【ライフサイエンスの巨人対決】ダナハー(DHR) vs サーモフィッシャー(TMO)!業績重視の徹底比較

長期投資家から人気の高い、ライフサイエンス・ヘルスケア業界の2大企業、ダナハー(DHR)サーモフィッシャー・サイエンティフィック(TMO)。両社はM&A(企業の買収)を繰り返して成長する「連続的買収企業」として知られていますが、その経営哲学と事業構造は大きく異なります。

本記事では、業績を重視して、この2社のビジネスモデル、収益性、そして将来性を比較・整理します。

最重要ポイント:強さの源泉である「経営哲学」の違い

両社の本質的な違いは、その経営スタイルにあります。

  • ダナハー (DHR) →「DBS」という経営システム
    ダナハーの強さの源泉は「ダナハー・ビジネス・システム(DBS)」。継続的改善(カイゼン)を軸に、買収先を含めた生産性と収益性を高めることを重視します。[1]
  • サーモフィッシャー (TMO) → 科学界の「ワンストップ」+PPI
    試薬・消耗品、分析機器、診断、受託(製造・研究支援)まで幅広く提供し、「Serving Science」のミッションとPPI Business Systemを成長エンジンに据えています(2025通期決算資料)。[2]

比較サマリー:経営のDHR、総合プラットフォームのTMO

項目 ダナハー (DHR) サーモフィッシャー (TMO)
強みの源泉 DBS(継続的改善と実行力)[1] 製品・サービス網+PPI(運用の強さ)[2]
主力領域 バイオテクノロジー/ライフサイエンス/診断(継続事業)[5] 分析機器・試薬/ラボサービス/受託(CDMO・CRO等)[2]
直近通期(2025通期) 売上 $24.6B、調整後EPS $7.80(2025通期)[6] 売上 $44.56B、調整後EPS $22.87(2025通期)[2]
配当利回り(参考:2026-02-07 時点) 0.59%(年$1.28 ÷ 株価)[3][7] 0.32%(年$1.72 ÷ 株価)[4][7]

※利回りは株価(2026-02-07)と直近の年間配当(年換算)に基づく概算です。

業績と収益性の詳細分析

両社ともコロナ禍の需要(検査・研究関連など)を経て正常化が進みましたが、長期の需要ドライバー(創薬、バイオ生産、品質管理、学術研究、診断の高度化など)は継続しています。

直近の2025通期では、ダナハーは売上$24.6B・調整後EPS$7.80を公表。[6] サーモフィッシャーは売上$44.56B・調整後EPS$22.87を公表しています。[2]

DHR 売上高(通期・継続事業) TMO 売上高(通期)
2025 $24.6B[6] $44.56B[2]
2024 $23.875B[5] $42.88B[8]
2023 $23.890B[5] $42.86B[9]
2022 $26.643B[5] $44.92B[10]
2021 (参考)ポートフォリオ再編期につき省略 $39.21B[11]

※B=10億ドル。会計年度はいずれも12月期。DHRは継続事業ベース(Veralto分離後の開示の考え方に合わせて整理)。

結論:あなたに合うのはどちら?

両社はどちらも、長期投資で「質の高い複利」を狙いやすい企業として語られがちです。選び方の軸は、「何に強さを見出すか」です。

「卓越した経営システム」そのものに投資するなら → ダナハー (DHR)

DHRへの投資は、個別製品よりも「DBS」という経営手法への投資に近い発想です。事業ポートフォリオを組み替えつつ、改善で価値を積み上げるモデルが継続しています。[1]

「科学と研究の未来」全体に投資するなら → サーモフィッシャー (TMO)

TMOは巨大な製品・サービス群を束ねるプラットフォームを強化し、PPIを通じて運用の再現性を高める戦略です。2025年はM&Aも積極的で、買収完了・新規合意などが重なりました。[12]


※本ページの分析は2026年2月8日(日本時間)時点の公開情報に基づいています。投資判断はご自身の責任でお願いします。