VIS・XLI・IYJ・EXI(資本財セクターETF)を比較する

セクターETF






資本財ETF徹底比較

米国の資本財・サービスセクター(インダストリアル)のETFのデータを比較してみます。

その代表は、バンガード社の【VIS】、ステート・ストリート社の【XLI】、ブラックロック社の【IYJ】ですが、世界各国の資本財企業に投資する【EXI】の内容も紹介してみます。

ブラックロック社の世界投資型ETFは、どのセクターでも米国比率が相応に高くなりやすい傾向があるため、グローバル分散をうたっていても「米国寄り」になり得ます。

このページでは積立や資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート、配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を整理してみましょう。

【徹底比較】資本財ETF VIS vs XLI おすすめは?景気敏感セクターを解説

航空宇宙・防衛、産業機械、輸送・運輸といった、経済の骨格を支える企業群にまとめて投資できる「資本財(インダストリアル)セクターETF」。景気拡大の恩恵を受けやすいセクターとして注目されますが、投資には注意すべき特性があります。

この記事では、まず資本財セクターの「景気敏感」という特性を解説し、その上で代表的なETFを投資戦略ごとに分類し、あなたに合った一本を見つけるお手伝いをします。

【はじめに】資本財セクターは「景気の羅針盤」

資本財セクターは、景気が良い時には企業の設備投資や人々の移動が増えて株価が上昇し、景気が悪くなると真っ先に需要が減って株価が下落しやすいという、典型的な「景気循環セクター」です。この特性を理解し、経済の大きな流れを読む視点を持つことが、このセクターへの投資では重要になります。

主要 資本財ETF 比較一覧表

まずは、今回ご紹介するETFの「個性」が一目でわかる比較表をご覧ください。「投資戦略」「経費率」が特に重要な比較ポイントです。

主要資本財ETFの比較(確認日:2026-01-23)。数値は各運用会社の開示に基づく「記載時点」であり、日々変動します。
ティッカー 投資戦略 経費率(年率) 銘柄数(目安) キーワード
XLI 米国・超大型集中型(S&P 500由来) 0.08%(2026-01-21時点)[1] 約80(2026-01-21時点)[1] S&P 500の巨大企業に集中投資
VIS 米国・幅広分散型(中小型も含む) 0.09%(目安:2025年10月時点)[2] 約394(目安:2025年10月時点)[2] 米国資本財セクター全体(中小含む)
IYJ 米国・幅広分散型(高コスト) 0.38%(2026-01-21時点)[3] 約197(2026-01-21時点)[3] 分散型だがコストは高め
EXI グローバル分散型(高コスト) 0.39%(2026-01-21時点)[4] 約216(2026-01-21時点)[4] 米国+海外の資本財企業に分散

※「銘柄数」は日々変動します。特にグローバルETFは国別・通貨別の分散が入る一方、コストが上がりやすい点に注意が必要です。

ミニ解説:XLIとVISは「似て非なる」設計

XLIはS&P 500の中からインダストリアルに分類される銘柄に絞るため、超大型株の比重が高くなりやすい一方、VISは中小型も含めて広く拾うため、より「セクター全体」に近い分散になりやすい設計です。


米国市場への投資戦略:集中か、分散か

【XLI】巨大企業に集中投資

XLIはインダストリアル・セレクト・セクター指数に連動し、S&P 500由来のインダストリアル銘柄に絞って投資します。経費率は0.08%、銘柄数は約80(いずれも2026-01-21時点)です。[1]

ポートフォリオは超大型株の比重が高くなりやすく、航空宇宙・防衛、産業機械、鉄道・輸送などの大型企業が上位になりやすい点が特徴です。[1]

【VIS】セクター全体に分散投資

VISは大・中・小型株まで含む米国のインダストリアル関連企業に幅広く投資する設計で、XLIよりも分散が効きやすいのが特徴です。経費率は0.09%、銘柄数は約394(いずれも目安:2025年10月時点)です。[2]

巨大企業への集中を避け、「米国資本財セクター全体」の値動きにより近いパフォーマンスを期待する投資家向けの選択肢と言えるでしょう。

(補足:iシェアーズ社のIYJも米国インダストリアルに投資する分散型ETFですが、経費率は0.38%(2026-01-21時点)と低コスト勢より高めです。[3]


グローバル市場への投資戦略

【EXI】世界のインダストリアルに分散投資

「米国の企業だけに投資するのは、カントリーリスクの観点から集中しすぎている」と考える投資家にとって、EXIはグローバル分散の選択肢になります。EXIはS&P Global 1200 Industrials Sector Indexへの連動を目指し、米国に加えて海外のインダストリアル銘柄も取り込みます。[4]

EXIに投資する主なメリット

  • 投資先の分散:米国中心になりやすい一方で、米国外も含めて分散しやすい設計です。[4]
  • 指数設計による広がり:単一国では拾いにくい海外の大型インダストリアル企業も投資対象になり得ます。[4]

注意点:コストとのトレードオフ

EXIの経費率は0.39%(2026-01-21時点)であり、VIS/XLIと比べると高めです。グローバル分散のメリットと、コスト増を天秤にかける視点が重要になります。[4]


