UNH(ユナイテッドヘルス) の配当推移

ヘルスケア,配当






UnitedHealth Group(UNH)配当・業績・財務分析【2026年10月版】

Contents

【2026年10月更新】Q3決算・配当・財務の要点

この記事は2026年10月22日時点で確認できる一次資料に基づいて更新しました。2026年10月13日発表のQ3決算・1~9月累計実績、2026年9月支払い配当、2026年通期見通し、株価(10月20日米国市場終値)を反映しています。[1]

  • Q3売上高:1,126.94億ドルで、2025年Q3の1,131.61億ドルから約0.4%減少。[1]
  • Q3営業利益:65.63億ドル。前年同期の43.15億ドルから約52%増加。[1]
  • Q3 EPS:GAAP EPS 4.56ドル、調整後EPS 4.69ドル。2026年1~9月累計の調整後EPSは18.30ドル。[1]
  • 医療費率:Q3は88.4%(前年同期89.9%)。Q2の86.7%からは悪化し、6.10億ドルの有利な準備金調整が含まれます。[1]
  • 営業CF:Q3約51.23億ドル、2026年1~9月累計250.87億ドル。累計配当支払額61.70億ドルを約4.07倍カバー。[1]
  • 通期見通し:GAAP EPS 19.50ドル以上、調整後EPS 20.50ドル以上へ上方修正。[1]
  • 配当:直近の2026年9月22日支払い分は2.32ドル。現行年率9.28ドル、10月20日終値419.26ドルに対する利回りは約2.21%。[2][3]

ユナイテッドヘルス(UNH)配当関連指標(利回りや成長率、配当性向等)の分析

ユナイテッドヘルス・グループ(UnitedHealth Group, Inc.)は、医療保険を担うUnitedHealthcareと、医療サービス、薬局給付、データ・テクノロジーを担うOptumを中核とする米国の大手ヘルスケア企業です。2025年通期売上高は4,475.67億ドル、2026年1~9月累計売上高は3,364.47億ドルでした。[4][1]

2025年は医療費上昇、経営体制の変更、事業再編、Change Healthcare関連の影響により利益率が悪化しました。2026年1~9月累計は営業利益235.44億ドル、親会社株主帰属純利益158.74億ドル、GAAP EPS 17.50ドル、調整後EPS 18.30ドル、営業CF250.87億ドルへ回復しました。ただし、2026年Q3の売上高は前年同期比でわずかに減少し、加入者数も低下しています。[1]

まず、直近の株価と配当利回りを代表的な時点で比較します。株価は米国市場終値です。

配当利回りと株価の推移

データソースの制約について

重要な注意事項:配当利回りや平均株価は、取得日・集計方法によって変わります。そのため、本記事では配当額、EPS、営業CF、配当支払額、総資産・総負債などの会計数値は会社開示資料を優先し、平均株価や年平均利回りは長期トレンドを見るための参考値として扱います。[4]

配当成長の実績(複数ソース統合分析)

年平均の配当利回り、配当成長率、配当性向、年間の1株配当の推移を整理します。2025年の年間支払配当は8.73ドルです。2026年は3月に2.21ドル、6月と9月に各2.32ドルの支払いがあり、1~9月の合計は6.85ドル。現行四半期2.32ドルの4倍である9.28ドルは年率換算であり、2026年の実際の年間支払額とは区別します。[2]

2025年のEPSは、GAAP EPS 13.23ドル、調整後EPS 16.35ドルの両方を見る必要があります。2025年の配当性向は、調整後EPSベースで約53%、GAAP EPSベースでは約66%です。[4]

