銅・鉄・ベースメタルETFの株価を比較(DBB・CPER・COPX・SLX)
【2025年10月更新版】 経費率・ベンチマーク変更予定などの最新情報を反映しました。AI/脱炭素化に伴う銅需要動向も補足しています。
銅や鉄などのベースメタルの値動きに連動するETFを比較します。
このページでは資産運用の参考として、各ETFの概要(連動指数など)や特徴、注意点をわかりやすく整理します。数値は変動するため、投資前に必ず公式サイトで最新情報を確認してください。
ベースメタルETFの概要
Contents
2025年の注目ポイント
AIデータセンター・半導体・EV・送配電網増強など電化の進展で銅需要は構造的に拡大。供給側は新規鉱山立ち上げに時間を要するため、タイト化が続くとの見方が広がっています(需給見通しは各種レポートを参照)。IEAクリティカルミネラルや業界調査を併読ください。*
【DBB】インベスコ DB ベースメタルズ・ファンド
- 連動指数:DBIQ Optimum Yield Industrial Metals Index(ER)。主にアルミ・亜鉛・銅の先物で構成され、期限の異なる限月を選択する「オプティマムイールド」方式でロールコストの最適化を狙います。出典、参考
- 特徴:銅・アルミ・亜鉛へ分散されるため、銅単独より値動きがマイルドになりやすい。
- 経費率:0.75%。出典
- 商品ページ(英語):Invesco(DBB)
【CPER】ユナイテッド・ステイツ・コパー・インデックス・ファンド
- 目的:銅先物に特化。指数は SummerHaven Copper Index – Total Return に連動(CME銅先物をベースに限月配分を最適化)。出典
- 特徴:銅価格にストレートに連動しやすく、需給テーマをダイレクトに取り込みやすい。
- 経費率:1.06%(目安)。出典
- 税務:USCFの多くのコモディティ・プールはパートナーシップ課税のため税務書類(Partnership Tax Information)を発行します。申告方法が一般的な株式ETFと異なる場合があるため、投資前に「Tax/Resources」を必ず確認してください。出典、参考
【COPX】グローバルX・コパー・マイナーズETF
- 連動指数:Solactive Global Copper Miners Total Return Index。世界の銅採掘・精錬企業に投資(約30社)。出典
- 特徴:銅価格だけでなく、企業の利益・配当もリターン源泉。銅急騰局面ではレバレッジ的に上振れ、逆に不況局面では業績悪化の下振れリスク。
- 経費率:0.65%。出典
【SLX】ヴァンエック・スチールETF
- (現行)ベンチマーク:NYSE Arca Steel Index。世界の鉄鋼関連企業に投資。出典
- 経費率:0.55%(経費キャップにより2026年5月1日まで0.55%に制限。解消後は0.56%へ上振れの可能性)。出典
- 重要:2025年12月19日(取引終了後)にベンチマーク指数・投資目的・主要戦略の変更が予定されています。組入れやセクター特性が変わる可能性があるため、直近の開示を必ず確認してください。出典
ベースメタルETF:比較表
| ETF | 投資対象 | 経費率 | 主なポイント |
|---|---|---|---|
| DBB | 銅・アルミ・亜鉛(先物) | 0.75% | 3金属へ分散、ロール最適化(オプティマムイールド) |
| CPER | 銅(先物) | 1.06% | 銅価格にダイレクト、税務は要確認(USCF) |
| COPX | 銅鉱山株(約30社) | 0.65% | 企業業績・配当もリターン源泉、ボラ高め |
| SLX | 鉄鋼企業(約25社) | 0.55% | 景気・インフラに敏感、25年12月に指数等変更予定 |
投資のポイント(使い分け)
- 金属そのものの値動きを取りに行く: 分散ならDBB、銅特化ならCPER。
- 企業の成長も取り込みたい: 銅はCOPX、鉄鋼はSLX。
- ボラティリティ管理: 先物型(DBB・CPER)は足元の銅現物よりは分散/ロール戦略で平準化される一方、「コンタンゴ/バックワーデーション」の影響を受ける点に注意。
- 為替リスク: いずれも米ドル建て。円で保有するとドル円の変動がトータルリターンに影響。
- 税務: コモディティ先物型は税区分や書式が株式ETFと異なる場合があります(USCFのCPERはパートナーシップ課税の情報提供ページあり)。購入前に最新の税務情報を必ず確認。
2025年の戦略ヒント
- AI・半導体・電化: 銅需要増はCPER/COPXの追い風。
- 各国のインフラ投資: 建設・自動車・機械需要はSLXにプラス。
- 供給制約: 新規鉱山の立ち上げ長期化は価格の下支え要因に。最新の需給レポートで前提をアップデートする習慣を。IEA
投資前チェックリスト
- 各ETFの「Prospectus / Fact Sheet / Distributions / Tax」を確認(経費、ロール方法、税務)。
- 先物型はロールコスト(コンタンゴ)や基差により、現物価格とリターンが乖離しうる。
- テーマ性が強くボラティリティも高い分野。ポートフォリオのサイズ管理と分散を徹底。
【出典・情報源】
免責事項:本記事は情報提供を目的としており、特定商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
株価:過去~現在
※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、経費率などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
ポートフォリオ
次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、セクター別比率はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

