PM:フィリップモリスの配当推移

タバコ株,必需品,配当

【2026年7月更新】
2025年通期業績、2026年第1・第2四半期決算、2026年6月に宣言された四半期配当1.47ドル、2026年7月24日の終値、更新後の2026年通期ガイダンスを反映しました。

2026年Q2は、売上高111.92億ドル、報告EPS1.80ドル、調整後EPS2.20ドルとなりました。スモークフリー事業はQ2売上高の約42%を占め、2026年6月30日時点で109市場に展開されています。[1]

フィリップモリスインターナショナル(Philip Morris International Inc.、ティッカー:PM)の配当利回り、増配実績、配当性向、キャッシュフロー、財務レバレッジを確認します。

最新配当と権利落ち日

宣言日 1株配当 権利落ち日 基準日 支払日 現行年率
2026年6月11日 1.47ドル 2026年6月25日 2026年6月25日 2026年7月20日 5.88ドル
2026年3月12日 1.47ドル 2026年3月19日 2026年3月19日 2026年4月13日 5.88ドル
2025年12月12日 1.47ドル 2025年12月26日 2025年12月26日 2026年1月14日 5.88ドル

※2026年7月26日時点で、次回分となる2026年Q3配当はまだ宣言されていません。現行年率5.88ドルは、直近の四半期配当1.47ドルが今後も維持されると仮定した数値であり、年間配当額を保証するものではありません。[3]

年間配当、配当成長率、配当性向、EPS

過去の年間配当、配当成長率、報告EPS、調整後EPSを確認します。元記事にあった「平均株価」と「平均配当利回り」は、株価データの調整前・調整後が混在していたため、表から分離しました。現在の株価に対する利回りは前節の約3.05%です。

年間配当
1株当たり
配当成長率 報告EPS 報告EPS比
配当性向
調整後EPS 調整後EPS比
配当性向
2026E 5.88
現行年率
未確定 7.19~7.34
会社予想
約80~82% 8.26~8.41
会社予想
約70~71%
2025 5.64 +6.4% 7.26 約77.7% 7.54 約74.8%
2024 5.30 +3.1% 4.52 約117% 6.57 約81%
2023 5.14 +2.0% 5.02 約102% 6.01 約86%
2022 5.04 +2.9% 5.81 約87% 5.96 約85%
2021 4.90 +3.4% 5.83 約84% 5.69 約86%
2020 4.74 +2.6% 5.16 約92% 5.16 約92%
2019 4.62 +2.9% 4.61 約100% 4.61 約100%
2018 4.49 +6.4% 5.08 約88% 5.08 約88%
2017 4.22 +2.4% 3.88 約109% 3.88 約109%
2016 4.12 +2.0% 4.48 約92% 4.48 約92%
2015 4.04 +4.1% 4.42 約91% 4.42 約91%
2014 3.88 +8.4% 4.76 約82% 4.76 約82%
2013 3.58 +9.1% 5.26 約68% 5.26 約68%
2012 3.28 +16.3% 5.17 約63% 5.17 約63%
2011 2.82 +15.6% 4.85 約58% 4.85 約58%
2010 2.44 +8.9% 3.92 約62% 3.92 約62%
2009 2.24 +45.5% 3.24 約69% 3.24 約69%
2008 1.54 3.31 約47% 3.31 約47%

※2025年の年間配当5.64ドルは、PMIの年次報告書に記載された「declared dividends per share」に基づきます。2026Eは、2026年7月時点の四半期配当1.47ドルを4倍した参考値です。[4]

2025年の配当実績と2026年7月時点の見通し

  • 2025年年間配当:1株当たり5.64ドル。2024年の5.30ドルから6.4%増加しました。
  • 直近四半期配当:1株当たり1.47ドル。2026年7月20日に支払われました。
  • 現行年率配当:5.88ドル。
  • 現在の予想利回り:2026年7月24日の終値193.00ドルに対して約3.05%。
  • 2026年調整後EPS見通し:8.26~8.41ドル。
  • 予想配当性向:調整後EPS比で約70~71%。
  • 増配実績:PMIは2008年の上場後、年間配当を毎年引き上げてきました。

