AIQ/BOTZ:AI&ロボティクスETFの株価と配当

AI(人工知能),テーマ別ETF






【徹底比較】AI&ロボティクス関連ETF「AIQ」と「BOTZ」の違いとは?

人工知能(AI)とロボティクスに関わる企業に投資するETFのデータを比較し、情報を整理してみます。

このページでは積立や資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート、配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を紹介してみましょう

【徹底比較】AI&ロボティクス関連ETF「AIQ」と「BOTZ」の違いとは?

人工知能(AI)やロボティクスは、現代のテクノロジーを牽引する重要なテーマです。これらの分野に手軽に分散投資できるETFとして、グローバルX社の「AIQ」と「BOTZ」が注目されています。両者は似ているようで、投資対象のニュアンスが異なります。この記事では、それぞれのETFの概要と特徴を詳しく解説し、どちらがご自身の投資戦略に適しているか判断するための情報を提供します。

【2025年10月最新】AI投資環境の現状

2025年のAI関連株式市場は、新たな成長段階に入っています。NVIDIA等の半導体株は引き続き好調を維持しており、AI向けデータセンター需要の急拡大が続いています。Mornigstarの分析1によると、生成AIネットワーク機器市場は2028年には340億ドルに達すると予測されています。また、McKinseyのレポート2では、AI関連半導体市場は2019年から2023年にかけて年平均成長率21%を記録し、今後も成長が期待されています。

【AIQ】グローバルX 人工知能&テクノロジーETF

AIQは、AI技術の開発そのものから、AIを活用したサービス、ビッグデータ解析など、AIとデータ技術のバリューチェーン全体に幅広く投資するETFです。

正式名称: グローバルX 人工知能&テクノロジーETF (Global X Artificial Intelligence & Technology ETF)

連動指数: Indxx Artificial Intelligence & Big Data Index

投資対象: AIの開発、AIaaS(AI-as-a-Service)、ビッグデータ、AIを支えるハードウェアなど、AI関連企業に分散投資します。

基本情報(2025年10月現在)

経費率:0.68%

純資産総額:約$43.5億ドル3

上位構成銘柄:4
・Tencent Holdings (3.27%)
・Apple (3.25%)
・Alphabet (3.20%)
・Meta Platforms (3.18%)
・Advanced Micro Devices (3.17%)
・Samsung Electronics (3.16%)
・Broadcom (3.13%)
・Netflix (3.10%)
・NVIDIA (3.10%)
・Palantir Technologies (3.08%)

セクター別比率:情報技術(71.7%)、消費者裁量(10.1%)、通信サービス(10.0%)が中心

パフォーマンス(2025年10月現在)

YTD(年初来):+15.66%3
1年間:+22.83%4
配当利回り:0.13%

大手テクノロジー企業がバランスよく組み込まれているのが特徴で、トップ10銘柄の比率がそれぞれ3%台と分散が効いた構成になっています。Apple、Alphabet、Metaといった米国大手企業に加え、TencentやSamsungといったアジア企業も含まれ、グローバルなAI技術への投資が実現されています。


【BOTZ】グローバルX ロボティクス&人工知能ETF

BOTZは、その名の通り、ロボット技術とAIの応用に焦点を当てたETFです。特に、産業用ロボットやオートメーション、医療用ロボットなど、物理的な「モノ」としてのロボットや、それを動かすAI技術への投資比率が高くなります。GlobalXの発表5によると、世界のロボティクス市場は2024年の940億ドルから2034年には3,730億ドルへと約4倍に拡大する見通しです。

正式名称: グローバルX ロボティクス&人工知能ETF (Global X Robotics & Artificial Intelligence ETF)

連動指数: Indxx Global Robotics & Artificial Intelligence Thematic Index

投資対象: 産業用・非産業用ロボット、自動化、自律走行車、AIの開発・応用に関わる企業に投資します。

基本情報(2025年10月現在)

経費率:0.68%

純資産総額:約$28.4億ドル6

上位構成銘柄:5
・NVIDIA (11.78%)
・ABB (9.04%)
・Fanuc (7.74%)
・Keyence (6.91%)
・Intuitive Surgical (6.60%)
・Daifuku (4.71%)
・Dynatrace (3.82%)
・Pegasystems (3.57%)
・SMC (3.54%)
・Cognex (2.93%)

