原油·天然ガスETFを比較(USO•BNO•UGA•UNG)

コモディティ

【要注意】USO, BNO, UGA, UNG – 原油・天然ガスETPの「罠」と正しい知識

【2026年01月25日 更新】 経費率は原則として直近の年次報告(2024通期・Form 10-K)で確認できた範囲を反映し、先物型ETPの注意点(ロール、コンタンゴ等)の説明も一次情報の記述に合わせて表現を整えました。[1]

石油や天然ガスの価格に連動する米国上場のコモディティ連動型ETP(便宜上、本記事では「ETF」と表記)を比較します。銘柄の概要(連動先・経費率など)と、仕組みに起因するリスクをやさしく整理します。

※重要な前提:本稿の対象(USO/BNO/UGA/UNG)は現物ではなく先物で原資産にエクスポージャーを取り、いずれもコモディティ・プール(LP)として組成されています(いわゆる1940年法の株式ETFとは法的枠組みが異なる)。[2]

【要注意】USO, BNO, UGA, UNG ― 原油・天然ガスETPの「罠」と正しい知識

USOやUNGといった商品は、株式ETFとは仕組みが大きく違うため、売買前に理解が不可欠です。特に、先物の期近→期先への乗り換え(ロールオーバー)で生じ得るコストや、先物カーブの形状(コンタンゴ/バックワーデーション)が長期リターンに与える影響は見落とされがちです。[3]

【超重要】先物型ETPの核心 ― ロールと「コンタンゴ減価」

  • 先物とは:将来の受渡しを約束する契約で、満期があるため、保有を継続するには期近を売って期先を買うロールが必要です。[4]
  • コンタンゴ:期先が期近より高い状態。ロールのたびに「安い期近を売って高い期先を買う」形になりやすく、価格が横ばいでも目減り(ロールコスト)が発生し得ます。[5]
  • バックワーデーション:期先が期近より安い状態。ロールがプラスに働くこともありますが、常時とは限りません。[5]

結論:これらの先物型ETPは短期の値動き捕捉に向いたトレーディングツールであり、長期保有での資産形成には不向きになりやすい点を押さえておきましょう。[3]

各銘柄の基本情報(運用:USCF Investments)

以下はいずれも先物連動・日々の価格変動の捕捉を目指す商品で、原則として定期的な分配は期待しにくい点に注意してください(税務上はLPであり、米国ではK-1が発行されます)。[6]

【USO】United States Oil Fund

WTI原油先物(CME/NYMEX)へのエクスポージャーを、主として期近契約のロールで構築します。[7]

連動対象 WTI原油先物(主として期近をロール)
経費率(年率・年次報告ベース) 0.82%(2024通期:管理費0.45%+その他費用0.37%の年率換算)[11]
商品区分 コモディティ・プール/LP(1940年法の投資会社ではない)[2]

【BNO】United States Brent Oil Fund

ICEブレント原油先物へのエクスポージャーを、主として期近契約のロールで構築します。[8]

連動対象 ブレント原油先物(主として期近をロール)
経費率(年率・年次報告ベース) 1.14%(2024通期:管理費0.75%+その他費用0.39%の年率換算)[12]
商品区分 コモディティ・プール/LP[2]

【UGA】United States Gasoline Fund

米RBOB無鉛ガソリン先物へのエクスポージャーを、主として期近契約のロールで構築します。季節需要(夏場)や精製マージンの変動が影響し得ます。[9]

連動対象 RBOBガソリン先物(主として期近をロール)
経費率(年率・公表データ参照) 1.02%(2026-01-25確認:運用会社ページで数値確認が困難なため、外部のETFプロファイル/レポートを補助的に採用)[13]
商品区分 コモディティ・プール/LP[2]

【UNG】United States Natural Gas Fund

米国天然ガス(ヘンリーハブ)先物へのエクスポージャーを、主として期近契約のロールで構築します。[10]

連動対象 天然ガス先物(NYMEX、主として期近をロール)
経費率(年率・年次報告ベース) 1.24%(2024通期:管理費0.60%+その他費用0.64%の年率換算)[14]
商品区分 コモディティ・プール/LP[2]

まとめ:どう使うべきか

USO・BNO・UGA・UNGは、いずれも短期の価格変動を狙う売買ツールとしての性格が強く、長期保有での資産形成には不向きになりやすい点が要注意です。先物カーブがコンタンゴならロールコストによる目減りが累積しやすく、期待どおりに原資産が上がっても、ETPの騰落率が劣後するケースがあります。仕組みとリスクを理解できない場合、安易な保有は避けましょう。[3]

補足:米国課税ではLP商品にK-1が発行されます。日本居住者でも特定口座・配当課税の想定と異なるケースがあるため、必ず証券会社の取扱・税務取扱を事前確認してください。[6]

免責:本記事は情報提供のみを目的としています。投資判断はご自身の責任で行ってください。

【注】(出典リンク)

  1. 更新日とデータ基準 → SEC:USO Form 10-K(2024/12/31期)SEC:UNG Form 10-K(2024/12/31期)(参考:USCF:USO公式)/確認日:2026-01-25
  2. LP(コモディティ・プール)である旨 → USCF:USO公式(開示)USCF:UNG公式(開示)(補助:SEC:USO 10-K)/確認日:2026-01-25
  3. ロールと先物カーブ(コンタンゴ/バックワーデーション)がリターンに影響 → SEC:USO 10-K(リスク要因等)SEC:UNG 10-K(リスク要因等)/確認日:2026-01-25
  4. 先物型ETPでロールが必要である旨 → SEC:USO 10-K(運用/ロールの説明)(補助:USCF:USO公式)/確認日:2026-01-25
  5. コンタンゴ/バックワーデーションがロール収益(コスト)を通じて影響し得る旨 → SEC:UNG 10-K(先物カーブの影響)SEC:USO 10-K(同趣旨)/確認日:2026-01-25
  6. LP課税とK-1 → USCF:Partnership Tax InformationIRS:Schedule K-1(Form 1065)Instructions/確認日:2026-01-25
  7. USOの連動対象(WTI原油先物) → USCF:USO公式(概要)SEC:USO 10-K/確認日:2026-01-25
  8. BNOの連動対象(ブレント原油先物) → USCF:BNO公式(概要)SEC:BNO Form 10-K(2024/12/31期)/確認日:2026-01-25
  9. UGAの連動対象(RBOBガソリン先物) → USCF:UGA公式(概要)(補助:MarketWatch:UGA概要)/確認日:2026-01-25
  10. UNGの連動対象(ヘンリーハブ天然ガス先物) → USCF:UNG公式(概要)SEC:UNG 10-K/確認日:2026-01-25
  11. USOの経費率(年率換算:管理費+その他費用) → SEC:USO 10-K(Annualized total expense ratio 等)/確認日:2026-01-25
  12. BNOの経費率(年率換算:管理費+その他費用) → SEC:BNO 10-K(Annualized total expense ratio 等)/確認日:2026-01-25
  13. UGAの経費率(外部参照) → Schwab:ETF Report(UGA)Morningstar:UGA/確認日:2026-01-25
  14. UNGの経費率(年率換算:管理費+その他費用) → SEC:UNG 10-K(Annualized total expense ratio 等)/確認日:2026-01-25

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、経費率などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。


Posted by 南 一矢