VNM:ベトナムETFの株価と配当
VNM(VanEck Vietnam ETF)の最新情報を整理します。[1]
このページでは、長期的な積立やポートフォリオ運用の参考となるよう、ETFの概要、経費率、分配利回り、構成銘柄の要点を解説します。投資環境や数値は変動するため、最終的な判断の前に運用会社の公式サイトをご確認ください。
VNMの基準価額、純資産総額、経費率、利回り、保有銘柄、セクター構成を、主に2026年7月15~16日時点の公式データへ更新しました。また、FTSE Russellによるベトナム市場の格上げは、2026年3月の中間審査を通過し、2026年9月21日の実施が正式に確認されています。[2]
【ベトナム株ETF】VNMとは?アジアの成長を取り込む投資の魅力とリスク
「チャイナ・プラスワン」の生産拠点として存在感を高め、若年層を含む厚い人口構成と内需拡大を背景に成長を続けるベトナム。その株式市場へ米国上場ETFを通じて投資する代表的な手段が、VanEckのVNM(VanEck Vietnam ETF)です。
VNMは2023年3月に連動指数を変更し、現在はベトナムで設立された現地企業を対象とする「ピュア・ベトナム型」のETFとなっています。ここでは、ベトナム投資の独自性とリスク、VNMの2026年7月時点の構成、運用上の注意点を見ていきます。[3]
最新トピック(2025年~2026年)
- 米越通商枠組みでは20%の相互関税率を維持:米国とベトナムが2025年10月26日に公表した通商枠組みでは、米国はベトナムからの輸入品に対する20%の相互関税率を維持し、一部品目には0%の税率を適用する方針を示しました。両国は関税以外の障壁、デジタル貿易、原産地・関税回避への対応などについても協議を継続するとしています。2026年7月時点でも、ベトナムの輸出企業にとって米国の通商政策は重要なリスク要因です。[4]
- FTSE Russellによる格上げが正式に確定:FTSE Russellは2026年3月の中間審査を経て、ベトナムをフロンティア市場からセカンダリー・エマージング市場へ格上げすることを正式に確認しました。変更は2026年9月21日の取引開始時から有効となる予定です。FTSE Russellは、外国機関投資家に対する事前資金準備義務の撤廃や、決済不履行へ対応する正式な仕組みの整備を評価しています。[2]
- 指数組み入れは段階的に進む見込み:ベトナム株のFTSEグローバル株価指数シリーズへの組み入れは、2026年9月に始まり、2027年9月までの4段階で実施される予定です。格上げは外国人投資資金の流入要因となり得ますが、実際の資金流入額や株価上昇を保証するものではありません。[2]
ベトナム投資の魅力とリスク
投資の魅力
注意すべきリスク
- 通商政策の不確実性:米国向け輸出品に対する20%の相互関税は、製造業や輸出関連企業のコスト、受注、設備投資に影響する可能性があります。また、原産地判定や関税回避対策が厳格化されれば、企業の事務負担も増加します。[4]
- 為替変動リスク:ベトナム・ドンが米ドルに対して下落すると、現地株価が上昇しても、米ドル建てのVNMではリターンが押し下げられる可能性があります。日本の投資家は、米ドルと円の為替変動も負います。
- 不動産・金融への偏重:VNMでは、2026年6月30日時点で金融が32.99%、不動産が24.76%を占め、両セクターの合計は57.75%に達しています。ベトナム国内の金利、信用供給、不動産規制、物件販売の動向から大きな影響を受ける構成です。[1]
- 銘柄集中リスク:2026年7月15日時点では、Vingroupが9.16%、Vinhomesが7.68%を占めています。上位企業の業績や不動産市況がETF全体の値動きを左右する可能性があります。[1]
- 市場流動性と価格乖離:ベトナム市場と米国市場では取引時間が異なります。ベトナム市場の終了後に米国でVNMが取引されるため、ETFの市場価格と直近の基準価額との間に乖離が生じる場合があります。
【VNM】VanEck Vietnam ETFの概要(2026年7月時点)
VNMはMarketVector Vietnam Local Index(MVVNMLTR)への連動を目指します。この指数は、ベトナムで設立され、時価総額や流動性などの基準を満たす上場企業を対象とします。ベトナム国外で設立された企業を含んでいた旧指数とは異なり、現地企業への純度が高い設計です。[3]
基本情報(2026年7月時点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | VanEck Vietnam ETF(ティッカー:VNM) |
| 連動指数 | MarketVector Vietnam Local Index(MVVNMLTR)[3] |
| NAV(基準価額) | 17.70ドル(2026-07-16時点)[1] |
| 経費率 | グロス/ネットともに0.66%(2026-07-16確認時点)[1] |
| 純資産総額(AUM) | 約5.28億ドル(527.59百万ドル、2026-07-16時点)[1] |