配当成長率の推移

PMの配当成長率は、上場直後の高成長から、成熟企業として持続可能な増配ペースへ移行してきました。

  • 2009~2013年:おおむね9~16%の増配が続きました。
  • 2014~2016年:増配率は2~8%へ鈍化しました。
  • 2017~2024年:おおむね2~6%の範囲で増配を継続しました。
  • 2025年:四半期配当を1.35ドルから1.47ドルへ引き上げ、年間宣言配当は前年比6.4%増となりました。
  • 2026年7月時点:四半期配当1.47ドルを維持しています。2026年通年の増配率は、今後の取締役会決議によって決まります。

2025年に四半期配当を大きく引き上げられた背景には、IQOSやZYNを中心とするスモークフリー事業の成長、価格改定、利益率改善、調整後EPSの二桁成長があります。

配当性向の分析と持続可能性

2025年の報告EPS7.26ドルに対する配当性向は約77.7%、調整後EPS7.54ドルに対しては約74.8%でした。2024年はカナダ事業関連の非現金損失などによって報告EPSが押し下げられ、報告EPS比の配当性向が100%を超えていましたが、2025年には通常の範囲へ戻りました。

2026年通期の調整後EPS見通しは8.26~8.41ドルです。現行年率配当5.88ドルに対する予想配当性向は約69.9~71.2%となり、2025年より余裕が広がる見込みです。[1]

一方、報告EPS見通し7.19~7.34ドルに対する配当性向は約80.1~81.8%です。2026年の報告EPSには、カナダのRBH持分に対する非現金減損などが影響します。

2026年Q2のRBH減損

PMIは2026年Q2に、非連結のカナダ関連会社RBHへの投資について5.11億ドルの非現金減損を計上しました。希薄化後EPSへの影響は0.33ドルです。この影響によりQ2の報告EPSは前年同期比で減少しましたが、調整後EPSは15.2%増加しました。[1]

財務パフォーマンスと成長見通し

2025年業績ハイライト

  • 売上高:405.9億ドル。2024年比7.3%増、有機ベース6.5%増。
  • 営業利益:約149億ドル。2024年比11.1%増。
  • 報告EPS:7.26ドル。
  • 調整後EPS:7.54ドル。2024年比14.8%増。
  • 営業キャッシュフロー:122.33億ドル。
  • 設備投資:15.69億ドル。
  • 概算フリーキャッシュフロー:約106.64億ドル。
  • 配当支払額:86.24億ドル。
  • スモークフリー事業売上高:約169億ドル。総売上高の41.5%。
  • スモークフリー製品利用者:2025年12月31日時点で推定4,300万人超。

2025年は、スモークフリー事業の拡大と価格改定が売上・利益成長を牽引しました。スモークフリー製品の出荷量は前年比12.8%増、売上高は15.0%増、粗利益は20.3%増となりました。一方、紙巻きたばこの出荷量は前年比1.5%減でしたが、価格改定により売上高は増加しました。[4]

2026年Q1・Q2および上半期実績

期間 売上高
(Bドル)
報告成長率 有機成長率 営業利益
(Bドル)
報告EPS 調整後EPS
2026年Q1 10.15 +9.1% +2.7% 約3.9 1.56 1.96
2026年Q2 11.19 +10.4% +7.6% 約4.5 1.80 2.20
2026年上半期 21.34 +9.8% +5.3% 約8.4 3.36 4.16

※2026年Q2の調整後EPS2.20ドルには、為替による0.03ドルのプラス効果が含まれます。為替影響を除く調整後EPSは2.17ドルで、前年同期比13.6%増でした。[1]

2026年Q2の業績:売上高が初めて110億ドルを突破

2026年Q2の売上高は111.92億ドルとなり、四半期として初めて110億ドルを超えました。前年同期比では10.4%増、有機ベースでは7.6%増です。

粗利益は76.59億ドルで前年同期比11.5%増、営業利益は約45億ドルで22.0%増となりました。価格改定、販売量、製品構成、スモークフリー製品の規模拡大が利益成長を支えています。

報告EPSはRBH持分の減損によって1.80ドルへ7.7%減少しました。一方、調整後EPSは2.20ドルへ15.2%増加しました。会計上の一時要因を除いた基礎収益力は改善しています。

2026年Q2の出荷量

製品区分 Q2出荷量
相当単位
前年同期比 主な動向
全製品 2,052億 +2.5% スモークフリー製品と紙巻きの双方が増加
スモークフリー製品 482億 +7.5% IQOSとVEEVが成長
HTU 418億 +7.6% 日本・ポーランドの一時要因を他市場が補完
オーラル製品 51億パウチ -1.2% 米国ZYNは増加、北欧の従来型スヌースが減少
e-vapor 13億 +55.1% VEEVが欧州で拡大
紙巻きたばこ 1,569億本 +1.1% トルコ、インドネシア、エジプトなどが増加

