EWT・EWY:台湾と韓国をETFで比較する

海外ETF





【国別ETF】台湾(EWT)・韓国(EWY) – アジアのハイテク大国への投資を考える(2026年4月更新)

アジアを代表するハイテク拠点、台湾と韓国のETFデータを比較し、最新の情報を整理します。

このページでは、長期的な資産運用や積立の検討材料として、ETFの概要や最新の配当利回り、ポートフォリオの構造を解説します。数値は市場環境により日々変動するため、投資の最終判断前には必ず運用会社の公式サイト等で最新の一次情報をご確認ください。[1][2]

*免責事項:投資判断はご自身の責任において行われるようお願いいたします。本記事は情報提供を目的としており、売買の結果について一切の責任を負うことはできません。

【国別ETF】台湾(EWT)・韓国(EWY) – アジアのハイテク大国への投資を考える

世界経済のサプライチェーン、特に半導体やAIインフラにおいて欠かせない存在となった台湾と韓国。受託製造(ファウンドリ)で圧倒的なシェアを誇る台湾と、メモリ半導体や自動車、電池産業で世界をリードする韓国は、投資対象として非常に魅力的ながらも、異なるリスク要因を抱えています。iシェアーズの代表的ETFである「EWT(台湾)」「EWY(韓国)」の現状をプロの視点で分析します。

📈 マーケット動向(2025年通期実績 + 2026年Q1の足元)

EWT(台湾)は、2025年通期のNAVベースリターンが+27.81%(2025/12/31時点)を記録しました。[1]
2026年に入っても好調を維持し、第1四半期(2026/03/31時点)の年初来騰落率は+14.52%で推移しています。[1]

EWY(韓国)は、2025年にNAVベースで+97.57%(2025/12/31時点)という驚異的な上昇を見せました。[2]
2026年第1四半期(2026/03/31時点)は年初来で+8.15%と、通商問題の不透明感から利益確定売りに押される局面も見られます。[2]

懸案の米国通商政策については、韓国の一部ハイテク品目に対する関税率が25%へ引き上げられる方針が示されています(2026/04/10時点の協議継続中)。輸出依存度の高い韓国企業にとって、この「関税プレミアム」が収益を圧迫するリスクとして意識されています。[3][4]

【EWT】iシェアーズ MSCI 台湾 ETF

世界のAIブームの恩恵を直接受けるファウンドリ最大手を中心に、台湾のハイテク・エコシステムを網羅したETFです。

台湾(EWT) 投資の魅力とリスク

投資の魅力
  • AIインフラの心臓部:セクター構成の約3分の2が情報技術(半導体関連)で占められています(2026/03/31時点)。[5]
  • 高収益な主力銘柄:世界最高峰の技術力を持つ企業の成長を、米ドル建てで効率的にポートフォリオへ組み込めます。[5]
  • 制度の透明性:iシェアーズブランドによる高い流動性と、適時開示される財務データにより、実務的な管理が容易です。[1]
注意すべきリスク
  • 地政学的緊張:台湾海峡を巡る不確実性は、常にバリュエーションの押し下げ要因となります。
  • 単一銘柄への集中:最大構成銘柄の比率が24.12%(2026/03/31時点)に達しており、同社の決算一つで指数全体が大きく振れます。[5]
  • エネルギー供給:ハイテク工場の稼働に必要な電力インフラと、脱炭素政策の進展が長期的なコスト要因となり得ます。

EWTの基本情報とポートフォリオ(2026年Q1末時点)

連動指数 MSCI Taiwan 25/50 Index (Net)[1]
経費率 0.59%(2026/04/10時点)[1]
純資産総額 約84.2億ドル(2026/04/10時点)[1]
保有銘柄数 90銘柄(2026/04/10時点)[1]
分配頻度 年1回[1]
12カ月分配利回り 1.48%(2026/03/31時点)[1]
30日SEC利回り 1.72%(2026/03/31時点)[1]
年初来騰落率 +14.52%(NAVベース、2026/03/31時点)[1]

