MCDとSBUXを比較:マクドナルドとスターバックスの戦略の違いとは

銘柄比較

MCDとSBUXを違いを踏まえて比較します。(2025年6月更新)

マクドナルド(McDonald’s Corporation)とスターバックス(Starbucks Corporation)は外食の代表格です。

その株価の推移(チャート)、決算の予想と結果、配当金と利回り、業績(財務情報)はどうなっているのでしょうか。

これらの銘柄について、今後の見通しや将来性を探ってみます。

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移(VCR:Vanguard Consumer Discretionary Index Fund ETFを含めて比較)

※チャート右目盛り:10年国債利回り

※株価の成長率や52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、PBR、PSR、時価総額などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。今後の見通しの参考情報として目標株価も掲載。

決算(予想:結果)

マーケットにおけるEPSと売上の予想値の変動を更新してみます。

決算の予想:結果のグラフについては以下の関連記事を参照

マクドナルド(MCD)決算:予想と結果 売上&EPS

スターバックス(SBUX)決算:予想と結果 売上&EPS

【外食王者対決】マクドナルド(MCD) vs スターバックス(SBUX)!安定の不動産王か、成長のコーヒー帝国か?

世界中の人々のライフスタイルに深く根付いているマクドナルド(MCD)スターバックス(SBUX)。マクドナルドは「配当貴族」の中でもトップクラスの約50年連続増配を誇る絶対的安定銘柄。一方、スターバックスは高いブランド力と成長性で、株主への還元を急速に増やしてきました。

本記事では、一見似ているようで全く異なるビジネスモデルを持つ両社の、業績、配当、そして将来性を徹底的に比較・分析します。

比較サマリー:ビジネスモデルの違いが全てを決める

項目 マクドナルド (MCD) スターバックス (SBUX)
ビジネスモデル フランチャイズ・不動産事業
(全店舗の95%がFC)
直営店事業
(ブランド体験を直接管理)
主な収益源 フランチャイズ加盟店からのロイヤリティ料・賃料 直営店でのコーヒー・食品の販売利益
連続増配年数 49年 (配当貴族) 14年
配当利回り(直近) 約2.5% 約2.7%
5年平均増配率 約8.0% 約10.2%

重要:マクドナルドは「不動産会社」である

マクドナルドの本当の強さは、ハンバーガーを売ることではなく、世界中の一等地に不動産を所有し、それをフランチャイズオーナーに貸し出すことで得られる安定した賃料収入にあります。この極めて利益率の高いビジネスモデルが、景気変動に強い安定した業績と、半世紀にわたる連続増配を可能にしています。

業績と成長性の詳細分析

売上高ではスターバックスが上回りますが、営業利益率ではマクドナルドが圧倒しています。これは前述のビジネスモデルの違いによるものです。成長性では、これまで高い成長を続けてきたスターバックスに対し、近年はマクドナルドがデジタル化やデリバリー戦略で盛り返しています。

マクドナルド 売上高 (前年比) スターバックス 売上高 (前年比)
2024 $25.49 B (+8.2%) $35.98 B (+11.5%)
2023 $23.56 B (+10.0%) $32.25 B (+21.4%)
2022 $21.42 B (-0.2%) $26.58 B (+27.7%)
2021 $21.46 B (+20.9%) $20.82 B (-11.3%)
2020 $17.75 B $23.47 B

※B=10億ドル。会計年度や基準により数値は多少変動します。

配当の詳細比較:安定のMCD、成長のSBUX

マクドナルドの約50年にわたる増配の歴史は、投資家に絶対的な安心感を与えます。一方、スターバックスは2010年に配当を開始して以来、二桁成長を続ける高い増配率が魅力です。

MCD 年間配当 (増配率) SBUX 年間配当 (増配率)
2024 $6.68 (+10.1%) $2.28 (+9.1%)
2023 $6.07 (+9.9%) $2.09 (+8.9%)
2022 $5.52 (+7.4%) $1.92 (+8.5%)
2021 $5.14 (+3.2%) $1.77 (+10.0%)
2020 $4.98 (+7.8%) $1.61 (+13.4%)

配当については以下の関連記事を参照

マクドナルド(MCD)の配当推移

スターバックス(SBUX)の配当推移

結論:あなたに合うのはどちら?

両社の比較は、「究極の安定」を取るか、「ブランドと成長性」に賭けるかの選択と言えるでしょう。

「絶対に手放さない、ポートフォリオの礎」を求めるなら → マクドナルド (MCD)

景気後退にもびくともしないビジネスモデルと、半世紀続く増配の実績は、まさに「金のなる木」。配当金を再投資し続けることで、時間をかけて着実に資産を増やしたい長期投資家、インカム投資家にとって、これ以上ないほど信頼できるパートナーです。

「世界的なブランドの成長」と共に資産を増やしたいなら → スターバックス (SBUX)

強力なブランド力と顧客体験を武器に、世界で成長を続けるコーヒー帝国。マクドナルドより歴史は浅いものの、高い増配率が魅力です。労働組合問題や中国市場のリスクなどを許容し、今後のブランドの成長に期待する投資家にとって、面白い選択肢となります。


※本ページの分析は2025年6月8日時点の公開情報に基づいています。投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任において行ってください。

Posted by 南 一矢