SPTM•SPY•SPYG•SPYV:SP500連動SDPR ETFを比較

インデックス,米国ETF

SPTMとSPY、SPYG、SPYV(SP500に連動するステートストリートのSDPR ETF)のデータを比較し、情報を整理してみます。

このページでは積立や資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート、配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を紹介してみましょう

SPTMとSP500連動ETFの概要

【徹底比較】SPDR ETF (SPTM, SPY, SPYG, SPYV) – 最適な「スパイダー」は?

「SPDR(スパイダー)」は、世界で初めてETFを世に送り出したステート・ストリート社が運用する、歴史と実績のあるETFブランドです。今回は、その中でも代表的な米国株ETFであるSPTM、SPY、SPYG、SPYVの4つを徹底比較。それぞれの特徴と戦略上の位置づけを理解し、あなたのポートフォリオに最適な一本を見つけましょう。

SPDRシリーズの基本構成

今回取り上げる4本は、大きく2つのグループに分けられます。

  • ポートフォリオ・シリーズ (超低コスト): SPTM, SPYG, SPYVなど、長期保有に適した低コストETF群。
  • 元祖ETF (高流動性): SPYなど、歴史が長く、取引量が非常に多いETF群。

コア資産の選択肢:SPTM vs SPY

ポートフォリオの「核」として、米国市場全体に広く投資するための選択肢です。

【SPTM】SPDR®ポートフォリオS&P 1500コンポジット・ストックマーケットETF

米国の大型・中型・小型株を合わせた1500銘柄に投資し、市場の約90%をカバーします。0.03%という超低コストで、これ一本で米国市場全体に投資したい長期投資家にとって非常に魅力的な選択肢です。

連動指数 S&P Composite 1500 Index
経費率 0.03%
構成銘柄数 約1,500銘柄
上位構成銘柄 Microsoft, Apple, NVIDIA, Amazon.com, Meta Platformsなど

【SPY】SPDR® S&P 500® ETF トラスト

1993年に上場した世界初のETFであり、現在も純資産総額・取引量ともに世界最大級を誇ります。その圧倒的な流動性は、頻繁に売買するトレーダーにとって大きなメリットです。一方で、経費率は競合のS&P500 ETF(VOO, IVV)よりやや高い点に注意が必要です。

連動指数 S&P 500® Index
経費率 0.0945%
構成銘柄数 約500銘柄
上位構成銘柄 SPTMとほぼ同じ。Microsoft, Apple, NVIDIA, Amazon.com, Meta Platformsなど
SPYの経費率に関する注意点: 長期保有を目的とする個人投資家の場合、SPYの経費率(約0.09%)は、同じS&P500に連動するVOOやIVV(約0.03%)と比べて見劣りします。コストを最重視するなら、他の選択肢を検討する価値があります。

投資スタイルの選択肢:SPYG vs SPYV

S&P500を「グロース(成長)」と「バリュー(割安)」に分けた、低コストなポートフォリオ・シリーズです。

【SPYG】SPDR®ポートフォリオS&P 500®グロースETF

S&P500の中から成長性の高い「グロース株」を選んで投資します。情報技術セクターの比率が高く、市場の成長を積極的に取り込みたい場合に適しています。経費率も非常に低く設定されています。

連動指数 S&P® 500 Growth Index
経費率 0.04%
セクター比率 情報技術 (約46%), 一般消費財, ヘルスケアなど

【SPYV】SPDR®ポートフォリオS&P 500®バリューETF

S&P500の中から株価が割安と判断される「バリュー株」に投資します。金融やヘルスケア、資本財といった伝統的なセクターの比率が高く、安定性を重視するポートフォリオに適しています。

連動指数 S&P® 500 Value Index
経費率 0.04%
セクター比率 金融 (約21%), ヘルスケア, 資本財など

4つのETFの徹底比較まとめ

項目 SPTM SPY SPYG SPYV
投資対象 米国市場90% (1500銘柄) S&P500 (500銘柄) S&P500内の成長株 S&P500内の割安株
性格 広範分散・超低コスト 元祖・高流動性 成長性重視・低コスト 割安性重視・低コスト
経費率 0.03% 0.0945% 0.04% 0.04%
こんな人に最適 長期保有のコア資産 短期売買・流動性重視 グロース株への投資 バリュー株への投資

選び方のポイント

  • コスト最優先の長期投資家なら: SPTMが最適です。米国市場の90%をカバーしながら、経費率は驚異の0.03%。これ一本でポートフォリオの核が完成します。
  • 頻繁な売買やオプション取引を行うなら: SPYの右に出るものはありません。圧倒的な取引量と流動性が、スムーズな取引を保証します。ただし、長期保有の場合はコストを再考しましょう。
  • ポートフォリオに味付けをしたいなら: 成長性をプラスしたいならSPYG、安定性を加えたいならSPYVが有効です。どちらも低コストなのが魅力です。

