DVY構成銘柄一覧|配当利回り・特徴を解説【2026年】

インデックス,高配当ETF

【2026年8月更新】

  • DVYの純資産総額、構成銘柄数、利回り、バリュエーション、セクター構成をiShares公式データへ更新しました。[1]
  • 2026年8月6日の日次保有明細をもとに、株式99銘柄の全構成銘柄一覧を追加しました。ティッカー、企業名、セクター、短い事業概要、構成比を掲載しています。[3]
  • Dow Jones U.S. Select Dividend Indexの採用基準を、2026年8月版のS&P Dow Jones Indices公式メソドロジーで再確認しました。[2]
  • 2026年上期の分配金実績を追加し、2025年の年間分配金をiShares公式分配履歴に基づいて修正しました。[1]

DVY(iShares Select Dividend ETF)の構成銘柄、配当利回り、分配金、特徴を2026年8月時点のデータで整理します。

DVYは、米国の高配当株へ投資するETFです。単純に配当利回りだけが高い企業を集めるのではなく、配当実績、利益、配当カバレッジ、企業規模、流動性などの条件を確認したうえで銘柄を選ぶ点に特徴があります。

VYM、HDV、SPYDなどと比較されることの多いETFですが、DVYは金融と公益事業の比率が高いことや、経費率が0.38%とやや高めであることにも注意が必要です。

このページでは、全構成銘柄99社に加え、現在の配当利回り、指数の採用基準、セクター配分、分配金実績、VYM・HDV・SPYDとの違いまで確認します。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。NISAなどで利用する場合も、対象商品や取扱条件は利用する金融機関で確認してください。

DVYとは?「配当の実績と持続性」を重視する高配当ETF

DVY(iShares Select Dividend ETF)は、Dow Jones U.S. Select Dividend Indexへの連動を目指す米国高配当ETFです。[1]

連動指数は、REITを除く米国の配当支払企業を対象とし、原則として100銘柄を選定します。

特徴的なのは、現在の配当利回りだけでなく、過去5年間の配当実績、配当水準、利益による配当のカバー状況、時価総額、流動性まで確認することです。[2]

一方、DVYの経費率は年率0.38%です。VYM、HDV、SPYDなどの主要な米国高配当ETFより高いため、分配金だけでなく長期的なコストも比較する必要があります。[1]

DVYの基本情報【2026年8月】

項目 内容
正式名称 iShares Select Dividend ETF
ティッカー DVY
連動指数 Dow Jones U.S. Select Dividend Index
経費率 0.38%
純資産総額 約235.31億ドル
2026年8月5日時点
株式構成銘柄数 99銘柄
2026年8月5日時点
30日SEC利回り 3.56%
2026年6月30日時点
12カ月実績利回り 3.37%
2026年6月30日時点
年初来NAVトータルリターン 17.51%
2026年8月4日時点
P/E 16.64倍
2026年8月5日時点
P/B 1.86倍
2026年8月5日時点
3年ベータ 0.59
2026年6月30日時点
分配頻度 四半期
設定日 2003年11月3日
上場市場 NASDAQ

※数値の基準日は項目ごとに異なります。利回り、純資産、構成銘柄、バリュエーション等は日々変動します。[1]

DVYの構成銘柄一覧【全99銘柄】

以下は、2026年8月6日時点のiShares公式日次保有明細から、現金、短期運用資産、先物などを除いた株式99銘柄を構成比順に整理したものです。[3]

