GEエアロスペースの業績
【2026年5月版】GEエアロスペース (GE) 徹底分析:航空宇宙のリーダー、分社化後の成長戦略 – 過去5年財務データと2026年最新動向
はじめに
GEエアロスペース(GE Aerospace)は、民間航空機および軍用機向けジェットエンジン、コンポーネント、システムを手がける航空宇宙企業です。2024年4月のGE Vernova分社化完了により、航空宇宙事業に集中する会社として再出発しました。[1]
本記事では、過去5年(FY2021~FY2025)の売上・利益、バランスシート、キャッシュフローを同じ年次でそろえたうえで、2026年Q1実績と会社ガイダンスを踏まえ、事業内容、成長戦略、財務状況、将来展望を投資家目線で整理します。[2][3]
【2026年5月更新】
FY2025通期実績に加え、2026年4月21日発表のQ1 2026決算を反映しました。Q1 2026は受注230億ドル(前年比+87%)、調整後売上116億ドル(+29%)、営業利益25億ドル(+18%)、調整後EPS 1.86ドル(+25%)、フリーキャッシュフロー17億ドル(+14%)と好調でした。会社は2026年通期ガイダンスを維持しつつ、レンジ上限寄りで推移していると説明しています。[3]
【免責事項および出典について】
- 本記事の財務情報は、主にGE AerospaceのAnnual Report / Form 10-K、決算発表資料、投資家向け資料に基づいて作成しています。[1][2][3]
- 本稿では、売上・利益、バランスシート、キャッシュフローの主要表をすべてFY2021~FY2025の過去5年で統一しています。
- ただし、GEヘルスケアおよびGE Vernovaの分社化により、FY2021~FY2023の旧GEベースの数値と、FY2024以降のGE Aerospace単独ベースの数値は、完全に同一条件では比較できません。本文中では、比較制約を明記したうえで整理しています。[4]
- 記事内の成長率、CAGR、利益率、ROEなどは、公開情報に基づき筆者が算出した参考値を含みます。
- 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券の購入や売却を推奨または勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
- スマートフォンでご覧の場合、表は横にスクロールしてご確認ください。
会計年度について:GEエアロスペースの会計年度は暦年(1月1日~12月31日)です。例えば「FY2025」は2025年1月1日から2025年12月31日までを指します。[1]
1. GEエアロスペースの業績:需要回復とサービス主導の成長
GEエアロスペースは、民間航空機の稼働回復、防衛需要、そしてアフターマーケットサービスの拡大を背景に、分社化後も高い成長を続けています。特に、稼働中エンジンの整備・補修・部品交換などのサービス収入は、同社の収益安定性と利益率を支える中核です。FY2025は調整後売上423億ドル、営業利益91億ドル、フリーキャッシュフロー77億ドルを達成しました。[2]
1.1 売上・利益の推移(過去5年:FY2021~FY2025)
FY2021は旧GEのAviationセグメント、FY2022以降はGE Aerospace相当の開示を中心に整理しています。分社化前後で完全な連続比較には制約がありますが、航空宇宙事業の成長トレンドを把握するうえでは有用です。[1][4]
| 会計年度 | 調整後売上 百万$ |
成長率 | 営業利益* 百万$ |
成長率 | 営業利益率* |
|---|---|---|---|---|---|
| FY2021 | 21,310 | – | 2,882 | – | 13.5% |
| FY2022 | 26,802 | +25.8% | 4,470 | +55.1% | 16.7% |
| FY2023 | 32,816 | +22.4% | 7,253 | +62.3% | 22.1% |
| FY2024 | 35,121 | +7.0% | 7,253 | 横ばい | 20.7% |
| FY2025 | 42,322 | +20.5% | 9,055 | +24.8% | 21.4% |
| CAGR(年平均成長率) FY2021→FY2025(参考) | |||||