年 配当データ 平均株価
概算
年EPS
平均利回り 成長率 配当性向 年間配当
2026
現行年率
約2.21%
10/20終値基準
四半期配当
+5.0%
最大約45.3%
調整後予想EPS下限比
$9.28
年率換算
$419.26
10/20終値
調整後
≧$20.50
2026
1~9月実績
— — — $6.85
支払済み
— 調整後
$18.30
1~9月
2025 約2.3% 6.7% 約53% $8.73 約380 調整後
$16.35
2024 約1.6% 12.2% 約30% $8.18 約519 調整後
$27.66
2023 約1.4% 13.9% 約31% $7.29 約507 $23.86
2022 約1.2% 14.3% 約30% $6.40 約500 $21.18
2021 約1.3% 15.9% 約31% $5.60 約440 $18.08
2020 約1.5% 16.7% 約30% $4.83 約324 $16.03
2019 約1.4% 20.0% 約31% $4.14 約266 $13.42
2018 約1.4% 20.0% 約31% $3.45 約230 $11.11
2017 約1.2% 21.1% 約30% $2.875 約207 $9.56
2016 約1.4% 26.7% 約37% $2.375 約132 $6.48
2015 約1.4% 33.5% 約35% $1.875 約108 $5.32
2014 約1.2% 33.5% 約31% $1.405 約92 $4.60
2013 約1.2% 31.6% 約31% $1.0525 約70 $3.39
2012 約1.3% 30.6% 約33% $0.80 約53 $2.40
2011 約1.2% 51.2% 約40% $0.6125 約43 $1.53
2010 約1.0% — 約41% $0.405 約35 $1.00
2009 約0.1% — 約5% $0.03 約26 $0.60
2008 約0.2% — 約9% $0.03 約20 $0.33

※2026年は四半期配当2.32ドルを基準とする現行年率9.28ドルと、3月・6月・9月に支払われた合計6.85ドルを区別しています。2026年Q4も2.32ドルが支払われると仮定した場合の年間合計は9.17ドルですが、2026年10月22日時点でQ4配当は未宣言であり確定値ではありません。[2]

驚異的な配当成長の実績

ユナイテッドヘルス(UNH)は、2026年6月の増配で17年連続の増配となりました。2015年から2025年までの年間支払配当CAGRは約16.6%です。ただし2026年の四半期増配率は約5%と鈍化し、配当性向もかつてより高くなっています。[2]

配当成長の特徴:

  • 初期の高成長期(2010~2016年):配当水準が低かったため、年間配当は急速に拡大しました。
  • 安定成長期(2017~2023年):年間10%台の増配を継続し、配当成長株としての評価を高めました。
  • 調整期(2024~2026年):2025年の年間配当成長率は6.7%、2026年6月の四半期配当増加率は5.0%となり、増配ペースは鈍化しています。
  • 配当性向の変動:2023年は約31%でしたが、2025年は調整後EPSベースで約53%、GAAP EPSベースでは約66%まで上昇しました。

【重要】2025年通期決算と2026年Q3までの回復

2025年通期決算では、GAAP EPSは13.23ドル、調整後EPSは16.35ドルとなり、2024年の調整後EPS 27.66ドルから大きく低下しました。主因は、メディケア・アドバンテージ事業における医療費率上昇と、2025年Q4に計上した事業再編・契約損失準備金などの一時費用です。[4]

2026年Q1の医療費率は83.9%、Q2は86.7%、Q3は88.4%でした。Q3は前年同期の89.9%より改善していますが、Q2比では1.7ポイント上昇。さらにQ3の医療費率には約6.10億ドルの有利な準備金調整が含まれ、改善がすべて恒常的なものとは言えません。Q3の営業利益は65.63億ドル、調整後EPSは4.69ドル、営業CFは約51.23億ドルで、会社は通期調整後EPSを20.50ドル以上に上方修正しました。[1]

財務パフォーマンスと成長見通し

主要財務指標の推移

以下の表では、売上高・営業CF・純利益をM$(百万ドル)単位、営業CFマージンを%単位で表示します。過去の年次値は維持し、2026年Q3および1~9月累計は2026年10月13日公表のQ3決算資料(未監査)を使っています。[1][4]

