銅・鉄・ベースメタルETFの株価を比較(DBB・CPER・COPX・SLX)

コモディティ






ベースメタル(銅・鉄など工業金属)ETF比較 – 2025年更新版

【2025年8月更新版】 最新の経費率情報およびAI・脱炭素化による銅需要拡大を反映した内容に更新しています。

銅や鉄などのベースメタルのマーケット価格に連動するETFのデータを比較してみます。

このページでは資産運用の参考となるように、ETF(上場投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート等のデータを詳細に紹介してみましょう。

ベースメタル ETF は、銅・アルミ・亜鉛・鉄といった工業用金属の値動き に合わせて価格が変動。実物の金属を保管する必要がなく、1 株から少額で取引できるのが魅力です。

ベースメタルETFの概要

2025年の注目ポイント

AI・半導体ブームやEV普及により銅需要が大幅拡大。脱炭素化政策により、再生可能エネルギーインフラでも銅の需要が急増しています。一方で鉱山開発には長期間を要するため、供給不足が懸念されています。

【DBB】インベスコDBベースメタルズファンド

  • DBIQ オプティマムイールドインダストリアルメタル指数ERに連動する。
  • これは、ベースメタル(卑金属)のアルミ、亜鉛、銅の先物契約から構成される指数。
  • 中身は銅・アルミ・亜鉛をほぼ均等に保有。毎月、自動で先物の期限を乗り換え(ロール)し、できるだけコストを抑える仕組みを採用している。
  • 経費率:0.75%(管理手数料)+ 先物ブローカー手数料等で総経費率約0.79%
  • 出所:Invesco(DBB ファクトシート)

【CPER】ユナイテッドステイツ・コパーインデックスファンド

  • 銅投資を目的としたETF。
  • ニューヨークマーカンタイル取引所で取引される銅先物価格に連動(指数でいえば「SummerHaven Copper Index-Total Return」に連動)。
  • 銅だけにフォーカスしているので、銅価格が上がればストレートに値上がりしやすい。
  • 限月(先物の期限)は自動で選んでくれるので、複雑な操作は不要
  • 経費率:1.06%
  • 出所:USCF Investments(CPER)

【COPX】グローバルX・コパーマイナーズETF

  • ソラクティブ・グローバルコッパーマイナーズ指数(Solactive Global Copper Miners Total Return Index)に連動する。
  • チリやカナダなど世界各国で銅の探鉱や採掘・精錬に従事する約30企業に分散投資。
  • 金属価格に加え、企業の利益・配当 もリターン要因になるため、値動きが銅そのものより大きくなることもある。
  • 経費率:0.65%
  • 運用会社:Mirae Asset Global Investments(旧Global X)
  • 出所:Global X(COPX)

【SLX】ヴァンエックベクトル・スチールETF

  • NYSE Arca鉄鋼インデックスに連動する。
  • 世界各国で鉄鉱石の探鉱や採掘・精錬に従事する25前後の企業に分散投資。
  • 鉄鋼は景気に敏感なため、インフラ投資 や自動車生産 の増減が株価に影響しやすい
  • 経費率:0.55%(2026年5月1日まで経費キャップ適用中)
  • 出所:VanEck(SLX)

【重要】SLX投資家への注意

SLXは2025年12月19日の取引終了後に、ベンチマーク指数、投資目的、主要投資戦略の変更を予定しています。投資を検討される方は、変更内容を事前に確認することをお勧めします。

ベースメタルETF:比較表

ETF 投資対象 経費率 特徴
DBB 銅・アルミ・亜鉛先物 0.75% 3種類の金属に分散投資
CPER 銅先物のみ 1.06% 銅価格に最も連動しやすい
COPX 銅鉱山企業(約30社) 0.65% 企業成長も取り込める
SLX 鉄鋼企業(約25社) 0.55% インフラ需要に敏感

ベースメタルETF:投資のポイント

  • 金属そのものに賭けたいなら → DBB(複数)や CPER(銅のみ)
  • 企業の成長も取り込みたい → 銅なら COPX、鉄なら SLX
  • 値動きの幅(リスク)を抑えたい → 先物型(DBB・CPER)のほうが比較的シンプル
  • この種の銘柄は値動きが大きく、景気や主要国の政策で金属価格は大きく上下します。
  • 先物型 ETF は契約を乗り換える際に小さなコストがかかりますが、自動処理されています。
  • 為替リスク:コモディティは米ドル建てのため、円で買う場合はドル円の動きに影響を受けます。

2025年の投資戦略のヒント

  • AI・半導体需要:CPERやCOPXが特に恩恵を受けやすい
  • インフラ投資:各国のインフラ政策によりSLXにも注目
  • 脱炭素化:再生可能エネルギー設備に銅が大量必要
  • 供給制約:新規鉱山開発の遅れが価格上昇要因

投資する前の確認事項

  • 各ETFは先物または株式に投資するため、税務処理が複雑になる場合があります(特にK-1フォームの発行対象ETF)
  • コモディティ価格は政治・経済情勢に大きく左右されるため、リスク許容度を十分に考慮してください
  • 先物型ETFは「コンタンゴ」や「バックワーデーション」の影響を受けることがあります


株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、経費率などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

ポートフォリオ

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、セクター別比率はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