| 過去4年 | 約18.7% | – | 約33.1% | – | – |
注)*はNon-GAAP指標。FY2021は旧GE Aviation、FY2022~FY2025はGE Aerospace開示を中心に整理。CAGRと利益率は筆者計算。[2][4]
- 調整後売上:FY2025は423億ドル、前年比+21%。サービス収入と機器収入がともに伸びました。[2]
- 営業利益*:FY2025は91億ドル、前年比+25%。高付加価値サービスの拡大により、利益成長が売上成長を上回りました。[2]
- 受注残:FY2025末のバックログは約1,900億ドルで、前年から約200億ドル増加しました。[1]
1.1.1 2025年Q4実績(2026年1月22日発表)
2025年Q4は、受注、売上、利益、キャッシュフローがそろって拡大しました。特に受注270億ドル、前年比+74%は、航空需要とサービス需要の強さを示しています。[2]
| 項目 | Q4 2025 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 受注(Total orders) | $27.0B | +74% |
| 売上(GAAP) | $12.7B | +18% |
| 調整後売上* | $11.9B | +20% |
| 営業利益* | $2.3B | +14% |
| 営業利益率* | 19.2% | -90bps |
| EPS(GAAP・継続事業) | $2.31 | +32% |
| 調整後EPS* | $1.57 | +19% |
| 営業キャッシュフロー | $2.1B | +59% |
| フリーキャッシュフロー* | $1.8B | +15% |
出典:GE Aerospace 2025年Q4 Earnings Release。*はNon-GAAP指標。[2]
1.2 FY2025通期ハイライト
FY2025は、分社化後初の完全年度として非常に好調な結果となりました。調整後売上、営業利益、調整後EPS、フリーキャッシュフローがいずれも二桁成長し、フリーキャッシュフロー転換率は113%でした。[2]
| 項目 | FY2025 | 前年比 |
|---|---|---|
| 受注(Total orders) | $66.2B | +32% |
| 売上(GAAP) | $45.9B | +18% |
| 調整後売上* | $42.3B | +21% |
| 利益(GAAP) | $10.0B | +31% |
| 営業利益* | $9.1B | +25% |
| 営業利益率* | 21.4% | +70bps |
| 調整後EPS* | $6.37 | +38% |
| 営業キャッシュフロー | $8.5B | +47% |
| フリーキャッシュフロー* | $7.7B | +24% |
| FCF転換率* | 113% | – |
出典:GE Aerospace Q4 2025 Earnings Release。*はNon-GAAP指標。[2]
1.2.1 2026年Q1実績(2026年4月21日発表)
2026年Q1も好調なスタートとなりました。受注は230億ドル、前年比+87%。調整後売上は116億ドル、前年比+29%。営業利益は25億ドル、前年比+18%でした。会社は、2026年通期ガイダンスを維持しつつ、レンジ上限寄りで推移していると説明しています。[3]
| 項目 | Q1 2026 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 受注(Total orders) | $23.0B | +87% |
| 売上(GAAP) | $12.4B | +25% |
| 調整後売上* | $11.6B | +29% |
| 利益(GAAP) | $2.2B | -2% |
| 営業利益* | $2.5B | +18% |
| 営業利益率* | 21.8% | -200bps |
| EPS(GAAP・継続事業) | $1.83 | 横ばい |
| 調整後EPS* | $1.86 | +25% |
| 営業キャッシュフロー | $1.9B | +21% |
| フリーキャッシュフロー* | $1.7B | +14% |
出典:GE Aerospace Q1 2026 Earnings Release。*はNon-GAAP指標。[3]
