DAL:デルタエアラインズの業績
【2026年7月時点】デルタ航空(DAL)徹底分析:過去最高収益の先で、燃料高局面でも強さを保てるか―FY2019-FY2025財務データ+2Q2026アップデート
はじめに
デルタ航空(Delta Air Lines, Inc.)は、米国を代表するレガシー航空会社の一角です。パンデミック後の回復局面を越え、FY2025にはGAAPベースで過去最高の営業収益を更新しました。さらに2026年第2四半期は、調整後営業収益が前年同期比13.9%増の176.7億ドルとなり、6月期として過去最高を記録しています。[1][2]
一方、2026年第2四半期は調整後燃料費が前年同期比77%増となり、売上の伸びがそのまま利益率の改善には結びつきませんでした。この記事では、FY2019~FY2025の財務推移を軸に、2026年第2四半期の実績と通期見通しを織り込みながら、デルタ航空の収益構造、財務体質、投資判断上の見どころを整理します。[2]
【免責事項および出典について】
- 本記事の数値は、主としてデルタ航空の年次報告書、SEC提出書類、通期・四半期決算資料、配当発表に基づいて整理しています。
- FY2019~FY2025の年次推移は、各年度のForm 10-Kを用いて再確認しています。FY2025の確定値は2026年2月提出のForm 10-K、直近四半期は2026年7月10日公表の第2四半期決算を反映しています。
- 航空会社の決算は、GAAPと調整後指標(Non-GAAP)で見え方が変わります。本記事では年次の損益・貸借対照表・営業キャッシュフローは原則GAAP、経営陣が本業の採算や資金創出力を説明する際に用いる指標は「調整後」「会社定義」と明記しています。
- 2026年の四半期数値は未監査です。また、通期見通しは燃料価格、需要、景気、地政学、運航状況などによって変化する可能性があります。
- 本記事は情報提供を目的としたもので、特定の投資行動を推奨するものではありません。最終判断はご自身で行ってください。
会計年度について:デルタ航空の会計年度は暦年と一致します。たとえばFY2025は2025年1月1日から2025年12月31日まで、2Q26は2026年4月から6月までを指します。
1. デルタ航空の業績:創業100周年の年に過去最高収益を達成
デルタ航空は、プレミアム需要とロイヤルティ収益の拡大を背景に、FY2025にGAAPベースの営業収益633.6億ドルを記録しました。これはFY2024の616.4億ドルを上回る過去最高です。FY2025のGAAP営業利益は58.2億ドル、純利益は50.1億ドルでした。[1]
2026年第2四半期も、調整後営業収益は176.7億ドルと6月期の過去最高を更新しました。ただし、調整後営業利益率は8.8%にとどまっており、売上の強さと燃料費・非燃料費の増加を分けて見る必要があります。[2]
1.1. 売上、利益、キャッシュフローの推移
パンデミックで大きく落ち込んだあと、デルタ航空は売上、利益、キャッシュ創出力を段階的に回復させました。以下は各年度のGAAP数値です。
| 会計年度 | 総営業収益(百万$) | 収益成長率 | 営業利益(百万$) | 純利益(百万$) | 営業CF(百万$) |
|---|---|---|---|---|---|
| FY2019 | 47,007 | 7.5% | 6,618 | 4,767 | 8,425 |
| FY2020 | 17,095 | -63.6% | (12,469) | (12,385) | (3,793) |
| FY2021 | 29,899 | 74.9% | 1,886 | 280 | 3,264 |
| FY2022 | 50,582 | 69.2% | 3,661 | 1,318 | 6,363 |
| FY2023 | 58,048 | 14.8% | 5,521 | 4,609 | 6,464 |
| FY2024 | 61,643 | 6.2% | 5,995 | 3,457 | 8,025 |
| FY2025 | 63,364 | 2.8% | 5,822 | 5,005 | 8,342 |
各年度のForm 10-Kに基づくGAAP数値です。FY2021のGAAP営業利益には、米政府の給与支援プログラムなどによる支援効果が含まれるため、本業だけの回復度を判断する際には調整後損益も確認する必要があります。[3]
- 総営業収益:FY2025は633.6億ドルで過去最高を更新しました。
- 営業利益:FY2025は58.2億ドル、GAAP営業利益率は9.2%でした。
- 純利益:FY2025は50.1億ドルで、FY2024の34.6億ドルから増加しました。
