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【THD】タイETFの株価とリターン

更新日:

タイ市場の主要企業に投資するTHDのパフォーマンスを調べてみます。

その上で、タイのGDPや失業率などの主要統計を一覧し、その投資環境を把握してみます。

まず、THDの株価推移とトータルリターンを見てみましょう。

【THD】IシェアーズMSCIタイETFとは

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iシェアーズMSCIタイETFは、130近いタイ株からなるMSCI タイ25/50インデックスに連動する米国籍ETFです。

構成銘柄のうち99%以上はタイ銘柄で大型企業を中心に代表的な構成銘柄に分散投資しています。

【THD】の株価推移と指標

ブルームバーグのサイトから指標を見てみます(2018/9/19閲覧。配当利回りは税込。R=リターン。TR=トータルリターン)

  • 株価52週レンジ : 81.1 - 103.71
  • 直近配当額 : 1.524
  • 直近配当利回り : 3.28%
  • 経費率 : 0.62%
  • 3ヶ月TR : 2.47%
  • 年初来R : 2.67%
  • 1年TR : 8.74%
  • 3年平均TR : 14.01%
  • 5年平均TR : 5.9%

最近はやや株価が高めになってきています。

【THD】の分配金

モーニングスター社のサイトで年間配当を見てみましょう。

  • 2018年(7/23時点):1.5244
  • 2017年:1.998
  • 2016年:1.8819
  • 2015年:2.0993
  • 2014年:1.8098

【THD】のポートフォリオ

次に、このETFの構成比率を「組入れ企業の規模」「セクター別の投資割合」「投資先主要10社の比率」で見てみます。

組入れ企業の規模別の比率(%)

  • 巨大企業:52.58
  • 大企業:35
  • 中企業:12.05
  • 小企業:0.27
  • 零細企業:0.1

※出典:モーニングスターHP(7/22閲覧)

セクター別の投資割合(%)

  1. エネルギー:21.16
  2. 金融:19.03
  3. 生活必需品:11.70
  4. 資本財・サービス:10.07
  5. 素材:9.53
  6. 不動産:6.36
  7. 一般消費財・サービス:6.27
  8. 電気通信:5.95
  9. ヘルスケア:4.80
  10. 公益事業:2.86
  11. 情報技術:1.86
  12. キャッシュ等:0.39

※出典:ブラックロック社のTHD紹介記事(8/26閲覧)

投資先主要10社の比率(%)

  1. PTT-R : タイ石油公社[PTT] 11.06
  2. CPALL-R : CPオール 6.85
  3. AOT-R : タイ空港公社 5.61
  4. KBANK/F : カシコーン銀行 5.14
  5. SCB-R : サイアム商業銀行 4.53
  6. ADVANC-R : アドバンスト・インフォ・サービス 4.24
  7. PTTEP-R : タイ石油開発公社 4.24
  8. PTTGC-R : PTTグローバル・ケミカル 3.6
  9. SCC-R : サイアムセメント 3.37
  10. KBANK-R : カシコーン銀行 2.84

※上記10社は全てタイ市場上場(TB)企業。出典はブルームバーグHP(9/19閲覧)

タイのGDPや失業率など(主要指標)

さらに、投資環境を把握するために、世界銀行のデータバンクからタイの主要統計を閲覧してみます。

実質GDPと失業率

実質GDPは2010年米ドル基準 。失業率はILO方式。

実質成長率 総額(億$) 一人当たり($) 失業率
2005 4.2 2838 4337 1.4
2006 5.0 2979 4525 1.2
2007 5.4 3141 4744 1.2
2008 1.7 3195 4801 1.2
2009 -0.7 3173 4744 1.5
2010 7.5 3411 5075 0.6
2011 0.8 3440 5094 0.7
2012 7.2 3689 5437 0.6
2013 2.7 3788 5559 0.5
2014 1.0 3825 5591 0.6
2015 3.0 3941 5740 0.6
2016 3.3 4070 5910 0.9
2017 3.9 4229 6126 1.1

名目GDPと名目GNI

名目GDP 名目GNI
総額(億$) 一人当たり($) 総額(億$) 一人当たり($)
2005 1893 2894 1827 2790
2006 2218 3369 2041 3100
2007 2629 3972 2333 3520
2008 2914 4379 2639 3970
2009 2817 4212 2767 4140
2010 3411 5075 3080 4580
2011 3708 5491 3343 4950
2012 3976 5860 3747 5520
2013 4203 6168 3900 5720
2014 4073 5954 3943 5760
2015 4014 5846 3918 5710
2016 4118 5979 3923 5700
2017 4552 6594 4117 5960

GDPの構成比率(単位別:%)