1.3 受注残高とサービス事業
航空宇宙産業では、受注残高(バックログ)は将来の収益安定性を示す重要指標です。GEエアロスペースは、FY2025末に約1,900億ドルのバックログを有していました。さらに2026年Q1時点では、商用サービスだけで1,700億ドルのバックログがあると説明されています。これは、稼働中エンジンの整備・部品交換・長期サービス契約が、長期的な収益基盤になっていることを示します。[1][3]
- LEAPエンジン:FY2025は1,802基を出荷し、前年比+28%でプログラム史上最高を更新しました。[2]
- エンジン出荷:Q1 2026は総エンジン出荷が前年比+43%。供給制約の緩和が進んでいます。[3]
- Commercial Engines & Services(CES):Q1 2026のサービス収入は前年比+39%、内部ショップビジット収入は+35%、スペアパーツ収入は25%超の成長でした。[3]
- 防衛エンジン:FY2025の防衛エンジン出荷は前年比+30%でした。[2]
2. 収益性:サービス比率と価格が利益を支える
GEエアロスペースの収益性は、稼働中エンジンに連動するサービス収入、価格改善、供給制約の緩和、研究開発・新エンジン立ち上げ費用のバランスで決まります。FY2025の営業利益率*は21.4%で、前年比70bps改善しました。Q1 2026の営業利益率*は21.8%でしたが、GE9Xを含む搭載エンジン増加や投資の影響で前年同期比では200bps低下しました。[2][3]
| 会計年度・期間 | 調整後売上* | 営業利益* | 営業利益率* | 主な要因 |
|---|---|---|---|---|
| FY2021 | $21.3B | $2.9B | 13.5% | 航空需要回復初期 |
| FY2022 | $26.8B | $4.5B | 16.7% | 商用航空回復、出荷増 |
| FY2023 | $32.8B | $7.3B | 22.1% | サービス拡大、価格改善 |
| FY2024 | $35.1B | $7.3B | 20.7% | 分社化後の投資・供給制約 |
| FY2025 | $42.3B | $9.1B | 21.4% | サービス増、価格改善、出荷増 |
注)*はNon-GAAP指標。売上・利益表と同じFY2021~FY2025の5年で統一。[2][4]
3. コスト構造と研究開発
航空機エンジン事業では、燃費効率、耐久性、整備性、認証対応が長期競争力を左右します。GEエアロスペースは、研究開発に年間約30億ドル規模を投じ、CFM RISE、Open Fan、ハイブリッド電動、次世代防衛エンジンなどの開発を進めています。[1]
- CFM RISE / Open Fan:2026年Q1には、シンガポールをOpen Fan技術の空港テストベッドとして設定し、次世代エンジン構造の空港運用への統合を検証する枠組みを進めています。[3]
- ハイブリッド電動:FY2025にはハイブリッド電動デモンストレーターの初の地上試験を実施しました。[2]
- 防衛技術:Q1 2026には、米空軍向けにKratosと連携し、小型Collaborative Combat Aircraft向け次世代エンジンGEK1500の設計契約を獲得しました。[3]
4. 投資家向け指標:1株あたりの価値
FY2025の調整後EPSは6.37ドルで、前年比+38%でした。2026年の会社ガイダンスでは、調整後EPSは7.10~7.40ドルとされています。Q1 2026の調整後EPSは1.86ドル、前年比+25%でした。[2][3]
| 項目 | FY2025 | Q1 2026 | FY2026会社予想 |
|---|---|---|---|
| 継続事業EPS(GAAP) | $8.05 | $1.83 | 非提示 |
| 調整後EPS* | $6.37 | $1.86 | $7.10~$7.40 |
| フリーキャッシュフロー* | $7.7B | $1.7B | $8.0~$8.4B |
| FCF転換率* | 113% | – | 100%超 |
注)*はNon-GAAP指標。FY2026会社予想は2026年1月発表時点で据え置き、Q1 2026時点ではレンジ上限寄りで推移していると会社が説明。[2][3]
5. 事業概要と市場:航空宇宙の巨人