| 保有銘柄数 | 59銘柄(現金等を含む、2026-07-15時点)[1] |
| 30日SEC利回り | 0.97%(2026-07-16時点)[1] |
| 12カ月利回り | 0.21%(2026-07-16時点)[1] |
| 分配頻度 | 年1回(2026-07-16時点)[1] |
| 直近騰落率(NAV) |
2026年4~6月期:プラス7.04% 2026年1~6月:マイナス1.41% 過去1年間:プラス34.56%(いずれも2026-06-30時点)[1] |
| 2026年年初来リターン | マイナス6.00%(2026-07-16時点)[1] |
| 実績PER/PBR | PER14.14倍、PBR2.02倍(2026-06-30時点)[5] |
VNMの経費率は、元記事に記載されていた0.68%から、2026年7月16日確認時点では0.66%へ低下しています。純資産総額は2026年4月10日時点の約6.12億ドルから、2026年7月16日時点には約5.28億ドルへ減少しました。
また、2026年4~6月期のNAVリターンはプラス7.04%でしたが、2026年7月16日時点の年初来リターンはマイナス6.00%です。四半期末から7月中旬にかけて下落したことを示しており、基準日の異なるリターンを混同しないよう注意が必要です。[1]
上位構成銘柄とセクター配分
上位構成銘柄には、不動産・複合企業のVingroupとVinhomes、消費関連のMasan GroupとMasan Consumer、銀行、乳製品、鉄鋼、証券会社などが並びます。[1]
- 上位構成銘柄(2026-07-15時点):Vingroup 9.16%、Vinhomes 7.68%、Masan Group 5.76%、Masan Consumer 5.59%、Vietcombank 5.00%、Vinamilk 4.99%、Hoa Phat Group 4.78%、SSI Securities 4.23%、VPS Securities 4.17%、VIX Securities 3.18%。[1]
- セクター比率(2026-06-30時点):金融32.99%、不動産24.76%、生活必需品19.32%、資本財・サービス8.78%、素材6.77%、情報技術2.39%、一般消費財2.15%、エネルギー1.32%、公益事業0.86%など。[1]
- 国別比率(2026-06-30時点):ベトナム99.34%、現金等0.66%。[1]
運用上の重要ポイント
VNMは2023年3月17日の市場終了後に指数を切り替え、ベトナムで設立された現地企業への投資に特化しました。2026年6月30日時点のベトナム比率は99.34%であり、ベトナム経済と株式市場への集中度が非常に高いETFです。[1]
MarketVector Vietnam Local Indexは浮動株調整後時価総額で加重され、四半期ごとに見直されます。ただし、元記事にあった「全銘柄の上限は一律8%」という説明は正確ではありません。
2026年2月版の指数ルールでは、定期見直し時に最大銘柄を8%、2番目を7%、3番目を6.5%、4~6番目を6%、7番目を5%、それ以外を4.5%以下に抑える段階的な上限が採用されています。市場価格の変動によって、次回の見直しまで実際の構成比率が上限を超える場合があります。[3]
まとめ:ポートフォリオにおける位置づけ
- VNMは、ベトナムで設立された現地企業へ米国上場ETFを通じて投資できる代表的な商品です。ベトナム比率がほぼ100%である一方、金融、不動産、生活必需品の3セクターで2026年6月30日時点の約77%を占めており、国だけでなく業種の集中リスクもあります。[1]
- FTSE Russellによるセカンダリー・エマージング市場への格上げは、2026年3月の審査を通過し、2026年9月21日の実施が正式に確認されています。したがって、今後の焦点は「格上げされるか」ではなく、実施後の指数組み入れ、外国人投資資金、市場流動性、バリュエーションの変化です。[2]
- VNMは値動きが大きく、2026年6月30日時点の過去1年間のNAVリターンがプラス34.56%だった一方、2026年7月16日時点の年初来リターンはマイナス6.00%でした。高い成長期待だけで投資比率を決めず、世界株などを補完するサテライト資産として配分を管理する考え方が適しています。[1]
FTSE Russellによる市場格上げは、ベトナム株が新たな指数や運用資金の投資対象となる契機です。一方、格上げ期待が事前に株価へ織り込まれている場合や、実際の組み入れ額が期待を下回った場合には、格上げ後に株価が下落することもあります。
また、指数組み入れは2026年9月から2027年9月まで段階的に進む予定です。短期的なイベントだけでなく、企業利益、金利、不動産市場、為替、外国人投資枠の運用などを継続的に確認する必要があります。[2]
VNMの2026年7月16日時点の30日SEC利回りは0.97%、12カ月利回りは0.21%でした。VNMは高配当ETFではなく、主なリターン源泉はベトナム企業の利益成長と株価上昇です。分配金を目的とする場合は、利回りだけでなく分配頻度が年1回である点も確認してください。[1]
