VNM:ベトナムETFの株価と配当

海外ETF

VNM(VanEck Vietnam ETF)の最新情報を整理します。[1]

このページでは、長期的な積立やポートフォリオ運用の参考となるよう、ETFの概要、経費率、分配利回り、構成銘柄の要点を解説します。投資環境や数値は変動するため、最終的な判断の前に運用会社の公式サイトをご確認ください。

【2026年10月9日更新】

VanEck公式データに基づき、VNMのNAVは16.81ドル、純資産総額は約4.70億ドル、経費率は0.66%、年初来NAVリターンは−10.77%(いずれも2026年10月8日時点)に更新しました。保有明細は10月7日時点、セクター・国別構成は9月30日時点の数値を使用します。[1]

ベトナムは2026年9月21日にFTSE Russellのセカンダリー・エマージング市場へ移行しました。2026年7~9月期の実質GDP成長率は前年同期比9.95%と高い一方、VNMの年初来リターンはマイナスであり、実体経済と株式リターンの違いが確認できます。[2][3]

【ベトナム株ETF】VNMとは?アジアの成長を取り込む投資の魅力とリスク

「チャイナ・プラスワン」の生産拠点として存在感を高め、若年層を含む厚い人口構成と内需拡大を背景に成長を続けるベトナム。その株式市場へ米国上場ETFを通じて投資する代表的な手段が、VanEckのVNM(VanEck Vietnam ETF)です。

VNMは2023年3月に連動指数を変更し、現在はベトナムで設立された現地企業を対象とする「ピュア・ベトナム型」のETFとなっています。ここでは、ベトナム投資の独自性とリスク、VNMの2026年10月時点の構成、運用上の注意点を見ていきます。[4]

最新トピック(2025~2026年10月)

  • FTSE Russellの格上げが2026年9月21日に発効:フロンティア市場からセカンダリー・エマージング市場への変更が完了しました。FTSE Russellは10月6日公表の年次レビューでも実施済みと明記しています。外国人機関投資家の事前資金準備義務の緩和や、決済不履行に対応する仕組みの整備が背景にあります。[2]
  • FTSE関連指数への組み入れは段階的:予定される組み入れの進捗は2026年9月が10%、2027年3月に追加20%、同年6月に追加35%、同年9月に追加35%です。市場区分変更と全量組み入れ完了を混同しないことが重要です。また、VNMの連動指数はFTSEではなくMarketVector Vietnam Local Indexです。[2][4]
  • ベトナムの高成長:ベトナム統計当局の2026年10月3日発表によると、2026年7~9月期の実質GDPは前年同期比9.95%増、2026年1~9月は9.01%増でした。好調な経済指標がそのままVNMの上昇を意味するわけではありません。[3]
  • 米越通商交渉は最終局面:2025年10月26日の米越通商枠組みでは、米国側がベトナム産輸入品に対する20%の相互関税率を維持し、一部品目への0%適用を示しました。2026年10月8日時点では、ベトナム政府が7回の協議を経てほぼ全ての交渉項目で合意し、残る技術的課題を詰めていると説明しています。枠組みと最終協定は区別して見る必要があります。[5]

ベトナム投資の魅力とリスク

投資の魅力

  • 構造的な成長ストーリー:製造業・インフラへの投資と内需拡大が成長を支えています。ベトナムの2026年7~9月期GDP成長率は前年同期比9.95%で、1~9月累計も9.01%増でした。ただしGDP成長と株価リターンは同義ではありません。[3]
  • 市場制度の近代化:外国人機関投資家の事前資金準備の緩和、決済制度改善を経て、FTSE Russellの市場区分変更が2026年9月21日に発効しました。[2]
  • 現地企業へ集中投資できる:VNMの国別構成は2026年9月30日時点でベトナムが99.77%。ベトナム国内企業への集中度が高いETFです。[1]

注意すべきリスク

  • 通商政策の不確実性:2025年10月の米越枠組みに示された20%の相互関税率、原産地規則や追加的な通商措置は、輸出企業の受注・利益率・設備投資に影響し得ます。2026年10月8日時点で交渉はほぼ完了と報じられましたが、最終的な内容と実施状況の確認が引き続き必要です。[5]
  • 為替変動リスク:ベトナム・ドンが米ドルに対して下落すると、現地株価が上昇しても、米ドル建てのVNMではリターンが押し下げられる可能性があります。日本の投資家は、米ドルと円の為替変動も負います。
  • 不動産・金融への偏重:2026年9月30日時点の構成比は金融32.88%、不動産22.81%、合計55.69%です。国内金利、銀行の信用供給、不動産規制などの影響を強く受けます。[1]
  • 銘柄集中リスク:2026年10月7日時点ではVinhomesが7.91%、Vingroupが7.78%で、両社合計は15.69%です。上位企業の業績や不動産市況がETF全体の値動きを左右する可能性があります。[1]
  • 市場流動性と価格乖離:ベトナム市場と米国市場では取引時間が異なります。ベトナム市場の終了後に米国でVNMが取引されるため、ETFの市場価格と直近の基準価額との間に乖離が生じる場合があります。