2026年通期ガイダンス

2026年Q2決算時点の会社見通し:[1]

  • 報告EPS:7.19~7.34ドル。
  • 調整後EPS:8.26~8.41ドル。
  • 調整後EPS成長率:2025年比9.5~11.5%。
  • 為替影響を除く調整後EPS成長率:7.5~9.5%。
  • 有機売上高成長率:5~7%。
  • 有機営業利益成長率:7~9%。
  • 全製品出荷量:横ばいから小幅増。
  • スモークフリー製品出荷量:1桁台後半の成長。
  • 紙巻きたばこ出荷量:2~3%減。
  • 営業キャッシュフロー:約135億ドル。
  • 設備投資:14億~16億ドル。
  • 概算FCF:約119億~121億ドル。
  • 純負債/調整後EBITDA:2026年末までに約2倍を目標。
  • 自社株買い:2026年会社予想には織り込まず。
  • 2026年Q3調整後EPS:2.20~2.25ドル。

Q1決算時点の調整後EPS見通しは8.36~8.51ドルでしたが、Q2決算では8.26~8.41ドルへ変更されました。基礎事業の見通しを引き下げたのではなく、主に為替前提の変更によるものです。

為替影響を除く調整後EPS成長率7.5~9.5%、有機売上高成長率5~7%、有機営業利益成長率7~9%という基礎的なガイダンスは維持されています。

長期キャッシュフローと配当カバー率

年度 営業CF
(Bドル)
設備投資
(Bドル)
概算FCF
(Bドル)
配当支払
(Bドル)
営業CF
カバー率
FCF
カバー率
2026E 約13.5 1.4~1.6 約11.9~12.1 未確定
2025 12.23 1.57 10.66 8.62 1.42倍 1.24倍
2024 12.22 1.42 10.80 8.24 1.48倍 1.31倍
2023 9.22 1.28 7.94 7.99 1.15倍 0.99倍
2022 10.80 1.28 9.52 7.79 1.39倍 1.22倍
2021 11.97 1.39 10.58 7.61 1.57倍 1.39倍
2020 9.81 1.20 8.61 7.41 1.32倍 1.16倍
2019 10.14 1.84 8.30 7.23 1.40倍 1.15倍

※FCFは営業キャッシュフローから設備投資を差し引いた概算です。会社が使用する調整後営業CFやその他のNon-GAAP指標とは計算方法が異なる場合があります。

配当カバー率の見方

  • 2025年営業CFカバー率:約1.42倍。
  • 2025年FCFカバー率:約1.24倍。
  • 2026年営業CF見通し:約135億ドル。
  • 2026年概算FCF:約119億~121億ドル。
  • 配当余力:現行配当を維持できる水準ですが、余裕が極端に大きいわけではありません。
  • 重要条件:スモークフリー事業の利益成長とレバレッジ低下の両立が必要です。

バランスシート分析と財務健全性

資本構成と負債水準の推移

年度末 総資産
(Bドル)
総負債等
(Bドル)
株主資本
(Bドル)
自己資本比率 純負債
(Bドル)
純負債/
調整後EBITDA
2025 69.2 77.2 -8.0 -11.6% 約43.9 改善中
2024 61.8 71.7 -9.9 -16.0% 約41.5 2.66倍
2023 65.3 74.8 -9.4 -14.4% 約42.0 2.89倍
2022 61.7 68.0 -6.3 -10.2% 2.45倍
2021 41.3 49.5 -8.2 -19.9% 約22.8 1.85倍
2020 44.8 55.4 -12.6 -28.1% 約26.7 2.12倍
2019 42.9 52.5 -11.6 -27.0% 約24.1 1.98倍

※2026年Q2のForm 10-Qは、2026年7月22日の決算発表時点では後日提出予定とされていました。そのため、詳細なバランスシート表はFY2025末までを掲載しています。[1]

バランスシート構造の特徴と注意点

  • マイナス株主資本:PMIの株主資本は2012年以降マイナスが続いています。長年の配当、自社株買い、買収、為替換算などが影響しています。
  • 直ちに債務超過企業と同じ評価にはならない:安定した営業CFと投資適格格付けを維持していますが、財務余力を見る際は純負債とEBITDAの関係が重要です。
  • 2025年末の総債務:約488億ドル。
  • 2025年末の現金・現金同等物:48.72億ドル。
  • 2025年末の単純純負債:約439億ドル。
  • レバレッジ目標:2026年末までに純負債/調整後EBITDAを約2倍へ近づける方針です。
  • 2026年の自社株買い:会社ガイダンスには織り込まれていません。債務削減と事業投資を優先する姿勢が示されています。