GDPの構成比率:消費+総資本形成+輸出ー輸入。その%の内訳。

消費 総資本形成 輸出 輸入
2005 69.5 30.4 68.4 69.5
2006 68.0 27.0 68.7 65.4
2007 66.5 25.5 68.9 61.0
2008 68.0 28.2 71.4 69.0
2009 69.0 20.6 64.4 54.8
2010 68.0 25.4 66.5 60.8
2011 69.1 26.8 70.9 68.8
2012 69.3 28.0 69.8 68.7
2013 68.6 27.5 68.1 65.3
2014 69.4 23.9 69.3 62.5
2015 68.3 22.1 68.7 57.2
2016 67.0 21.7 68.1 53.5

人口伸び率など

総人口(万人) 人口増加率 出生率 平均寿命
2005 6543 0.65 1.57 72.1
2006 6582 0.61 1.56 72.5
2007 6620 0.56 1.56 72.9
2008 6655 0.53 1.55 73.3
2009 6688 0.50 1.55 73.6
2010 6721 0.49 1.55 73.9
2011 6753 0.48 1.54 74.2
2012 6784 0.46 1.53 74.4
2013 6814 0.44 1.52 74.7
2014 6842 0.40 1.51 74.9
2015 6866 0.35 1.50 75.1
2016 6886 0.30 1.48 75.3
2017 6904 0.25

タイの経済は伸びていますが、ETFの株価はGDPほどは伸びていません。

今後は、アメリカの金利上昇に伴う新興国からの資金引き上げなども考慮に入れなければいけません。

タイETFのリスク:政情不安

タイETFのリスクは経済だけにあるわけではありません。

タイの政情不安ぶりは無視しがたいものがあります。

そこに触れる前に、まず、ざっとタイ政治の基礎データを見てみます。

タイ政治の基礎情報

  • 面積:51万4000㎢(日本の約1.4倍)
  • 民族:タイ族が中心。華人、マレー族も住む。
  • 言語:タイ語
  • 宗教:仏教94%/イスラム教5%
  • 王朝:スコータイ王朝(13C)⇒アユタヤ王朝(14~18世紀)⇒トンブリー王朝⇒チャックリー王朝(1782~)
  • 政体:1932年に立憲革命が起き、現在は立憲君主制
  • 元首:マハ-・ワチラロンコン・ボテインタラーテーパヤワランクーン国王陛下(ラーマ10世王)
  • 議会:国家立法議会(220名)(※首相はクーデターで政権掌握)
  • 外交方針:ASEAN諸国との連携/日米との連携/中国との協調

タイはすでに日本、オーストラリア、ニュージーランド、インド、ペルーと貿易協定を結んでいます(発効済)。

そして、チリやASEANとも貿易協定が結ばれ、現在、EUとの交渉を続けています。

タイは貿易の道としてインドシナ半島を貫く南部経済回廊、東西経済回廊、南北経済回廊の構築を目指しています。

その際に、南部経済回廊のミッシングリンクを解消すべく、ミャンマーのダウェー開発(バンコクから約300km西)を、日本とミャンマーとともに進めているのです。

政治リスクが絶えないタイの歴史

タイでは1997年のアジア金融危機の後、2001年に就任したタクシン首相(当時)が国内需要喚起と外資誘致による輸出促進、公共事業,社会保険制度改革、麻薬撲滅等を推し進めました。

しかし、これにエリート層や保守層が反発し、職権濫用や汚職の噂もあり、2006年はじめから反タクシン運動が盛り上がります。やがては2006年9月にソンティ陸軍司令官(当時)らのクーデターが発生。

ただ、暫定政権は1年程度で2007年12月に民政復帰。

その後、タクシン勢力と反タクシン勢力が政権を交互にとり、2011年にはタクシン系政党のタイ貢献党が勝ち、タクシン元首相の実妹のインラックが首相となります。

ところが、この政権も途中で指導力を失います。

2013年に大規模インフラ計画等を進めたのですが、タクシン元首相の恩赦を決めたことで政治情況は一変。

バンコク都内各地で大規模な路上デモが行われ、政府庁舎が占拠されました。インラック首相は下院を解散したものの、デモ隊の妨害で投票が完了できず、憲法裁判所は同選挙を無効しました。

