MDLZ:モンデリーズの配当推移

必需品,配当

モンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)配当分析
2025年まで13年連続増配・スナック菓子業界の雄(2026年5月更新)

2026年5月更新情報

本記事は、2025年通期決算、2026年第1四半期決算、2026年2月宣言の四半期配当、2026年通期見通しを反映して更新しています。2025年通期の売上高は385.37億ドル、GAAP希薄化後EPSは1.89ドル、調整EPSは2.92ドル、営業CFは45.14億ドル、フリーCFは32億ドルでした。2026年第1四半期は売上高100.80億ドル、GAAP希薄化後EPS0.44ドル、調整EPS0.67ドルでした。[1][2]

モンデリーズ(Mondelēz International, Inc.)は、Oreo、Ritz、Cadbury Dairy Milk、Milka、Tobleroneなどの世界的ブランドを持つスナック菓子大手です。2012年の分社化後、配当を着実に伸ばし、2025年7月には四半期配当を0.47ドルから0.50ドルへ引き上げました。2026年2月にも四半期配当0.50ドルが宣言されており、現行年率配当は2.00ドルです。2026年5月8日時点の株価61.70ドルに対する配当利回りは約3.24%です。[3][4]

まず、配当利回りと株価を(直近90日間の外部チャート)で確認します。

配当利回りと株価の推移:3ヶ月チャート

データソースと計算方法について

重要な注意:配当・財務数値は、モンデリーズのIR資料、SEC提出資料、Form 10-K、四半期決算リリースを優先して確認しています。年平均株価や長期系列の一部は補助的に市場データを参照します。2026年は通期が未終了のため、2026年5月8日時点の株価61.70ドルと現行年率配当2.00ドルで参考利回りを計算しています。[3]

年間EPS・平均株価・配当データ分析

配当成長の実績(統合ソース)

以下は年平均利回り、成長率、配当性向、年間一株配当の推移です。2025年は通期実績、2026年は2026年5月時点の現行年率配当で表示しています。

配当データ 平均株価 年EPS
(GAAP)
調整EPS
平均利回り 成長率 配当性向 年間配当
2026E 約3.24%
(5月8日)
0%
(現時点)
約65〜68%
(2025調整EPS基準)
2.00
(現行年率)
61.70
(5月8日)
2025 約3.2%
(概算)
約8% 約103%
(GAAP)
約66%
(調整EPS)
1.94
(宣言ベース)
約61.5
(概算)
1.89 2.92
2024 2.74% 10.49% 52.3% 1.79 65.32 3.42 3.36
2023 2.44% 10.20% 44.8% 1.62 66.33 3.62
2022 2.40% 10.53% 75.0% 1.47 61.24 1.96
2021 2.22% 10.83% 43.8% 1.33 59.87 3.04
2020 2.13% 10.09% 48.6% 1.20 56.32 2.47
2019 2.12% 13.54% 48.0% 1.09 51.42 2.27
2018 2.22% 17.07% 67.1% 0.96 43.15 1.43
2017 1.91% 13.89% 50.6% 0.82 42.89 1.62
2016 1.65% 12.50% 41.6% 0.72 43.67 1.73
2015 1.48% 14.29% NM 0.64 43.21 -0.46
2014 1.55% 1.82% 25.7% 0.56 36.12 2.18
2013 1.75% 30.95% 14.1% 0.55 31.45 3.91
2012 1.08% 13.7% 0.42 38.76 3.06

※平均利回り=年間配当 ÷ 年平均株価。2025年の年間配当は、同社の2025年Form 10-Kに記載された現金配当宣言額1株1.94ドルを基準にしています。2026Eは、2026年5月8日時点の株価61.70ドルと現行年率配当2.00ドルで計算しています。2015年はEPSがマイナスのため、配当性向はNMとしました。[1][3]

連続増配年数
13年
現行年率配当
$2.00
2025年調整EPS比配当性向
約66%
2025年FCF
$3.2bn

着実な配当成長の実績と分社化後の歩み

2013年に「減配」はありません。分社化後、配当は2012年の0.42ドルから2025年の宣言ベース1.94ドルへ増加しました。2025年7月には四半期配当が0.47ドルから0.50ドルへ引き上げられ、年率2.00ドルの水準になりました。[1][5]

