インドETF(EPI・GLIN・INDA)の比較(株価と配当)

海外ETF

インドETFのデータを比較し、情報を整理してみます。

このページでは積立や資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート、配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を紹介してみましょう

*注意:投資判断は自己責任なので、銘柄(株や投信)の取引のリスクや結果について、本サイトは一切の責任を負うことはできません。

【インド株ETF】INDA, EPI, GLINを徹底比較! – あなたに合うインド投資は?

「世界の成長センター」として中国を凌ぐ勢いを見せるインド。その高い成長ポテンシャルをポートフォリオに取り込むため、インド株ETFへの注目が高まっています。しかし、一口にインド株ETFと言っても、その投資戦略は様々です。今回は、代表的な3つのETF「INDA」「EPI」「GLIN」を取り上げ、それぞれのユニークなコンセプトと特性を徹底的に比較・解説します。

なぜ今、インドに投資するのか?【魅力とリスク】

インド投資の魅力
  • 世界一の人口と若年層: 2023年に中国を抜き世界一の人口大国となり、若年層が厚い「人口ボーナス期」が続いています。これは長期的な内需拡大と経済成長の原動力です。
  • 高い経済成長率: 世界の主要国の中でトップクラスのGDP成長率を維持しており、今後も高い成長が見込まれています。
  • 地政学的な追い風: 「チャイナ・プラスワン」の流れの中で、世界のサプライチェーンにおけるインドの重要性が高まっています。
インド投資の注意点(リスク)
  • 通貨(ルピー)リスク: 米ドルに対してインドルピーが下落すると、ドル建てのETFの価値も目減りします。
  • 高いインフレ率: 慢性的なインフレが経済の不安定要因となることがあります。
  • インフラの未整備: 道路や電力網などのインフラ整備は、経済成長の足かせとなる可能性があります。
  • 官僚主義と規制: ビジネス環境の改善は進んでいますが、複雑な規制や汚職問題は依然として課題です。

3つのETF、コンセプトの違いは?

【INDA】iシェアーズ MSCI インド ETF

投資コンセプト:インド市場の「平均点」を狙う、王道の時価総額加重

インドの大型株・中型株で構成される「MSCIインディア指数」に連動します。最もオーソドックスな時価総額加重方式を採用しており、インド市場全体の動向を捉えたい場合に最適です。純資産総額が最も大きく、流動性も高いため、インド株投資の入門編・コア資産として広く選ばれています。

連動指数 MSCI India Index
経費率 0.64%
上位構成銘柄 Reliance Industries, ICICI Bank, Infosys, HDFC Bank, Tata Consultancy Servicesなど
セクター比率 金融 (約25%), 情報技術 (約13%), 一般消費財 (約12%), エネルギー (約11%) など

【EPI】ウィズダムツリー インド株収益ファンド

投資コンセプト:「収益力」の高い企業に重点を置く、スマートベータ

単に時価総額が大きいだけでなく、「収益(Earnings)」を上げている企業に重点を置いて構成比率を決める、スマートベータ型のETFです。時価総額加重のINDAと比べて、よりファンダメンタルズを重視したポートフォリオになります。

連動指数 WisdomTree India Earnings Index
経費率 0.85%
上位構成銘柄 Reliance Industries, HDFC Bank, ICICI Bank, Infosys, Tata Steelなど
セクター比率 金融 (約21%), エネルギー (約16%), 素材 (約16%), 情報技術 (約13%) など

【GLIN】ヴァンエック・インド・グロース・リーダーズ ETF

投資コンセプト:「成長性」で厳選されたリーダー企業に特化

(注:これは小型株ETFではありません) 成長性、利益率、ROE(自己資本利益率)といったファンダメンタルズ基準でスクリーニングされた、全規模の「成長株(Growth Leaders)」に投資します。市場全体に投資するINDAやEPIとは異なり、将来の成長が期待される企業に特化したい投資家向けのETFです。

連動指数 MarketGrader India All-Cap Growth Leaders Index
経費率 0.78%
上位構成銘柄 Zomato, Trent, Varun Beverages, Power Finance Corp, REC Ltdなど (INDAやEPIとは大きく異なる)
セクター比率 資本財 (約23%), 金融 (約18%), 一般消費財 (約17%), 公益事業 (約11%) など

まとめ:あなたに合うインドETFはどれ?

ETF 投資コンセプト 経費率 こんな人に最適
INDA 時価総額加重 (市場平均) 0.64% まずインド市場全体に投資したい。ポートフォリオのコアにしたい人。
EPI 収益加重 (スマートベータ) 0.85% 時価総額だけでなく、企業の収益力も重視して投資したい人。
GLIN 成長性重視 (グロース株) 0.78% リスクを取ってでも、インドの成長を牽引する企業に集中投資したい人。

インドの力強い成長をポートフォリオに取り入れることは、長期的な資産形成において魅力的な選択肢です。しかし、その方法は一つではありません。ご自身の投資戦略やリスク許容度に合わせて、最適なETFを選びましょう。

過去~現在株価

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。



配当(分配金)と利回り

年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*ここでは特別配当(分配金)を含めて計算するので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高くなることがあります)