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。




配当(分配金)と利回り

年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*ここでは特別配当(分配金)を含めて計算するので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高くなることがあります)

SPTMの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 1.39% 0.92 9.5% 66.2 25.9%
2023 1.6% 0.84 7.7% 52.6 4.4%
2022 1.55% 0.78 11.4% 50.4 -4.4%
2021 1.33% 0.7 -1.4% 52.7 33.8%
2020 1.8% 0.71 7.6% 39.4 9.1%
2019 1.83% 0.66 15.8% 36.1 5.6%
2018 1.67% 0.57 9.6% 34.2 12.5%
2017 1.71% 0.52 0% 30.4 17.4%
2016 2.01% 0.52 10.6% 25.9 0.8%
2015 1.83% 0.47 -9.6% 25.7 6.2%
2014 2.15% 0.52 44.4% 24.2 17.5%
2013 1.75% 0.36 12.5% 20.6 19.8%
2012 1.86% 0.32 23.1% 17.2 8.9%
2011 1.65% 0.26 18.2% 15.8 11.3%
2010 1.55% 0.22 10% 14.2 22.4%
2009 1.72% 0.2 -31% 11.6 -21.6%
2008 1.96% 0.29 14.8

SPYの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 1.31% 7.07 6.6% 541.4 26.7%
2023 1.55% 6.63 5.2% 427.4 4.5%
2022 1.54% 6.3 10.7% 408.9 -4.1%
2021 1.33% 5.69 0.4% 426.3 32.7%
2020 1.77% 5.67 1.1% 321.2 10.4%
2019 1.93% 5.61 10.4% 291 6.1%
2018 1.85% 5.08 6.1% 274.3 12.1%
2017 1.96% 4.79 6.2% 244.7 16.9%
2016 2.15% 4.51 7.4% 209.4 1.6%
2015 2.04% 4.2 10.2% 206.2 6.7%
2014 1.97% 3.81 14.4% 193.2 17.4%
2013 2.02% 3.33 8.1% 164.5 19.1%
2012 2.23% 3.08 20.3% 138.1 8.8%
2011 2.02% 2.56 13.3% 126.9 11.1%
2010 1.98% 2.26 4.6% 114.2 20.2%
2009 2.27% 2.16 -20% 95 -22.2%
2008 2.21% 2.7 122.1

SPYGの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 0.68% 0.53 -29.3% 77.8 33.4%
2023 1.29% 0.75 50% 58.3 1.2%
2022 0.87% 0.5 16.3% 57.6 -8.7%
2021 0.68% 0.43 -10.4% 63.1 36.9%
2020 1.04% 0.48 -14.3% 46.1 20.7%
2019 1.47% 0.56 19.1% 38.2 8.2%
2018 1.33% 0.47 6.8% 35.3 18.1%
2017 1.47% 0.44 12.8% 29.9 18.2%
2016 1.54% 0.39 5.4% 25.3 2%
2015 1.49% 0.37 19.4% 24.8 10.2%
2014 1.38% 0.31 10.7% 22.5 19.7%
2013 1.49% 0.28 3.7% 18.8 16.8%
2012 1.68% 0.27 22.7% 16.1 11%
2011 1.52% 0.22 175% 14.5 15.1%
2010 0.63% 0.08 -11.1% 12.6 23.5%
2009 0.88% 0.09 0% 10.2 -17.7%
2008 0.73% 0.09 12.4

SPYVの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 2.33% 1.17 44.4% 50.2 19.2%
2023 1.92% 0.81 -4.7% 42.1 7.1%
2022 2.16% 0.85 -2.3% 39.3 0.5%
2021 2.23% 0.87 7.4% 39.1 26.9%
2020 2.63% 0.81 5.2% 30.8 -1.6%
2019 2.46% 0.77 -2.5% 31.3 3.6%
2018 2.62% 0.79 -3.7% 30.2 5.2%
2017 2.86% 0.82 30.2% 28.7 14.8%
2016 2.52% 0.63 8.6% 25 0.8%
2015 2.34% 0.58 9.4% 24.8 2.9%
2014 2.2% 0.53 20.5% 24.1 15.3%
2013 2.11% 0.44 4.8% 20.9 21.5%
2012 2.44% 0.42 31.3% 17.2 6.8%
2011 1.99% 0.32 -15.8% 16.1 8.8%
2010 2.57% 0.38 8.6% 14.8 18.4%
2009 2.8% 0.35 -36.4% 12.5 -26.5%
2008 3.24% 0.55 17


ポートフォリオの比較

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率はチャールズシュワブ、組入れ上位10銘柄はフィディリティのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