EWG:ドイツETFの株価と配当

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EWG(iシェアーズ MSCI ドイツ ETF/iShares MSCI Germany ETF)の運用状況を、2026年10月9日時点で確認できる公式情報に基づいて整理します。[1]

このページでは、NISAの成長投資枠や長期運用の参考として、ETFの概要、分配利回り、運用リターン、ポートフォリオの構造を解説します。ETFの直近データは主に2026年10月7日、指数データは2026年9月30日基準です。EWGのNISA取扱可否は証券会社ごとに異なるため、利用する証券会社で確認してください。

【ドイツ株ETF】EWGとは?欧州経済の巨人への投資の魅力とリスクを解説

国際分散投資において、ドイツは欧州を代表する株式市場の一つです。企業向けソフトウエア、産業機械、保険、半導体、防衛、エネルギー設備などの分野で世界的に事業を展開する企業を数多く擁しています。

こうしたドイツの大型株・中型株へ一本で投資できるのが、ブラックロックの「EWG(iシェアーズ MSCI ドイツ ETF)」です。2026年10月の組入銘柄やリターンに加え、ドイツの景気回復見通し、通商政策、防衛・インフラ投資、エネルギーコストなどの投資リスクを確認します。

📈 2026年10月時点の運用状況

2025年通期のNAVトータルリターンは+35.15%でしたが、2026年上半期は−0.51%、2026年9月末の年初来では−0.86%となりました。2026年10月7日時点の年初来NAVトータルリターンは−1.67%です。2025年の上昇後に伸び悩んでおり、業種間・個別銘柄間の差も拡大しています。[1]

ドイツ投資の魅力と注視すべきリスク

投資の魅力:欧州のグローバル企業への集中投資
  • 世界市場で事業を展開する企業:2026年10月7日時点の主要保有銘柄は、産業機械・自動化のSiemens、企業向けソフトウエアのSAP、保険大手のAllianz、電力設備のSiemens Energy、通信のDeutsche Telekomなどです。[2][1]
  • 防衛・インフラ投資の拡大:ドイツ政府は2029年までに防衛支出をGDP比3.5%へ引き上げる方針を示しています。防衛装備・電力設備・建設・交通インフラなどの需要拡大が期待されます。ただし、予算の執行から上場企業の収益増加までには時間差があります。[3]
  • 米国株とは異なる業種構成:EWGの2026年10月7日時点の構成比率は資本財・産業29.35%、金融22.86%、情報技術16.69%です。米国の大型テクノロジー株中心の指数とは異なる業種構成になります。[1]
  • バリュエーション:MSCI Germany Indexの2026年9月30日時点の予想PERは14.04倍、実績PERは15.58倍、PBRは1.90倍でした。2026年10月7日時点のEWG本体の表示PERは18.24倍であり、指数とETFでは計算方法・基準日が異なるため、同じ指標として単純比較しないことが重要です。[2][1]
注意すべきリスク
  • 輸出と通商政策の影響:ドイツ連邦統計局の2026年10月8日発表によると、2026年8月の輸出は前月比0.8%減(季節・暦調整後)でした。米国向け輸出の減少も続いており、関税、通商政策、需要変動は製造業にとって重要なリスクです。[4]
  • エネルギーコスト:ドイツでは化学、素材、機械などのエネルギー多消費産業が電力・ガス価格の影響を受けます。2026年10月8日のドイツ政府秋季予測でも、国際的な地政学情勢によるエネルギー価格の高止まりが回復の下振れリスクとされています。[5][6]
  • 国内経済の回復と不確実性:ドイツ政府は2026年10月8日、実質GDP成長率を2026年+1.3%、2027年+1.1%、2028年+0.6%と予測しました。輸出と公共投資が支えとなる一方、民間消費・設備投資の回復には不確実性が残っています。[6]
  • 為替リスク:EWGは米ドルで売買されますが、基礎資産は主にユーロ建て株式です。米ドル建てのEWG価格にはユーロ/米ドル相場の変動が反映され、日本円で保有成果を見る場合には円換算後の為替影響が加わります。為替要因を二重に数えないことが大切です。
  • 単一国への集中:EWGはドイツ株だけに投資する単一国ETFです。世界株ETFや欧州株ETFよりも、ドイツの政策、景気、企業構成の影響を強く受けます。

【EWG】iシェアーズ MSCI ドイツ ETFの概要(2026年10月時点)

EWGはMSCI Germany Index(Net)への連動を目指すETFです。同指数はドイツ株式市場の大型株・中型株からなり、浮動株調整後時価総額のおよそ85%をカバーします。2026年9月30日時点の指数構成銘柄数は50銘柄、ETFの保有銘柄数も2026年10月7日時点で50銘柄でした。指数構成数とETF保有数は、時点や現金・デリバティブの扱いによって異なる場合があります。[2][1]