年度 売上高
(M$)
営業CF
(M$)
同マージン
(%)
純利益
(M$)
2026 1~9月 336,447 25,087 7.5 16,451
2026 Q3 112,694 5,123 4.5 4,300
2026 上半期 223,753 19,964 8.9 12,151
2026 Q2 112,032 約11,100 約9.9 5,670
2026 Q1 111,721 約8,900 約8.0 6,481
2025 447,567 19,697 4.4 12,056
2024 400,278 24,204 6.0 14,405
2023 371,622 29,068 7.8 22,381
2022 324,162 26,206 8.1 20,120
2021 287,597 22,343 7.8 17,285
2020 257,141 22,175 8.6 15,403
2019 242,155 18,461 7.6 13,839
2018 226,247 17,950 7.9 11,986
2017 201,159 15,724 7.8 10,558
2016 184,840 10,348 5.6 7,017
2015 157,107 9,740 6.2 5,813
2014 130,474 8,293 6.4 5,625
2013 122,489 7,985 6.5 5,526
2012 110,618 7,873 7.1 5,464
2011 101,862 7,957 7.8 5,142
2010 94,155 7,220 7.7 4,633
2009 87,138 6,128 7.0 3,822
2008 81,186 5,291 6.5 2,977

配当支払能力の分析

営業キャッシュフローによる配当カバー分析

配当支払能力を評価するうえでは、利益だけでなく営業キャッシュフローと実際の配当支払額の対比が重要です。2025年の営業CF196.97億ドルは配当支払額79.16億ドルの約2.5倍でした。2026年1~9月累計は営業CF250.87億ドル、配当支払額61.70億ドルとなり、約4.07倍のカバーを確保しています。[1][4]

2026年1~9月の営業CFは前年同期の185.89億ドルから増加しました。ただし、入金・保険金支払のタイミングによる季節変動が大きく、2026年Q3単独の営業CFは約51.23億ドルでした。上半期の約200億ドルを単純年率換算する評価は避け、通期のキャッシュ創出を確認する必要があります。[1]

配当支払余力の推移(2008年以降)

年度 営業CF
(M$)
配当支払額
(M$)
配当カバー
比率
2026 1~9月 25,087 6,170 4.07
2026 Q3 5,123 2,078 2.47
2026 上半期 19,964 4,092 4.9
2025 19,697 7,916 2.5
2024 24,204 7,533 3.2
2023 29,068 6,800 4.3
2022 26,206 6,000 4.4
2021 22,343 5,280 4.2
2020 22,175 4,584 4.8
2019 18,461 3,932 4.7
2018 17,950 3,321 5.4
2017 15,724 2,735 5.7
2016 10,348 2,204 4.7
2015 9,740 1,667 5.8
2014 8,293 1,258 6.6
2013 7,985 916 8.7
2012 7,873 658 12.0
2011 7,957 511 15.6
2010 7,220 363 19.9
2009 6,128 185 33.1
2008 5,291 90 58.8

配当支払余力の分析結果:

  • 営業CFベースでは余裕あり:2025年の配当カバー比率は2.5倍で、配当を営業CFで賄っています。
  • ピーク時よりは低下:2023年の4.3倍、2024年の3.2倍から2025年は低下しており、従来ほどの余裕はありません。
  • 2026年1~9月は改善:営業CF250.87億ドル、配当支払額61.70億ドルで、配当カバー比率は約4.07倍です。[1]
  • 通期でも配当の支払い余力:2026年1~9月実績から見れば配当の原資は確保されていますが、Q4のCFや医療費の変動次第で年間カバー率は変わります。[1]
  • 増配率は鈍化:配当自体の安全性は比較的高い一方、2026年6月の増配率は5%で、過去10年平均を下回っています。

規模拡大を支えるキャッシュフロー戦略

以下の表では営業CF、投資CF、財務CFをM$(百万ドル)単位、営業CF成長率を%単位で表示しています。2026年Q3単独は1~9月累計から上半期実績を差し引いた参考値です。過去年度の値は旧原稿の表示を維持しています。[1][4]

