VNM:ベトナムETFの株価と配当

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【ベトナム株ETF】VNMとは?アジア最後のフロンティアへの投資の魅力とリスク

VNM(ヴァンエック・ベトナムETF)の最新情報を整理します。[1]

このページでは、長期的な積立やポートフォリオ運用の参考となるよう、ETFの概要や最新の配当利回り、構成銘柄の要点をコンパクトに解説します。投資環境や数値は刻々と変動するため、最終的な意思決定の前に必ず運用会社の公式サイトをご確認ください。[1]

【ベトナム株ETF】VNMとは?アジアの成長を取り込む投資の魅力とリスク

「チャイナ・プラスワン」の筆頭候補として、また若年層の厚い人口動態を背景に高成長を続けるベトナム。その成長をダイレクトにポートフォリオへ組み入れる代表的な手段が、ヴァンエック社のVNM(VanEck Vietnam ETF)です。ここでは、ベトナム投資の独自性とリスク、そしてVNMの2026年Q1(第1四半期)時点の構成と運用上の注意点を詳しく見ていきましょう。[1]

最新トピック(2025年〜2026年)

  • 米越通商関係の安定(2025年10月枠組み合意):米国はベトナムからの輸入に対し、相互関税率20%を維持する枠組みを適用しています(2025年10月)。一時期検討されていた第三国経由の迂回輸出に対する40%の重課税懸念は、原産地認定の厳格化を条件に沈静化しています。ただし、実務面での迂回判定プロセスが輸出企業のコスト要因となるリスクには引き続き注視が必要です。[4][5]
  • 市場区分の格上げ進展(2026年3月中間レビュー):FTSE Russellによるフロンティア→セカンダリー・エマージングへの再分類計画は、2026年9月21日の有効化に向けて継続中です。2026年3月の中間レビューでは、ノン・プリー・ファンディング(事前資金調達の不要化)へのアクセス改善が評価されました。格上げが実現すれば、パッシブ資金の流入期待が一段と高まります。[6]

ベトナム投資の魅力とリスク

投資の魅力

  • 構造的な成長ストーリー:グローバルサプライチェーンの再編に伴う製造業の流入と、拡大する中間層による内需拡大が両輪となっています。
  • インフラと制度の近代化:市場区分の格上げに向けたKRX(新取引システム)の稼働や決済ルールの整備が、外国人投資家の利便性を向上させています。[6]

注意すべきリスク

  • 通商政策の不確実性:対米関税枠組み(20%)の維持は、主要輸出先である米国市場の需要変動や政策変更の影響をダイレクトに受けます。[5]
  • 為替変動リスク:ベトナム・ドン安が進む局面では、ドル建てETFであるVNMのパフォーマンスを押し下げる要因となります。
  • 不動産・金融への偏重:後述の通り、VNMは不動産と金融の合計比率が約50%を超えており(2026年3月31日時点)、国内の金利政策や不動産規制の影響を強く受けます。[2]

【VNM】ヴァンエック・ベトナムETFの概要(2026年4月時点)

VNMはMarketVector Vietnam Local Index(MVVNMLTR)に連動します。この指数は、実質的にベトナム国内の現地企業(ベトナムで設立された上場企業)に限定して構成されており、純粋なベトナム・エクスポージャーを提供します。[1][3]

基本情報(2026年Q1末時点)

項目 内容(2026-03-31 / 2026-04-10時点)
正式名称 VanEck Vietnam ETF(ティッカー:VNM)
連動指数 MarketVector Vietnam Local Index(MVVNMLTR)
経費率(年率) 0.68%(2026-04-10時点、Net)[1]
純資産総額(AUM) 約6.12億ドル(2026-04-10時点)[1]
保有銘柄数 56銘柄(2026-03-31時点)[2]
30日SEC利回り 0.72%(2026-03-31時点)[1]
分配金利回り(12か月) 0.24%(2026-03-31時点)[1]
直近騰落率(NAV) 2026年Q1(1-3月期) +4.12%
2025年通期 +62.42%[1]

上位構成銘柄とセクター配分

上位10銘柄は、不動産最大手のVingroupとその子会社Vinhomes、消費財のMasanなどが中心です(2026-03-31時点)。[2]