ただし、2025年はココアを中心とする原材料コスト上昇が利益を圧迫し、GAAP EPSが1.89ドルまで低下しました。そのため、GAAP EPSベースでは配当性向が100%を超えます。一方、調整EPS2.92ドルで見ると、配当性向は約66%です。したがって、2025年の配当評価では、GAAP EPSだけでなく、調整EPS、営業CF、フリーCFを合わせて見る必要があります。

財務パフォーマンスと成長見通し

主要財務指標の推移(2012–2025)

売上高・純利益・営業CF・フリーCFはM$(百万ドル)単位です。2025年以降は、公式決算資料およびForm 10-Kを優先して更新しています。

年度 売上高 純利益
(MDLZ帰属)
純利益率 営業CF フリーCF 調整EPS
2026 Q1 10,080 560 5.6% 467 155 0.67
2025 38,537 2,451 6.4% 4,514 3,235 2.92
2024 36,441 4,611 12.7% 4,910 3,523 3.36
2023 36,016 4,959 13.8% 4,714 3,602
2022 31,496 2,717 8.6% 3,513
2021 28,720 4,300 15.0% 4,099
2020 26,581 3,555 13.4% 3,982
2019 25,868 3,870 15.0% 3,922
2018 25,938 3,381 13.0% 4,012
2017 25,896 2,922 11.3% 3,007
2016 25,923 1,659 6.4% 3,553
2015 29,636 7,267 24.5% 3,617
2014 34,244 2,184 6.4% 2,654
2013 35,299 3,915 11.1% 4,931
2012 35,015 3,028 8.6% 3,558

2025年通期の売上高は385.37億ドルで、2024年の364.41億ドルから5.8%増加しました。オーガニック売上成長率は4.3%でしたが、ボリューム/ミックスは3.7ポイント減少し、価格上昇が成長を支えた形です。ココアなどの原材料高が利益率を圧迫し、2025年のGAAP営業利益率は9.2%、調整営業利益率は13.2%まで低下しました。[1]

2026年第1四半期は、売上高が前年同期比8.2%増の100.80億ドル、オーガニック売上成長率は3.0%でした。GAAP希薄化後EPSは0.44ドル、調整EPSは0.67ドルです。Emerging Marketsは11.4%増、Developed Marketsは6.1%増でした。会社は2026年通期見通しとして、オーガニック売上成長率を横ばい〜2%、調整EPS成長率を為替一定ベースで横ばい〜5%、フリーCFを約30億ドルとしています。[2]

参考:配当カバー推移(M$)

フリーCFは、営業CFから設備投資を差し引いた値です。配当支払額はキャッシュフロー計算書の「Dividends paid」を優先しています。カバー比率=FCF ÷ 配当支払額です。

年度 営業CF 設備投資 フリーCF 年間配当支払額 FCF/配当
2026 Q1 467 312 155
2025 4,514 1,279 3,235 2,487 1.30
2024 4,910 1,387 3,523 2,349 1.50
2023 4,714 1,112 3,602 2,160 1.67
2022 3,513 3,047 1,985 1.54
2021 4,099 3,390 1,826 1.86
2020 3,982 3,111 1,678 1.85
2019 3,922 3,122 1,542 2.02
2018 4,012 3,251 1,359 2.39
2017 3,007 1,688 1,198 1.41
2016 3,553 1,752 1,094 1.60
2015 3,617 2,274 1,008 2.26
2014 2,654 1,927 964 2.00
2013 4,931 4,931 943 5.23
2012 3,558 2,446 2,058 1.19

※2025年の営業CFは45.14億ドル、設備投資は12.79億ドル、フリーCFは32.35億ドルです。配当支払額24.87億ドルに対するFCFカバーは約1.30倍でした。2025年のカバー比率は2024年より低下しており、ココア高騰と利益率低下の影響が配当余力にも表れています。[1]

注記(2012年の扱い)

2012年は旧クラフトフーズからの分社化を含む年度のため、現金配当支払額が特殊な動きをしています。平常年との単純比較には注意が必要です。

バランスシートと地域分散

2025年末の総資産は714.87億ドル、総負債は455.96億ドル、モンデリーズ株主資本は258.38億ドルでした。自己資本率は約36.1%で、2024年末の約39.3%から低下しています。長期債務は172.22億ドルで、2024年末の156.64億ドルから増加しました。[6]

地域分散は引き続き大きな強みです。2025年通期の売上高385.37億ドルのうち、米国外売上は291.94億ドルで、全体の約75.8%を占めます。2025年の商品別売上では、Biscuits & Baked Snacksが183.91億ドル、Chocolateが126.96億ドルでした。[6]

