コモディティETF(DBC・GSG)指数連動型を比較する
コモディティの総合指数に連動する米国ETFのデータを比較してみます。
積立や資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート等の情報を整理してみましょう
【総合コモディティETF】DBCとGSG、似て非なる2つを徹底比較!
インフレへの備えや、株式・債券とは異なる値動きをする資産への分散投資として、「コモディティ(商品)」が注目されます。エネルギー、金属、農産物など、幅広いコモディティにまとめて投資できるのが総合コモディティETFです。今回は、その代表格である「DBC」と「GSG」を取り上げますが、この2つは名前こそ似ていますが、中身は全くの別物。その違いを理解することが、賢い投資への第一歩です。
【重要】先物型ETFの共通リスク「コンタンゴ」
DBCとGSGは、どちらもコモディティの「先物」に投資するETFです。そのため、将来の価格が高い「コンタンゴ」という状況下では、先物契約の乗り換え(ロールオーバー)の度にコストが発生し、コモディティ価格が横ばいでもETFの価値が目減りしていくリスクがあります。このため、これらのETFは基本的に**長期保有には注意が必要**な、専門的な商品であることをまずご理解ください。
最大の違いは「中身の比率」! DBC vs GSG
両者の最も大きな違いは、どのコモディティに、どれくらいの割合で投資しているかという「セクター構成比率」です。
セクター構成比率の比較
セクター | 【GSG】S&P GSCI指数 | 【DBC】DBIQ指数 |
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エネルギー (原油, 天然ガス等) | 約 60%~70% | 約 30%~40% |
農産物 (トウモロコシ, 大豆等) | 約 15%~20% | 約 20%~30% |
工業用金属 (銅, アルミ等) | 約 5%~10% | 約 15%~20% |
貴金属 (金, 銀等) | 約 5% | 約 10%~15% |
家畜 | 約 5% | (対象外) |
※比率は常に変動します。あくまで目安としてご覧ください。
- GSGの特徴: 世界の生産量に連動するため、エネルギーの比率が極端に高く、値動きは原油価格の動向に大きく左右されます。実質的に「エネルギー中心のコモディティファンド」と言えます。
- DBCの特徴: より分散を重視した指数に連動するため、各セクターの比率が比較的バランス良くなっています。幅広いコモディティの値動きを捉えたい場合に適しています。また、コンタンゴの影響を軽減する「オプティマムイールド」戦略を採用しています。
各ETFの概要
これらのETFはコモディティに投資するため、基本的に分配金はありません。
【DBC】インベスコDBコモディティ・インデックス・トラッキング・ファンド
エネルギー、金属、農産物など14種類のコモディティにバランス良く分散投資するETFです。
連動指数 | DBIQ Optimum Yield Diversified Commodity Index Excess Return™ |
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経費率 | 0.87% |
【GSG】iシェアーズ S&P GSCI コモディティ・インデックスト・トラスト
エネルギーセクターに重点を置きつつ、24種類のコモディティに投資するETFです。
連動指数 | S&P GSCI® Total Return Index |
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経費率 | 0.75% |
まとめ:あなたの戦略に合うのはどちら?
- エネルギー価格(特に原油)の上昇に強く賭けたいなら → エネルギー比率が圧倒的に高いGSGが適しています。
- インフレヘッジとして、より幅広いコモディティに分散投資したいなら → バランスの取れた構成比率を持つDBCが適しています。
総合コモディティETFは、インフレに強い資産としてポートフォリオの分散効果を高める可能性があります。しかし、その中身はETFによって大きく異なります。ご自身の相場観と商品の特性をよく理解した上で、慎重に投資を検討してください。
【出典・情報源】
株価:過去~現在
※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。