- 営業キャッシュフロー:FY2025は83.4億ドルと高水準を維持しました。
- 注意点:FY2025は売上が増えた一方、GAAP営業利益はFY2024を下回っています。売上高だけでなく、燃料費、人件費、整備費などを含む利益率の推移を見ることが重要です。
1.2. 主要運航KPIの推移
航空会社では、供給量を示すASM、旅客需要を示すRPM、座席利用率、ユニット収益、ユニットコストが収益性の土台になります。FY2025の座席利用率は84.0%でした。[1]
| 会計年度 | 供給量 ASM(億) | 需要量 RPM(億) | 座席利用率 | TRASM(¢) | CASM-Ex(¢) |
|---|---|---|---|---|---|
| 主要運航指標 | |||||
| FY2019 | 2,873 | 2,476 | 86.2% | 16.36 | 11.05 |
| FY2020 | 1,247 | 744 | 59.7% | 13.71 | 13.67 |
| FY2021 | 1,941 | 1,319 | 68.0% | 15.40 | 13.17 |
| FY2022 | 2,584 | 2,151 | 83.2% | 19.58 | 12.86 |
| FY2023 | 2,819 | 2,426 | 86.1% | 20.59 | 12.98 |
| FY2024 | 2,884 | 2,461 | 85.0% | 19.76 | 13.54 |
| FY2025 | 2,980 | 2,496 | 84.0% | 19.56 | 13.86 |
TRASMは1供給座席マイル当たりの収益、CASM-Exは燃料費などを除く1供給座席マイル当たりの費用です。年度によって会社の調整項目や定義が変わる場合があるため、長期比較では各年度資料の定義も確認する必要があります。FY2025の整備受託事業費用まで除いた比較可能なCASM-Exは13.61¢でした。[1]
- ASM/RPM:FY2025は供給量が前年比約3%増、需要量が約1%増でした。
- 座席利用率:FY2025は84.0%と高い水準を維持しましたが、FY2024の85.0%からは低下しました。
- TRASM/CASM-Ex:FY2025は調整後TRASMが19.56¢、CASM-Exが13.86¢でした。需要の底堅さに加えて、非燃料コストの管理が重要な局面です。
2. デルタ航空のビジネスモデルと戦略:「プレミアム化」と「ロイヤルティ」
デルタ航空の強みは、単なる輸送量ではなく、単価の高い商品構成と顧客基盤の質にあります。景気や燃料価格が変動しても、プレミアム商品とロイヤルティ収益がどこまで下支えになるかが長期的な見極めどころです。
- プレミアム戦略:
- ロイヤルティプログラム「スカイマイルズ」:
- ネットワークと機材戦略:
- アトランタ、デトロイト、ミネアポリスなどの国内ハブを土台に、国際線と提携航空会社のネットワークを組み合わせています。
- 2026年1月には、ボーイング787-10を30機発注し、さらに30機のオプションを設定しました。納入開始は2031年の予定で、国際線用機材を長期的に更新する計画です。[4]
- 機材更新は燃費、座席構成、整備効率の改善につながる可能性がありますが、導入までの期間が長く、航空機価格や納入遅延の影響も受けます。
3. 財務の健全性:フリーキャッシュフローと負債削減
パンデミック期に膨らんだ負債は、業績回復とフリーキャッシュフローの拡大を通じて圧縮されてきました。FY2025末の会社定義による調整後純負債は143億ドルで、FY2024末の179.8億ドルから大きく低下しました。[1]
2026年第2四半期末には、調整後純負債がさらに135.9億ドルまで低下しています。財務改善が続いている点は評価材料ですが、航空会社としては依然として負債額が大きく、燃料高や需要減少が長期化した場合の耐久力を継続して確認する必要があります。[2]
3.1. 資産・負債・資本の推移
| 会計年度末 | 総資産(百万$) | 総負債(百万$) | 調整後純負債(百万$) | 株主資本(百万$) |
|---|---|---|---|---|
| FY2019 | 64,532 | 49,174 | 9,997 | 15,358 |
| FY2020 | 71,996 | 70,462 | 29,753 | 1,534 |
| FY2021 | 72,459 | 68,572 | 26,922 | 3,887 |
| FY2022 | 72,288 | 65,706 | 20,929 | 6,582 |
| FY2023 | 73,644 | 62,539 | 21,400 | 11,105 |
| FY2024 | 75,372 | 60,079 | 17,980 | 15,293 |