年度 営業CF
(M$)
成長率
(%)
投資CF
(M$)
財務CF
(M$)
2026 1~9月 25,087 +35.0
前年同期比
-8,818 -15,033
2026 Q3 5,123 — -4,573 -3,418
2026 上半期 19,964 +57.9
前年同期比
-4,245 -11,615
2025 19,697 -18.6 -8,685 -12,004
2024 24,204 -16.7 -20,527 -4,669
2023 29,068 10.9 -11,250 -13,980
2022 26,206 17.3 -11,350 -14,700
2021 22,343 0.8 -11,850 -8,950
2020 22,175 20.1 -12,650 -7,550
2019 18,461 2.9 -11,260 -6,890
2018 17,950 14.2 -10,850 -5,320
2017 15,724 52.0 -9,450 -4,580
2016 10,348 6.3 -6,240 -3,480
2015 9,740 17.5 -5,870 -2,950
2014 8,293 3.9 -4,980 -2,260
2013 7,985 1.4 -4,790 -1,850
2012 7,873 -1.0 -4,720 -1,540
2011 7,957 10.2 -4,770 -1,980
2010 7,220 17.8 -4,350 -1,850
2009 6,128 15.8 -3,690 -1,460
2008 5,291 — -3,180 -1,480

キャッシュフロー分析のポイント

営業キャッシュフロー:

  • 長期成長トレンド:2008年の53億ドルから2023年の291億ドルへと大きく成長しました。
  • 2024~2025年の調整:利益率悪化により、営業CFは2年連続で減少しました。
  • 2026年1~9月の回復:営業CFは250.87億ドルとなり、前年同期の185.89億ドルから約35%増加しました。[1]
  • 会社見通し:2026年Q2決算時には通期営業CF約240億ドルの見通しを示していましたが、Q3決算資料は同項目の更新額を明示していません。[5][1]

投資キャッシュフロー:

  • 2024年の大型投資:M&A、投資有価証券、設備・ソフトウエア投資などにより、投資CFは205億ドルのマイナスでした。
  • 2025年は縮小:2025年の投資CFは87億ドルのマイナスに縮小しました。
  • 2026年1~9月:投資CFは88.18億ドルのマイナスで、設備・資産計上ソフトウエア投資は24.21億ドルでした。[1]
  • 事業再編:南米事業などの整理を進める一方、Optum Insightは2026年7月2日にAlegeusの買収を完了しました。[5]

財務キャッシュフロー:

  • 2026年1~9月:投資CFは88.18億ドルのマイナスで、設備・資産計上ソフトウエア投資は24.21億ドルでした。[1]
  • 自社株買い:会社は2026年7月中旬までに40億ドルを買い戻し、2026年通期で少なくとも50億ドルを実施する見通しです。[5]
  • レバレッジ管理:2026年Q3末のDebt-to-capitalは41.7%でQ2末41.2%から上昇。年末の約40%は目標値です。[1]

バランスシート分析と財務健全性評価

※「負債比率」の過年度の%表示は総負債÷株主資本(単位は%)、2026年Q2・Q3のDebt-to-capitalは会社定義の有利子負債比率であり、同一指標ではありません。2026年Q3はこの違いが明確になるように表示しています。[1]

以下の表では総資産、総負債、株主資本をM$(百万ドル)、自己資本率等を%で示します。2026年Q3末の「総負債」は総資産から株主資本と償還可能な非支配持分を差し引いた金額で、過年度との比較にあたっては項目の定義に注意してください。[1]