【VNM】VanEck Vietnam ETFの概要(2026年10月時点)

VNMはMarketVector Vietnam Local Index(MVVNMLTR)への連動を目指します。この指数は、ベトナムで設立され、時価総額や流動性などの基準を満たす上場企業を対象とします。ベトナム国外で設立された企業を含んでいた旧指数とは異なり、現地企業への純度が高い設計です。[4]

基本情報(2026年10月時点)

項目 内容
正式名称 VanEck Vietnam ETF(ティッカー:VNM)
連動指数 MarketVector Vietnam Local Index(MVVNMLTR)[4]
NAV(基準価額) 16.81ドル(2026-10-08時点)[1]
経費率 グロス/ネットともに0.66%(2026-10-08確認時点)[1]
純資産総額(AUM) 約4.70億ドル(469.76百万ドル、2026-10-08時点)[1]
保有銘柄数 保有明細61件(現金・ETF等を含む、2026-10-07時点)。株式銘柄数と同一ではありません。[1]
30日SEC利回り 1.30%(2026-10-08時点)[1]
12カ月利回り 0.23%(2026-10-08時点)[1]
分配頻度 年1回(2026-10-08確認時点)[1]
直近騰落率(NAV) 2026年7~9月期:−7.72%
2026年1~9月:−9.03%
2026年9月末までの過去1年間:−4.13%(2026-09-30基準の運用会社掲載月次リターン)[1]
2026年年初来リターン −10.77%(NAV基準、2026-10-08時点)[1]
実績PER/PBR PER14.14倍、PBR2.02倍(2026-06-30時点の公表値。2026年10月時点の最新値ではありません)[6]

VNMの経費率は2026年10月8日時点でも0.66%と、2026年7月時点から変わっていません。純資産総額は2026年7月16日時点の約5.28億ドルから2026年10月8日時点の約4.70億ドルに減少しました。純資産の増減には株価変動と投資家による設定・解約の両方が影響するため、減少分をそのまま資金流出額とみなすことはできません。[1]

2026年7~9月期のNAVリターンは−7.72%、9月末時点の年初来は−9.03%でした。2026年10月8日時点では年初来−10.77%とさらに低下しています。2026年7~9月期に実質GDPが9.95%増えた一方、株価は下落しており、経済成長率とETFの投資収益は一致しません。[1][3]

上位構成銘柄とセクター配分

上位構成銘柄には、不動産・複合企業のVingroupとVinhomes、消費関連のMasan GroupとMasan Consumer、銀行、乳製品、鉄鋼、証券会社などが並びます。[1]

  • 上位構成銘柄(2026-10-07時点):Vinhomes 7.91%、Vingroup 7.78%、Masan Group 6.71%、Masan Consumer 6.09%、Vinamilk 5.36%、Vietcombank 5.02%、Hoa Phat Group 4.88%、VPS Securities 3.79%、SSI Securities 3.60%、VIX Securities 2.79%。[1]
  • セクター比率(2026-09-30時点):金融32.88%、不動産22.81%、生活必需品21.53%、資本財・サービス8.23%、素材6.79%、一般消費財2.66%、情報技術2.60%、エネルギー1.43%、公益事業0.83%、その他・現金等0.22%など。[1]
  • 国別比率(2026-09-30時点):ベトナム99.77%、分類対象外0.01%、その他・現金等0.22%。[1]

運用上の重要ポイント

VNMは2023年3月17日の市場終了後に連動指数を切り替え、ベトナムで設立された企業への投資に特化しました。2026年9月30日時点のベトナム比率は99.77%です。[1]

MarketVector Vietnam Local Indexは浮動株調整後時価総額を基に構成比率を決定し、3月・6月・9月・12月に定期見直しを実施します。銘柄比率の上限は一律ではなく、上位順位に応じた複数の上限値が設けられています。[4]

現行の公開インデックスガイドによる定期リバランス時の上限は、最大2銘柄がそれぞれ8%、3番目が7%、4番目が6.5%、5番目が6%、6番目が5.5%、7番目が5%、残りが4.5%という段階方式です。この上限は指数見直し時の比率に関するもので、その後の相場変動によってETFの実際の保有比率は上限を上回る場合があります。[4]