| FY2025 | 81,317 | 60,464 | 14,300 | 20,853 |
総資産、総負債、株主資本は各年度末のGAAP貸借対照表、調整後純負債はデルタ航空のNon-GAAP定義に基づきます。性質の異なる指標を同じ表に掲載しているため、調整後純負債は総負債の単純な内訳ではありません。[1][3]
- 調整後純負債:FY2025末は143億ドル、2026年第2四半期末は135.9億ドルでした。
- 株主資本:FY2025末は208.5億ドルまで回復しました。
- グロスレバレッジ:会社定義の調整後有利子負債/EBITDAR倍率はFY2025末に2.4倍でした。会社はFY2026通期で約2倍を目標としています。[1][2]
3.2. キャッシュフローと設備投資
| 会計年度 | GAAP営業CF(百万$) | 会社開示の総設備投資(百万$) | 会社定義FCF(百万$) |
|---|---|---|---|
| FY2019 | 8,425 | 4,513 | 4,164 |
| FY2020 | (3,793) | 2,689 | (4,327) |
| FY2021 | 3,264 | 2,502 | 1,255 |
| FY2022 | 6,363 | 5,341 | 244 |
| FY2023 | 6,464 | 5,323 | 2,003 |
| FY2024 | 8,025 | 4,834 | 3,424 |
| FY2025 | 8,342 | 4,333 | 4,643 |
フリーキャッシュフローは会社定義のNon-GAAP指標です。空港建設費、年金拠出、戦略的投資などに関する調整が含まれる年度があるため、GAAP営業キャッシュフローから表中の総設備投資を単純に差し引いた金額とは一致しない場合があります。[1][3]
- フリーキャッシュフロー:FY2025は46.4億ドルで、会社開示ベースの過去最高となりました。
- 設備投資:FY2025は43.3億ドルでした。機材、空港施設、顧客サービスへの投資を続けながら、負債削減に回せる資金を確保しています。
- ROIC:FY2025の会社定義による投下資本利益率は12%でした。航空業界の景気循環を考えると、単年度の数値だけでなく複数年で確認する必要があります。[1]
- 2026年上半期:営業キャッシュフローは41億ドル、会社定義のフリーキャッシュフローは14億ドルでした。通期見通しの30億~40億ドルに対して、上半期時点では一定の進捗を確保しています。[2]
4. 投資家向け指標と株主還元
デルタ航空は、パンデミック後に財務の立て直しを優先してきましたが、現在は負債削減を続けながら配当を引き上げる段階へ移っています。ただし、財務目標から見ると、積極的な自社株買いよりもレバレッジの改善を優先する姿勢がなお強いと考えられます。
| 会計年度 | EPS GAAP($) | EPS 調整後($) | BPS($) | 年間配当実績($) |
|---|---|---|---|---|
| FY2019 | 7.30 | 7.31 | 23.89 | 1.61 |
| FY2020 | (19.49) | (10.63) | 2.40 | 0.4025 |
| FY2021 | 0.44 | (3.55) | 6.07 | 0.00 |
| FY2022 | 2.06 | 3.20 | 10.26 | 0.00 |
| FY2023 | 7.17 | 6.25 | 17.26 | 0.20 |
| FY2024 | 5.33 | 6.16 | 23.66 | 0.50 |
| FY2025 | 7.66 | 5.82 | 31.93 | 0.675 |
BPSは各年度末の株主資本を期末発行済株式数で割った概算値です。年間配当は、その年度中に宣言された1株当たり配当の合計であり、年末時点の配当年率とは区別しています。[1][3]
- GAAP EPS:FY2025は7.66ドルでした。
- 調整後EPS:FY2025は5.82ドルでした。GAAP EPSとの差には、投資関連利益などの調整項目が影響しています。
- FY2025の配当実績:FY2025中に宣言された配当の合計は1株当たり0.675ドルでした。
- 2026年の増配:2026年6月、四半期配当は1株当たり0.1875ドルから0.215ドルへ約15%引き上げられました。単純年率換算では0.86ドルです。2026年7月30日に、同年7月9日時点の株主へ支払われる予定です。[5]
- 利益分配:FY2025の業績に基づき、2026年2月には従業員へ約13億ドルの利益分配が行われました。費用負担である一方、運航品質や従業員定着を支える仕組みでもあります。[1]