EPIの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 0.26% 0.121 101.7% 46.4 33%
2023 0.17% 0.06 -96.9% 34.9 3.9%
2022 5.8% 1.95 364.3% 33.6 -1.8%
2021 1.23% 0.42 100% 34.2 53.4%
2020 0.94% 0.21 -27.6% 22.3 -9.7%
2019 1.17% 0.29 7.4% 24.7 -3.9%
2018 1.05% 0.27 22.7% 25.7 3.2%
2017 0.88% 0.22 10% 24.9 24.5%
2016 1% 0.2 -9.1% 20 -7%
2015 1.02% 0.22 10% 21.5 3.4%
2014 0.96% 0.2 66.7% 20.8 20.2%
2013 0.69% 0.12 -14.3% 17.3 -4.4%
2012 0.77% 0.14 -6.7% 18.1 -16.6%
2011 0.69% 0.15 15.4% 21.7 -9.2%
2010 0.54% 0.13 225% 23.9 44.8%
2009 0.24% 0.04 -55.6% 16.5 -9.8%
2008 0.49% 0.09 18.3

GLINの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 3.53% 1.76 315.1% 49.9 38.2%
2023 1.17% 0.424 -22.9% 36.1 1.7%
2022 1.55% 0.55 35.5 -7.3%
2021 0% 0 -100% 38.3 39.8%
2020 0.26% 0.07 -83.3% 27.4 -25.5%
2019 1.14% 0.42 950% 36.8 -29.%
2018 0.08% 0.04 -42.9% 51.8 -7.7%
2017 0.12% 0.07 -87.5% 56.1 34.9%
2016 1.35% 0.56 -58.2% 41.6 -6.7%
2015 3% 1.34 211.6% 44.6 6.4%
2014 1.03% 0.43 230.8% 41.9 28.9%
2013 0.4% 0.13 160% 32.5 -24.9%
2012 0.12% 0.05 -96% 43.3 -27.1%
2011 2.1% 1.25 59.4 -29.9%

INDAの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 0.74% 0.399 398.8% 53.9 25.6%
2023 0.19% 0.08 42.9 0%
2022 0% 0 -100% 42.9 -4.7%
2021 6.53% 2.94 2840% 45 40.6%
2020 0.31% 0.1 -70.6% 32 -5.6%
2019 1% 0.34 13.3% 33.9 0%
2018 0.88% 0.3 -21.1% 33.9 4.3%
2017 1.17% 0.38 65.2% 32.5 18.2%
2016 0.84% 0.23 -28.1% 27.5 -8.3%
2015 1.07% 0.32 77.8% 30 5.3%
2014 0.63% 0.18 28.6% 28.5 16.8%
2013 0.57% 0.14 40% 24.4 1.2%
2012 0.41% 0.1 24.1

ポートフォリオ

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、セクター別比率はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。


(銘柄名リスト)

  • RIL:リライアンス・インダストリーズ
  • HDFC:HDFC銀行
  • INFY:インフォシス
  • TCS:タタ・コンサルタンシー・サービシズ
  • HCLT:HCLテクノロジー
  • COAL:コール・インディア
  • NESTLEIND:ネスレインディアリミテッド
  • ONGC:インド石油ガス公社
  • IOCL:インド石油会社
  • BPCL:バーラト石油
  • VRTU:バートゥサ
  • NITEC:NIITテクノロジーズ
  • IPCA:IPCAラボラトリーズ
  • ESC:エスコーツ
  • KJC:カジャリア・セラミックス
  • ATLP:アトゥル

インドの経済力

最後に、インドの経済力を見ていきましょう。
ここで、世界銀行のデータバンクから主要統計を閲覧してみます。

実質GDPと成長率

(※実質GDPは2015年米ドル基準 。単位は億ドル)

実質GDP 名目GDP 実質成長率
2005 10943 8204 7.92
2006 11825 9403 8.06
2007 12731 12167 7.66
2008 13124 11989 3.09
2009 14156 13419 7.86
2010 15359 16756 8.50
2011 16164 18230 5.24
2012 17046 18276 5.46
2013 18135 18567 6.39
2014 19478 20391 7.41
2015 21036 21036 8.00
2016 22773 22948 8.26
2017 24320 26515 6.80
2018 25909 27011 6.53
2019 26956 28705 4.04
2020 25001 26602 -7.25
2021 26532 31503 8.70
2022 28211 33851 6.33
2023 29929 37329 6.10

一人当たりGDP/人口/失業率

(*失業率はILO方式。一人当たりGDP〔実質〕の単位はドル、人口は万人)

1人当りGDP 人口 失業率
2005 954 114761 5.65
2006 1015 116549 5.52
2007 1076 118321 5.41
2008 1093 120067 5.36
2009 1162 121773 5.61
2010 1244 123428 5.65
2011 1293 125029 5.65
2012 1347 126578 5.66
2013 1416 128084 5.67
2014 1503 129560 5.60
2015 1606 131015 5.56
2016 1719 132452 5.51
2017 1817 133868 5.41
2018 1915 135264 5.33
2019 1973 136642 5.27
2020 1812 138000 7.11
2021 1922 139638 4.23
2022 2020 141260 3.62
2023 2123 142862 3.22

Posted by 南 一矢