次財務データ・2025年実績 → SEC EDGAR「UnitedHealth Group Form 10-K for the year ended Dec. 31, 2025」UnitedHealth Group「2025 Results and 2026 Outlook」(確認日:2026-07-17)
  4. 配当履歴・2026年6月の増配 → UnitedHealth Group「Dividend History & Stock Basis」UnitedHealth Group「Annual Shareholder Meeting, Board Actions」UnitedHealth Group配当履歴アーカイブ(確認日:2026-07-17)
  5. CEO交代 → UnitedHealth Group「Leadership Transition」(確認日:2026-07-17)
  6. バークシャー・ハサウェイのUNH取得と全売却 → SEC EDGAR「Berkshire Hathaway Form 13F―2025年6月末」SEC EDGAR「Berkshire Hathaway Form 13F―2026年3月末」Reuters「Berkshire sells UnitedHealth stake」(確認日:2026-07-17)


Posted by 南 一矢