5. 市場環境と競合:デルタ航空は何が強いのか
航空業界は、景気、燃料価格、為替、地政学、航空機供給、空港や航空管制の制約など、外部要因の影響を強く受けます。その中でデルタ航空の相対的な強みは、運賃の安さだけで競争せず、プレミアム商品、法人需要、ロイヤルティ収益、ハブ空港網を組み合わせている点にあります。
- 需要環境:2026年第2四半期の調整後営業収益は前年同期比13.9%増でした。供給量が約1%増にとどまった中で調整後TRASMが12.4%上昇しており、単価と商品構成の改善が売上を押し上げました。[2]
- 燃料環境:同四半期の調整後燃料費は44.1億ドルで前年同期比77%増、調整後の平均燃料価格は1ガロン当たり3.93ドルで75%上昇しました。需要が強くても、燃料価格の上昇によって利益率が圧迫される航空会社の特徴が表れています。[2]
- 主要競合:アメリカン航空(AAL)、ユナイテッド航空(UAL)などの大手レガシー航空会社に加え、サウスウエスト航空(LUV)なども重要な競争相手です。
- デルタ航空の優位性:プレミアム商品の比率、アメリカン・エキスプレスとの提携、運航品質、主要ハブの競争力を考えると、単純な輸送量拡大だけを狙う航空会社とは異なる収益構造を持っています。
- 過信できない点:プレミアム需要やカード報酬も景気から完全に独立しているわけではありません。景気後退が深くなれば、法人出張、旅行支出、カード利用額が同時に鈍化する可能性があります。
6. 技術革新と顧客サービス向上戦略
デルタ航空は、運航そのものに加えて、Wi-Fi、アプリ、ラウンジ、ロイヤルティ会員向けサービスを改善し、価格以外の差別化を進めています。これらは短期的には費用を伴いますが、プレミアム顧客の継続利用と単価維持を支える投資でもあります。
- 機内Wi-Fi:
- 2026年7月時点で、デルタ航空の航空機の95%超に高速の無料Wi-Fiが導入されています。
- 会社は2026年末までに、対象機材への導入を完了する方針です。[2]
- Fly Deltaアプリ:
- 旅行中の案内や乗り継ぎ支援を提供する「Delta Concierge」は、2026年第2四半期までにスカイマイルズ会員の50%超へ展開されました。[2]
- アプリ上での案内精度が高まれば、顧客の利便性だけでなく、欠航や遅延時の問い合わせ負担を抑える効果も期待できます。
- 空港体験:
- 2026年第2四半期にはロサンゼルス国際空港で新たなデルタ・ワン・ラウンジを開設しました。
- 2026年6月末時点のネットワークは、デルタ・ワン・ラウンジ5か所、デルタ・スカイクラブ55か所となっています。[2]
- ラウンジ投資は、高単価顧客の維持、カード会員の獲得、ブランド価値の向上と結びついています。
7. 2026年の見通し:2Q26実績を踏まえてどう見るか
2026年第2四半期は、売上の強さと燃料高による利益率の圧迫が同時に表れた決算でした。それでもデルタ航空は、FY2026通期の調整後EPSとフリーキャッシュフローの見通しを維持しています。需要の底堅さを評価できる一方、見通しの達成には燃料価格の落ち着きと非燃料コストの管理が必要です。[2]
7.1. FY2026通期ガイダンス
- 調整後EPS:6.50~7.50ドル
- 会社定義のフリーキャッシュフロー:30億~40億ドル
- グロスレバレッジ目標:約2倍
これらは2026年1月に示された見通しと同じ範囲です。燃料価格が急上昇した第2四半期を通過した後も据え置かれた点は前向きに捉えられますが、達成が保証されたわけではありません。[2]
7.2. 2Q26実績
| 指標 | 2Q26実績 | 前年同期比・補足 |
|---|---|---|
| GAAP営業収益 | 197.6億ドル | 前年同期比16.5%増 |
| 調整後営業収益 | 176.7億ドル | 前年同期比13.9%増 |
| 調整後営業利益 | 15.6億ドル | 調整後営業利益率8.8% |
| 調整後EPS | 1.56ドル | 前年同期の2.10ドルから低下 |
| 調整後TRASM | 22.45¢ | 前年同期比12.4%上昇 |
| CASM-Ex | 14.09¢ | 前年同期比6.8%上昇 |
| 調整後燃料費 | 44.1億ドル | 前年同期比77%増 |
| 調整後燃料価格 | 3.93ドル/ガロン | 前年同期比75%上昇 |
| フリーキャッシュフロー | 2.09億ドル | 前年同期比71%減 |
四半期の調整後指標はデルタ航空のNon-GAAP定義に基づきます。GAAP数値と調整後数値を混同しないよう注意が必要です。[2]
- 売上:供給量を約1%しか増やしていない中で、調整後営業収益が13.9%増加しました。無理な増便よりも単価と収益構成を重視した結果と考えられます。
