MSFT(マイクロソフト) 今後の見通し

AI(人工知能),SaaS(クラウド+サブスク),ダウ30銘柄,情報技術,株価•決算

マイクロソフト(MSFT:Microsoft Corporation)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。


銘柄比較については関連記事(【AAPL/MSFT】アップルとマイクロソフトを比較する)を参照

直近決算

MSFT(マイクロソフト)は4月29日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想4.06$→結果4.27$
・売上高:予想812.9億$→結果829億$(前年同期比+18%)
★ガイダンス
《四半期》
・売上高:予想875.3億$→結果867~878億$
★出所
IRプレスリリース
・予想値はstreetinsiderとCNBCを参照しました。

企業概要

マイクロソフト(Microsoft Corporation)は、米国ワシントン州レドモンドに本社を置く世界有数のテクノロジー企業です。現在の報告セグメントは「プロダクティビティ&ビジネスプロセス」「インテリジェント クラウド」「モア パーソナル コンピューティング」の3区分で、Office/Microsoft 365、LinkedIn、Dynamics などの生産性サービス、Azure を中核とするクラウド、Windows・デバイス・ゲーミング・検索広告を中心としたコンシューマ領域をカバーします。[1]

同社は Windows や Office(現在は Microsoft 365 として提供)で築いた基盤に加え、近年は Azure を軸にクラウドと AI を成長ドライバーに据えています。生成 AI では Copilot を Microsoft 365、GitHub、Windows、Security、Dynamics、Power Platform などに展開し、企業・開発者・個人向けの利用シーンを拡大しています。2025年度の年次報告書では、Microsoft 365 Commercial cloud の構成要素に Microsoft 365 Copilot が含まれることが明記されています。[2]

事業全体は、長期的な研究開発投資、サブスクリプションモデル、クラウド利用量課金、AIインフラへの投資で収益基盤を強化しています。2025年度(期末:2025年6月30日)の売上高は2,817.24億ドル、営業利益は1,285.28億ドル、純利益は1,018.32億ドル、希薄化後EPSは13.64ドルでした。Azure は2025年度に初めて年間売上750億ドル超となり、前年比34%増でした。[3]

直近の2026年度第3四半期(2026年1–3月期)では、売上高は828.86億ドル(前年同期比+18%)、営業利益は383.98億ドル(+20%)、純利益は317.78億ドル(+23%)、希薄化後EPSは4.27ドル(+23%)でした。Microsoft Cloud 売上は545億ドル(+29%)、商用残存履行義務(commercial remaining performance obligation)は6,270億ドル(+99%)に拡大しています。また、AI事業の年換算売上ランレートは370億ドル超となり、前年同期比123%増と説明されています。[4]

事業は大きく以下の3部門に整理されます。[1]

モア パーソナル コンピューティング(More Personal Computing)
Windows、デバイス(Surface など)、ゲーミング(Xbox コンテンツ&サービス、ゲームスタジオ)、検索・ニュース広告を含む領域です。2023年10月にActivision Blizzard 買収が完了し、Call of Duty、Warcraft、Diablo、Overwatch、Candy Crush などを含むゲームコンテンツのポートフォリオが拡充されました。買収総額は2025年度Form 10-Kで754億ドルとされています。2025年度の More Personal Computing 売上は546.49億ドル、営業利益は141.66億ドルでした。2026年度Q3は売上132億ドルで前年同期比1%減となり、Windows OEM・デバイスとXboxコンテンツ&サービスの弱さを、検索広告の伸びが一部補いました。[5]

プロダクティビティ&ビジネスプロセス(Productivity & Business Processes)
Microsoft 365(Office アプリ群、Teams、Exchange、SharePoint、Microsoft 365 Copilot、Microsoft 365 Security and Compliance など)、Dynamics 365、LinkedIn を提供します。サブスクリプション化とクラウド連携により継続収益が拡大しています。2025年度の同セグメント売上は1,208.10億ドル、営業利益は697.73億ドルでした。2026年度Q3の売上は350億ドル(前年同期比+17%)で、Microsoft 365 Commercial cloud、Microsoft 365 Consumer cloud、LinkedIn、Dynamics 365 がいずれも増収でした。[6]