事業概要は各企業の主力事業を把握しやすいように短く要約しています。構成比は株価変動などによって日々変化します。

順位 ティッカー 企業名 セクター 主な事業 構成比
1 PRU Prudential Financial 金融 生命保険、年金、退職・資産運用サービス 2.20%
2 TROW T. Rowe Price Group 金融 投資信託などを手掛ける独立系資産運用会社 2.17%
3 HPQ HP Inc. 情報技術 PC、プリンター、周辺機器を展開 2.11%
4 PFE Pfizer ヘルスケア 医薬品・ワクチンを開発・販売する大手製薬会社 2.10%
5 MO Altria Group 生活必需品 米国を中心にたばこ・ニコチン製品を展開 2.07%
6 VZ Verizon Communications コミュニケーション 米国の無線通信・固定通信サービス大手 1.75%
7 OKE ONEOK エネルギー 天然ガス・NGLのパイプラインや中流事業 1.68%
8 KMB Kimberly-Clark 生活必需品 紙おむつ、ティッシュなど衛生・家庭用品 1.61%
9 TGT Target 生活必需品 米国の総合ディスカウント小売チェーン 1.58%
10 F Ford Motor 一般消費財 自動車・商用車の製造販売と金融サービス 1.53%
11 GIS General Mills 生活必需品 シリアル、冷凍食品、スナックなど加工食品 1.50%
12 EIX Edison International 公益事業 南カリフォルニアを中心とする電力公益持株会社 1.43%
13 D Dominion Energy 公益事業 米国東部で電力・天然ガス公益事業を展開 1.43%
14 TFC Truist Financial 金融 米国南東部などで銀行・金融サービスを提供 1.42%
15 USB U.S. Bancorp 金融 個人・法人向け銀行、決済、資産管理サービス 1.39%
16 GPC Genuine Parts 一般消費財 自動車補修部品と産業用部品の流通 1.38%
17 PFG Principal Financial Group 金融 退職、保険、資産運用を提供する金融グループ 1.37%
18 CVS CVS Health ヘルスケア 薬局、PBM、医療保険などを統合したヘルスケア企業 1.37%
19 ES Eversource Energy 公益事業 ニューイングランド地域の電力・ガス公益事業 1.36%
20 KEY KeyCorp 金融 米国各地で個人・法人向け銀行業務を展開 1.35%
21 RF Regions Financial 金融 米国南部・中西部を中心とする地域銀行 1.33%
22 CVX Chevron エネルギー 石油・天然ガスの探鉱、生産、精製、販売 1.30%
23 MET MetLife 金融 生命保険、従業員福利厚生、年金などを提供 1.30%
24 SW Smurfit Westrock 素材 段ボール・紙器など紙ベース包装材を製造 1.28%
25 BBY Best Buy 一般消費財 家電・PC・電子機器を扱う小売チェーン 1.25%
26 IVZ Invesco 金融 投資信託・ETFなどを運用する資産運用会社 1.25%
27 IP International Paper 素材 段ボール原紙・包装材を中心とする紙・包装企業 1.24%
28 OMC Omnicom Group コミュニケーション 広告、PR、マーケティングサービスを提供 1.23%
29 LYB LyondellBasell Industries 素材 石油化学、樹脂、プラスチック原料を製造 1.22%
30 MDLZ Mondelez International 生活必需品 ビスケット、チョコレートなど世界的な菓子・食品企業 1.20%
31 HBAN Huntington Bancshares 金融 米国中西部を中心とする地域銀行 1.18%
32 ADM Archer-Daniels-Midland 生活必需品 穀物・油糧種子の集荷、加工、食品原料事業 1.17%
33 EOG EOG Resources エネルギー 米国を中心とする石油・天然ガスの探鉱開発 1.17%
34 FNF Fidelity National Financial 金融 権原保険を中心とする不動産取引関連サービス 1.15%
35 FITB Fifth Third Bancorp 金融 米国中西部・南東部を中心とする地域銀行 1.14%
36 FE FirstEnergy 公益事業 米国中部・東部で電力供給を行う公益事業 1.14%
37 CFG Citizens Financial Group 金融 米国北東部などで銀行・金融サービスを展開 1.13%
38 PM Philip Morris International 生活必需品 米国外中心のたばこ・加熱式・無煙製品大手 1.12%
39 CMCSA Comcast コミュニケーション ケーブル通信、ブロードバンド、メディア・娯楽 1.09%
40 T AT&T コミュニケーション 米国の無線通信・ブロードバンド大手 1.08%
41 EXC Exelon 公益事業 規制電力・ガス事業を傘下に持つ公益持株会社 1.07%
42 VLO Valero Energy エネルギー 原油精製、燃料販売、再生可能燃料を展開 1.06%
43 UNM Unum Group 金融 就業不能・生命保険など職域保険を提供 1.02%
44 APA APA エネルギー 米国などで石油・天然ガスを探鉱・生産 1.02%
45 WEC WEC Energy Group 公益事業 米国中西部で電力・天然ガス公益事業を展開 1.01%
46 DTE DTE Energy 公益事業 ミシガン州を中心とする電力・天然ガス公益事業 0.99%
47 MRK Merck & Co. ヘルスケア 医薬品・ワクチンを開発・販売する大手製薬会社 0.99%
48 KO Coca-Cola 生活必需品 清涼飲料水など世界的な飲料ブランドを展開 0.98%
49 DINO HF Sinclair エネルギー 石油精製、燃料販売、潤滑油などを手掛ける 0.98%