  • 上位構成(2026-03-31時点):Vinhomes (VHM) 9.12%、Vingroup (VIC) 8.95%、Masan Group (MSN) 7.15%、Hoa Phat Group (HPG) 6.45%、SSI Securities 5.12%、Vietcombank (VCB) 4.92%、Vinamilk (VNM) 4.88%、VIX Securities 3.82%、Vietjet Air 3.41%、Vincom Retail 3.10%
  • セクター比率(2026-03-31時点):不動産 28.5%、金融 27.8%、生活必需品 17.2%、資本財 11.5%、素材 8.2%、IT 2.1%、エネルギー 1.2% 等

運用上の重要ポイント

VNMは2023年の指数切り替え以降、ベトナム現地企業への投資に特化した「ピュア・ベトナム」型となっています。2026年3月末時点の国別構成比はベトナムが99.78%(残りは現金等)に達しています。[2]

指数ルールにより、各銘柄の組入上限は原則8%(見直し時)と定められていますが、市場価格の変動により次回の調整まで上限を超えるケースがあります。また、四半期(3・6・9・12月)ごとのリバランスにより、成長性の高い中小型株が新たに追加されるダイナミズムも備えています。[3]

まとめ:ポートフォリオにおける位置づけ

  • VNMはベトナム株に包括的にアクセスできる唯一の米国上場ETFとしての地位を確立しています。ただし、依然としてフロンティア市場(あるいは格上げ途上のエマージング市場)特有のボラティリティを伴うため、サテライト資産としての配分が適切です。[1]
  • FTSEによる格上げの成否(2026年9月)や、米越通商の実務運用といったイベントをマイルストーンとして、定期的な比率調整を行うことがプロの視点では推奨されます。[6]
ミニ解説:VNMは2026年に入り、不動産市況の緩やかな回復と、ITセクターの微増(比率2%超へ)が見られます。市場全体の透明性が高まる「格上げ前夜」の局面ですが、特定セクターへの集中度合いは依然として高く、セクター特有のヘッドラインリスクには備えておく必要があります。[2]

【注】(出典リンク)

  1. VanEck VNM公式サイト(基本データ・AUM・パフォーマンス:2026-04-10時点) → VanEck VNM Product Page(確認日:2026-04-12) ↩
  2. VanEck VNMファクトシート(保有銘柄・セクター配分・国別比率:2026-03-31時点データ) → VanEck Fact Sheet (PDF)(確認日:2026-04-12) ↩
  3. MarketVector Vietnam Local Index(指数ルール・上限規定・構成定義) → MarketVector Indices(確認日:2026-04-12) ↩
  4. 米国政府通商記録(米越通商声明:2025-07-02付) → Compilation of Presidential Documents(確認日:2026-04-12) ↩
  5. USTR(米国通商代表部)ファクトシート(米越枠組み合意:2025-10) → USTR Official Release(確認日:2026-04-12) ↩
  6. FTSE Russell市場格上げレポート(2025年9月結果および2026年3月中間レビュー) → FTSE Russell Country Classification Update(確認日:2026-04-12) ↩


株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

配当金(分配金)と利回り

年間配当を1年の平均株価で割り、平均の利回りを計算してみます。

配当 平均株価
平均利回り 年累計 年伸び率
2023 5.28% 0.66 500% 12.5
2022 0.84% 0.11 10% 13.1
2021 0.64% 0.1 42.9% 15.7
2020 0.36% 0.07 -66.7% 19.3
2019 1.47% 0.21 75% 14.3
2018 0.74% 0.12 -29.4% 16.2
2017 0.99% 0.17 -45.2% 17.1
2016 2.11% 0.31 -41.5% 14.7
2015 3.71% 0.53 3.9% 14.3
2014 2.93% 0.51 -13.6% 17.4
2013 2.8% 0.59 63.9% 21.1
2012 1.84% 0.36 125% 19.6
2011 0.9% 0.16 -52.9% 17.7
2010 1.63% 0.34 1033.3% 20.9
2009 0.12% 0.03 25.2

ポートフォリオ

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。

投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄ははチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