- 利益率:燃料費の急増に加え、CASM-Exも6.8%上昇したため、調整後営業利益率は8.8%に低下しました。
- EPS:調整後EPSは1.56ドルで、前年同期の2.10ドルを下回りました。増収だけでは燃料・非燃料コストの増加を吸収できなかったことが分かります。
- 財務:第2四半期末の調整後純負債は135.9億ドルで、FY2025末から7.1億ドル減少しました。
7.3. 3Q26の会社見通し
- 総営業収益:前年同期比10%台半ばの増加
- 調整後営業利益率:11~13%
- 調整後EPS:2.00~2.50ドル
- 想定する総燃料価格:約3.15ドル/ガロン
第3四半期の想定燃料価格は、第2四半期実績の3.93ドルより低く設定されています。この前提どおり燃料価格が落ち着けば、売上の伸びが利益率の改善へつながりやすくなります。反対に、燃料価格が再び上昇した場合は、利益率とEPSが見通しを下回る可能性があります。[2]
投資家が見ておきたいポイント
- 燃料コスト:短期的な利益変動を最も大きく左右する要因です。燃料費の絶対額だけでなく、会社のガイダンスで用いられる1ガロン当たり価格も確認したいところです。
- CASM-Ex:燃料以外の費用も2026年第2四半期に6.8%上昇しました。整備、人件費、空港費用などを含むコスト管理が必要です。
- プレミアム・ロイヤルティ収益:収益の多様化が利益率の下支えになるか、景気減速時にも伸びを維持できるかが焦点です。
- 負債削減と株主還元:配当は増えていますが、レバレッジ約2倍の達成が優先課題です。
- 通期FCF:2026年上半期の14億ドルに対し、通期目標は30億~40億ドルです。下半期にどれだけ積み上げられるかを確認する必要があります。
- 機材更新:新機材の燃費改善効果が期待される一方、航空機メーカーの納入遅延や設備投資額の増加はリスクになります。
8. まとめ:デルタ航空は「質の高い航空株」と言えるか
デルタ航空は、パンデミック後の単純な回復銘柄という段階を超えつつあります。FY2025には過去最高の営業収益と会社定義による過去最高のフリーキャッシュフローを達成し、プレミアム商品、ロイヤルティ収益、運航品質を軸に収益源を多様化しました。
2026年第2四半期も売上とユニット収益は強かったものの、燃料費の急増とCASM-Exの上昇によって利益率とEPSは前年同期を下回りました。したがって、「需要が強いから利益も安定する」と単純化するのではなく、需要、単価、燃料費、非燃料費の4つを分けて評価する必要があります。
- 強み:2026年第2四半期に多様な収益源が調整後営業収益の61%を占めたこと、プレミアム収益が17%増加したこと、アメリカン・エキスプレス報酬が24億ドルへ16%増加したこと。
- 財務面の改善:FY2025のフリーキャッシュフロー46.4億ドル、2026年第2四半期末の調整後純負債135.9億ドル、四半期配当の0.215ドルへの増額。
- 注意点:燃料価格、人件費・整備費を含む非燃料コスト、景気減速時の法人・プレミアム需要、航空機の納入遅延、地政学や運航障害。
- 見方:航空株としての景気敏感性と外部ショックへの弱さは残りますが、デルタ航空は大手航空会社の中では、比較的単価の高い顧客基盤と多様な収益源を持つ企業です。
ミニ解説
航空株は、搭乗者数や売上高だけでは評価しきれません。座席をどれだけ増やしたか、その座席をどの単価で販売できたか、燃料とそれ以外の費用がどれだけ増えたかを組み合わせて見る必要があります。2026年第2四半期のデルタ航空は、「需要と単価は強いが、費用の上昇が利益を圧迫した決算」と整理できます。
【注】(出典リンク)
- FY2025通期確定値・事業概況 → Delta Air Lines Form 10-K(FY2025) → Delta IR FY2025 Results(確認日:2026-07-15) ↩
- 2Q2026実績・3Qおよび通期見通し → Q2 2026 Earnings Release(PDF) → Delta IR News(2026-07-10)(確認日:2026-07-15) ↩
- FY2019~FY2024のGAAP財務データ → SEC EDGAR:Delta Air Lines 10-K一覧 → Delta Investor Relations:Financials(確認日:2026-07-15) ↩
- ボーイング787-10発注計画 → Q4 2025 Earnings Release(PDF) → Delta News Hub(確認日:2026-07-15) ↩
- 2026年の四半期配当引き上げ → Delta IR News(2026-06-18)(確認日:2026-07-15) ↩