総合評価

モンデリーズは、世界ブランド、地理的分散、安定した営業CFを持つ「成長型ディフェンシブ」銘柄です。一方で、2025年はココア価格の高騰と商品ミックス悪化により、利益率と配当カバーが低下しました。2026年は通期フリーCF約30億ドル、調整EPS成長率は為替一定ベースで横ばい〜5%が見込まれており、配当維持は可能と見られるものの、短期的な高い増配は期待しにくい局面です。[2]

投資リスクと対応

主要リスク

  1. ココア価格・原材料コストの高止まり:2025年はココアを中心とする原材料高が利益率を大きく圧迫しました。
  2. 価格上昇による数量減:2025年通期は価格が売上を押し上げた一方、ボリューム/ミックスは3.7ポイント低下しました。
  3. 北米の伸び悩み:2025年通期の北米売上は106.79億ドルで、前年比2.1%減でした。
  4. 為替・地政学・新興国マクロの変動:売上の大半が米国外であるため、為替と地域リスクの影響を受けます。
  5. 健康志向・GLP-1普及などの嗜好変化:スナック菓子需要に中長期的な影響を与える可能性があります。

軽減策

  • 段階的な価格改定と、価格帯別・サイズ別の商品設計
  • 原材料ヘッジ、長期調達、製造効率化によるコスト吸収
  • Oreo、Ritz、Cadburyなど主力ブランドへの投資継続
  • 新興国市場の拡大による地域分散
  • 広告・販促投資とミックス改善による数量回復

まとめ

モンデリーズは、2025年まで13年連続増配を続けてきたグローバル・スナック大手です。2025年通期は売上高が5.8%増加し、オーガニック売上成長率も4.3%でしたが、ココア価格高騰と原材料コスト増により、GAAP EPSは1.89ドル、調整EPSは2.92ドルへ低下しました。[1]

配当面では、2025年7月に四半期配当を0.50ドルへ引き上げ、2026年2月にも同額を維持しています。2026年5月8日時点の現行利回りは約3.24%です。2025年のFCF/配当カバーは約1.30倍で、配当は維持できる水準にありますが、2024年以前より余裕は狭くなっています。

したがって、現在のMDLZは「高い増配を当然視する銘柄」ではなく、ココア高騰後の利益率回復、数量回復、広告投資、価格戦略、フリーCFの持ち直しを確認しながら保有判断する銘柄と見るのが現実的です。ブランド力と地域分散は強みですが、2026年は配当成長よりも利益率・キャッシュフローの正常化が重要な確認ポイントになります。

よくある質問

Q. 2026年時点の最新配当は?
2026年2月12日、同社は四半期配当0.50ドルを宣言しました。支払日は2026年4月14日、基準日は2026年3月31日です。現行年率配当は2.00ドルです。[4]

Q. 2025年の配当性向は高すぎますか?
GAAP EPS1.89ドルに対して年間配当宣言額1.94ドルを見ると、配当性向は約103%です。一方、調整EPS2.92ドルで見ると約66%です。2025年はココア高騰やデリバティブ評価影響などでGAAP利益が圧迫されたため、GAAP EPSだけで判断するより、調整EPSとFCFを併用する必要があります。

Q. ココア価格高騰はどの程度のリスクですか?
2025年は、ココアを中心とする原材料コスト高が粗利率・営業利益率を大きく押し下げました。会社は2026年見通しで、オーガニック売上成長率を横ばい〜2%、調整EPS成長率を為替一定ベースで横ばい〜5%としています。つまり、短期的には高成長よりもコスト正常化と数量回復が焦点です。[2]

Q. 配当目的で投資する銘柄として妥当ですか?
MDLZは、2026年5月時点で利回り約3.24%と、ディフェンシブ消費財株として見やすい水準にあります。ただし、2025年のFCF/配当カバーは約1.30倍まで低下しているため、配当余力は以前より狭くなっています。配当目的で見る場合も、2026年以降のFCF、北米数量、ココア価格、調整EPSの回復を確認するのが望ましいです。

ミニ解説:モンデリーズはブランド力と地域分散に強みがある一方、2025年はココア高騰で利益率と配当カバーが悪化しました。配当は維持可能な範囲ですが、増配余地は以前より狭くなっています。2026年は「配当成長」よりも、数量回復とフリーCF回復を確認する年と考えると分かりやすいです。

免責事項
本記事は投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。過去実績は将来を保証しません。

【注】(出典リンク)