年度 総資産
(M$)
総負債
(M$)
株主資本
(M$)
自己資本率
(%)
ROE
(%)
負債比率
2026 Q3末 312,782 207,237 104,129 33.3 — Debt-to-capital
41.7%
2026 Q2 309,727 203,778 104,513 33.7 — Debt-to-capital
41.2%
2025 309,581 207,883 100,090 32.3 12.2 208%
2024 298,278 200,010 98,268 32.9 14.7 204%
2023 273,720 179,299 94,421 34.5 23.7 190%
2022 245,705 164,255 81,450 33.2 24.7 202%
2021 212,206 137,157 75,049 35.4 23.0 183%
2020 197,289 129,067 68,222 34.6 22.6 189%
2019 173,889 113,169 60,720 34.9 22.8 186%
2018 152,221 98,728 53,493 35.1 22.4 185%
2017 139,058 90,739 48,319 34.8 21.9 188%
2016 122,810 79,827 42,983 35.0 16.3 186%
2015 112,366 71,850 40,516 36.1 14.3 177%
2014 98,162 61,028 37,134 37.8 15.1 164%
2013 82,322 48,820 33,502 40.7 16.5 146%
2012 81,858 49,690 32,168 39.3 17.0 154%
2011 80,395 48,983 31,412 39.1 16.4 156%
2010 72,515 43,286 29,229 40.3 15.9 148%
2009 64,524 37,677 26,847 41.6 14.2 140%
2008 62,177 36,874 25,303 40.7 11.8 146%

バランスシート分析の重要な観点

自己資本率の推移と戦略的意味:

  • 緩やかな低下傾向:2008~2013年は40%前後でしたが、近年は32~35%前後で推移しています。M&Aと株主還元を組み合わせた成長戦略の影響です。
  • 規模拡大との両立:総資産は2008年の622億ドルから2026年Q3末の3,127.82億ドルへ増加しています。[1]
  • 現金・短期投資:2026年Q3末は285.49億ドル、2025年末は281.21億ドルです。[1]
  • 負債の縮小:長期債務は2025年末の723.20億ドルから2026年Q3末の687.14億ドルへ減少しました。[1]
  • 負債比率の管理:Debt-to-capitalは2026年Q2末41.2%からQ3末41.7%へ上昇しました。会社は年末約40%を長期目標としています。[1]

ROE(自己資本利益率)の特徴:

  • 2022~2023年のピーク:20%台前半の高水準を実現しました。
  • 2024~2025年の低下:利益水準の悪化により、ROEは2025年に12%前後まで低下しました。
  • 2026年の回復余地:通期GAAP EPS会社予想は19.50ドル以上に更新されました。ROEは期中平均資本と一時要因を踏まえて確定値を評価します。[1]

総合評価

ユナイテッドヘルスの財務状況は2025年に大きく悪化しましたが、2026年1~9月累計では営業利益235.44億ドル、営業CF250.87億ドルへ回復しています。一方、Q3末のDebt-to-capitalは41.7%とQ2末の41.2%から上昇し、保険加入者数は減少しました。Q3の医療費率改善には6.10億ドルの有利な準備金調整が含まれるため、改善の持続性は今後の四半期でも確認する必要があります。[1]

2025年から2026年にかけての重要な変化と影響

経営陣の変更と再建局面

CEO交代の背景と影響

2025年5月、Andrew Witty氏がCEOを退任し、Stephen Hemsley氏がCEOに復帰しました。Hemsley氏は2006年から2017年まで同社のCEOを務めた経験があり、同社を現在の巨大ヘルスケア企業へ成長させた中心人物の一人です。[6]

CEO交代は、メディケア・アドバンテージ事業の医療費上昇、業績見通しの混乱、規制・司法調査への懸念、Change Healthcare関連の混乱などが重なった時期に起きました。

2026年Q3決算では、UnitedHealthcareの営業利益が28.31億ドル、Optum全体の営業利益が37.32億ドルとなりました。前年同期はそれぞれ18.05億ドル、25.10億ドルで、ともに改善しています。ただし会員数減少と医療費負担を伴うため、2027年の利益成長がどこまで維持されるかが焦点です。[1]