ベトナム経済の現状

最後に、ベトナムの経済力を見ていきましょう。

ベトナムは社会主義国でしたが、冷戦の終わり頃から中国と同じく経済面での開放政策(ドイモイ)を進めました。

1986年の第6回党大会で市場経済システムの導入と対外開放からなるドイモイ(刷新)路線を継続。90年代には経済が好転し、1995~96年には9%台の経済成長率を記録しています。

その後、アジア経済危機でダメージを受けたものの、2000年~2010年の平均経済成長率は7%台となり、高成長を続けました。

2020年は感染症対策がうまくいったので、今後の経済回復が期待されています。

ここで、世界銀行のデータバンクから主要統計を閲覧してみます。






ベトナム経済の現状と将来予測


ベトナム経済の現状と将来予測

ベトナムは社会主義国でしたが、1986年のドイモイ(刷新)政策以降、市場経済システムの導入と対外開放を進め、目覚ましい経済成長を遂げてきました。特に2000年代以降は安定して高い成長率を維持しています。

2020年のコロナ禍においても、効果的な感染症対策によりプラス成長を確保し、その後の経済回復への期待が高まっています。ここでは、世界銀行のデータなどに基づき、ベトナム経済の現状と今後の見通しを見ていきます。

名目GDP・成長率・予測(世界銀行データ)

(※名目GDPの単位は10億ドル、成長率は%)

名目GDP
(10億ドル)
実質成長率
(%)
備考
2020 346.6 2.9 COVID-19影響
2021 366.5 2.6 感染症対策成功
2022 410.3 8.0 急速な回復
2023 408.8 5.0 減速も堅調
2024 476.4 7.1 力強い回復
2025予測 5.8 世界銀行予測
2026予測 6.1 世界銀行予測

一人当たりGDP・人口・雇用統計(最新データ)

(※一人当たりGDPの単位はドル、人口は百万人、失業率・労働力は%)

一人当たりGDP
(ドル)
人口
(百万人)
失業率
(%)
労働力参加率
(%)
2020 3,540 97.3 2.1
2021 3,756 98.2 2.4
2022 4,110 99.5 1.5 67.8
2023 4,110 100.3 1.7 68.2
2024 4,717 101.3 2.2 68.6
📊 2024年労働市場のハイライト
  • 労働力人口:5,300万人(15歳以上、前年比57.5万人増)
  • 失業者数:106万人(前年比9,000人減)
  • 平均月収:770万ドン(約304ドル、前年比8.6%増)
  • 都市部失業率:2.5%、農村部失業率:2.1%
  • 不完全雇用率:1.8%(前年比0.18ポイント改善)

主要経済指標の長期的推移(2005-2020年)

(※実質GDPは2015年米ドル基準。実質GDP/名目GDPの単位は億ドル、一人当たりGDPの単位はドル、人口は万人、失業率はILO方式)

実質GDP 名目GDP 実質成長率 (%) 1人当りGDP (実質) 人口 失業率 (%)
2005 854 576 7.5 1018 8383 ..
2006 913 664 7.0 1079 8462 ..
2007 978 774 7.1 1145 8542 2.0
2008 1034 991 5.7 1198 8624 ..
2009 1089 1060 5.4 1251 8709 1.7
2010 1159 1159 6.4 1318 8797 1.1
2011 1232 1355 6.2 1386 8887 1.0
2012 1296 1558 5.2 1443 8980 1.0
2013 1367 1712 5.4 1506 9075 1.3
2014 1448 1862 6.0 1579 9171 1.3
2015 1545 1932 6.7 1667 9268 1.8
2016 1641 2053 6.2 1753 9364 1.8
2017 1753 2238 6.8 1853 9460 1.9
2018 1877 2452 7.1 1964 9554 1.2
2019 2009 2619 7.0 2082 9646 2.0
2020 2067 2722 2.9 2122 9741 3.3
🌟 ベトナム経済の注目ポイント
  • 過去40年の奇跡的成長:1986年ドイモイ開始時の一人当たりGDP約700ドルから2024年には4,717ドルへ
  • 貧困撲滅の成功:極貧率(1日3.65ドル未満)が2010年の14%から2023年には4%未満へ
  • 人口ボーナス継続:1億人を超える人口の58%が労働年齢、平均年齢32歳
  • 世界経済での存在感:GDP規模で世界35位前後、ASEANでは4番目の経済大国


Posted by 南 一矢