EWGの基本情報とポートフォリオ

正式名称 iShares MSCI Germany ETF
ティッカー EWG
上場市場 NYSE Arca[1]
設定日 1996年3月12日[1]
連動指数 MSCI Germany Index(Net)[1]
経費率(年率) 0.49%(2026年10月9日確認、現行目論見書ベース)[1]
純資産総額 約14.25億ドル(2026年10月7日時点)[1]
保有銘柄数 50銘柄(2026年10月7日時点)[1]
分配頻度 年2回(半年ごと)[1]
30日SEC利回り 1.66%(2026年8月31日時点)[1]
過去12カ月分配利回り 1.88%(2026年8月31日時点)[1]
直近の分配金 1口当たり0.831581ドル(権利落ち日:2026年6月15日、支払日:2026年6月18日)。2025年12月分配は0ドル。[1]
2025年通期リターン +35.15%(NAV、2025年12月31日時点)[1]
2026年上半期リターン -0.51%(NAV、2026年6月30日時点)[1]
2026年年初来リターン −1.67%(NAVトータルリターン、2026年10月7日時点)[1]
30日平均出来高 1,001,294口(2026年10月7日時点)[1]
売買スプレッド 30日中央値0.02%(2026年10月7日時点)[1]

上位保有銘柄(2026年10月7日時点)

順位 銘柄 主な事業 構成比率
1 Siemens 産業機械・自動化 11.97%
2 SAP 企業向けソフトウエア 11.61%
3 Allianz 保険・資産運用 9.69%
4 Siemens Energy 発電・送電設備 6.79%
5 Deutsche Telekom 通信 5.59%
6 Infineon Technologies 半導体 4.86%
7 Munich Re 再保険 4.00%
8 Deutsche Börse 証券取引所・市場インフラ 3.24%
9 Deutsche Bank 銀行・金融 3.13%
10 DHL Group 物流 3.12%

上位10銘柄の合計は2026年10月7日時点で64.00%、上位5銘柄は45.65%です。約50銘柄に分散するETFですが、Siemens、SAP、Allianz、Siemens Energyなど少数の大型企業が値動きへ強く影響します。なお本表はEWGの実際の保有比率であり、指数構成比率とは完全には一致しません。[1]

セクター比率(2026年10月7日時点)

資本財・産業 29.35%
金融 22.86%
情報技術 16.69%
ヘルスケア 6.99%
一般消費財 6.60%
コミュニケーション 5.59%
素材 4.93%
公益事業 4.59%
生活必需品 1.49%
不動産 0.74%
現金・デリバティブ等 0.18%

※純資産・保有比率・リターンは2026年10月7日、指数バリュエーションは2026年9月30日、利回りは2026年8月31日を基準としています。算出時点が異なるデータを一律に横比較しないよう注意してください。[1][2]

まとめ:2026年のポートフォリオにおけるEWG

EWGは2026年10月時点で、次のような役割を持つETFです。

  • ドイツの産業・金融企業への投資:Siemens、Allianz、SAP、Siemens Energyなど、世界市場で事業を展開するドイツ企業へまとめて投資できます。
  • 米国大型テクノロジー株への集中を緩和:資本財・産業と金融の比率が高いため、米国株指数とは異なる業種構成をポートフォリオへ追加できます。
  • 防衛・電力インフラ投資への間接的な参加:欧州の防衛力強化や電力網整備に伴う需要を取り込める可能性があります。
  • 単一国ETFとしての明確な特性:欧州全体ではなくドイツに投資対象を限定するため、ドイツ株が他の欧州市場を上回ると判断する場合に利用しやすいETFです。

一方、EWGはドイツ国内景気だけでなく、米国や中国を含む世界経済、通商政策、エネルギー価格、ユーロ相場の影響を受けます。2025年通期にはNAVベースで35.15%上昇しましたが、2026年10月7日時点の年初来リターンは−1.67%であり、前年の上昇がそのまま続くとは限りません。

ドイツ企業の競争力や欧州の防衛・インフラ投資に期待できる一方、約50銘柄の単一国ETFであることを踏まえ、世界株ETFや欧州株ETFとの役割の違いを確認した上で利用する必要があります。


ミニ解説:EWGには個別銘柄の固定上限があるのか

EWGの連動対象は、通常の時価総額加重型であるMSCI Germany Indexです。特定銘柄を一律10%などに制限する固定的な「25/50キャップ指数」ではありません。このため、企業の時価総額や浮動株比率が上昇すれば、構成比率が10%を超えることがあります。