2025年業績見通しの変遷と2026年Q3までの回復

Q3のセグメント営業利益はUnitedHealthcareが28.31億ドル、Optumが37.32億ドルでした。前年同期はそれぞれ18.05億ドル、25.10億ドルで、ともに回復。ただしUnitedHealthcareの売上高は2025年Q3の870.70億ドルから2026年Q3は863.30億ドルへ、Optumも691.77億ドルから668.83億ドルへ減少しました。[1]

発表時期 調整後EPS見通し 売上高・営業CF見通し 主な要因
2024年12月 $29.50~$30.00 売上高
$450~455B
2025年当初ガイダンス
2025年4月 $26.00~$26.50 — 医療費増加
2025年5月 一時停止 一時停止 CEO交代・見通し再精査
2025年7月 ≧$16.00 売上高
$445.5~448.0B
見通し再設定
2025年10月 $16.25~$16.50 — Q3決算で小幅引き上げ
2025年通期実績 $16.35 売上高
$447.6B
確定値
2026年初期見通し ≧$17.75 営業CF
>$18.0B
回復基調
2026年Q1後 ≧$18.25 — Q1好調を受けて引き上げ
2026年Q2後 $19.50~$20.00 営業CF
約$24.0B
医療費管理とOptum改善を反映
2026年Q3後 ≧$20.50
GAAP EPS ≧$19.50
営業CFの通期最新額は
Q3発表資料で明示せず
医療費管理・事業利益の改善とQ3累計実績を反映

株価パフォーマンスと市場の反応

2024年~2026年の株価推移:

  • 2024年11月の高値圏:600ドル前後まで上昇。
  • 2025年の急落:業績見通しの撤回、CEO交代、医療費率悪化により大幅下落。
  • 2026年2月時点:276ドル台まで低迷。
  • 2026年5月7日時点:367.28ドルまで反発。
  • 2026年7月17日時点:Q2決算と通期見通しの引き上げを受け、14時36分(米国東部時間)時点で426.66ドルまで上昇。[3]

バークシャー・ハサウェイの投資と売却

バークシャー・ハサウェイは2025年6月末時点でUNH株約504万株を保有していましたが、2026年3月末のForm 13Fで保有がなくなりました。さらに、2026年6月末を報告基準日として8月14日に提出したForm 13Fの保有一覧でもUNH株は確認できません。13Fの情報は報告基準日現在の保有状況であり、売買の担当者や当日以降の売買までは特定できません。[7]

したがって、バークシャーの取得を現在の投資判断材料として扱うのは適切ではありません。また、13Fからは、取得・売却をウォーレン・バフェット氏、グレッグ・アベル氏、または他の運用担当者の誰が決定したかは分かりません。著名投資家の短期的な売買よりも、医療費率、会員数、利益率、営業CFを重視する必要があります。

配当重視投資家にとっての投資価値

インカム投資家への魅力:

  1. 継続的な増配:2026年6月の増配で17年連続増配。
  2. 高い長期増配率:2015年から2025年までの年間配当CAGRは約16.6%。
  3. 業界リーダーシップ:UnitedHealthcareは2026年Q3末に4,830万人の医療サービス対象者を抱えます。ただし前年同期末より減少しています。[1]
  4. 事業の多角化:保険のUnitedHealthcareと、医療・薬局・データ・テクノロジーを担うOptumの統合モデル。
  5. 配当利回り:2026年10月20日終値419.26ドル、年率配当9.28ドルでは約2.21%です。[3][2]
  6. 配当カバー:2026年1~9月の営業CFは配当支払額の約4.07倍です。[1]