GEエアロスペースは、民間・防衛の両市場で製品とサービスを提供します。2026年からは、Commercial Engines & Services(CES)にTechnology & Operations(T&O)チームを統合し、エンジンのライフサイクル全体をより一体的に管理する体制へ移行しました。[2]
- Commercial Engines & Services(CES):商用エンジンとアフターマーケットサービスが中核です。Q1 2026のCES受注は173億ドル、売上は89億ドル、利益は24億ドルでした。[3]
- Defense & Propulsion Technologies(DPT):防衛エンジン、システム、推進技術を扱います。Q1 2026のDPT受注は62億ドル、売上は32億ドル、利益は3.79億ドルでした。[3]
- 設置基盤:商用機約50,000基、軍用機約30,000基のエンジンが稼働中です。[3]
- 従業員:全世界で約57,000人。[3]
6. 財務の健全性:バランスシートとキャッシュフロー
ここでは、売上・利益表と同じくFY2021~FY2025の過去5年でバランスシートとキャッシュフローをそろえます。ただし、FY2021~FY2023は旧GE連結または分社化前のGE Aerospace相当ベース、FY2024以降はGE Aerospace単独化後の開示であるため、年度間の比較には注意が必要です。とくにBSは分社化・資産移管・株主還元の影響を強く受けるため、単純な増減だけで財務力を判断しないほうがよいです。[1][4]
6.1 バランスシート主要項目(過去5年:FY2021~FY2025)
| 会計年度末 | 現金等 百万$ |
総資産 百万$ |
総負債 百万$ |
株主資本 百万$ |
総借入 百万$ |
|---|---|---|---|---|---|
| FY2021 | 20,283 | 旧GE連結ベース | 旧GE連結ベース | 旧GE連結ベース | 旧GE連結ベース |
| FY2022 | 19,196 | 旧GE連結ベース | 旧GE連結ベース | 旧GE連結ベース | 旧GE連結ベース |
| FY2023 | 12,632 | 分社化前ベース | 分社化前ベース | 分社化前ベース | 20,500 |
| FY2024 | 13,619 | 123,140 | 103,576 | 19,342 | 19,273 |
| FY2025 | 12,392 | 130,169 | 111,271 | 18,677 | 20,494 |
注)現金等はCash, cash equivalents and restricted cash。FY2021~FY2023は分社化前の旧GEまたはGE Aerospace相当の開示に基づくため、総資産・総負債・株主資本はGE Aerospace単独会社としての完全な比較値ではありません。FY2024~FY2025はGE AerospaceのStatement of Financial Positionに基づく。総借入は短期借入と長期借入の合計。[1][4]
- 現金等:FY2025末は123.9億ドル。FY2024末の136.2億ドルからやや減少しましたが、引き続き十分な流動性を維持しています。[1]
- 総資産:FY2025末は1,301.7億ドル、FY2024末の1,231.4億ドルから増加しました。[1]
- 総借入:FY2025末は204.9億ドル。短期借入16.9億ドル、長期借入188.1億ドルで構成されます。[1]
- 年金負債:FY2025末時点の税後年金負債は約43億ドルです。[2]
- 信用枠:2025年末時点で、2029年満期の30億ドルの無担保リボルビング信用枠があり、借入残高はありません。[1]
6.2 キャッシュフロー推移(過去5年:FY2021~FY2025)
| 会計年度 | 営業CF 百万$ |
設備投資等 百万$ |
フリーCF* 百万$ |
FCF転換率* | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| FY2021 | 旧GE連結ベース | 旧GE連結ベース | 旧GE連結ベース | – | 分社化前で比較制約あり |
| FY2022 | 旧GE連結ベース | 旧GE連結ベース | 旧GE連結ベース | – | 分社化前で比較制約あり |