  1. 2025年通期決算・売上高・EPS・営業CF・FCF・配当支払 → 一次情報:Mondelēz「Q4 and FY 2025 Results」Mondelēz 2025 Form 10-K(SEC)(確認日:2026-05-08)
  2. 2026年第1四半期決算・2026年通期見通し → 一次情報:Mondelēz「Q1 2026 Results」 → 補助:Reuters「Q1 2026 results」(確認日:2026-05-08)
  3. 株価・配当利回り計算・平均株価補助 → 一次情報:Mondelēz Historic Stock Quote → 補助:Macrotrends「Mondelez Stock Price History」(確認日:2026-05-08)
  4. 2026年2月宣言の四半期配当0.50ドル → 一次情報:Mondelēz「Regular Quarterly Dividend of $0.50」Mondelēz Dividend Info(確認日:2026-05-08)
  5. 2025年7月の0.50ドル増配・配当履歴 → 一次情報:Mondelēz「Q2 2025 Results」NASDAQ Dividend History(確認日:2026-05-08)
  6. バランスシート・地域別売上・商品別売上 → 一次情報:Mondelēz 2025 Form 10-K(SEC)Mondelēz Annual Reports(確認日:2026-05-08)

変更箇所(今回)

  • 更新時点を「2025年9月更新」から「2026年5月更新」に変更しました。
  • 2025年Q2中心の記述を、2025年通期決算と2026年第1四半期決算中心へ更新しました。
  • 2025年通期売上高を36,441Mドルから38,537Mドルへ更新しました。
  • 2025年通期GAAP希薄化後EPS1.89ドルを追加しました。
  • 2025年通期調整EPS2.92ドルを追加しました。
  • 2025年通期営業CF4,514Mドルを追加しました。
  • 2025年通期フリーCF3,235Mドルを追加しました。
  • 2025年通期配当支払額2,487Mドルを追加しました。
  • 2025年の年間配当を、旧記事の年率2.00ドル想定から、Form 10-Kの宣言ベース1.94ドルへ整理しました。
  • 2025年の配当性向を、GAAP EPS比約103%、調整EPS比約66%へ更新しました。
  • 2026E行を配当表に追加し、2026年5月8日時点の株価61.70ドル、現行年率配当2.00ドル、配当利回り約3.24%を反映しました。
  • 2026年2月宣言の四半期配当0.50ドル、支払日2026年4月14日、基準日2026年3月31日を追加しました。
  • 2026年第1四半期の売上高10,080Mドル、GAAP EPS0.44ドル、調整EPS0.67ドルを追加しました。
  • 2026年第1四半期の営業CF467Mドル、フリーCF155Mドルを追加しました。
  • 2026年通期見通しとして、オーガニック売上成長率横ばい〜2%、調整EPS成長率横ばい〜5%、フリーCF約30億ドルを追加しました。
  • 2025年通期のオーガニック売上成長率4.3%、ボリューム/ミックス3.7ポイント減、価格8.0ポイント増を追加しました。
  • 2025年のGAAP営業利益率9.2%、調整営業利益率13.2%を追加しました。
  • ココア高騰による利益率低下を、2025年の中心的なリスクとして明記しました。
  • 2025年のFCF/配当カバーを、旧記事の2024年中心の1.51倍から、2025年実績の約1.30倍へ更新しました。
  • 2025年末の総資産71,487Mドル、総負債45,596Mドル、株主資本25,838Mドルを追加しました。
  • 2025年末の自己資本率を約36.1%へ更新しました。
  • 2025年末の長期債務17,222Mドルを追加しました。
  • 2025年の米国外売上29,194Mドル、米国外売上比率約75.8%を追加しました。
  • 2025年の商品別売上として、Biscuits & Baked Snacks 18,391Mドル、Chocolate 12,696Mドルを追加しました。
  • 旧記事内の「:contentReference[oaicite:…]」等の未整理出典表記を削除しました。
  • 旧記事の「出典」欄を、本文末の「【注】(出典リンク)」へ統一しました。
  • 旧記事の「二桁近い配当成長ポテンシャル」という表現を、2026年時点では「短期的な高い増配は期待しにくい局面」へ修正しました。
  • よくある質問を2026年5月時点の最新配当、2025年配当性向、ココア価格、配当投資判断に合わせて更新しました。
  • 元記事の構成を維持しつつ、2025年通期実績、2026年第1四半期決算、最新配当、最新株価、2026年通期見通しを反映しました。:contentReference[oaicite:0]{index=0}

Posted by 南 一矢