MCDとSBUXを比較:マクドナルドとスターバックスの戦略の違いとは

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【2026年版】MCD vs SBUX 徹底比較:安定の不動産フランチャイズか、再建中のコーヒー帝国か

MCDとSBUXの違いを踏まえて比較します。(2026年8月更新)

マクドナルド(McDonald’s Corporation)とスターバックス(Starbucks Corporation)は、世界を代表する外食企業です。

その株価の推移、決算の予想と結果、配当金と利回り、業績、ビジネスモデルにはどのような違いがあるのでしょうか。

本記事では、2026年8月5日時点の株価と、両社が公表した最新決算をもとに、今後の見通しや将来性を比較します。

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移(VCR:Vanguard Consumer Discretionary ETFを含めて比較)

※チャート右目盛り:米国10年国債利回り

決算(予想:結果)

市場におけるEPSと売上高の予想値、および実績値の変動を更新します。

決算については以下の関連記事を参照してください。

マクドナルド(MCD)決算:予想と結果 売上&EPS

スターバックス(SBUX)決算:予想と結果 売上&EPS

【外食王者対決】マクドナルド(MCD)vs スターバックス(SBUX):安定の不動産王か、再建中のコーヒー帝国か

世界の消費者の生活に深く根付いているマクドナルド(MCD)スターバックス(SBUX)。マクドナルドは2025年に四半期配当を1株1.86ドルへ引き上げ、2026年7月にも同額の配当を継続しました。2025年の増配で連続増配年数は49年となっています。[1]

スターバックスは2025年に四半期配当を1株0.62ドルへ引き上げ、2026年7月にも同額を維持しました。2010年の配当開始以降、2025年の増配で15年連続増配となっています。[2]

両社は同じ外食株に分類されますが、収益構造は大きく異なります。MCDは「不動産+フランチャイズ」による安定収益モデル、SBUXは「直営店+ブランド体験」を軸としながら、2026年には中国事業を合弁・ライセンス型へ移行した再成長モデルです。

比較サマリー:ビジネスモデルの違いが収益性を左右する

項目 マクドナルド(MCD) スターバックス(SBUX)
ビジネスモデル フランチャイズ+不動産
2025年末時点で世界の店舗の約95%を独立した事業者が運営しています。土地・建物の所有または長期リースを基盤に、賃料とロイヤリティを受け取る構造です。[3]
直営店中心+ライセンス
2025年度は直営店売上が連結売上高の82.7%を占めました。ただし、2026年度第3四半期から中国事業を合弁・ライセンス型へ移行し、直営中心だった国際事業の構成が変化しています。[4][6]
主な収益源 フランチャイズ加盟店からの賃料・ロイヤリティと、一部の直営店売上です。2025年のフランチャイズ収入は165.48億ドルでした。[3] 直営店での飲料・食品販売が中心です。ライセンス店からはロイヤリティ、商品供給収入などを得ます。中国事業の移行後は、国際部門でライセンス収入の比重が高まりました。[4][6]
直近決算 2026年Q2
売上高71.0億ドル、グローバル既存店売上+1.3%、希薄化後EPS3.32ドル。[5]
FY2026 Q3
売上高93億ドル、グローバル既存店売上+7.9%、GAAP EPS0.91ドル、Non-GAAP EPS0.85ドル。[6]
連続増配年数 49年
2025年の増配時点[1]
15年
2025年の増配時点[2]
配当利回り(参考) 2.72%
年換算7.44ドル÷株価274.00ドル
2026年8月5日終値ベース
[7]
2.34%
年換算2.48ドル÷株価106.00ドル
2026年8月5日終値ベース
[7]

重要:マクドナルドは「不動産会社」的な性格を持つ

マクドナルドの強さは、ハンバーガーの販売だけではありません。土地・建物を所有または長期リースし、フランチャイズ加盟店から賃料とロイヤリティを受け取る仕組みが収益の中核です。

2025年のフランチャイズ収入の内訳は、賃料が104.42億ドル、ロイヤリティが60.18億ドル、初期加盟料などが0.88億ドルでした。世界の店舗の約95%を独立した事業者が運営するため、MCD本体は店舗の日常的な人件費や食材費を直接負担する割合を抑えながら収入を得られます。[3]