国内は困難の巷となった頃、プラユット陸軍司令官は全国に戒厳令を発令。「国家平和秩序維持評議会(NCPO)」が全統治権の掌握を宣言したわけです。

これにより、約3年間続いたタクシン元首相派政権が倒れ、8月に正式にプラユット氏が首相となりました。

クーデター後、7月に公布された暫定憲法で国家立法会議(国会に相当)が設立されました。

9月には、NCPO議長・プラユット陸軍総司令官を首相とする政権が発足。総選挙後までの1年間の政治を担当することになったのです。軍政は諸外国から批判を浴びましたが、NCPOはクーデター直後から景気回復策を打ち出し、2015年予算案やタイ投資委員会の手続きを再開させたので、景気減速の障害を除いた一面もあります。

タイではたびたび「民政」と「軍政」の間で政権交代が繰り返され、民政が大混乱すると軍政が台頭し、「政治的な安定」をもたらすことが多かったのです。その評価は微妙ですが、日本や欧米とは政治文化がもともと違うので、外国が批判してもどうにもなりません。

政権発足時の所信表明演説では、相続税と固定資産税による格差是正策や近隣国との経済連携の強化等を訴えています。15年2月にはプラユット首相は日泰首脳会談のために来日しました。

タイと米国との関係は?

ところで、タイ首相というのは、どんな人物なのでしょうか。

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タイ王国のプラユット・チャンオチャ首相は現在、64歳です。

1954年3月21日にタイのナコーンラーチャシーマー県(タイ東北部の入り口等と言われるが、地図上では北部には見えない)で生まれました。

タイ王国防衛大学やチュラチョームクラオ陸軍士官学校を卒業し、その後、陸軍軍人としてキャリアを積みました。72年以来、軍歴を積み、陸軍大将の地位につきます。

トランプープラユット会談(抜粋)

その後、トランプ大統領とタイのプラユット首相がホワイトハウスで2017年10月2日に会談を行いました。

そこでは、米国とタイとの同盟関係の強化が確認され、トランプ大統領は「両国の通商関係は重要度を増している」と述べ、輸出の促進に意欲を示しています。

プラユット氏はテロ等の脅威に対処するために米国との安全保障面での協力を進める意思を表明しました。

2014年5月にクーデターで国の実権をつかんだプラユット氏に対して、オバマ大統領は民主主義に反するとして冷淡な態度を貫いてきたのですが、トランプ氏は民主主義よりも現実的な利害関係を重視し、タイ首相との会談を行いました。

(出所:Remarks by President Trump and Prime Minister Prayut Chan-o-Cha of Thailand Before Bilateral Meeting 2017/10/2)※ホワイトハウスHP:タイ首相とトランプ大統領の首脳会談

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「大統領は米国とタイの関係について言及しました。私たちは長年の同盟国です」

Mr. President has mentioned about the relationship between our two countries. We are longstanding allies.

「大統領との会談は、私にとっても、タイ政府とタイの人々にとっても、両国の協力関係をさらに密接にし、強化するための良い機会です」

Coming to meet Mr. President today is a good opportunity for me and for the Thai government and the people of Thailand to work closely to further strengthen the cooperation between our two countries.

「もちろん、私たちの市民をテロ等の脅威から守ることを保証するために、私たちは安全保障協力を手がけ、共に働きます」

We work, of course, in hand on our security defense cooperation to help ensure that our citizens are safeguarded from terrorism and other threats.

「地域の問題を解決するために密接に協力する」

Of course, we will work closely in order we solve the regional issue of concern, of course.

「私は大統領のリーダーシップをもって、200年の長い歴史を持っていると述べた両国の協力関係をより強化するために、すべての問題に取り組み、協力できると確信しています」

I am confident that, with President's leadership, we will be able to tackle all the problems and work together in order to further strengthen the cooperation between our two countries, which we already mentioned that we have a long history of relationship -- 200 years.

トランプ大統領の発言(抜粋)

私は、我々の貿易関係について述べたい。我々は長い間、厳しく交渉してきました。私たちはもう少し時間をかけて代表者と会いたい。

I do want to say that our relationship on trade -- and we've been negotiating very long and hard, and we're meeting with our representatives in a little while to go further.

しかし、我々の貿易関係はますます重要になってきている。

But our relationship on trade is becoming more and more important.

そして、それは貿易の大きな国だ。彼らは製品と、我々にとって、それ以外にも非常に大切なものをつくってくれる。我々もまたあなたがたに商品を販売している。

And it's a great country to trade with; they make product and different things that are really very important to us, and we likewise sell to you.

私たちはもう少しあなたに売り込みをしようと思っています。もし、もう少しよい機会があるならば。

I think we're going to try and sell a little bit more to you now, make that a little bit better if that's possible.

・・・

トランプ政権は民主主義国かどうかを重視したオバマ政権とは違い、アメリカの国益にかなうかどうかを重視するので、この会談で過去のいきがかりはリセットされました。

今後、米国とタイの間で貿易が拡大するかどうかが気になります。

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