GS:ゴールドマンサックスの配当推移

配当,金融






【2026年4月更新】ゴールドマン・サックス (GS) 配当分析 – 2025年通期確定値と2026年Q1決算を反映



【2026年4月更新】ゴールドマン・サックス (GS) 配当分析 – 2025年通期確定値と2026年Q1決算を反映

🎯 直近アップデート(反映範囲:2025年通期=2025年12月期、2026年Q1=2026年3月期)

ゴールドマン・サックスは、2025年通期EPS $51.32純収益 $58.28BROE 15.0%を計上しました。さらに、2026年1月15日公表の2025年通期決算資料では、2026年Q1から四半期配当を$4.00→$4.50へ引き上げる方針も示されています。[1]

その後の2026年Q1(2026年4月13日公表)も、EPS $17.55純収益 $17.23B年率換算ROE 19.8%と好調でした。1株当たり純資産(BVPS)は$361.19へ上昇し、同四半期には$5.00Bの自社株買いも実施しています。[2]

注:本稿は一次情報を優先し、2025年通期の確定値2026年Q1の最新開示を本文と表に反映しています。元原稿に残っていた oaicite / contentReference 系の崩れも除去し、脚注を末尾に統一しました。[3]

世界トップクラスの投資銀行であるゴールドマン・サックス(GS)について、配当の持続性と、直近の業績・資本政策の見え方を数値表を中心に整理します。GSは高収益な四半期が続く一方で、市況やディール環境の影響を受けやすい会社でもあります。したがって、配当を見るときは、利回りだけでなくEPS、CET1比率、自社株買い余力、事業構造の変化をまとめて見る必要があります。

はじめに:この記事でわかること

GSの配当の魅力と注意点を、以下の観点から確認します。

  • 最新業績:2025年通期と2026年Q1の業績水準
  • 配当方針:2025年7月と2026年1月の2段階増配の意味
  • 財務体力:CET1比率、BVPS、自社株買い余力
  • 事業構造:Apple Card移行を含む事業の整理と本業回帰
  • 競合比較:配当額と資本水準をどう見るか

ゴールドマン・サックスの現状(ざっくりまとめ)

  • 2025年通期の主要数値:
    • EPS $51.32(2024年通期の$40.54から増加)[1]
    • 純収益 $58.28B(2024年通期の$53.51Bから増加)[1]
    • 純利益 $17.18B[1]
    • ROE 15.0%(2024年通期の12.7%から改善)[1]
    • BVPS $357.60(前年比+6.2%)[1]
  • 配当・株主還元:
    • 四半期配当は$4.50(2026年Q1から適用)[1]
    • 年率換算配当は$18.00
    • 2025年通期の総株主還元は$16.78B、うち自社株買いは$12.36B[1]
    • 2026年Q1も$6.38B(自社株買い$5.00B+配当$1.38B)を還元[2]
  • 現状の見方: 配当の絶対額は大きく、2025年通期EPSに対する年率換算配当の比率も約35%と無理のない水準です。ただし、収益はマーケッツや投資銀行の市況に左右されるため、安定配当株というよりは、高い資本還元力を持つ景気循環型の金融株として見るのが自然です。
免責事項: 本分析は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

1. 直近業績の確認:2025年通期は強く、2026年Q1も勢いを維持

GSは2025年通期に高い収益力を回復し、その流れを2026年Q1にもつなげました。2026年Q1の純収益は$17.23Bで、2025年Q1比14%増でした。マーケットの変動性が高まる局面でも顧客フローを取り込みやすい、同社の強みが出ています。[2]

項目 2025年Q1 2025年Q2 2025年Q3 2025年Q4 2025年通期 2024年通期 2026年Q1
希薄化後EPS $14.12 $10.91 $12.25 $14.01 $51.32 $40.54 $17.55
純収益($B) 15.06 14.58 15.18 13.45 58.28 53.51 17.23
純利益($B) 4.74 3.72 4.10 4.62 17.18 14.28 5.63
ROE(年率換算) 16.9% 12.8% 14.2% 16.0% 15.0% 12.7% 19.8%
2025年通期の純収益 $58.28B にはApple Card移行関連の影響が含まれています。2026年1月7日の会社開示では、この取引により貸倒引当金の戻し入れ$2.48Bがある一方、ローン評価減や契約終了義務などに伴う純収益の減少$2.26B費用$38Mが示されました。つまり、Q4の見かけの数字だけで本業の強弱を判断しないほうが実態に近いです。[4]

部門別では何が伸びたのか

2025年通期の中心は、やはりGlobal Banking & Marketsです。2025年通期の同部門純収益は$41.45Bで過去最高でした。2026年Q1も同部門は$12.74Bと、前年同期比19%増でした。[1][2]

