EOG・WMB・OKE・KMI・PSX・MPC・XLEを比較(株価と配当)エネルギー銘柄

エネルギー,銘柄比較

米国株のエネルギーセクターの銘柄(指数連動ETFと主な高配当系の個別株)について、株価の推移と利回り、配当性向などを比較してみます。※本記事は投資助言ではありません。配当利回り等は記事更新時点の目安で、相場・会社方針により変動します。

【XLE】エネルギーセレクトセクターSPDRファンド

  • S&P500のエネルギー企業で構成された「エネルギー・セレクト・セクター指数」に連動。
  • 構成銘柄はおおむね22〜25銘柄(時点で増減)。
  • 上位はXOMCVXが中心で、2社で約4割超を占める(2025年8月時点)。
  • 原油・天然ガスの開発・生産・サービス・精製・パイプラインなどエネルギーバリューチェーンに広く分散。
  • 出所(SSGA公式)

エネルギー関連6社(2025年版)

EOG:EOGリソーシズ(EOG Resources)

シェールオイル・ガス生産の先駆者。探鉱・開発・生産の一貫運営と技術力で低コストを実現し、景気循環の中でも資本効率(ROCE)を重視。レギュラー配当の増配に加え、業況に応じて可変配当・特別配当で株主還元を拡充。

  • 事業の柱:シェールの上流専業(オイル・ガス)
  • 主要油田:イーグルフォード/パーミアン(デラウェア)/ロッキー山脈
  • 配当の考え方:レギュラー配当は増配基調+余剰キャッシュで可変/特別配当を柔軟実施(利回りは相場で変動)
  • 留意点:原油・ガス価格に業績が左右されやすい(精製・化学の補完なし)

出典:EOG IR配当履歴

WMB:ウィリアムズ・カンパニーズ(Williams Companies)

北米最大級の天然ガス・ガス処理/パイプライン運営。大西洋岸の幹線パイプラインTranscoなど基幹資産を保有し、長期契約に基づく料金収入でキャッシュフローは比較的安定。

  • 事業の柱:州間ガスパイプライン/ガス処理・集荷システム
  • 基盤資産:Transco、Northwest Pipeline 等(増強案件の運転開始が継続)
  • 特徴:成長投資と配当の両立。前方配当利回りの目安は中位台(%)
  • 留意点:規制産業ゆえの料金・投資回収の枠組み、需要サイクルの影響

出典:Williams IRTransco増強のニュース

OKE:ワンオーク(ONEOK)

天然ガス液(NGL)と天然ガスの中流に強み。2023年にMagellan Midstream買収を完了し、原油・精製品パイプライン/ターミナルも取り込み、液体燃料の比重が上昇。統合によるスケールメリットとネットワーク最適化でリターン向上を狙う。

  • 事業の柱:NGLの集荷・分留・輸送/ガス集荷・パイプライン+(買収後)原油・精製品物流
  • 特徴:契約ベースの安定収入+原油・精製品の新収益源で分散度が向上
  • 配当:前方配当利回りの目安は中位〜中後位台(%)
  • 留意点:価格スプレッドやロールオーバー投資のタイミングに業績感応

出典:Magellan買収完了リリース

KMI:キンダー・モルガン(Kinder Morgan)

北米最大級のエネルギーインフラ企業。約8.4万マイルのパイプラインと150超のターミナルを保有・運営し、天然ガスの長距離輸送に加え、精製品・CO2・バイオ燃料関連にも展開。2025年の年間配当は$1.17/株を計画(会社見通し)。

  • 事業の柱:天然ガス/精製品パイプライン、ターミナル、CO2関連
  • 特徴:規制・長期契約ベースの安定収入、需要家多様化(LNG・発電・データセンター等)
  • 留意点:2015年の配当減配履歴、案件獲得と負債管理のバランス

出典:KMI 概要(パイプライン総延長等)2025年配当計画

PSX:フィリップス66(Phillips 66)

下流中心の総合エネルギー。精製・中流(DCP Midstream)・化学(CPChem)・販売を統合運営。精製能力は約150万バレル/日規模(運転・停止・再編で変動)で、四半期では高稼働・高い製品歩留まりの改善が進行。株主還元は増配と自社株買いを併用。

  • 事業の柱:精製/中流(DCP)/化学(CPChem)/マーケティング
  • 強み:北米・欧州に分散した製油所群、ポートフォリオ最適化、コスト改革
  • 留意点:精製マージンのボラティリティ、政策・環境対応コスト、資産再編(米ロサンゼルス製油所の閉鎖計画など)

出典:PSX 2Q25 決算稼働率に関する報道

MPC:マラソン・ペトロリアム(Marathon Petroleum)

米国最大の独立系精製企業。13製油所・約300万バレル/日の精製能力を擁し、MLPのMPLX経由で中流も展開。高い精製マージンと徹底したコスト管理でキャッシュ創出力が高いのが特長。

  • 事業の柱:精製(米最大規模)/中流(MPLX)/小売(Speedwayは売却済)
  • 強み:広域の物流ネットワーク、稼働率の高さとマージン捕捉力
  • 留意点:精製依存度の高さ、原油価格差(WTI-ブレント等)の影響

出典:MPC 事業概要(精製能力・拠点)2025年見通し

投資のヒント(用途別の目安)
高配当・安定CF重視KMIOKEWMB
原油レバレッジEOG
精製マージン重視PSXMPC
分散投資XLE

XLEとEOG・WMB・OKEを比較

※左目盛り:株価推移(最大20分ディレイ)
※右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル

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※左目盛り:株価推移(最大20分ディレイ)
※右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル

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Posted by 南 一矢