50 FHN First Horizon 金融 米国南東部を中心とする地域銀行 0.98%
51 PNW Pinnacle West Capital 公益事業 アリゾナ州を中心とする電力公益持株会社 0.97%
52 LNT Alliant Energy 公益事業 米国中西部で電力・天然ガスを供給 0.97%
53 XOM Exxon Mobil エネルギー 石油・天然ガス、化学、低炭素関連事業を展開 0.96%
54 BEN Franklin Resources 金融 Franklin Templetonを中心とする資産運用会社 0.92%
55 AEP American Electric Power 公益事業 米国各地で発電・送配電を行う大手電力会社 0.92%
56 CMS CMS Energy 公益事業 ミシガン州を中心とする電力・天然ガス公益事業 0.91%
57 PPL PPL 公益事業 米国で規制電力・ガス公益事業を展開 0.91%
58 SWKS Skyworks Solutions 情報技術 通信機器向けRF・アナログ半導体を設計・販売 0.90%
59 PEG Public Service Enterprise Group 公益事業 ニュージャージー州を中心とする電力・ガス公益事業 0.87%
60 XEL Xcel Energy 公益事業 米国中西部・西部で電力・天然ガスを供給 0.86%
61 NEE NextEra Energy 公益事業 Florida Power & Lightと再生可能エネルギー事業を展開 0.82%
62 ETR Entergy 公益事業 米国南部で電力供給と原子力発電を展開 0.82%
63 CINF Cincinnati Financial 金融 損害保険を中心とする保険グループ 0.82%
64 ORI Old Republic International 金融 損害保険・権原保険を中心とする保険会社 0.81%
65 IBM IBM 情報技術 企業向けソフトウェア、ITサービス、ハイブリッドクラウド 0.81%
66 SRE Sempra 公益事業 カリフォルニア・テキサスを中心にエネルギー公益事業 0.81%
67 NI NiSource 公益事業 天然ガスを中心とする規制公益事業 0.78%
68 OGE OGE Energy 公益事業 オクラホマ州などで電力供給を行う公益事業 0.78%
69 WSO Watsco 資本財・サービス 空調・冷暖房機器と関連部品の大手卸売 0.77%
70 PKG Packaging Corp. of America 素材 段ボール原紙・段ボール製品を製造 0.76%
71 EMN Eastman Chemical 素材 特殊化学品・高機能材料を製造 0.76%
72 BG Bunge Global 生活必需品 穀物・油糧種子の取引・加工を行う農産物大手 0.72%
73 OMF OneMain Holdings 金融 個人向けローンを中心とする消費者金融 0.68%
74 CNP CenterPoint Energy 公益事業 テキサスなどで電力・天然ガスの送配電を展開 0.66%
75 UGI UGI 公益事業 天然ガス公益、LPG流通、エネルギーサービス 0.65%
76 GILD Gilead Sciences ヘルスケア HIV・肝炎などに強いバイオ医薬品会社 0.63%
77 MCD McDonald’s 一般消費財 世界的なハンバーガーチェーンをフランチャイズ中心に展開 0.63%
78 VLY Valley National Bancorp 金融 米国北東部などで銀行サービスを提供 0.63%
79 IDA IDACORP 公益事業 アイダホ州周辺で電力供給を行う公益持株会社 0.62%
80 FNB F.N.B. 金融 米国東部を中心とする地域銀行 0.62%
81 LMT Lockheed Martin 資本財・サービス 航空機、ミサイル、宇宙など防衛・航空宇宙大手 0.62%
82 UBSI United Bankshares 金融 米国東部を中心とする地域銀行持株会社 0.61%
83 CAG Conagra Brands 生活必需品 冷凍食品・スナックなど加工食品を展開 0.59%
84 CHRD Chord Energy エネルギー ウィリストン盆地を中心とする石油・天然ガス開発 0.59%
85 LNC Lincoln National 金融 生命保険、年金、退職関連商品を提供 0.57%
86 LKQ LKQ 一般消費財 自動車補修・交換部品を流通 0.57%
87 HRB H&R Block 一般消費財 税務申告支援と関連金融サービスを提供 0.49%
88 MSM MSC Industrial Direct 資本財・サービス 製造業向けMRO・産業用品を流通 0.49%
89 SWX Southwest Gas Holdings 公益事業 米国南西部で天然ガス公益事業を展開 0.49%
90 SON Sonoco Products 素材 紙・金属・プラスチックなど各種包装製品を製造 0.49%
91 BKH Black Hills 公益事業 米国中西部・山岳部で電力・天然ガス公益事業 0.45%
92 NJR New Jersey Resources 公益事業 ニュージャージー州の天然ガス公益・エネルギー事業 0.45%
93 LAZ Lazard 金融 M&A助言など投資銀行業務と資産運用 0.44%
94 NXST Nexstar Media Group コミュニケーション 米国のテレビ放送局・デジタルメディア大手 0.43%
95 CPB Campbell’s 生活必需品 スープ、スナックなど加工食品を展開 0.40%
96 ACI Albertsons Companies 生活必需品 米国でスーパーマーケット・食品小売を展開 0.40%
97 PAG Penske Automotive Group 一般消費財 自動車ディーラーと商用車販売・サービス 0.36%
98 GPK Graphic Packaging Holding 素材 紙器・飲料容器など紙ベース包装材を製造 0.34%
99 OZK Bank OZK 金融 米国南部などで商業銀行業務を展開 0.19%

