EWT・EWY:台湾と韓国をETFで比較する

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【国別ETF】台湾(EWT)・韓国(EWY) – アジアのハイテク大国への投資を考える

台湾と韓国のETFデータを比較し、情報を整理してみます。

このページでは積立や資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を紹介してみましょう。

【国別ETF】台湾(EWT)・韓国(EWY) – アジアのハイテク大国への投資を考える

世界経済、特にハイテク分野において重要な役割を担うアジアの二大経済圏、台湾と韓国。半導体受託製造(ファウンドリ)で世界を席巻する台湾と、メモリ半導体や家電、自動車でグローバル市場をリードする韓国は、似ているようで全く異なる産業構造と投資妙味を持っています。今回は、iシェアーズの代表的な国別ETF「EWT(台湾)」「EWY(韓国)」について、その中身と投資の着眼点を整理します。

📈 2025年のマーケット動向(最新)

半導体サイクルとAI需要の追い風で、台湾ETF(EWT)は年初来+25.06%(2025/10/9、NAVベース)[注1]韓国ETF(EWY)は年初来+66.81%と大幅高[注4]。一方、米国の新関税(相互関税)で、韓国に25%案が示されたと報じられており、輸出企業の多い韓国には政策面の不確実性が残ります[注7]

【EWT】iシェアーズ MSCI 台湾 ETF

世界の半導体サプライチェーンの中核を担う台湾の優良企業、特に世界最大の半導体ファウンドリであるTSMCに重点的にアクセスできるETFです。

台湾(EWT) 投資の魅力とリスク

投資の魅力
  • 圧倒的な半導体競争力:TSMCを筆頭に、世界の先端ロジック製造を担う企業群にまとめて投資[注1]
  • 強力なハイテク・エコシステム:半導体関連・電子部品・電子機器に幅広く分散。
  • 足元の実績:2025年年初来+25.06%(2025/10/9、NAV)[注1]
注意すべきリスク
  • 地政学:台湾海峡情勢の緊張は恒常的なリスク。
  • セクター集中:情報技術比率が高く、TSMCへの依存度も大きい[注2]
  • 米中摩擦:先端半導体を巡る規制強化が業績変動要因に。

EWTの基本情報とポートフォリオ

連動指数 MSCI Taiwan 25/50 Index
経費率 0.59%[注1]
純資産総額 約64.9億ドル(2025/10/10時点)[注1]
配当頻度 年1回(Annual)[注1]
12カ月配当利回り 約1.90%(2025/9/30)[注1]
年初来パフォーマンス +25.06%(2025/10/9、NAV)[注1]
上位構成銘柄 TSMC, MediaTek, Hon Hai (Foxconn), Delta Electronics, Fubon Financialなど[注1]
セクター比率 情報技術 約63.6%、金融 約18.3%、資本財 約5.0% ほか[注2]

【EWY】iシェアーズ MSCI 韓国 ETF

サムスン電子やSKハイニックスなど、世界で高いシェアを持つ韓国の多国籍企業へまとめて投資できるETFです。

韓国(EWY) 投資の魅力とリスク

投資の魅力
  • 多様なグローバル企業:半導体・自動車・バッテリー・ネットサービス・金融まで広く分散。
  • 足元の実績:年初来+66.81%(2025/10/9、NAV)と強いモメンタム[注4]
  • 「企業価値向上」政策への期待:PBR引き上げや還元強化の議論が継続(背景要因)。
注意すべきリスク
  • 地政学:朝鮮半島情勢の不確実性。
  • コーポレートガバナンス:財閥構造に起因するディスカウントの残存可能性。
  • 通貨:ウォン安はドル建てETFのリターンを押し下げ得る。
  • 米国関税:米政権の「相互関税」では韓国に25%案が提示されたと報道。輸出主導の韓国企業には逆風となり得る[注7]

EWYの基本情報とポートフォリオ

連動指数 MSCI Korea 25/50 Index
経費率 0.59%[注4]
純資産総額 約57.5億ドル(2025/10/10時点)[注4]
配当頻度 年1回(Annual)[注4]
12カ月配当利回り 約1.62%(2025/9/30)[注4]
年初来パフォーマンス +66.81%(2025/10/9、NAV)[注6]
上位構成銘柄 Samsung Electronics(約19.5%)、SK Hynix(約12.5%)、KB Financial、Naver、Hyundai Motorほか[注5]
セクター比率 情報技術 35.6%、資本財 20.5%、金融 14.4%、一般消費財 8.1%、通信 6.7% ほか[注5]

【配当比較】株主還元で見るEWTとEWY

ETFでは分配金(インカム)も判断材料になります。直近12カ月配当利回り(12m Trailing Yield)と配当頻度を比較します。

項目 EWT (台湾) EWY (韓国)
直近配当利回り 約1.90%(12m、2025/9/30)[注1] 約1.62%(12m、2025/9/30)[注4]
配当頻度 年1回(Annual)[注1] 年1回(Annual)[注4]
配当の傾向と特徴 成長投資を優先するテック企業が多く、利回りは控えめ。値上がり益重視。 大型テックに加え金融・資本財などの配当がベース。政策面の還元強化期待がテーマ。

※利回りは市場環境・為替により変動。上記は表示日の参考値です。

まとめ:ポートフォリオにおける役割

  • EWT (台湾):半導体を中心に高い成長性に賭ける配分。セクター集中を理解して保有。
  • EWY (韓国):グローバル製造業と金融を織り交ぜた広めの分散+モメンタム。政策・関税のニュースフローには留意。

いずれも米国ハイテクとは異なるドライバーでリターン源を増やせる選択肢です。セクター集中度、配当水準、地政学・政策リスクを把握し、リバランスの前提を決めて活用しましょう。

【出典・情報源】

*注意:投資判断はご自身の責任で。相場・為替・規制は変動し、将来の成果を保証するものではありません。


株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイで変動をフォロー。




ポートフォリオ

このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率はチャールズシュワブのサイト内ページを参照。
セクター別比率、構成銘柄一覧(配当利回り&配当性向などのファンドのデータはブラックロック「EWY」ページを参照。
(EWTページのデータは日足で更新)

Posted by 南 一矢