本記事は2026年7月17日時点の情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入や売却を勧誘するものではありません。ETFの価格は、ベトナム株式市場、為替、金利、不動産市況、通商政策、政治・規制などによって変動し、元本割れが生じる可能性があります。投資判断は最新の目論見書を確認した上で、ご自身の責任で行ってください。
【注】(出典リンク)
- VNMのNAV・経費率・純資産・保有銘柄・利回り・リターン・セクター構成 → VanEck:VanEck Vietnam ETF公式商品ページ(確認日:2026-07-17) ↩
- ベトナムのセカンダリー・エマージング市場への格上げと実施日 → FTSE Russell:March 2026 Country Classification Review / FTSE Russell:Why Vietnam Is Joining the FTSE GEIS(確認日:2026-07-17) ↩
- MarketVector Vietnam Local Indexの対象企業・選定条件・銘柄上限 → MarketVector:Vietnam Local Index / MarketVector:Vietnam Local Index Guide(2026年2月版)(確認日:2026-07-17) ↩
- 米越相互貿易枠組みと20%の相互関税率 → USTR:U.S.-Viet Nam Reciprocal Trade Framework(確認日:2026-07-17) ↩
- VNMの2026年6月末ファンドデータ・上位構成・評価指標 → VanEck:VNM Fact Sheet(2026-06-30)(確認日:2026-07-17) ↩
株価:過去~現在
※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
配当金(分配金)と利回り
年間配当を1年の平均株価で割り、平均の利回りを計算してみます。
| 年 | 配当 | 株価 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 平均利回り | 年累計 | 年伸び率 | 平均株価 | 年伸び率 | |
| 2025 | 0.24% | 0.038 | – | 15.8 | 25.4% |
| 2024 | 0.00% | 0.000 | -100.0% | 12.6 | -1.6% |
| 2023 | 5.23% | 0.674 | 491.2% | 12.9 | -7.2% |
| 2022 | 0.82% | 0.114 | 10.7% | 13.9 | -23.6% |
| 2021 | 0.56% | 0.103 | 47.1% | 18.3 | 29.8% |
| 2020 | 0.50% | 0.070 | -42.1% | 14.1 | -10.2% |
| 2019 | 0.77% | 0.121 | -0.8% | 15.7 | -4.3% |
| 2018 | 0.74% | 0.122 | -46.7% | 16.4 | 8.6% |
| 2017 | 1.52% | 0.229 | -28.0% | 15.1 | 5.6% |
| 2016 | 2.22% | 0.318 | -41.8% | 14.3 | -16.4% |
| 2015 | 3.19% | 0.546 | 7.1% | 17.1 | -14.9% |
| 2014 | 2.54% | 0.510 | -14.9% | 20.1 | 7.5% |
| 2013 | 3.20% | 0.599 | 63.2% | 18.7 | 19.1% |
| 2012 | 2.34% | 0.367 | 125.2% | 15.7 | -22.7% |
| 2011 | 0.80% | 0.163 | -52.3% | 20.3 | -20.1% |
| 2010 | 1.35% | 0.342 | 850.0% | 25.4 | 4.5% |
| 2009 | 0.15% | 0.036 | – | 24.3 | – |
ポートフォリオ
次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄ははチャールズシュワブのサイト内のページを参照。
ベトナム経済の現状
最後に、ベトナムの経済力を見ていきましょう。
ベトナムは社会主義国でしたが、冷戦の終わり頃から中国と同じく経済面での開放政策(ドイモイ)を進めました。
1986年の第6回党大会で市場経済システムの導入と対外開放からなるドイモイ(刷新)路線を継続。90年代には経済が好転し、1995~96年には9%台の経済成長率を記録しています。
その後、アジア経済危機でダメージを受けたものの、2000年~2010年の平均経済成長率は7%台となり、高成長を続けました。
2020年は感染症対策がうまくいったので、今後の経済回復が期待されています。
ここで、世界銀行のデータバンクから主要統計を閲覧してみます。