スモークフリー事業の成長戦略

2025~2026年のスモークフリー事業ハイライト

  • 2025年売上構成比:総売上高の41.5%。
  • 2026年Q2売上構成比:総売上高の約42%。
  • 展開市場:2026年6月30日時点で109市場。
  • 利用者:2025年12月31日時点で推定4,300万人超。
  • 2026年Q2スモークフリー出荷量:482億相当単位、前年同期比7.5%増。
  • 2026年Q2 HTU出荷量:418億本、前年同期比7.6%増。
  • 2026年Q2 VEEV出荷量:前年同期比55.1%増。
  • ZYN展開市場:2026年Q2時点で60市場。

新セグメント体制

PMIは2026年1月1日から、従来の地域別セグメントを、International Smoke-Free、International Combustibles、U.S.の3区分へ再編しました。スモークフリー事業が独立した大規模事業へ成長したため、事業実態に合わせた開示へ変更した形です。

2026年Q2
セグメント
売上高
(Bドル)
報告成長率 有機成長率 粗利益
(Bドル)
主な動向
International Smoke-Free 3.88 +14.2% +11.8% 2.72 IQOSとVEEVが成長
International Combustibles 6.46 +9.8% +6.4% 4.39 価格改定と一部市場の数量増
U.S. 0.86 -0.7% -0.9% 0.56 ZYNは前四半期から改善
合計 11.19 +10.4% +7.6% 7.66 スモークフリー比率約42%

International Smoke-Free

2026年Q2のInternational Smoke-Free売上高は38.77億ドルで、前年同期比14.2%増、有機ベース11.8%増でした。粗利益は27.16億ドルで17.1%増、有機ベース14.6%増です。

IQOSはPMIが展開する市場の紙巻きたばこ・HTU合計市場で9.2%のシェアに達し、前年同期から0.2ポイント上昇しました。HTU出荷量は7.6%増加しています。

日本では2026年4月の増税対応価格改定、ポーランドではフレーバー規制の影響を受けました。一方、ドイツ、ルーマニア、ギリシャ、スペイン、イタリア、中東、東南アジアなどが成長を支えています。

ZYN:米国事業はQ1から改善

2026年Q2の米国ZYN出荷量は29億パウチで、前年同期比1.8%増でした。前年同期には在庫積み増しの追い風があったため、比較条件は厳しいものでした。

PMIは2026年6月に、より高いニコチン量と低い1パウチ当たり価格を特徴とするZYN ULTRAの9mg・11mg製品を出荷し、既存製品にも新しいフレーバーを追加しました。2026年Q3には1.5mg・8mg製品の追加も計画しています。

FDAがZYNの20製品にMRTP認可

米食品医薬品局(FDA)は2026年6月30日、ZYNの20製品についてModified Risk Tobacco Product(MRTP)の認可を付与しました。ニコチンパウチとしては初めて、特定の紙巻きたばこ関連疾患のリスク低減に関する表示が認められた事例です。[5]

ただし、認可はZYNブランド全体やニコチンパウチという製品カテゴリー全体に対するものではなく、FDAが審査した特定の20製品と表示内容に限定されます。また、無害であることを意味するものでもありません。

VEEV:e-vaporの成長

2026年Q2のVEEVを中心とするe-vapor製品出荷量は前年同期比55.1%増となりました。PMIは欧州のクローズドポッド型市場で首位の地位を確保したと説明しています。

VEEVは現時点ではIQOSやZYNより事業規模が小さいものの、加熱式たばこやオーラル製品を好まない成人利用者に対応するための重要なカテゴリーです。

まとめ:長期配当投資家にとってのPMとは

Philip Morris Internationalは、紙巻きたばこの価格決定力とキャッシュフローを維持しながら、IQOS、ZYN、VEEVを中心とするスモークフリー事業へ収益構造を移している企業です。

2026年Q2は売上高が初めて110億ドルを超え、有機売上高は7.6%増、調整後EPSは15.2%増となりました。スモークフリー事業は売上高の約42%を占め、International Smoke-Free部門の有機売上高は11.8%増となっています。