| FY2023 | 4,609 | 862 | GE Aerospace相当ベース | – | GE Vernova分社化前 |
| FY2024 | 5,817 | 1,032 | 6,203 | 100%超 | GE Aerospace単独化初年度 |
| FY2025 | 8,543 | 1,273 | 7,694 | 113% | 営業CF+47%、FCF+24% |
注)*はNon-GAAP指標。営業CFはcontinuing operationsベース。設備投資等は、GE AerospaceがFCF計算で用いるproperty, plant and equipment and internal-use softwareへの投資を中心に整理。FY2021~FY2022は分社化前の旧GE連結ベースであり、GE Aerospace単独の完全な比較値ではありません。[1][2][4]
FY2025のフリーキャッシュフローは76.9億ドルで、前年比+24%でした。これは、サービス収入の増加、受注残の拡大、価格改善、運転資本管理の改善が効いた結果です。Q1 2026もフリーキャッシュフローは17億ドル、前年比+14%と、キャッシュ創出力は引き続き強い状態です。[2][3]
7. 資本効率性と株主還元
GEエアロスペースは、分社化後に航空宇宙専業会社としての資本配分を明確にしています。基本方針は、研究開発・MRO能力・サプライチェーンへの再投資を優先しつつ、余剰キャッシュを株主還元に回す形です。FY2025はFCF転換率113%と高く、キャッシュ創出力は同業内でも強い部類に入ります。[2]
| 指標 | FY2025 | 読み方 |
|---|---|---|
| 調整後EPS* | $6.37 | 前年比+38%。利益成長が強い。 |
| フリーCF* | $7.7B | 前年比+24%。投資余力と還元余力を支える。 |
| FCF転換率* | 113% | 利益をキャッシュに変える力が高い。 |
| 自社株買い | $7.6B | FY2025中に大規模な株主還元を実施。 |
注)*はNon-GAAP指標。自社株買いはFY2025のtreasury stock purchasesに基づく。[1][2]
8. 技術開発とイノベーション戦略:「Future of Flight」の実現へ
次世代エンジン、代替燃料対応、製造技術高度化、デジタルによる予兆保全・整備最適化は、中長期の競争軸です。GEエアロスペースは、現在のCFM56・LEAPなどの設置基盤から得るサービス収益を活用し、次世代技術に投資しています。[1]
- CFM RISE:Open Fanなどの次世代技術を検証するプログラムです。Q1 2026にはシンガポールを空港テストベッドとして設定し、空港運用への統合検証を進めています。[3]
- MRO投資:グローバルMROネットワークに10億ドル超を投資中で、その一部はLEAP対応能力の拡大に充てられています。[2]
- サプライチェーン改善:FY2025は優先サプライヤーからの材料投入量を前年比40%超増やしました。Q1 2026も優先サプライヤーからの材料投入が前四半期比で二桁増となりました。[2][3]
- 防衛・自律機:F110、T408、GEK1500など、防衛・自律航空機向けの推進技術も成長領域です。[3]
9. 市場での強みとライバル
GEエアロスペースは、商用・軍用エンジンの大規模な設置基盤とサービス網を強みに持ちます。競合はPratt & Whitney(RTX傘下)、Rolls-Royceなどです。競争の焦点は、燃費、整備性、耐久性、納期、認証対応、アフターマーケットでの顧客接点です。[1]
- 設置基盤:商用機約50,000基、軍用機約30,000基のエンジンが稼働中で、サービス収入の基盤になっています。[3]
- LEAP:ナローボディ機向けで重要なエンジンファミリーです。FY2025は過去最高の1,802基を出荷しました。[2]
- サービス優位性:FY2025はCESサービス収入が前年比+26%、Q1 2026もCESサービス収入が+39%と、アフターマーケットの強さが続いています。[2][3]
10. FY2026年の見通しと今後のポイント
会社は2026年1月22日にFY2026ガイダンスを公表し、2026年4月21日のQ1決算でも通期ガイダンスを維持しました。Q1時点では、強いスタートを受けてレンジ上限寄りで推移していると説明しています。[2][3]
