ビル・ミラーのポートフォリオ(保有銘柄を一覧)
ビル・ミラーはバフェットやピーター・リンチと並んで三大投資家といわれたこともある米国の著名投資家です。
ビルはウィリアムの略称で、本名はウィリアム・H・ミラー(William H. Miller III)。
その人生の概要とポートフォリオを紹介してみます。
ビル・ミラーの歩み
ミラーは1950年にノースカロライナ州ローリンバーグで生まれ、1972年にワシントン・アンド・リー大学で経済学の学位を取得。
その後、ベトナム戦争で米陸軍情報将校として働き、退役後にジョンズ・ホプキンス大学で哲学を専攻しました。
ミラーはJ.E.ベイカー・カンパニーの財務部長を務めた後、1981年に米大手資産運用会社レッグ・メイソンにセキュリティ・アナリストとして入社しました。
(*J.E.ベイカー・カンパニーは鉄鋼やセメント業界向けの製品を製造する大手メーカー)
1986年にCFA資格を取得。
同社の株式ファンド・マネジメント部門を統括する重要な役割を担った。
パートナーのアーニー・キーネとともにレッグ・メイソン・キャピタル・マネジメントを設立し、レッグ・メイソン・キャピタル・マネジメント・バリュー・トラストのポートフォリオ・マネージャーを務める。
ミラーは1990年に単独マネージャーとなり、1991年〜2005年の15年間にわたりS&P500を上回る実績を上げました。この歴史的快挙は、彼の名を伝説的なものにしました。しかし、その直後の2008年の金融危機では、金融株への集中投資が裏目に出てファンドは壊滅的な打撃を受け、輝かしい記録は終わりを告げました[1]。
2012年にバリュー・トラストをサム・ピーターズに譲り、2016年にレッグとの関係を終了。
資産運用について
現在は、自身の資産運用会社ミラー・バリュー・パートナーズを運営しています。金融危機での大失敗の後、ミラーは不屈の精神で独立。彼が信じ続けたアマゾンへの投資や、他の投資家が懐疑的だったビットコインへの早期の集中投資などを成功させ、見事な復活を遂げたことでも知られています[2]。
ミラーはバリュー投資家として知られており、「本質的な価値より割安で取引されていれば、どんな株でもバリュー株になりうる」という信念を持っています。
この哲学に基づき、多くの投資家が懐疑的だった時代のアマゾンや、資産クラスとして新しかったビットコインなどに集中投資して大きな成功を収めました。
グロースとみられるテクノロジーセクター等も含めて割安銘柄を探す投資手法を取っています。
保有銘柄を一覧(2025年3月31日時点)
以下は、ミラー・バリュー・パートナーズが米証券取引委員会(SEC)に提出した報告書(Form 13F)に基づく、2025年3月31日時点での保有株式ポートフォリオの上位銘柄です[3]。実際の投資判断の際は、最新の情報をご確認ください。
順位 | 銘柄名 (ティッカー) | ポートフォリオ比率 |
---|---|---|
1 | Amazon.com (AMZN) | 約 7.8% |
2 | Delta Air Lines (DAL) | 約 6.5% |
3 | Oracle (ORCL) | 約 5.9% |
4 | Uber Technologies (UBER) | 約 5.5% |
5 | Lithia Motors (LAD) | 約 5.1% |
6 | Jackson Financial (JXN) | 約 4.9% |
7 | Teva Pharmaceutical (TEVA) | 約 4.7% |
8 | OneMain Holdings (OMF) | 約 4.4% |
9 | Mattel (MAT) | 約 4.2% |
10 | United Airlines Holdings (UAL) | 約 4.0% |
【出典】