※構成比の合計が100%にならないのは、現金、短期運用資産、先物等を表から除外していることと、表示上の丸めによるものです。[3]

上位10銘柄の合計は18.80%

2026年8月6日時点の上位10銘柄は、PRU、TROW、HPQ、PFE、MO、VZ、OKE、KMB、TGT、Fで、構成比の合計は18.80%です。[3]

最大のPRUでも2.20%であり、特定の1銘柄がポートフォリオ全体を大きく左右する構成ではありません。

ただし、個別銘柄への集中度が低い一方で、後述するように金融・公益事業というセクター単位では大きな偏りがあります。

DVYのセクター構成【2026年8月】

セクター 構成比 主な特徴
金融 26.69% 銀行、保険、資産運用会社など
公益事業 22.27% 電力・ガスなどの規制公益企業が中心
生活必需品 13.39% 食品、たばこ、日用品、小売など
エネルギー 8.60% 石油・天然ガス、精製、中流事業など
一般消費財 6.25% 自動車、小売、外食、自動車部品など
素材 6.13% 化学、紙・包装材など
コミュニケーション 5.49% 通信、放送、広告など
ヘルスケア 5.09% 製薬、バイオ医薬品、医療サービスなど
情報技術 3.85% PC、ITサービス、半導体など
資本財・サービス 1.90% 防衛、産業用品、空調流通など
現金・デリバティブ等 0.33% 指数への連動を調整する資産など
金融+公益事業 48.96% 2セクターだけでポートフォリオの約半分

※セクター比率は2026年8月5日時点のiShares公式データです。[1]

DVYの重要な特徴:銘柄分散は効いているが、業種分散は弱い

最大銘柄でも2%台ですが、金融と公益事業を合わせると48.96%です。そのため「99銘柄あるから十分に分散されている」とだけ考えるのではなく、どの業種に資産が集中しているかも確認する必要があります。

DVYの指数採用基準

DVYが連動するDow Jones U.S. Select Dividend Indexは、Dow Jones U.S. Indexに含まれる配当支払企業を母集団とし、REITを除外します。[2]