事業部門 2025年Q4 2025年通期 前年比(通期) 補足
Global Banking & Markets $10.41B $41.45B +18% 通期で過去最高
 - 投資銀行手数料 $2.58B $9.34B +21% アドバイザリーが牽引
 - エクイティ $4.31B $16.50B +25% 通期で過去最高
 - FICC $3.11B $14.50B +8% 引き続き高水準
Asset & Wealth Management $4.72B $16.68B +2% 手数料・プライベートバンクが下支え
Platform Solutions -$1.68B $0.15B 大幅低下 Apple Card関連の影響
2026年Q1のAsset & Wealth Management純収益は$4.08Bでした。GSは市況色の強い会社ですが、AWMの積み上がりがあることで、収益の粘りは以前より増しています。[2]

2. 配当政策と株主還元:2段階増配で四半期 .50 へ

GSの株主還元は、配当と自社株買いの併用が基本です。2025年以降は、規制資本の改善と業績回復を背景に、配当もかなり積極的になっています。[1][3]

配当履歴と配当性向

年度 四半期配当 年間配当 増配率 配当性向
2020年 $1.25 $5.00 +13.6% 20.2%
2021年 $1.25→$2.00 $6.50 +30.0% 10.9%
2022年 $2.00→$2.50 $9.00 +38.5% 29.9%
2023年 $2.50→$2.75 $10.50 +16.7% 45.9%
2024年 $2.75→$3.00 $11.50 +9.5% 28.4%
2025年(実績) $3.00→$4.00 $14.00 +21.7% 27.3%
2026年(年率換算) $4.50 $18.00 +28.6% 35.1%(2025年通期EPS基準、参考)
ここは見落としやすいポイントです。 年間配当は、年末時点の四半期配当を4倍した値ではなく、その年に権利が確定した四半期配当の合計で見ています。GSは増配が年の途中から反映される年が多いため、この整理にすると実態に近くなります。[3]

総株主還元の推移

期間 純利益 配当 自社株買い 総還元額 総還元率
2022年通期 $11.26B $3.20B $3.50B $6.70B 59.5%
2023年通期 $8.52B $3.59B $5.80B $9.39B 110.2%
2024年通期 $14.28B $3.80B $8.00B $11.80B 82.6%
2025年通期 $17.18B $4.42B $12.36B $16.78B 97.7%
2026年Q1 $5.63B $1.38B $5.00B $6.38B 113.3%
2026年Q1は、純利益 $5.63B に対して総還元額が $6.38B と上回っています。単四半期だけを見ると強気に映りますが、GSは四半期ごとの利益だけでなく、資本水準と通期の収益力を見ながら配当と自社株買いを運営しています。[2]

配当の持続性はどうか

2025年通期EPSは$51.32です。これに対して現在の年率換算配当は$18.00なので、単純計算の配当性向は約35%です。金融株として極端に低い水準ではありませんが、過度に背伸びした還元とも言いにくく、現時点では十分に維持可能な範囲と見てよいでしょう。[1]


3. 財務体力:CET1比率とBVPSから見る余力

銀行株の配当を見るうえで、利益の大きさと同じくらい重要なのが自己資本比率です。GSは2025年末にStandardized CET1比率 14.4%、2026年Q1末でも14.3%を維持しました。配当や自社株買いを続けても、資本の厚みを大きく崩していない点は前向きに評価できます。[1][2]

指標 2025年末 2026年Q1末 見方
Standardized CET1比率 14.4% 14.3% 高水準を維持
BVPS $357.60 $361.19 1Q26も増加
四半期配当 $4.50(1Q26から) $4.50 現時点で維持
自社株買い 通期 $12.36B $5.00B 1Q26も継続

配当を見るときの読み方

CET1比率は、ざっくり言えば「損失に耐えるための中核自己資本がどれだけ厚いか」を示す指標です。銀行株では、EPSだけを見て配当を判断すると危険です。

実務的な見方: 「利益が出ているか」「CET1が十分か」「自社株買いまで続けられているか」を合わせて見ると、資本政策の余裕が見えやすくなります。GSは現時点で、この3つをおおむね満たしています。[2]


4. 事業構造の変化:Apple Card移行と本業回帰

GSはここ数年、消費者向け事業の見直しを進めてきました。2026年1月7日には、Apple Cardプログラムと関連口座をChaseへ移行する契約を発表しています。経営陣自身も、この取引は消費者事業の絞り込みを実質的に完了させるものだと説明しています。[4]

ただし、ここで注意したいのは「すぐに全部なくなる」わけではない点です。会社開示では、移行完了までは約24か月を想定しており、その間はGSが引き続きプログラムを運営し、継続的な事業損益も計上します。つまり、2025年Q4のApple Card関連損益は一過性の整理費用と本業回帰の両面を持っています。[4]

指標 基準時点 2025年 変化
全社純収益 2019年 $36.55B $58.28B +約60%
ROE 2019年 10.0% 15.0% +500bp
歴史的プリンシパル投資残高 約 $64B 約 $6B 90%以上減少
より持続的な収益 2020年比 約2倍 安定収益化が進展
この表が示しているのは、GSが単に利益を増やしただけでなく、資本を食う事業を減らし、より持続的な収益源を厚くしてきたことです。配当の持続性を考えるうえでも、この変化はかなり重要です。[1][4]