国/地域別比率:米国、日本、スイスなど、製造業の強い国がバランス良く含まれます。日本企業が上位に多く含まれるのが特徴(Fanuc、Keyence、Daifuku、SMC等)

セクター別比率:情報技術(43.0%)、資本財/インダストリアル(40.1%)、ヘルスケア(10.3%)の比率が高いのが特徴です。

パフォーマンス(2025年10月現在)

YTD(年初来):+5.42%6
1年間:+6.16%5
配当利回り:0.24%
※AIQと比較してパフォーマンスは控えめ

【注目ポイント】NVIDIAが第1位、手術支援ロボットIntuitive Surgicalが第5位

BOTZではNVIDIAが11.78%と圧倒的な第1位を占めており、AIを活用したロボティクス分野でのNVIDIAの重要性が反映されています。また、Intuitive Surgical(手術支援ロボット「da Vinci」の開発企業)が6.60%を占めており、AIの実用的応用としての医療ロボティクス分野への強い注目を表しています。

AIQとBOTZの比較まとめ

どちらのETFもAIとテクノロジーの未来に投資する魅力的な商品ですが、その焦点には明確な違いがあります。

項目 AIQ BOTZ
主な投資テーマ AI開発、ビッグデータ、クラウドなどソフトウェアやデータ中心 産業用ロボット、自動化、医療ロボットなどハードウェアや応用技術中心
純資産総額 約$43.5億ドル 約$28.4億ドル
トップ銘柄の集中度 分散型(トップ10がそれぞれ3%台) 集中型(NVIDIAが11.78%)
セクター 情報技術が中心(71.7%) 情報技術(43.0%)、資本財(40.1%)、ヘルスケア(10.3%)に分散
地域特性 米国とアジア(中国・韓国)の企業が中心 日本企業の比率が高い(Fanuc、Keyence等)
2025年パフォーマンス YTD +15.66%、1年 +22.83% YTD +5.42%、1年 +6.16%
投資イメージ AIの「頭脳」に幅広く投資 AIが動かす「身体」に重点的に投資

投資の際の注意点

集中投資のリスク: いずれのETFもテクノロジーという特定のテーマに集中投資するため、市場全体の動向とは異なる値動きをする可能性があります。2025年現在、AI関連株は高いボラティリティを示しており、テクノロジー業界の景気後退や規制強化などの影響を大きく受けるリスクがあります。

コスト: 経費率はいずれも0.68%と、一般的なインデックスファンド(0.03〜0.20%程度)に比べると高めに設定されています。

為替リスク: 米国籍ETFのため、日本から投資する場合は為替レートの変動リスクが伴います。

パフォーマンス格差: 2025年現在、AIQの方がBOTZより約3倍優れたパフォーマンスを示しています(YTD比較)。これは主に大手テック企業のAI関連事業への注目度の高さと、ソフトウェア・プラットフォーム分野の成長速度によるものです。

まとめ

AIのソフトウェアやプラットフォーム、データ技術といった「AIの頭脳」の成長に期待するならAIQが、工場の自動化や手術支援ロボットといった「AIが動かす身体」の進化に期待するならBOTZが、より適した選択肢と言えるでしょう。

2025年現在の市場環境では、AIQの方が好調なパフォーマンスを示していますが、これはAIインフラとソフトウェア層への投資熱を反映しています。一方、BOTZが注目する実用的なロボティクス分野も、市場予測5によると今後10年で約4倍の成長が見込まれており、長期的な視点では魅力的な投資先と言えます。ご自身の投資目標やリスク許容度に合わせて、ポートフォリオへの組み込みを検討してみてください。


株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。




配当金(分配金)と利回り

年間配当を1年の平均株価で割った平均利回りの推移です。

AIQ BOTZ
2024 0.16%
2023 0.38%
2022 0.27%
2021 0.38%
2020 0.5%
2019 0.58%
2018 0.01%
2017 1.71%
2016 2.04%
2015 2.36%


ポートフォリオ

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、セクター別比率はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