まとめ:ポートフォリオにおける位置づけ

  • VNMは、ベトナムで設立された企業へ米国上場ETFを通じて投資する商品です。2026年9月30日時点でベトナム比率は99.77%、金融・不動産・生活必需品の3業種で77.22%に達します。国だけでなく業種集中にも注意が必要です。[1]
  • FTSE Russellの市場区分変更は2026年9月21日に実施済みですが、関連指数への組み入れは2027年9月まで段階的に進みます。今後は組入れの実績、外国人投資、流動性、株価評価の変化が焦点です。なお、VNMそのものが追うのはFTSE指数ではありません。[2][4]
  • 2026年7~9月期のGDP成長率は前年同期比9.95%と高かった一方、VNMの同四半期NAVリターンは−7.72%、10月8日時点の年初来リターンは−10.77%でした。ベトナム経済への期待だけで投資比率を決めず、為替・集中度・流動性と既存資産との相関を踏まえて、サテライト資産として配分を考えるのが実務的です。[3][1]
ミニ解説:格上げ後に必ず株価が上がるわけではない

FTSE Russellによる市場区分変更は2026年9月21日に発効しました。しかし、指数への段階的な組み入れと企業の利益成長は別の問題です。市場が事前に期待を織り込んでいた場合、格上げ後も株価が下落することがあります。[2]

2026年9月に10%相当、2027年3月に追加20%、同年6月と9月に各35%相当を加えて完了する計画です。外国人投資枠や決済制度、資本移動の制約、不動産・金融の業績を継続的に確認する必要があります。なおVNMは独自のMarketVector指数への連動を目指すため、FTSE指数買い入れの増加がVNMの自動的な資金流入になるわけではありません。[2][4]

ミニ解説:分配利回りは主要な投資目的になりにくい

2026年10月8日時点の30日SEC利回りは1.30%、12カ月利回りは0.23%でした。両指標は計算方法が異なり、SEC利回りは実際の年間分配金を保証しません。VNMは高配当ETFではなく、主なリターン源泉は株価上昇と為替変動です。分配は年1回の設定ですが、金額は変動し、支払われない場合もあります。[1]

免責事項

本記事は2026年10月9日時点の情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入や売却を勧誘するものではありません。ETFの価格はベトナム株式市場、為替、金利、不動産市況、通商政策、政治・規制などによって変動し、元本割れが生じる可能性があります。運用会社の最新情報・目論見書を確認した上で、投資判断はご自身で行ってください。

【注】(出典リンク)

  1. VNMのNAV・純資産・経費率・組入銘柄・地域配分・利回り・リターン → VanEck:VNM公式商品ページ(確認日:2026-10-09) ↩
  2. FTSE Russellの2026年9月格上げ実施と段階的指数組み入れ → FTSE Russell:2026年10月6日年次レビュー / FTSE Russell:2026年4月確認 / ベトナム政府:4段階の組み入れ計画(確認日:2026-10-09) ↩
  3. ベトナムの2026年7~9月期・1~9月期GDP成長率 → ベトナム統計局:2026年第3四半期・1~9月経済統計(確認日:2026-10-09) ↩
  4. MarketVector Vietnam Local Indexの選定基準・定期見直し・銘柄上限 → MarketVector:Vietnam Local Index Guide(現行公開版) / MarketVector:指数公式ページ(確認日:2026-10-09) ↩
  5. 米越通商枠組みと2026年10月の交渉進展 → USTR:米越通商枠組み(2025-10-26) / Reuters:米越交渉ほぼ完了(2026-10-08)(確認日:2026-10-09) ↩
  6. VNMの2026年6月末時点の実績PER・PBR → VanEck:VNM Fact Sheet(2026-06-30)(確認日:2026-10-09) ↩

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

配当金(分配金)と利回り

年間配当を1年の平均株価で割り、平均の利回りを計算してみます。

年 配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 0.24% 0.038 – 15.8 25.4%
2024 0.00% 0.000 -100.0% 12.6 -1.6%
2023 5.23% 0.674 491.2% 12.9 -7.2%
2022 0.82% 0.114 10.7% 13.9 -23.6%
2021 0.56% 0.103 47.1% 18.3 29.8%
2020 0.50% 0.070 -42.1% 14.1 -10.2%
2019 0.77% 0.121 -0.8% 15.7 -4.3%
2018 0.74% 0.122 -46.7% 16.4 8.6%
2017 1.52% 0.229 -28.0% 15.1 5.6%
2016 2.22% 0.318 -41.8% 14.3 -16.4%
2015 3.19% 0.546 7.1% 17.1 -14.9%
2014 2.54% 0.510 -14.9% 20.1 7.5%
2013 3.20% 0.599 63.2% 18.7 19.1%
2012 2.34% 0.367 125.2% 15.7 -22.7%
2011 0.80% 0.163 -52.3% 20.3 -20.1%
2010 1.35% 0.342 850.0% 25.4 4.5%
2009 0.15% 0.036 – 24.3 –

ポートフォリオ

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。

投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄ははチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