VとAXPの最新決算と業績を比較

ビザは決済件数と越境取引が成長

ビザはFY2026 Q3(2026年4~6月期)に、Net revenue 116億ドル(前年同期比14%増)
GAAP EPS 2.97ドル(10%増)、Non-GAAP EPS 3.32ドル(11%増)を計上しました。

Payments volumeは恒常為替ベースで10%増、Cross-border volume totalは13%増
Processed transactionsは717億件(10%増)でした。[3]

決済件数と取扱高の増加が続いているため、ビザの基礎的な成長力は引き続き堅調です。
一方、FY2026 Q3のGAAP営業費用は前年同期比19%増となりました。

人件費の増加に加え、退職関連費用や訴訟引当金などの影響も含まれているため、売上成長だけでなく、費用の伸びも確認する必要があります。[3]

アメックスはカード利用額と会員収入が成長

アメックスは2026年Q2(2026年4~6月期)に、Total revenues net of interest expense
196.37億ドル(前年同期比10%増)、純利益31.10億ドル(8%増)
EPS4.53ドル(11%増)を計上しました。

Card Member spendingを示すBilled Businessは、為替調整後で9%増でした。[4]

アメックスは2026年通期の売上成長率見通しを、従来の9~10%から10%へ引き上げました。
EPS見通しは17.30~17.90ドルで据え置いています。

2026年Q2の貸倒引当費用は約11億ドルで、前年同期の14億ドルから減少しました。
元本ベースの純貸倒率は2.0%で前年同期と同水準でした。[4]

売上高の推移

ビザ 売上高(前年比) アメックス 売上高(前年比)
2025 400.0億ドル (+11.4%)[8] 722.29億ドル (+10.0%)[9]
2024 359.3億ドル (+10.1%)[10] 659.5億ドル (+9.0%)[9]
2023 326.5億ドル (+11.6%)[10] 605.0億ドル (+14.4%)[9]
2022 293.1億ドル (+21.9%)[10] 529.0億ドル (+24.9%)[9]
2021 241.0億ドル (+10.6%)[10] 423.8億ドル (+17.4%)[9]
2020 218.5億ドル[10] 360.9億ドル[9]


※ビザは9月期の会計年度、アメックスは暦年です。
※アメックスの売上高は「Total revenues net of interest expense(支払利息控除後総収益)」を使用しています。
※両社は収益認識の仕組みが異なるため、売上高の絶対額だけで優劣を判断するのは適切ではありません。

ビザとアメックスの配当・自社株買いを比較

両社とも、現在の配当利回りだけを見れば高配当株とは言いにくく、
配当の増加と自社株買いを組み合わせて株主還元を行う企業です。

ビザの配当と自社株買い

ビザは2026年7月28日、1株当たり0.67ドルの四半期配当を発表しました。
支払日は2026年9月1日、基準日は同年8月11日です。

FY2026 Q3には約49億ドルの自社株買いを行い、2026年6月末時点の買い戻し承認残額は284億ドルでした。[3][5]

アメックスの配当

アメックスは2026年に四半期配当を0.82ドルから0.95ドルへ約16%引き上げました。
2026年6月4日に発表された配当は、2026年8月10日に支払われる予定です。[6]

年間配当の推移

V 年間配当(増配率) AXP 年間配当(増配率)
2026(直近配当の年率換算) 2.68ドル(0.67ドル×4)[5] 3.80ドル(0.95ドル×4)[6]
2025 2.44ドル (+17.3%)[5] 3.16ドル (+17.0%)[9]
2024 2.08ドル (+15.6%)[5] 2.70ドル (+16.4%)[9]
2023 1.80ドル (+20.0%)[5] 2.32ドル (+16.6%)[9]
2022 1.50ドル (+17.2%)[5] 1.99ドル (+15.7%)[9]
2021 1.28ドル (+6.7%)[5] 1.72ドル (0.0%)[9]
2020 1.20ドル (+20.0%)[5] 1.72ドル (+7.8%)[9]


※2026年は、直近の四半期配当を4倍した単純年率換算です。実際の年間配当額を保証するものではありません。

ビザとアメックスの将来性

ビザ(V)の注目点

  • 世界の個人消費と電子決済への移行が続くか
  • 越境決済と旅行関連取引の成長率
  • 付加価値サービスとマネームーブメント事業の拡大
  • 人件費、マーケティング費用、訴訟費用の増加
  • 加盟店手数料や決済ネットワークに対する規制強化
  • サイバーセキュリティーと決済システムの安定性