2026年8月版のS&P Dow Jones Indices公式メソドロジーでは、主に以下の条件が定められています。

  • 配当水準:
    直近12カ月の1株当たり配当金が、過去5年間の平均1株当たり配当金以上であること。
  • 配当カバレッジ:
    過去5年間の平均配当カバレッジ比率が167%以上であること。配当カバレッジは各年のEPSを年間1株配当で割った比率を基礎に計算します。
  • 配当実績:
    過去5年間の各年に配当を支払っていること。
  • 利益条件:
    直近12カ月の1株当たり利益(EPS)がゼロ以上であること。
  • 企業規模:
    浮動株調整後時価総額が原則30億ドル以上。既存構成銘柄には20億ドル以上という緩和基準があります。
  • 流動性:
    直近3カ月の1日平均出来高が原則20万株以上。既存構成銘柄には10万株以上という緩和基準があります。

これらの条件を通過した企業を予想年間配当利回りの高い順にランク付けし、既存構成銘柄を一定程度優先するバッファールールを適用しながら、原則100銘柄を選定します。[2]

構成比も配当利回りを重視

構成銘柄の比率は、基本的に予想年間配当利回りを基準として決められます。

ただし、1銘柄への過度な集中を防ぐため、個別銘柄には上限が設定されています。また、GICSセクターの構成比も年間見直し時には30%までに制限されます。[2]

四半期にも構成比の上限チェックが行われ、必要に応じてウェイトが調整されます。

注意:採用基準を満たせば「減配しない」という意味ではない

DVYの配当実績・カバレッジ条件は、利益に対して配当負担が過度に重い企業などを除外するためのスクリーニングです。しかし、将来の景気悪化、事業環境の変化、規制変更などによる減配を防ぐものではありません。

DVYとVYM・HDV・SPYDを比較

代表的な米国高配当ETFと比較すると、DVYの特徴が分かりやすくなります。

ETF 特徴・選定思想 銘柄数 経費率 30日SEC利回り
DVY 5年間の配当実績、配当カバレッジ、利益、規模、流動性を確認。高配当株を選定。REITを除外 99
2026/8/5
0.38% 3.56%
2026/6/30
VYM FTSE High Dividend Yield Indexに連動。高配当株へ幅広く投資し、分散性と低コストを重視 605
2026/5/31
0.04%[4] 2.25%
2026/6/30
HDV 高配当株の中から財務健全性などを考慮して比較的少数の銘柄へ投資 75
2026/7/28
0.08%[5] 3.14%
2026/6/30
SPYD S&P 500の配当利回り上位80銘柄を対象。REIT・不動産も含む 80
2026/8/6
0.07%[6] 4.12%
2026/8/6

※各ETFでデータ更新日が異なります。利回りや構成銘柄数は変動するため、単純な一時点比較で優劣が決まるものではありません。

DVYとVYMの違い

VYMは500銘柄を超える株式へ幅広く投資しており、経費率も0.04%です。これに対してDVYは約100銘柄へ絞り込み、配当実績やカバレッジなどの条件を課しています。

そのため、低コストと広い分散を重視するならVYM、配当スクリーニングの強さを重視するならDVYという違いがあります。

DVYとHDVの違い

HDVは75銘柄程度とDVYよりも銘柄数が少なく、財務健全性などを考慮した高配当株へ投資します。

経費率はHDVが0.08%で、DVYの0.38%より低くなっています。一方、DVYは過去5年の配当実績や167%以上の平均配当カバレッジなど、独自の採用条件を明示しています。

DVYとSPYDの違い

SPYDはS&P 500の中から配当利回り上位80銘柄へ投資するETFです。

DVYとは異なりREIT・不動産も含まれるため、不動産セクターの比率が高くなることがあります。また、2026年8月6日時点の30日SEC利回りは4.12%で、DVYの3.56%を上回っています。[6]

ただし、配当利回りの高さだけではなく、セクター構成、配当の持続性、経費率、トータルリターンを含めて比較する必要があります。

DVYの株価:過去~現在

以下ではDVYの株価推移を確認します。

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比、52週高値/安値、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理しています。リアルタイムではありませんが、株価は最大20分程度の遅延で変動をフォローします。




DVYと金利の関係を見るときの注意点

DVYは公益事業の比率が高いため、長期金利との関係が意識されやすいETFです。

公益株は安定した配当を期待されるため、債券利回りが上昇すると相対的な魅力が低下する場合があります。また、設備投資に必要な資金調達コストの上昇も負担になります。

ただし、DVYの約4分の1を占める金融株では、金利上昇が銀行の利ざや拡大につながる場合もあります。したがって、DVYと金利の関係を「金利上昇=必ず下落」と単純化することはできません。