ただし、フランチャイズ型でも景気の影響を受けないわけではありません。加盟店の客数や採算が悪化すれば、ロイヤリティ収入、賃料回収、店舗投資に影響する可能性があります。

業績と成長性の詳細分析

通期売上高ではスターバックスがマクドナルドを上回ります。2025年度のSBUXの売上高は371.84億ドル、2025年のMCDの売上高は268.85億ドルでした。

ただし、両社の売上高をそのまま比較する際には注意が必要です。MCDではフランチャイズ店舗における最終消費者への販売額の全額ではなく、主に加盟店から受け取る賃料やロイヤリティが連結売上高に計上されます。一方、SBUXでは直営店の飲料・食品販売額が売上高に計上されます。

この違いにより、MCDは売上高が小さく見える一方、営業利益率が高くなりやすい構造です。2025年のMCDの営業利益率は約46.1%でした。SBUXは直営店比率が高いため、人件費、店舗運営費、原材料費、配送費などの影響を受けやすくなります。[3][4]

SBUXでは、Brian Niccol氏が2024年9月に会長兼CEOへ就任し、「Back to Starbucks」計画による店舗体験、商品、待ち時間、従業員配置の改善を進めています。FY2026 Q3ではグローバル既存店売上が7.9%増となり、4四半期連続で既存店売上が増加しました。[6][8]

一方、2026年Q3のSBUXの連結売上高は前年同期比1%減の93億ドルでした。これは営業不振だけを示すものではなく、中国の直営店舗事業をBoyu Capitalが運営する合弁会社へ移し、ライセンス型に変更した影響を含みます。SBUXは合弁会社の持分40%を維持し、ブランドと知的財産を保有します。[6]

マクドナルド 売上高 スターバックス 売上高
2025 268.85億ドル (+3.7%)[3] 371.84億ドル (+2.8%)[4]
2024 259.20億ドル (+1.7%)[3] 361.76億ドル (+0.6%)[4]
2023 254.94億ドル (+10.0%)[3] 359.76億ドル (+11.6%)[4]

【直近決算の要点】
MCD 2026年Q2:グローバル既存店売上は1.3%増、売上高は70.99億ドル、希薄化後EPSは3.32ドルでした。米国既存店売上は0.8%増にとどまり、客単価の上昇が寄与した一方、既存店客数は減少しました。全社売上高は前年同期比4%増、為替影響を除くと2%増でした。[5]
SBUX FY2026 Q3:グローバル既存店売上は7.9%増、売上高は93億ドル、GAAP EPSは0.91ドル、Non-GAAP EPSは0.85ドルでした。既存店取引件数は4.2%増加し、会社はFY2026のNon-GAAP EPS見通しを2.55~2.65ドルへ引き上げました。[6]

ミニ解説:MCDはフランチャイズ加盟店の売上に応じたロイヤリティと賃料を得るため、直営店中心の企業よりも利益率が高くなりやすい企業です。SBUXは店舗運営の改善が売上高と利益率へ直接反映されやすく、再建が成功した場合の回復余地が大きい反面、人件費や店舗効率の悪化も利益へ直接響きます。

また、SBUXの2026年Q3以降は中国事業の会計上の扱いが変わっています。売上高の前年比だけで判断せず、既存店売上、取引件数、ライセンス収入、営業利益率を合わせて確認する必要があります。

配当で見るMCDとSBUX

配当の継続実績ではMCDが優位です。MCDは2025年に四半期配当を1.77ドルから1.86ドルへ引き上げ、49年連続増配となりました。2026年7月23日にも1株1.86ドルの四半期配当を発表しており、年換算配当は7.44ドルです。[1]

2026年8月5日のMCD終値274.00ドルを基準にすると、予想配当利回りは約2.72%です。[7]

SBUXは2025年に四半期配当を0.61ドルから0.62ドルへ引き上げ、15年連続増配となりました。2026年7月にも1株0.62ドルの四半期配当を維持しており、年換算配当は2.48ドルです。[2]

2026年8月5日のSBUX終値106.00ドルを基準にすると、予想配当利回りは約2.34%です。[7]

現在の利回りには大差がありませんが、MCDは連続増配の期間が長く、フランチャイズ収入を基盤としたキャッシュフローの安定性があります。SBUXは増配を継続しているものの、事業再編、店舗投資、人件費、利益率の回復状況も確認する必要があります。

