レイ・ダリオのポートフォリオ(保有銘柄を一覧)
レイ・ダリオは(Ray Dalio)は米国の投資家であり、世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者です。
その人生の概要と、彼の投資哲学の一端を垣間見ることができるポートフォリオを紹介してみます。
レイ・ダリオの歩み
※写真出所はWIKI
1949年8月8日にニューヨークで生まれ、ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得後、いくつかの金融会社で働きました。
しかし、既存の組織文化に馴染めず、1975年に自宅のアパートの一室からブリッジウォーター・アソシエイツを設立しました。
ブリッジウォーターは、経済の長期的・短期的な債務サイクルなどのマクロ経済動向を分析し、投資判断を行う「グローバルマクロ」戦略を専門としています。その強みは、経済原則をアルゴリズム化した「マシーン(機械)」と呼ばれるシステムと、「徹底的な真実と徹底的な透明性」を追求する独特の組織文化にあります。
「ピュア・アルファ」や「オール・ウェザー」といった革新的なファンドを通じて、市場全体の動きとは相関の低いリターンを目指し、安定した成績を上げ続け、世界最大のヘッジファンドへと成長させました。
2017年には自身の哲学をまとめた『PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則』を出版し、世界的なベストセラーとなりました。
ブリッジウォーターはサブプライムローン危機を見事に乗り切った一方、2020年のパンデミック以降は市場の急激な変化に対応できず損失を出す局面もありました。ダリオ氏は段階的に経営の権限を移譲し、2022年10月、創業者としてのコントロールを完全に手放し、経営の第一線を退きました[2]。
現在は後継者であるニア・バー・ディアCEOの下、新たな経営体制で運営されています。
資産運用について
レイ・ダリオは、リスクパリティの概念を基にした「オールウェザー(全天候型)」戦略の提唱者として知られています。これは、経済がどのような状況(好景気、不景気、インフレ、デフレ)にあっても、安定したリターンを目指す分散投資戦略です。
トニー・ロビンズの著書で紹介された、個人投資家向けの簡略化されたモデル配分は以下の通りです[1]。
- 株式 (S&P 500など): 30%
- 長期米国債 (20-25年): 40%
- 中期米国債 (7-10年): 15%
- 金 (ゴールド): 7.5%
- コモディティ (商品): 7.5%
この配分の特徴は、株式よりボラティリティの低い債券の比率を厚くすることで、ポートフォリオ全体のリスクバランスを最適化する点にあります。
保有株式ポートフォリオ(参考情報)
【重要】以下に示すのは、ブリッジウォーターがSEC(米証券取引委員会)に提出したForm 13Fに基づく、2025年3月31日時点の保有「株式」ポートフォリオです。これは彼らのグローバルマクロ戦略のごく一部である「米国上場株式のロングポジション」のみを示すものであり、彼らの戦略の核である通貨、債券、コモディティ、ショートポジションなどは一切含まれません。これをもって彼らの全戦略と判断することはできない点に、強くご留意ください。[3]
順位 | 銘柄名 (ティッカー) | ポートフォリオ比率 |
---|---|---|
1 | iShares Core S&P 500 ETF (IVV) | 約 5.5% |
2 | iShares Core MSCI Emerging Markets ETF (IEMG) | 約 4.9% |
3 | Procter & Gamble Co (PG) | 約 4.3% |
4 | NVIDIA Corp (NVDA) | 約 3.9% |
5 | Alphabet Inc. Class A (GOOGL) | 約 3.7% |
6 | Coca-Cola Co (KO) | 約 3.5% |
7 | Costco Wholesale Corp (COST) | 約 3.2% |
8 | Meta Platforms Inc. (META) | 約 3.1% |
9 | Johnson & Johnson (JNJ) | 約 3.0% |
10 | PepsiCo, Inc. (PEP) | 約 2.8% |
【出典】