META(メタ)今後の見通し
メタ・プラットフォームズ(Meta Platforms, Inc.)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については関連記事(GOOGLとMETAを比較:アルファベット(グーグル)とメタ(フェイスブック))を参照
直近決算
META(メタ)は7月30日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想5.85$→結果7.14$
・売上高:予想447.2億$→結果475.2億$(前年同期比+22%)
★ガイダンス
《四半期》
・売上高:予想462億$→結果475~505億$
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。
企業概要
メタ(Meta Platforms, Inc., Nasdaq: META)は、カリフォルニア州メンローパークの本社(1 Hacker Way)を拠点とする世界最大級のSNS/テクノロジー企業です[1]。
同社はかつてFacebook, Inc.として知られ、2021年10月に社名をMetaへ変更。既存のSNS事業に加え、AIとVR/ARを軸にした「メタバース」や生成AIの基盤整備にも注力しています[2]。
起源は2004年、ハーバード大学在学中のマーク・ザッカーバーグ氏らが実名SNS「Facebook」を立ち上げたことにさかのぼります。2006年の一般開放後に世界的に普及し、2012年にIPOを実施。Instagram(2012年)、WhatsApp(2014年)、Oculus/VR(2014年)などの買収でモバイル、メッセージング、VR/ARへ事業を拡大しました[3]。
最新の事業構成と収益:メタの報告セグメントは「Family of Apps(FoA)」と「Reality Labs(RL)」の2つ。2024年通期売上は1,645億ドルで、このうち広告が約97.6%(約1,604~1,615億ドル)を占めます[4]。2025年4-6月期(Q2)も売上475億ドルのうち広告が約98%(約466億ドル)を占め、利用者指標の「Family DAP(日次アクティブ)」は34.8億人でした[5]。
主要サービスは次の通りです。
★ソーシャルメディア・メッセージング:Facebook/Instagram/Messenger/WhatsAppなどを含むFoAが収益の柱。広告入札・配信を支えるレコメンドAIの強化で、広告表示回数と単価の双方が伸長しています。テキストSNS「Threads」は2025年8月時点で月間4億MAUに拡大と報じられています[6]。
★メタバース・VR/AR(Reality Labs):VRヘッドセット「Meta Quest 3/3S」やRay-Banとのスマートグラスを展開。RLは依然投資段階で、2025年Q2の営業損失は約45億ドルでした[7]。一方で、低価格のQuest 3Sやスマートグラスのラインアップ拡充で裾野拡大を狙います[7b][7c]。
AIへの注力:オープン戦略の基盤モデル「Llama 3 / 3.1」を公開し、アシスタント「Meta AI」を各プロダクトへ展開。自社推論チップMTIA(次世代版)も公表・導入し、データセンター投資と合わせてインフラの内製比率を段階的に高めています。2025年の設備投資ガイダンスは640~720億ドルと複数回にわたり引き上げられました[8][9]。
資本政策のアップデート:2024年に四半期配当(1株50セント)を開始し、自己株式取得の大幅増額(500億ドル)も発表・執行。2024年通期の配当支払総額は約44~50億ドル規模が開示されています[10]。
コーポレート・ガバナンス:メタはデュアルクラス(Class A=1票、Class B=10票)構造を採用。創業者が議決権の過半を保有し、長期投資や大型研究開発を機動的に進める一方、少数株主の影響力が限定される点は機関投資家の論点です[11]。
規制・リスク:EUのデジタル市場法(DMA)対応として、同社は「Less Personalized Ads(LPA:より個人情報に依存しない広告)」の提供や、広告なし有料プランの価格見直しを実施。DMAの運用に伴う要件・判断は流動的で、同社は対応を継続しています[12]。
ミニ解説
・FoAとRL:SNS群で稼ぐのがFoA、VR/ARなど将来投資がRL。現状の利益はFoA主導。
・AIが広告を強くする:AIで「誰にどの広告をいつ出すか」を最適化→表示回数や単価の改善に直結。
・配当開始=成熟のサイン:安定的に現金を生む自信の表れ。自社株買いと併せて株主還元を強化。
【出典(脚注)】
- 本社所在地(Menlo Park, 1 Hacker Way): Company Info / 参考:Waze
- 社名変更(2021/10)ほか: 公式ニュース
- 主要買収(Instagram/WhatsApp/Oculus等): Company Info
- 2024年通期 業績・広告構成(売上1,645億ドル、広告が大宗): IRプレス / 詳細はForm 10-Kの広告収益記述も参照:Form 10-K(2024年12月期)
- 2025年Q2 業績(売上$47.5B/広告$46.6B/DAP3.48B等): Q2 2025 Earnings Release(PDF)
- Threads 月間4億MAU(2025/8報道): TechCrunch
- Reality Labs(Q2 2025 営業損失 約$4.53B): 同上PDF
- Meta Quest 3S(製品ページ・発表): Newsroom / 製品サイト
- Ray-Ban | Meta スマートグラス(製品ページ): Meta / Ray-Ban
- Meta AI(Llama 3基盤): Newsroom / Llama 3解説:AI公式
- 自社AIチップ MTIA(次世代版の概要・発表): AIブログ / 報道:ロイター
- 配当開始・買戻し(2024/2/1初回発表、2024年の実行): IRプレス(初回) / Form 10-K(配当・買戻し実績)
- デュアルクラス構造(Class A=1票/Class B=10票、議決権集中): Form 10-K(2024年12月期)
- EU規制対応(LPA導入・価格見直しの流れ): ロイター / ECの見解:欧州委プレス / ヘルプ記載:Metaビジネスヘルプ
- 2025年CapEx見通し($64~72Bへの引き上げ報道): ロイター(4/24) / ロイター(7/24)
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
【出典】