FY2026会社予想(2026年Q1決算時点で維持)
- 調整後売上成長率:低二桁成長。
- 営業利益*:$9.85B~$10.25B。
- 調整後EPS*:$7.10~$7.40。
- フリーキャッシュフロー*:$8.0B~$8.4B。
- FCF転換率*:100%超。
- LEAP出荷:約2,000基を目標。
投資家が注目すべきリスク
- サプライチェーンと生産制約:材料・部品供給が遅れれば、エンジン納入とサービス収入の成長に影響します。
- GE9Xプログラム:Boeing 777X向けGE9Xは重要な将来製品ですが、777X認証・納入スケジュールの遅れは収益化時期に影響します。
- インストールエンジン比率:新造機向けエンジンは初期採算が低くなりやすく、Q1 2026でもGE9Xを含む搭載エンジン増加が利益率を押し下げました。[3]
- 航空需要の変動:景気後退、燃料価格、航空会社の投資計画変更は、新造機・サービス需要に影響します。
- 防衛予算・地政学:防衛需要は追い風ですが、予算配分や輸出規制、国際情勢の変化に左右されます。
- 技術・品質・認証:新技術の開発遅延、品質問題、認証遅延は長期の競争力と収益性に影響します。
- 旧GE由来の負債・年金・保険関連:航空宇宙専業会社になった後も、年金・保険・訴訟関連のリスクは完全に消えたわけではありません。[1]
11. まとめ:GEエアロスペースはこれからも成長できるか?
GEエアロスペースは、分社化によって航空宇宙事業に集中し、設置基盤とサービス収益をテコに成長するモデルがより明確になりました。FY2025は調整後売上+21%、営業利益+25%、調整後EPS+38%、FCF転換率113%と、非常に強い業績を示しました。Q1 2026も受注+87%、調整後売上+29%、営業利益+18%、調整後EPS+25%、FCF+14%と、成長は継続しています。[2][3]
- 強み:約80,000基の商用・軍用エンジン設置基盤、サービス網、価格決定力、次世代技術への投資。
- 今後の鍵:生産能力の拡大、サプライチェーン改善、GE9Xと777Xの進展、LEAPの出荷拡大、サービス収入の持続的成長。
- 短期の焦点:FY2026ガイダンスの達成、特に営業利益100億ドル前後とFCF80~84億ドルの実現です。
投資家目線では、GEエアロスペースは「航空機需要の回復に乗るメーカー」というだけでなく、「稼働中エンジンの長期サービス収益でキャッシュを生む航空宇宙プラットフォーム企業」と見るべきです。一方で、株価評価にはすでに高い成長期待が織り込まれやすく、サプライチェーン、GE9X、認証、マクロ環境のリスクには注意が必要です。
本記事は、公開情報に基づき筆者の分析を加えたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。
最終更新日時:2026年5月5日(FY2025通期決算/2025年10-K/Q1 2026決算反映)
【注】(出典リンク)
- GE Aerospace 2025 Annual Report / Form 10-K → GE Aerospace 2025 Annual Report and 10-K → SEC Form 10-K(FY2025)(確認日:2026-05-05) ↩
- GE Aerospace 2025年Q4・FY2025決算 → GE Aerospace Q4 2025 Earnings Release → Q4 2025 Investor Presentation(確認日:2026-05-05) ↩
- GE Aerospace 2026年Q1決算 → GE Aerospace Q1 2026 Earnings Release → Q1 2026 Press Release PDF(確認日:2026-05-05) ↩
- 旧GE・過年度データ → GE Aerospace Annual Reports → GE Annual Reports Archive(確認日:2026-05-05) ↩


ミニ解説:FY2021~FY2023のBSは、GEヘルスケアとGE Vernova分社化前の影響が残るため、GE Aerospace単独の財務体質を厳密に示すものではありません。財務健全性を評価する際は、FY2024~FY2025の単独化後データと、FY2025以降のFCF創出力を重視するのが現実的です。