投資前に確認すべき資本財セクターのリスク

景気動向に敏感なこのセクターには、特有のリスクが伴います。

  1. 景気後退リスク:景気が悪化すると、企業の設備投資や建設需要、個人の旅行・輸送需要が減少し、セクター全体の業績が大きな打撃を受けます。これが最大のリスクです。
  2. サプライチェーンリスク:部品や原材料の供給網が混乱すると、航空機や自動車、機械などの生産活動に直接的な影響が出ます。
  3. 地政学・貿易リスク:貿易摩擦や紛争などが、グローバルに展開する製造業・輸送企業の業績に影響を与える可能性があります。

免責事項

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。

【注】(出典リンク)

  1. XLI公式(基本情報・指数・経費率・銘柄数・上位構成)→ SSGA(XLI)(確認日:2026-01-23)
  2. VIS公式(基本情報)→ Vanguard(VIS)ETFdb(VIS)(確認日:2026-01-23)
  3. IYJ公式(基本情報・経費率・銘柄数・指数)→ iShares(IYJ)(確認日:2026-01-23)
  4. EXI公式(基本情報・経費率・銘柄数・指数)→ iShares(EXI)(確認日:2026-01-23)



株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。




配当(分配金)と利回り

年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*ここでは特別配当(分配金)を含めて計算するので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高くなることがあります)

VISの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 1.67% 4.09 37.2% 244.3 24%
2023 1.51% 2.98 8.4% 197 9.1%
2022 1.52% 2.75 23.3% 180.5 -6.4%
2021 1.16% 2.23 -4.7% 192.8 36.4%
2020 1.66% 2.34 -8.9% 141.3 -1.4%
2019 1.79% 2.57 13.2% 143.3 2.3%
2018 1.62% 2.27 0.4% 140.1 8.6%
2017 1.75% 2.26 5.6% 129 20.3%
2016 2% 2.14 9.7% 107.2 2.6%
2015 1.87% 1.95 16.8% 104.5 2.3%
2014 1.63% 1.67 57.5% 102.2 20.5%
2013 1.25% 1.06 -28.4% 84.8 24.9%
2012 2.18% 1.48 22.3% 67.9 5.1%
2011 1.87% 1.21 42.4% 64.6 13.9%
2010 1.5% 0.85 19.7% 56.7 30.9%
2009 1.64% 0.71 -36% 43.3 -29.6%
2008 1.8% 1.11 61.5

XLIの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 1.5% 1.9 3.8% 126.6 22.6%
2023 1.77% 1.83 15.1% 103.3 7.8%
2022 1.66% 1.59 22.3% 95.8 -4.4%
2021 1.3% 1.3 -3.7% 100.2 34%
2020 1.8% 1.35 -13.5% 74.8 -2%
2019 2.04% 1.56 13.9% 76.3 2.4%
2018 1.84% 1.37 3.8% 74.5 9.2%
2017 1.94% 1.32 3.9% 68.2 20.7%
2016 2.25% 1.27 13.4% 56.5 3.3%
2015 2.05% 1.12 9.8% 54.7 2.4%
2014 1.91% 1.02 20% 53.4 20.3%
2013 1.91% 0.85 1.2% 44.4 22%
2012 2.31% 0.84 20% 36.4 4.6%
2011 2.01% 0.7 25% 34.8 13.4%
2010 1.82% 0.56 -11.1% 30.7 31.2%
2009 2.69% 0.63 -11.3% 23.4 -28.9%
2008 2.16% 0.71 32.9

IYJの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 0.94% 1.18 -1.7% 125.9 22.6%
2023 1.17% 1.2 22.4% 102.7 5.4%
2022 1.01% 0.98 18.1% 97.4 -10.2%
2021 0.76% 0.83 -13.5% 108.5 35.3%
2020 1.2% 0.96 -11.1% 80.2 3.5%
2019 1.39% 1.08 20% 77.5 5.3%
2018 1.22% 0.9 -3.2% 73.6 11%
2017 1.4% 0.93 13.4% 66.3 20.8%
2016 1.49% 0.82 6.5% 54.9 4.2%
2015 1.46% 0.77 1.3% 52.7 3.3%
2014 1.49% 0.76 35.7% 51 18.1%
2013 1.3% 0.56 -5.1% 43.2 24.1%
2012 1.7% 0.59 22.9% 34.8 6.4%
2011 1.47% 0.48 0% 32.7 14.3%
2010 1.68% 0.48 9.1% 28.6 29.4%
2009 1.99% 0.44 -6.4% 22.1 -27.8%
2008 1.54% 0.47 30.6

EXIの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 1.49% 2.08 -10.7% 139.2 20.4%
2023 2.02% 2.33 35.5% 115.6 9.1%
2022 1.62% 1.72 -1.1% 106 -10.6%
2021 1.47% 1.74 29.9% 118.6 32.1%
2020 1.49% 1.34 -19.8% 89.8 -0.7%
2019 1.85% 1.67 -2.9% 90.4 0.1%
2018 1.9% 1.72 26.5% 90.3 6.7%
2017 1.61% 1.36 3.8% 84.6 19.5%
2016 1.85% 1.31 0% 70.8 0.6%
2015 1.86% 1.31 -2.2% 70.4 -0.8%
2014 1.89% 1.34 25.2% 71 13.8%
2013 1.71% 1.07 -14.4% 62.4 20.5%
2012 2.41% 1.25 9.6% 51.8 -1.5%
2011 2.17% 1.14 44.3% 52.6 11%
2010 1.67% 0.79 2.6% 47.4 26.7%
2009 2.06% 0.77 -40.8% 37.4 -27.5%
2008 2.52% 1.3 51.6


ポートフォリオの比較

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