配当面では、2026年7月時点の四半期配当は1.47ドル、現行年率は5.88ドルです。2026年7月24日の終値193.00ドルに対する予想配当利回りは約3.05%となります。

2026年の調整後EPS見通し8.26~8.41ドルに対する予想配当性向は約70~71%です。2025年の約75%から改善する見込みであり、営業CF見通し約135億ドルも現行配当を支えます。

PMの主な強み

  • 2008年の上場後、年間配当を毎年引き上げてきた実績
  • 2025年営業CF122.33億ドル、概算FCF106.64億ドル
  • 2026年Q2調整後EPS15.2%増
  • マールボロなど紙巻きたばこブランドの価格決定力
  • IQOSが世界の加熱式たばこ市場で高いシェアを維持
  • ZYNがFDAからMRTP認可を取得
  • VEEVを含む複数カテゴリーのスモークフリー戦略
  • 2026年Q2時点でスモークフリー製品を109市場へ展開

注意すべきリスク

  • 紙巻きたばこの喫煙率低下、規制強化、増税
  • ニコチンパウチやe-vaporに対する新たな規制
  • マイナス株主資本と約439億ドルの純負債
  • カナダ事業に関する会計・法的な不確実性
  • IQOS、ZYN、VEEVにおける競争激化
  • 米ドル高などの為替変動
  • 中東情勢による輸送費、エネルギー費、原材料費の上昇
  • スモークフリー製品の普及速度が会社計画を下回るリスク

投資家へのポイント:PMは「高配当株」であると同時に、紙巻きたばこからスモークフリー製品へ事業を転換している成長企業でもあります。一方、株価上昇によって配当利回りは約3%まで低下しました。

投資判断では、配当利回りだけでなく、スモークフリー事業の有機成長率、調整後EPS、営業CF、FCF、純負債/調整後EBITDA、規制動向を継続的に確認する必要があります。

よくある質問

PMの配当はどれくらい安全ですか?

2026年7月時点では、短中期的な配当安全性は比較的高いと考えられます。2025年の営業CFは122.33億ドル、概算FCFは106.64億ドル、配当支払額は86.24億ドルでした。

2026年の営業CF見通しは約135億ドル、概算FCFは約119億~121億ドルです。調整後EPS見通しに対する予想配当性向も約70~71%であり、現行配当を維持する余力があります。

次の配当はいくらですか?

2026年7月26日時点では、次回となる2026年Q3分の配当はまだ宣言されていません。直近の配当は1株当たり1.47ドルで、2026年7月20日に支払われました。

マイナス株主資本は問題ではありませんか?

マイナス株主資本だけで配当の危険性を判断することはできません。PMIの場合、長期にわたる配当、自社株買い、買収、為替換算などが影響しています。

重要なのは、営業CF、純負債、利払い能力、信用格付けです。PMIは2026年末までに純負債/調整後EBITDAを約2倍へ近づける目標を維持しています。

2026年Q2の報告EPSが減少したのは、業績悪化ですか?

必ずしも基礎事業の悪化を意味しません。2026年Q2の報告EPSは1.80ドルで前年同期比7.7%減でしたが、カナダのRBH持分に対する5.11億ドルの非現金減損が影響しました。

この影響などを除いた調整後EPSは2.20ドルで、前年同期比15.2%増でした。

PMの長期成長戦略は何ですか?

長期成長戦略の中心は、紙巻きたばこからスモークフリー製品への移行です。IQOS、ZYN、VEEVを複数市場へ展開し、従来の紙巻きたばこ事業が生むキャッシュを新カテゴリーの開発・生産・販売へ振り向けています。

2026年Q2にはスモークフリー事業が売上高の約42%を占めました。将来的には売上高の過半を超え、紙巻きたばこへの依存度を下げられるかが重要です。

ミニ解説:PMを見るときのポイント

PMは、単なる高配当たばこ株ではありません。配当投資家は、配当利回りに加えて、スモークフリー売上比率、International Smoke-Free部門の有機成長率、調整後EPS、営業CF、純負債/調整後EBITDAを確認すると、配当の安全性と成長余地をより立体的に判断できます。

【注】(出典リンク)