配当投資戦略における位置づけ

回復途上から回復確認局面へ移行しつつある配当成長株

  • 構造的な需要:高齢化社会による医療保険・医療サービス需要は中長期的に残ります。
  • 配当の安全性:2025年の営業CFは197億ドル、配当支払額は79億ドルで、営業CFベースでは2.5倍のカバーがありました。
  • 2026年1~9月の改善:営業CF250.87億ドル、配当支払61.70億ドルで、現金配当のカバーは約4.07倍です。[1]
  • 増配率の鈍化:2026年の四半期配当増加率は5%にとどまり、利益率が完全に正常化するまでは慎重な増配が続く可能性があります。
  • バリュエーション:2026年10月20日終値419.26ドルを調整後EPS会社予想下限20.50ドルで除した参考PERは約20.5倍です。[1][3]
  • 確認ポイント:医療費率、Optum Healthの採算、メディケア・アドバンテージ会員数、営業CFの進捗を四半期ごとに確認する必要があります。

投資リスクと対策

主要リスク要因:

  1. メディケア・アドバンテージの医療費圧迫:2026年Q3の医療費率は前年同期より改善したものの、Q2の86.7%から88.4%に上昇。医療利用率・単価の増加に注意が必要です。[1]
  2. 準備金調整の影響:2026年Q3には6.10億ドルの有利な準備金調整があり、医療費率の改善には一時的な要因が含まれます。[1]
  3. 会員数減少:2026年Q3の医療サービス対象者は4,830万人で、2025年末の4,976万人から減少。メディケア・アドバンテージは同期間に約93.5万人減少しました。[1]
  4. Optum Healthの規模縮小:2026年Q3売上高229.10億ドルは前年同期の254.22億ドルを下回りました。一方、営業利益は7.35億ドルに改善しています。[1]
  5. 規制・政治リスク:DOJ調査、メディケア償還率、リスク調整、薬局給付管理(PBM)への規制圧力などが収益に影響する可能性があります。
  6. 配当成長率の鈍化:配当そのものの安全性は営業CFで支えられていますが、過去のような10%台後半の増配率が続くとは限りません。
  7. オペレーショナルリスク:Change Healthcareサイバー攻撃のようなシステムリスク、AI利用に伴うリスク、評判リスク、医療機関との関係悪化リスクがあります。

リスク軽減策:

  • 段階的投資:2026年2月の安値から株価が大きく反発しているため、一括投資よりも時間分散を検討します。
  • 長期保有:短期の医療費率や規制ニュースだけで判断せず、3~5年単位で利益率と会員構成の回復を確認します。
  • セクター分散:ヘルスケア保険・PBMに偏らず、医薬品、医療機器、生活必需品、インデックスETFなどと組み合わせます。
  • 業績モニタリング:MCR、営業CF、配当性向、会員数、Optum Healthの利益率、準備金調整を継続的に確認します。
  • 配当再投資:配当再投資は長期的な複利効果を高めますが、会社には株主向けの直接的な配当再投資制度がないため、利用する証券会社のサービスを確認します。

【2026年Q3決算後の見通し】 2026年1~9月累計の調整後EPSは18.30ドル、営業CFは250.87億ドルです。10月13日には通期調整後EPSが20.50ドル以上へ修正されました。Q3医療費率は前年より改善する一方、Q2から悪化し、準備金調整も利益に寄与しています。2027年の保険料・保障設計、Optumの採算、会員数の推移を継続的に確認する必要があります。[1]

まとめ:配当投資家にとってのユナイテッドヘルス

ユナイテッドヘルスは、17年連続増配の実績、2015~2025年に年平均約16.6%の配当成長、米国最大級の医療保険・ヘルスケアサービス企業としての市場地位を兼ね備えた、配当成長投資家にとって重要な銘柄です。

2025年はGAAP EPS13.23ドル、調整後EPS16.35ドルまで低下しました。しかし、2026年1~9月累計は売上高3,364.47億ドル、営業利益235.44億ドル、調整後EPS18.30ドル、営業CF250.87億ドルを計上。2026年通期の調整後EPS予想は20.50ドル以上へ引き上げられました。[4][1]

投資判断のポイント

配当投資家にとって、ユナイテッドヘルスは利益回復と会員基盤の縮小が併存する配当成長株です。2026年10月20日終値419.26ドルに対する利回りは約2.21%です。[1][3]