5. 競合他行との比較:配当額だけでなく事業ミックスも見る

GSの四半期配当$4.50は、絶対額では非常に大きい部類です。ただし、他の大手銀行とは事業ミックスが異なります。GSは投資銀行とマーケッツの比重が高く、モルガン・スタンレーはウェルス、JPMは総合金融、バンク・オブ・アメリカは金利収益の色がより強い。したがって、単純な配当額比較だけで優劣を決めないほうがよいです。[5]

金融機関 直近四半期配当 直近CET1比率 見え方
ゴールドマン・サックス (GS) $4.50 14.4% 投資銀行・マーケッツ中心で高還元
モルガン・スタンレー (MS) $1.00 15.0% ウェルスの厚みで安定感がある
JPモルガン・チェース (JPM) $1.50 14.5% 総合金融としての強さが際立つ
バンク・オブ・アメリカ (BAC) $0.28 11.9% 金利収益と大型リテール銀行色が強い
GSは1株当たり配当額では大きい一方、利益の振れも他行より大きくなりやすい会社です。逆に、MSやJPMは収益構造の分散が進んでいます。したがって、GSは「高配当の安定銀行株」というより、高収益時に資本還元が厚くなる金融株として捉えたほうがブレにくいです。[5]

6. 投資家が注意すべきリスク

  • 市場ボラティリティ依存: マーケッツ収益は好調時に大きく伸びますが、市況悪化時には逆回転もしやすいです。2026年Q1の強さは魅力ですが、それが毎四半期続くとは限りません。[2]
  • ディール活動の波: 投資銀行手数料はM&A、IPO、引受市場の温度感に左右されます。2025年は好転しましたが、政策不透明感や景気減速で止まりやすい領域でもあります。[1]
  • 規制資本の変化: SCBや資本ルールが変われば、配当・買戻し余力の見え方も変わります。2025年は好材料でしたが、常に同じ方向とは限りません。[3]
  • Apple Card移行の残存影響: 事業整理は前進しましたが、移行は約24か月想定で、完全にノイズが消えるまでには時間がかかります。[4]
  • 期待先行の株価: 業績と還元が強いぶん、株価に織り込まれる期待も高くなりやすいです。数字が良くても、期待未達なら株価が伸びにくい局面はあります。

7. 結論:GSの配当は現時点で十分支えられているが、性格は「景気循環型」

2025年通期と2026年Q1の数字を見る限り、GSの四半期 $4.50 配当は、現時点で十分に支えられています。2025年通期EPS $51.32 に対して年率換算配当 $18.00 という関係は、過度な無理を感じる水準ではありません。しかも、GSは配当だけでなく、自社株買いも高水準で続けています。[1][2]

ただし、GSはディフェンシブな高配当株ではありません。収益力が高い反面、投資銀行・マーケッツの影響を強く受けます。そのため、投資判断では配当利回りの高さよりも、EPSの持続性、CET1比率、買戻し継続力、事業構造の改善をセットで追うほうが実務的です。

要するにGSは、「市況が良いときに非常に強い還元を見せる金融株」であり、2026年4月時点ではその条件をかなり満たしています。配当の持続性は高い一方で、どんな相場でも安心して放置できる銘柄ではない、という整理がいちばんしっくりきます。

ミニ解説
GSのような金融株では、配当額そのものよりも「その配当を出しながら、なお資本を厚く保てているか」が重要です。2025年通期と2026年Q1の開示を見る限り、GSはその条件をかなり満たしています。

免責事項

本レポートは、Goldman Sachsの公式発表資料等の公開情報に基づく分析であり、投資助言を構成するものではありません。投資判断は投資家自身の責任において行ってください。

最終更新日: 2026年4月15日

【注】(出典リンク)

  1. 2025年通期決算・2026年Q1からの増配 → Goldman Sachs Pressroom(2025年Q4・通期決算リリース)2025 Q4 / Full Year Earnings Results PDF2025 Q4 Earnings Results Presentation PDF2025 Annual Report(確認日:2026-04-15)
  2. 2026年Q1決算 → Goldman Sachs Pressroom(2026年Q1決算リリース)2026 Q1 Earnings Results PDF2026 Q1 Earnings Results Presentation PDF(確認日:2026-04-15)
  3. 過去の年間配当・増配履歴・総還元額の確認用一次情報 → 2025 SCB Statement2024 Annual Report2023 Annual Report2022 Annual Report2021 Annual Report2020 Annual Report(確認日:2026-04-15)
  4. Apple CardプログラムのChase移行 → Goldman Sachs Announces Agreement to Transition Apple Card Program to Chase(確認日:2026-04-15)
  5. 競合各社の公式開示 → Morgan Stanley 4Q25 Earnings ReleaseJPMorgan 4Q25 Earnings ReleaseBank of America 4Q25 Press Release(確認日:2026-04-15)



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Posted by 南 一矢