DVYの配当金(分配金)と利回り

2026年の分配金

DVYは四半期ごとに分配金を支払っています。

権利落ち日 支払日 1口当たり分配金
2026年3月17日 2026年3月20日 1.149317ドル
2026年6月15日 2026年6月18日 1.247215ドル
2026年上期累計 2.396532ドル

2025年上期の分配金は1.049489ドル+1.233273ドル=2.282762ドルだったため、2026年上期の2.396532ドルは前年同期比で約5.0%増となりました。[1]

ただし、2026年の年間分配金はまだ確定していません。9月・12月の分配額によって年間実績は変わります。

DVYの年間分配金と利回りの推移

以下では、年間累計分配金を年平均株価で割った利回りの推移を整理します。

※年間分配金はiSharesが公表するTotal Distributionを基準にしています。年によって通常の配当収入以外の分配が含まれる場合があるため、各企業の通常配当だけを基準にした利回りとは異なる場合があります。

分配金 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 3.83% 5.145 7.3% 134.5 11.7%
2024 3.98% 4.794 7.7% 120.4 4.6%
2023 3.87% 4.45 8.0% 115.1 -3.8%
2022 3.44% 4.12 8.1% 119.6 7.8%
2021 3.43% 3.81 9.2% 111.0 34.4%
2020 4.22% 3.49 -2.8% 82.6 -15.5%
2019 3.67% 3.59 12.9% 97.8 8.3%
2018 3.52% 3.18 8.5% 90.3 -2.2%
2017 3.17% 2.93 9.3% 92.3 11.7%
2016 3.24% 2.68 4.3% 82.6 17.0%
2015 3.64% 2.57 7.5% 70.6 -1.8%
2014 3.33% 2.39 11.2% 71.9 16.5%
2013 3.48% 2.15 14.4% 61.7 18.9%
2012 3.62% 1.88 16.0% 51.9 5.7%
2011 3.30% 1.62 14.1% 49.1 12.1%
2010 3.24% 1.42 -1.4% 43.8 22.0%
2009 4.01% 1.44 -28.7% 35.9 -39.7%
2008 3.37% 2.02 59.5

※2025年の年間分配金は、2025年3月、6月、9月、12月のiShares公式分配履歴を合計した5.145479ドルを基に5.145ドルと表示しています。[1]

ミニ解説:30日SEC利回りと12カ月実績利回り

30日SEC利回りは、直近30日間にファンドが得た配当などの収益から経費を差し引き、一定の方式で年率換算する指標です。ETF間で現在の収益力を比較するときに使われます。

12カ月実績利回りは、過去12カ月に実際に支払われた分配金を基準にした利回りです。

いずれも将来の分配金を保証するものではなく、ETF価格の値動きを含むトータルリターンとは異なります。

DVYのメリット

配当利回りだけで選ばない

DVYは、単純に「現在の配当利回りが最も高い企業」を集めるETFではありません。

過去5年間の配当実績、配当カバレッジ、利益条件、時価総額、流動性まで確認するため、高利回りになっている企業を無条件に採用する仕組みではありません。

個別銘柄への集中度が低い

2026年8月6日時点では、最大構成銘柄のPRUでも2.20%です。上位10銘柄を合計しても18.80%にとどまります。[3]

一部の巨大テクノロジー株が指数全体を大きく左右するタイプのETFとは、かなり異なる構成です。

金融・公益・生活必需品など成熟企業への比重が大きい

大型グロース株が多い米国株式市場全体と比べると、DVYでは銀行、保険、公益事業、食品、通信、エネルギーなどの成熟企業の存在感が大きくなります。

成長株とは異なる値動きをしやすいため、ポートフォリオ全体の性格を変える目的で利用されることも考えられます。

DVYの注意点・デメリット

金融と公益事業で約49%

最大の注意点はセクターの偏りです。

2026年8月5日時点では、金融が26.69%、公益事業が22.27%で、合計48.96%です。[1]