上位構成銘柄(2026/03/31時点):TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFACTURING 24.12%、HON HAI 5.85%、MEDIATEK 4.42%、DELTA ELECTRONICS 3.61%、QUANTA COMPUTER 2.15% など。[5]

セクター比率(2026/03/31時点):情報技術 68.15%、金融 15.82%、一般消費財 4.92% ほか。[5]


【EWY】iシェアーズ MSCI 韓国 ETF

財閥系コングロマリットを中心に、エレクトロニクスから重工業、自動車まで、韓国経済をまるごと保有するパッケージです。

韓国(EWY) 投資の魅力とリスク

投資の魅力
  • 市場区分の格上げ期待:FTSE Russellによる「セカンダリー・エマージング」への格上げ(2026/09/21予定)を控え、2026年3月の中間レビューでも取引利便性の改善が評価されています。[6]
  • 割安感(低PBR修正):政府主導の「バリューアップ・プログラム」により、長年放置されてきた割安株の解消(株主還元強化)が期待されています。
  • 輸出力の回復:米国・インド市場向けの自動車や武器輸出が新たな成長ドライバーとして機能しています。
注意すべきリスク
  • 米国の関税リスク:トランプ政権下の通商交渉により、特定品目で25%の関税率適用が現実味を帯びており、業績への打撃が懸念されます。[4]
  • 通貨ボラティリティ:ウォン安局面ではドル建てリターンが減退するため、為替相場の注視が必要です。
  • 少子高齢化の進展:長期的な内需の縮小リスクは、外需(輸出)でどこまでカバーできるかが焦点です。

EWYの基本情報とポートフォリオ(2026年Q1末時点)

連動指数 MSCI Korea 25/50 Index (Net)[2]
経費率 0.59%(2026/04/10時点)[2]
純資産総額 約118.5億ドル(2026/04/10時点)[2]
保有銘柄数 85銘柄(2026/04/10時点)[2]
分配頻度 年1回[2]
12カ月分配利回り 2.15%(2026/03/31時点)[2]
30日SEC利回り 0.82%(2026/03/31時点)[2]
年初来騰落率 +8.15%(NAVベース、2026/03/31時点)[2]

上位構成銘柄(2026/03/31時点):SAMSUNG ELECTRONICS 23.82%、SK HYNIX 17.15%、HYUNDAI MOTOR 2.85%、POSCO HOLDINGS 2.42%、KB FINANCIAL 2.38% など。[6]

セクター比率(2026/03/31時点):情報技術 48.12%、資本財 17.55%、金融 11.24% ほか。[6]


【比較】ポートフォリオの分散と分配金利回り

どちらのETFも、2026年に入り「AIインフラ」と「政策期待」という異なる原動力で動いています。インカム面では、還元姿勢を強める韓国(EWY)に軍配が上がります。

項目 EWT(台湾) EWY(韓国)
12カ月分配利回り

(2026/03/31時点)

1.48%[1] 2.15%[2]
主なリターン源泉 半導体の長期成長(キャピタルゲイン重視) バリュエーション改善 + 安定成長
投資判断のポイント AI需要の持続性と地政学リスクの許容 市場格上げ進捗と米国通商交渉の行方

まとめ:アジア・ハイテク二大国の活用法

  • EWT(台湾):世界最強の半導体エコシステムに「順張り」で投資する銘柄。特定の巨大小企業への集中投資を理解し、ポートフォリオのグロース枠として活用。
  • EWY(韓国):制度格上げを控えた「変革期」の投資。通商リスクによる一時的な調整を押し目買いの機会と捉える、やや中長期の視点が有効。

米国市場が利下げサイクルを織り込む2026年、ドル安局面でのアジア新興国通貨の反発も期待材料です。個別の地政学・通商ニュースに振り回されすぎず、セクター集中度と分配金実績をベースにした定期的なリバランスが、賢明な投資家への第一歩となります。

ミニ解説:両ETFが採用する「25/50」型インデックスは、単一銘柄の上限を25%に制限し、5%を超える銘柄の合計を50%以下に抑えるルールです。分散が考慮されていますが、それでもSamsungやTSMCの影響は支配的である事実に変わりはありません。[5][6]