  1. 2026年Q2決算・上半期実績・通期ガイダンス・新セグメント → Philip Morris International「2026 Second-Quarter & First Six-Months Results」PMI「2026 Q2 Results」(確認日:2026-07-26)
  2. 2026年7月24日株価・配当利回り → PMI「Stock, Dividends & Bonds」Macrotrends「Philip Morris Stock Price History」(確認日:2026-07-26)
  3. 2026年6月宣言の四半期配当1.47ドル → Philip Morris International「Declares Regular Quarterly Dividend of $1.47 Per Share」SEC Form 8-K(2026年6月11日)(確認日:2026-07-26)
  4. 2025年通期業績・配当・キャッシュフロー・スモークフリー事業 → Philip Morris International「2025 Fourth-Quarter & Full-Year Results」PMI 2025 Annual ReportSEC EDGAR「Philip Morris International」(確認日:2026-07-26)
  5. ZYNの20製品に対するMRTP認可 → FDA「FDA Authorizes 20 ZYN Nicotine Pouches」PMI「FDA Issues Modified Risk Tobacco Product Orders for 20 ZYN Products」(確認日:2026-07-26)

変更箇所(今回)

  • 更新時点:2026年5月 → 2026年7月26日。2026年Q2決算と6月宣言配当を反映しました。
  • 株価:2026年5月7日170.28ドル → 2026年7月24日193.00ドル。直近市場終値へ更新しました。
  • 予想配当利回り:約3.5% → 約3.05%。現行年率配当5.88ドルを193.00ドルで除して再計算しました。
  • 最新配当:2026年3月宣言分 → 2026年6月11日宣言分。1.47ドル、権利落ち日・基準日6月25日、支払日7月20日へ更新しました。
  • 次回配当:未宣言であることを明記しました。現行年率5.88ドルは参考値であり、確定年間配当ではありません。
  • 2026年報告EPS見通し:7.56~7.71ドル → 7.19~7.34ドル。RBH持分の非現金減損などを反映しました。
  • 2026年調整後EPS見通し:8.36~8.51ドル → 8.26~8.41ドル。Q2決算時の為替前提へ更新しました。
  • 予想配当性向:調整後EPS比約69~70% → 約70~71%。最新ガイダンスで再計算しました。
  • Q2実績:売上高111.92億ドル、報告EPS1.80ドル、調整後EPS2.20ドルを追加しました。
  • 上半期実績:売上高213.38億ドル、報告EPS3.36ドル、調整後EPS4.16ドルを追加しました。
  • Q2成長率:報告売上高10.4%増、有機売上高7.6%増、調整後EPS15.2%増を追加しました。
  • RBH減損:5.11億ドル、EPSへの影響0.33ドルを追加し、報告EPSと調整後EPSの違いを説明しました。
  • Q3見通し:調整後EPS2.20~2.25ドルを追加しました。
  • 営業CF見通し:約135億ドルを維持。設備投資14億~16億ドルから概算FCF119億~121億ドルを整理しました。
  • 自社株買い:2026年会社予想には織り込まれていないことを追加しました。
  • スモークフリー比率:2026年Q1の43%表記から、2026年Q2の約42%へ更新しました。
  • 展開市場:108市場 → 109市場。2026年6月30日時点へ更新しました。
  • Q2セグメント:International Smoke-Free、International Combustibles、U.S.の売上高、成長率、粗利益を追加しました。
  • Q2出荷量:全製品、HTU、オーラル製品、e-vapor、紙巻きたばこの最新数量を追加しました。
  • ZYN:Q2出荷量29億パウチ、前年同期比1.8%増を追加しました。
  • ZYN製品拡張:ZYN ULTRAの9mg・11mg製品と、Q3に予定する1.5mg・8mg製品を追加しました。
  • FDA認可:2026年6月30日に20製品がMRTP認可を取得したことを追加しました。
  • VEEV:Q2出荷量が前年同期比55.1%増となったことを追加しました。
  • 配当表:出典・調整方法が混在していた「平均株価」「平均配当利回り」を削除し、現在利回りを別枠で表示しました。
  • 配当成長率:2025年を単純な四半期単価の8.9%ではなく、年間宣言配当5.64ドルの前年比6.4%として整理しました。
  • 連続増配表現:「18年連続」と断定する表現を、「2008年の上場後、年間配当を毎年引き上げてきた」へ修正しました。
  • バランスシート:2026年Q2のForm 10-Qが決算発表時点で未提出だったため、詳細表はFY2025末までと明記しました。
  • リスク:RBH減損、中東情勢による輸送・エネルギー費、スモークフリー製品の規制・競争リスクを更新しました。
  • 出典:2026年Q2決算、6月配当、FDAのZYN認可を追加し、全脚注の確認日を2026年7月26日へ更新しました。

Posted by 南 一矢