インテリジェント クラウド(Intelligent Cloud)
Azure、サーバー製品、エンタープライズサービスを含みます。IaaS/PaaS、データベース、AIサービス、GitHub cloud services、Nuance Healthcare cloud services、仮想デスクトップなどを通じ、企業のデジタルトランスフォーメーションとAI活用を支えています。2025年度の同セグメント売上は1,062.65億ドル、営業利益は445.89億ドルでした。2026年度Q3の売上は347億ドル(前年同期比+30%)、Azure and other cloud services 売上は40%増でした。[7]

沿革と戦略:1975年の創業以降、MS-DOS/Windows の普及で PC 時代を牽引し、Office で生産性領域を確立しました。2010年代以降はクラウドへ軸足を移し、現在は「クラウド+AI+サブスク」を三本柱に、Microsoft 365・Dynamics 365・LinkedIn・Azure・GitHub・Security・Xbox を有機的に連携させるエコシステム戦略を推進しています。2025年度には、AIインフラ拡張を背景に Microsoft Cloud の粗利率が69%へ低下した一方、Azure と Microsoft 365 Commercial cloud の効率改善が一部下支えしました。ゲームでは Activision Blizzard 買収後の統合が進み、資本政策では配当と自己株式取得を継続しつつ、研究開発、AI人材、データセンター、計算資源への投資を優先しています。2026年度Q3には、配当と自社株買いで102億ドルを株主に還元しました。[8]

投資上は、Azure と AI の成長が最重要テーマです。一方で、AIインフラ投資により粗利率が圧迫されやすいこと、データセンター投資が大きいこと、OpenAIとの関係・投資損益、クラウド競争、規制・反トラストリスク、ゲーム事業の統合効果などは確認が必要です。2026年度Q3には、OpenAI投資に関連する損失影響は純利益を1,400万ドル押し下げる程度にとどまりましたが、前年同期は5.83億ドルの押し下げ要因でした。[9]


ミニ解説
3セグメントの読み方:Microsoft 365/LinkedIn/Dynamics は「企業の業務基盤」、Azure は「クラウドとAIのインフラ」、Windows/Xbox/検索広告は「利用接点とコンシューマ領域」です。
Copilot とは:Microsoft 365 や GitHub などに組み込まれた生成AIアシスタントの総称です。既存ユーザー基盤に追加価値として重ねやすい一方、AIインフラ費用と利用単価のバランスが収益性を左右します。
Azure の見方:2025年度に年間売上750億ドル超となり、2026年度Q3も Azure and other cloud services が40%増でした。成長率だけでなく、AI需要に対応するデータセンター投資と粗利率の動きも重要です。

【注】(出典リンク)

  1. 会社の事業区分・3セグメント定義 → Microsoft 2025 Annual ReportMicrosoft 2025 Form 10-K Download Center(確認日:2026-05-10)
  2. Copilot・Microsoft 365 Commercial cloud・AI戦略 → Microsoft 2025 Annual ReportMicrosoft Copilot公式ブログ(確認日:2026-05-10)
  3. 2025年度通期業績・Azure年間売上・全社売上/利益/EPS → Microsoft 2025 Annual ReportFY2025 Q4/通期決算(確認日:2026-05-10)
  4. 2026年度Q3決算・Microsoft Cloud・AI事業ランレート → FY2026 Q3決算リリースMicrosoft Source: Q3 FY2026 results(確認日:2026-05-10)
  5. More Personal Computing・Activision Blizzard買収・ゲーム事業 → Microsoft 2025 Annual ReportActivision Blizzard買収完了発表(確認日:2026-05-10)
  6. Productivity & Business Processes・Microsoft 365・LinkedIn・Dynamics → Microsoft 2025 Annual ReportFY2026 Q3決算リリース(確認日:2026-05-10)
  7. Intelligent Cloud・Azure・Azure and other cloud services成長率 → Microsoft 2025 Annual ReportFY2026 Q3決算リリース(確認日:2026-05-10)
  8. 沿革・AIインフラ投資・Microsoft Cloud粗利率・株主還元 → Microsoft 2025 Annual ReportFY2026 Q3 Performance(確認日:2026-05-10)
  9. OpenAI投資影響・AIインフラによる粗利率低下・投資上の確認点 → FY2026 Q3 PerformanceMicrosoft 2025 Annual Report(確認日:2026-05-10)

四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果

最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。

売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。

(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。

【出典】

Posted by 南 一矢