ビザは、カードを自ら発行して融資するのではなく、世界の決済取扱高と取引件数の増加を収益へつなげるモデルです。
現金から電子決済への移行が続く限り、長期的な成長余地があります。

一方、消費や旅行の減速、決済規制、訴訟、サイバー攻撃、取引先金融機関への依存などには注意が必要です。

アメリカン・エキスプレス(AXP)の注目点

  • 高所得者層や若年富裕層のカード利用額
  • 年会費収入とプレミアムカードの会員維持率
  • カードローン残高と純金利収入の伸び
  • 延滞率、純貸倒率、貸倒引当費用
  • カード特典費用とマーケティング投資の増加
  • 旅行・外食支出の伸びと景気変動の影響

アメックスは、加盟店手数料、年会費、金利収入を組み合わせた独自の会員制モデルを持ちます。
プレミアム顧客との関係を維持できれば、カード利用額だけでなく、継続的な年会費収入も期待できます。

一方で、貸倒費用を自社で負担するため、失業率の上昇や消費者の返済能力低下にはビザより敏感です。
売上成長だけでなく、延滞率、純貸倒率、貸倒引当費用、カード特典費用も確認する必要があります。

VとAXPは株式としてどちらが合うか

信用リスクを抑えたネットワーク型の成長を重視するならビザ

ビザはカード利用者への融資を原則として行わず、世界の決済取扱高と取引件数の増加を収益へつなげるモデルです。

FY2026 Q3もNet revenueが14%増、Non-GAAP EPSが11%増となり、
Payments volume、Cross-border volume、Processed transactionsがそろって増加しました。[1][3]

景気後退時にも貸倒損失を直接負いにくい点は強みです。
ただし、消費や旅行の減速、規制、訴訟、サイバーセキュリティー、取引先金融機関への依存などのリスクは残ります。

配当利回りよりも、利益成長と自社株買いを含む総還元を重視する銘柄です。

プレミアム顧客と金融収益の成長を重視するならアメックス

アメックスは、加盟店手数料、年会費、金利収入を組み合わせた独自の会員制モデルを持ちます。

2026年Q2は売上高が10%増、EPSが11%増となり、
好調な上期実績を受けて2026年通期の売上成長率見通しを10%へ引き上げました。[2][4]

プレミアム顧客、年会費、融資収益を取り込める点は強みですが、貸倒費用を自社で負担するため、景気悪化や延滞率の上昇には注意が必要です。

最終的な整理:
信用リスクを原則として直接負わない決済ネットワークの高収益性を重視するならV
プレミアム顧客基盤、年会費、融資収益を含む金融モデルの成長を重視するならAXPです。

両社とも配当利回りは高くないため、売上成長、利益率、信用コスト、自社株買いを含めた総還元で比較するほうが実態に近くなります。

ビザとアメックスの比較でよくある質問

Visaとアメックスの最大の違いは何ですか

Visaは、銀行やカード会社、加盟店などを結ぶ決済ネットワークの提供が中心です。
アメックスは決済ネットワークに加えて、カード発行、会員管理、加盟店契約、カード会員への融資も行います。

ビザとアメックスはどちらが景気後退に強いですか

ビザはカード会員の貸倒損失を原則として直接負わないため、信用コストの影響はアメックスより限定的です。
ただし、消費や旅行、越境決済が減速すれば、ビザの取扱高と収益にも影響します。

VとAXPは高配当株ですか

両社とも配当を支払っていますが、現在の利回りだけで見れば高配当株とは言いにくい水準です。
配当の増加に加えて、利益成長と自社株買いを含めた総還元で比較する必要があります。

クレジットカードとしてはVisaとアメックスのどちらがよいですか

個人が利用するカードとしての比較では、年会費、ポイント、旅行特典、付帯保険、利用可能な店舗、発行会社などによって結論が異なります。
本記事では、カードそのものではなく、VisaとAmerican Expressの企業・株式としての違いを分析しています。



※本ページの分析は2026年8月6日(日本時間)までに公表された情報に基づきます。
※株価と参考配当利回りは、2026年8月5日の米国市場データを基準としています。
※株価、業績予想、配当額、目標株価などは今後変更される可能性があります。
※投資判断はご自身の責任でお願いいたします。