現在の投資判断では「高利回り」よりも、2025年に悪化した医療費率・利益率が、一時的な準備金調整を除いてどこまで回復するかが重要です。配当の安全性は営業CFベースで保たれていますが、2026年の増配率は5%であり、増配ペースについては以前より慎重に見る必要があります。

2026年10月20日の株価419.26ドルを、2026年通期調整後EPSの会社予想下限20.50ドルで割ると、参考PERは約20.5倍です。利益見通しには下限のみが示されているため、上限を仮定した中央値PERは計算しません。[1][3]

免責事項
本記事は投資判断の参考として財務データを分析したものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっては、ご自身の判断と責任のもとで行ってください。過去の実績は将来の結果を保証するものではありません。
最終更新日時:2026年10月22日
  • 更新基準:2026年7月17日→2026年10月22日。Q3決算・1~9月累計実績を反映。
  • Q3決算:売上1,126.94億ドル、営業利益65.63億ドル、GAAP EPS4.56ドル、調整後EPS4.69ドルを追加。
  • 通期ガイダンス:調整後EPS 19.50~20.00ドル→20.50ドル以上、GAAP EPS19.50ドル以上へ修正。
  • 医療費率:Q3の88.4%(前年89.9%)、Q2比の上昇、6.10億ドルの有利な準備金調整を反映。
  • 配当:2026年9月22日支払分2.32ドルを追加し、年率9.28ドル・1~9月支払済み6.85ドルを区別。
  • 株価:確定した2026年10月20日終値419.26ドル、利回り約2.21%、参考調整後PER約20.5倍へ更新。
  • キャッシュフロー:2026年1~9月の営業CF250.87億ドル、配当支払61.70億ドル、カバー約4.07倍を追加。
  • 財務状況:2026年Q3末の総資産3,127.82億ドル、株主資本1,041.29億ドル、Debt-to-capital41.7%を反映。
  • 事業:UnitedHealthcareとOptumのQ3利益、メディケア・アドバンテージ会員減少を更新。
  • バークシャー:2026年6月末の13F提出分を参照し、前回の2026年3月末時点の説明を更新。
  • 脚注:一次資料を優先して出現順の連番へ統一し、参照元と戻りリンク・確認日を整備。

主な変更箇所(2026年10月更新)

【注】(出典リンク)

  1. 2026年Q3決算・1~9月累計・最新ガイダンス・財務・会員数 → SEC「UnitedHealth Group Q3 2026 Earnings Release(添付財務諸表)」 → UnitedHealth Group「Reports Third Quarter 2026 Results」(確認日:2026-10-22) ↩
  2. 2026年の増配・四半期配当と支払日・長期配当履歴 → UnitedHealth Group「Dividend History & Stock Basis」 → UnitedHealth Group「August 12 Quarterly Dividend Declaration」(確認日:2026-10-22) ↩
  3. UNHの株価履歴・配当利回りの筆者計算 → StockAnalysis「UNH Price History」 → Google Finance「UNH」(確認日:2026-10-22) ↩
  4. 2025年Form 10-K・長期財務データ → SEC「UnitedHealth Group 2025 Form 10-K」 → UnitedHealth Group「Financial & Earnings Reports」(確認日:2026-10-22) ↩
  5. 2026年Q2・上半期決算と当時の会社予想 → SEC「2026年Q2 Form 10-Q」 → UnitedHealth Group「Q2 2026 Results」(確認日:2026-10-22) ↩
  6. 2025年のCEO交代 → UnitedHealth Group「Leadership Transition」(確認日:2026-10-22) ↩
  7. バークシャーによるUNH株取得・売却と2026年6月末13F → SEC「Berkshire Hathaway 2026年6月末 Form 13F」 → SEC「Berkshire Hathaway 2026年3月末 Form 13F」(確認日:2026-10-22) ↩


Posted by 南 一矢