投資家が見るべき違い

観点 MCD SBUX
安定性 比較的高い。フランチャイズの賃料とロイヤリティが収益の中心。 ブランド力は強いが、直営店舗の運営効率や人件費の影響を受けやすい。
直近の成長 2026年Q2のグローバル既存店売上は1.3%増。成長は続いたが、米国の客数に弱さが見られた。 FY2026 Q3のグローバル既存店売上は7.9%増。取引件数も増え、再建の進展が示された。
成長余地 店舗拡大、価格・メニュー施策、デジタル注文、ロイヤルティ会員の拡大。 米国店舗の効率改善、客数回復、商品改革、中国事業のライセンス型成長。
主なリスク 低所得層の消費鈍化、客数減少、加盟店の採算、人件費・食材費、為替。 人件費、店舗投資、再建コスト、中国合弁事業、競争激化、ブランド再建の遅れ。
配当株としての魅力 連続増配実績が長く、配当成長株としての信頼性が高い。 増配を継続しているが、利益回復とフリーキャッシュフローの確認が重要。
向きやすい投資家 安定収益、連続増配、長期保有を重視する投資家。 ブランド再建と利益率回復による上振れを重視する投資家。

まとめ:MCDは安定、SBUXは再建と事業構造転換の成否

MCDとSBUXはどちらも世界的な外食ブランドですが、投資対象としての性格は大きく異なります。

MCDは、世界の店舗の約95%を独立した事業者が運営し、賃料とロイヤリティを収益の柱とする「安定収益型」の企業です。2026年Q2には米国の既存店客数が減少しましたが、全社売上高とEPSは前年同期を上回りました。

SBUXは直営店中心であるため、店舗体験、待ち時間、従業員配置、商品構成の改善が売上高と利益率へ直接反映されます。FY2026 Q3では既存店売上と取引件数が増加し、再建策の進展が確認されました。

一方、SBUXは2026年に中国事業を合弁・ライセンス型へ変更しました。このため、今後は単純な売上高の増減だけではなく、ライセンス収入、持分法利益、国際部門の利益率も確認する必要があります。

安定性と配当実績を重視するならMCD、店舗再建と事業構造転換による利益回復を重視するならSBUXという整理ができます。ただし、どちらも消費者の値上げ耐性、外食需要、客数、人件費、原材料費、為替の影響を受けます。最新決算では、売上高やEPSだけでなく、既存店客数、客単価、営業利益率を継続的に確認することが重要です。

【注】(出典リンク)

  1. MCD配当・連続増配 → McDonald’s 2025年Q4・通期決算資料(四半期配当1.86ドル、5%増配)McDonald’s 2026年Q3配当リリース(2026年7月23日)(確認日:2026-08-06)
  2. SBUX配当・連続増配 → Starbucks配当増額リリース(2025年10月1日、四半期配当0.62ドル)Starbucks配当履歴(確認日:2026-08-06)
  3. MCD FY2025年次報告・フランチャイズ構造 → McDonald’s Form 10-K FY2025(店舗構成、売上高、賃料・ロイヤリティ)McDonald’s Financial Information(確認日:2026-08-06)
  4. SBUX FY2025年次報告・売上構成 → Starbucks Form 10-K FY2025Starbucks Fiscal 2025 Annual Report(確認日:2026-08-06)
  5. MCD 2026年Q2決算 → McDonald’s Q2 2026 Earnings Release(売上高70.99億ドル、EPS3.32ドル)McDonald’s Reports Second Quarter 2026 Results(確認日:2026-08-06)
  6. SBUX FY2026 Q3決算・中国事業移行 → Starbucks Reports Q3 Fiscal Year 2026 Results(2026年7月29日)Starbucks Press Release(確認日:2026-08-06)
  7. 配当利回りの算出根拠 → McDonald’s Stock InformationStarbucks Stock Quote(2026年8月5日終値:MCD 274.00ドル、SBUX 106.00ドル。利回りは年換算配当を終値で除して算出。確認日:2026-08-06)
  8. SBUX経営体制 → Starbucks Press Release(Brian Niccol氏の会長兼CEO就任)FY2026 Q3決算における再建進捗(確認日:2026-08-06)


Posted by 南 一矢