2026年9月30日時点のMSCI Germany Indexの最大構成銘柄はSiemens(12.15%)で、SAP(11.47%)が続きます。2026年10月7日時点のEWG現物保有比率ではそれぞれ11.97%、11.61%です。固定的な銘柄比率上限がある指数ではないため、上位企業の株価によって集中度は変わります。[2][1]

【注】(出典リンク)

  1. EWG:経費率・利回り・資産・保有銘柄・分配・運用実績 → iShares EWG公式商品ページ / iShares EWG最新保有銘柄CSV(確認日:2026-10-09) ↩
  2. MSCI Germany Index:構成銘柄・PER・PBR・指数の定義 → MSCI Germany Index公式(確認日:2026-10-09) ↩
  3. ドイツの防衛支出2029年目標 → ドイツ連邦政府・2026年7月首脳会見(確認日:2026-10-09) ↩
  4. 2026年8月のドイツ貿易統計(10月8日公表) → Destatis公式プレスリリース一覧(確認日:2026-10-09) ↩
  5. ドイツのエネルギー・産業政策 → BMWE・2026年産業電力価格と負担軽減策(確認日:2026-10-09) ↩
  6. ドイツ政府2026年10月秋季経済予測 → BMWE・2026年10月8日公式発表 / BMWE・2026年秋季経済予測数値表(確認日:2026-10-09) ↩

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイで変動をフォロー。




配当(分配金)と利回り

年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*当サイトは特別配当(分配金)を含めて計算するので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高く計上されることがあります)

年 配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 2.71% 0.880 16.1% 32.5 9.1%
2024 2.54% 0.758 -0.1% 29.8 12.5%
2023 2.86% 0.759 -3.9% 26.5 3.9%
2022 3.10% 0.790 192.6% 25.5 -24.8%
2021 0.80% 0.270 -58.5% 33.9 22.8%
2020 2.36% 0.650 -11.0% 27.6 0.4%
2019 2.65% 0.730 -1.4% 27.5 -10.4%
2018 2.41% 0.740 10.4% 30.7 0.7%
2017 2.20% 0.670 9.8% 30.5 20.6%
2016 2.41% 0.610 22.0% 25.3 -9.6%
2015 1.79% 0.500 -20.6% 28.0 -6.0%
2014 2.11% 0.630 46.5% 29.8 11.6%
2013 1.61% 0.430 -25.9% 26.7 22.5%
2012 2.66% 0.580 -13.4% 21.8 -6.8%
2011 2.86% 0.670 139.3% 23.4 8.8%
2010 1.30% 0.280 -49.1% 21.5 13.2%
2009 2.89% 0.550 -54.5% 19.0 -30.4%
2008 4.43% 1.210 – 27.3 –

 

ポートフォリオ

このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率はチャールズシュワブのサイト内ページを参照。
セクター別比率、構成銘柄一覧(配当利回り&配当性向などのファンドのデータはブラックロック「EWG」ページを参照(日足で更新)


ドイツの経済力

最後に、ドイツの経済力を見ていきましょう。
ここで、世界銀行のデータバンクから主要統計を閲覧してみます。

実質GDPと成長率

(※実質GDPは2015年米ドル基準。単位は億ドル )

実質GDP 名目GDP 実質成長率
2005 29109 28458 0.73
2006 30220 29922 3.82
2007 31119 34212 2.98
2008 31418 37300 0.96
2009 29629 33978 -5.69
2010 30867 33964 4.18
2011 32079 37444 3.93
2012 32213 35273 0.42
2013 32354 37327 0.44
2014 33069 38839 2.21
2015 33562 33562 1.49
2016 34311 34675 2.23
2017 35230 36817 2.68
2018 35613 39753 1.09
2019 35989 38883 1.06
2020 34344 38464 -4.57
2021 35,415 42,267 3.12
2022 36,053 41,725 1.80
2023 35,872 44,687 -0.50
2024 35,942 45,370 0.20

一人当たりGDP/人口/失業率

(*失業率はILO方式。一人当たりGDP〔実質〕の単位はドル、人口は万人)

【ドイツ】

1人当りGDP 人口 失業率
2005 35296 8247 11.17
2006 36685 8238 10.25
2007 37827 8227 8.66
2008 38263 8211 7.53
2009 36176 8190 7.74
2010 37746 8178 6.97
2011 39961 8027 5.82
2012 40053 8043 5.38
2013 40119 8065 5.23
2014 40835 8098 4.98
2015 41087 8169 4.62
2016 41665 8235 4.12
2017 42622 8266 3.75
2018 42956 8291 3.38
2019 43312 8309 3.14
2020 41259 8324 4.31
2021 42,559 8,332 3.61
2022 43,202 8,347 3.06
2023 42,898 8,362 3.20
2024 42,950 8,375 3.15

Posted by 南 一矢