【注】(出典リンク)

  1. iシェアーズ MSCI 台湾 ETF 公式データ(Key Facts/Performance/費用 2026/04/10時点) → iShares (EWT)(確認日:2026-04-12)
  2. iシェアーズ MSCI 韓国 ETF 公式データ(Key Facts/Performance/費用 2026/04/10時点) → iShares (EWY)(確認日:2026-04-12)
  3. 米国相互関税の改定と国別適用状況(2025/07/31) → White House (Reciprocal Tariff 2025)(確認日:2026-04-12)
  4. トランプ政権の韓国向け関税と通商協議の行方(2026/01/26、2026/03/30) → Reuters (Korea Tariff 25%)(確認日:2026-04-12)
  5. EWT ファクトシート(構成銘柄・セクター 2026/03/31時点) → iShares (EWT Fact Sheet)(確認日:2026-04-12)
  6. EWY ファクトシート(構成銘柄・セクター 2026/03/31時点)/FTSE Russell 格上げ状況(2026/03中間レビュー) → iShares (EWY Fact Sheet)FTSE Russell Reclassification(確認日:2026-04-12)


株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイで変動をフォロー。




配当(分配金)と利回り

年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*当サイトは特別配当(分配金)を含めて計算するので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高く計上されることがあります)

EWTの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 4.89% 2.816 63.9% 57.6 11.8%
2024 3.34% 1.718 -68.9% 51.5 12.9%
2023 12.12% 5.527 -26.9% 45.6 1.8%
2022 16.87% 7.558 442.6% 44.8 -26.8%
2021 2.28% 1.393 43.2% 61.2 43.7%
2020 2.28% 0.973 -4.9% 42.6 18.0%
2019 2.83% 1.023 2.5% 36.1 -0.8%
2018 2.74% 0.998 -2.1% 36.4 3.7%
2017 2.90% 1.019 45.4% 35.1 23.2%
2016 2.46% 0.701 -12.2% 28.5 -5.6%
2015 2.64% 0.798 37.1% 30.2 -5.0%
2014 1.83% 0.582 11.1% 31.8 13.2%
2013 1.86% 0.524 -3.3% 28.1 3.3%
2012 1.99% 0.542 -42.7% 27.2 -4.9%
2011 3.31% 0.946 63.1% 28.6 -3.1%
2010 1.97% 0.580 39.4% 29.5 26.1%
2009 1.78% 0.416 -65.4% 23.4 -15.8%
2008 4.33% 1.203 27.8

EWYの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 2.83% 2.037 56.9% 71.9 12.7%
2024 2.03% 1.298 -21.4% 63.8 4.2%
2023 2.70% 1.651 136.9% 61.2 1.2%
2022 1.15% 0.697 -58.5% 60.5 -29.1%
2021 1.97% 1.679 166.5% 85.3 38.9%
2020 1.03% 0.630 -51.8% 61.4 5.7%
2019 2.25% 1.308 65.6% 58.1 -15.1%
2018 1.15% 0.790 -63.7% 68.4 4.4%
2017 3.32% 2.176 237.4% 65.5 24.1%
2016 1.22% 0.645 -46.3% 52.8 -1.7%
2015 2.24% 1.202 81.3% 53.7 -12.4%
2014 1.08% 0.663 -26.2% 61.3 4.6%
2013 1.53% 0.898 146.0% 58.6 5.8%
2012 0.66% 0.365 -47.9% 55.4 -2.5%
2011 1.23% 0.700 58.4% 56.8 10.3%
2010 0.86% 0.442 40.3% 51.5 33.4%
2009 0.82% 0.315 -51.5% 38.6 -14.6%
2008 1.44% 0.650 45.2

ポートフォリオ

このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率はチャールズシュワブのサイト内ページを参照。
セクター別比率、構成銘柄一覧(配当利回り&配当性向などのファンドのデータはブラックロック「EWY」ページを参照。
(EWTページのデータは日足で更新)

Posted by 南 一矢