ベトナム経済の現状と将来予測
ベトナムは社会主義国でしたが、1986年のドイモイ(刷新)政策以降、市場経済システムの導入と対外開放を進め、目覚ましい経済成長を遂げてきました。特に2000年代以降は安定して高い成長率を維持しています。
2020年のコロナ禍においても、効果的な感染症対策によりプラス成長を確保し、その後の経済回復への期待が高まっています。ここでは、世界銀行のデータなどに基づき、ベトナム経済の現状と今後の見通しを見ていきます。
名目GDP・成長率・予測(世界銀行データ)
(※名目GDPの単位は10億ドル、成長率は%)
| 年 | 名目GDP (10億ドル) |
実質成長率 (%) |
備考 |
|---|---|---|---|
| 2020 | 346.6 | 2.9 | COVID-19影響 |
| 2021 | 366.5 | 2.6 | 感染症対策成功 |
| 2022 | 410.3 | 8.0 | 急速な回復 |
| 2023 | 408.8 | 5.0 | 減速も堅調 |
| 2024 | 476.4 | 7.1 | 力強い回復 |
| 2025予測 | — | 5.8 | 世界銀行予測 |
| 2026予測 | — | 6.1 | 世界銀行予測 |
一人当たりGDP・人口・雇用統計(最新データ)
(※一人当たりGDPの単位はドル、人口は百万人、失業率・労働力は%)
| 年 | 一人当たりGDP (ドル) |
人口 (百万人) |
失業率 (%) |
労働力参加率 (%) |
|---|---|---|---|---|
| 2020 | 3,540 | 97.3 | 2.1 | — |
| 2021 | 3,756 | 98.2 | 2.4 | — |
| 2022 | 4,110 | 99.5 | 1.5 | 67.8 |
| 2023 | 4,110 | 100.3 | 1.7 | 68.2 |
| 2024 | 4,717 | 101.3 | 2.2 | 68.6 |
📊 2024年労働市場のハイライト
- 労働力人口:5,300万人(15歳以上、前年比57.5万人増)
- 失業者数:106万人(前年比9,000人減)
- 平均月収:770万ドン(約304ドル、前年比8.6%増)
- 都市部失業率:2.5%、農村部失業率:2.1%
- 不完全雇用率:1.8%(前年比0.18ポイント改善)
主要経済指標の長期的推移(2005-2020年)
(※実質GDPは2015年米ドル基準。実質GDP/名目GDPの単位は億ドル、一人当たりGDPの単位はドル、人口は万人、失業率はILO方式)
| 年 | 実質GDP | 名目GDP | 実質成長率 (%) | 1人当りGDP (実質) | 人口 | 失業率 (%) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2005 | 854 | 576 | 7.5 | 1018 | 8383 | .. |
| 2006 | 913 | 664 | 7.0 | 1079 | 8462 | .. |
| 2007 | 978 | 774 | 7.1 | 1145 | 8542 | 2.0 |
| 2008 | 1034 | 991 | 5.7 | 1198 | 8624 | .. |
| 2009 | 1089 | 1060 | 5.4 | 1251 | 8709 | 1.7 |
| 2010 | 1159 | 1159 | 6.4 | 1318 | 8797 | 1.1 |
| 2011 | 1232 | 1355 | 6.2 | 1386 | 8887 | 1.0 |
| 2012 | 1296 | 1558 | 5.2 | 1443 | 8980 | 1.0 |
| 2013 | 1367 | 1712 | 5.4 | 1506 | 9075 | 1.3 |
| 2014 | 1448 | 1862 | 6.0 | 1579 | 9171 | 1.3 |
| 2015 | 1545 | 1932 | 6.7 | 1667 | 9268 | 1.8 |
| 2016 | 1641 | 2053 | 6.2 | 1753 | 9364 | 1.8 |
| 2017 | 1753 | 2238 | 6.8 | 1853 | 9460 | 1.9 |
| 2018 | 1877 | 2452 | 7.1 | 1964 | 9554 | 1.2 |
| 2019 | 2009 | 2619 | 7.0 | 2082 | 9646 | 2.0 |
| 2020 | 2067 | 2722 | 2.9 | 2122 | 9741 | 3.3 |
🌟 ベトナム経済の注目ポイント
- 過去40年の奇跡的成長:1986年ドイモイ開始時の一人当たりGDP約700ドルから2024年には4,717ドルへ
- 貧困撲滅の成功:極貧率(1日3.65ドル未満)が2010年の14%から2023年には4%未満へ
- 人口ボーナス継続:1億人を超える人口の58%が労働年齢、平均年齢32歳
- 世界経済での存在感:GDP規模で世界35位前後、ASEANでは4番目の経済大国