99銘柄へ投資していても、金利、金融市場、公益料金規制、設備投資などに影響される企業が多く含まれます。

経費率0.38%は高配当ETFとして高め

DVYの経費率は0.38%です。

一方、VYMは0.04%、HDVは0.08%、SPYDは0.07%です。DVYとVYMでは年率0.34ポイントの差があります。

1万ドルを投資した場合、単純計算では年間約34ドルのコスト差です。長期保有では、この差も無視できません。

高い配当利回りだけを求めるETFではない

2026年6月30日時点のDVYの30日SEC利回りは3.56%です。

高配当ETFの中では十分高い水準ですが、同時点付近ではSPYDなど、より高い利回りを示すETFもあります。

DVYの特徴は「最高の利回りを追うこと」よりも、一定の配当実績・利益条件などを満たした企業の中から高配当株を選ぶことにあります。

分配金だけで投資成果を判断しない

高配当ETFでは分配金の金額や利回りに注目しがちですが、投資成果はETF価格の上昇・下落を合わせたトータルリターンで考える必要があります。

DVYの2026年6月30日までの1年間のNAVトータルリターンは21.90%でした。分配金だけでは、こうした価格変動を含む運用成果を把握できません。[1]

DVYはどんなETFなのか

DVYの特徴を一言でまとめると、「配当利回りだけでなく、過去の配当実績と利益による配当のカバー状況も確認したうえで、高配当株を約100銘柄選ぶETF」です。

VYMほど広く分散せず、SPYDほど単純に高利回り銘柄を選ぶわけでもありません。

その一方で、金融・公益事業への集中と0.38%の経費率は、DVYを検討するときに必ず確認したいポイントです。

まとめ

DVYは、Dow Jones U.S. Select Dividend Indexに連動し、米国の高配当株へ投資するETFです。

2026年8月時点では株式99銘柄を保有し、PRU、TROW、HPQ、PFE、MOなどが上位を占めています。最大銘柄でも構成比は2%台で、上位10銘柄の合計は18.80%です。[3]

一方、金融と公益事業だけで48.96%を占めるため、個別銘柄では分散されているものの、業種では偏りが大きいETFです。

経費率は0.38%で、VYM、HDV、SPYDより高めです。

そのためDVYは、
「高配当株全体へできるだけ低コストで広く投資するETF」ではなく、「一定の配当実績・配当カバレッジ・利益条件を満たす高配当企業を選び、金融・公益事業を中心に投資するETF」
と理解すると、その特徴が分かりやすくなります。

分配金を重視する場合も、現在の利回りだけでなく、構成銘柄、セクター配分、経費率、配当の持続性、株価を含めたトータルリターンを合わせて確認したいところです。

免責事項


本記事は2026年8月9日時点で確認できる運用会社および指数提供会社の公表情報をもとに作成しています。構成銘柄、構成比、利回り、純資産総額、分配金等は随時変動します。本記事は情報提供を目的としており、将来の運用成果や分配金を保証するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任において行ってください。

【注】(出典リンク)

  1. DVYの純資産総額・経費率・構成銘柄数・利回り・NAVリターン・P/E・P/B・ベータ・セクター構成・分配金 →
    一次情報:iShares「iShares Select Dividend ETF(DVY)公式ページ
    (確認日:2026-08-09)
  2. Dow Jones U.S. Select Dividend Indexの対象銘柄、REIT除外、配当実績、配当カバレッジ、利益、時価総額、流動性、銘柄選定、構成比上限 →
    一次情報:S&P Dow Jones Indices「Dow Jones Dividend Indices Methodology(2026年8月版・PDF)
    (確認日:2026-08-09)
  3. DVY全構成銘柄、ティッカー、セクター、構成比 →
    一次情報:iShares「DVY Latest Holdings CSV」(保有明細日:2026-08-06、確認日:2026-08-09)
  4. VYMの経費率、30日SEC利回り、保有銘柄数、連動指数 →
    一次情報:Vanguard「Vanguard High Dividend Yield ETF(VYM)
    (確認日:2026-08-09)
  5. HDVの経費率、30日SEC利回り、保有銘柄数 →
    一次情報:iShares「iShares Core High Dividend ETF(HDV)
    (確認日:2026-08-09)
  6. SPYDの経費率、30日SEC利回り、保有銘柄数、S&P 500高配当上位80銘柄への投資 →
    一次情報:State Street「State Street SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF(SPYD)
    (確認日:2026-08-09)

Posted by 南 一矢