BNDX・BWX・IGOV・IHY(世界債券ETF)を比較:株価・配当・構成銘柄

債券ETF,海外ETF

このページでは、積立投資や資産運用のポートフォリオを組む際の参考となるように、各ETFの概要(連動インデックス、投資対象)から、経費率や信用格付け、デュレーション、利回り指標といった重要なデータ、そして投資のリスクまでを詳しく紹介します。

(*ご注意:以下に記載する構成比率・平均デュレーション・利回り指標・国別投資比率などは常に変動します。最新の数値は各運用会社の公式サイトで必ずご確認ください。数値は特に断りがない限り、確認日:2026-07-15時点で入手できる各社公表データをもとにしています。BNDXの国別比率・信用格付け構成などは主に2026-03-31基準、BWXとIGOVは主に2026-07-13基準、IHYのポートフォリオ属性は主に2026-06-30基準です。)

世界の債券ETFを比較【BNDX・BWX・IGOV・IHY】

世界の債券に投資するETF(上場投資信託)について、その特徴を比較し、情報を整理します。


【BNDX】バンガード・トータル・インターナショナル債券ETF

  • 主な投資対象:米ドル建て債券を除く、世界の投資適格債を中心とした国債・政府機関債・社債・証券化商品。名称の「ex-USD」は米国発行体をすべて除外するという意味ではなく、主に米ドル建て債券を除外する設計です。[1]
  • 連動インデックス:Bloomberg Global Aggregate ex-USD Float Adjusted RIC Capped Index(Hedged)。[1]
  • 特徴:経費率0.07%(2026-02-27時点)と低コストで、幅広い投資適格債に分散します。平均デュレーション6.6年(2026-05-31時点)、平均実効満期8.5年保有債券数6,722(後者2項目は2026-03-31時点)です。分配は毎月です。[1]
  • 国・市場別比率(上位例):フランス12.1%、日本11.0%、ドイツ10.2%、イタリア7.9%、英国7.7%(2026-03-31時点)。[1]
  • 信用格付け構成:AAA 25.3%、AA 18.1%、A 35.9%、BBB 18.4%、無格付け2.3%(2026-03-31時点)。[1]
  • 利回り指標(参考):30日SEC利回りは3.38%(2026-07-10時点)。[1]
  • 為替について:指数は米ドル以外の通貨と米ドルの為替変動をヘッジする設計です。米ドルベースでは為替変動が抑えられやすい一方、日本円で購入する場合はUSD/JPYの為替変動の影響が残ります。[1]

【BWX】ステート・ストリートSPDRブルームバーグ・インターナショナル国債ETF

  • 主な投資対象:米国を除く、世界の投資適格国が発行する現地通貨建て固定利付国債。指数への採用には、原則として残存期間1年以上、投資適格級という条件があります。[2]
  • 連動インデックス:Bloomberg Global Treasury ex-US Capped Index。[2]
  • 特徴:社債を含まず、国債に絞った設計です。経費率0.35%(2026-07-15時点)、オプション調整後デュレーション7.43年平均残存年数9.38年保有銘柄数1,432(後者3項目は2026-07-13時点)。分配は毎月です。[2]
  • 利回り指標(参考):30日SEC利回り3.02%、満期利回り3.43%(2026-07-13時点)。[2]
  • 信用格付け構成:AAA 20.63%、AA1 3.95%、AA2 5.73%、AA3 6.10%、A1 36.62%、A2 9.66%、A3 3.56%、BAA1 6.88%、BAA2 3.97%、BAA3 2.89%(2026-07-13時点)。[2]
  • 為替について:現地通貨建て国債に投資するため、米ドルベースの基準価額には、各国通貨と米ドルの為替変動が反映されます。日本円で保有する場合は、さらにUSD/JPYの変動も投資成果に影響します。[2]

【IGOV】iシェアーズ・インターナショナル国債ETF

  • 主な投資対象:米国を除く、世界の先進国政府が発行する国債。2026-07-13時点では、国債がポートフォリオの99.59%、現金・デリバティブが0.41%を占めています。[3]
  • 連動インデックス:FTSE World Government Bond Index – Developed Markets Capped Select Index。[3]
  • 特徴:BWXと同様に国債中心です。経費率0.35%有効デュレーション7.40年加重平均満期9.42年保有銘柄数956(ポートフォリオ指標は2026-07-13時点)。[3]
  • 主要国の比率例:日本10.98%、フランス8.65%、イタリア7.97%、英国7.11%、ドイツ6.92%(2026-07-13時点)。[3]
  • 信用格付け構成:AAA 29.81%、AA 23.33%、A 38.48%、BBB 7.97%、現金・デリバティブ0.41%(2026-07-13時点)。[3]
  • 分配頻度:年間(Annual、2026-07-14時点)。毎月分配型ではないため、定期的な現金収入を重視する場合は分配時期を確認する必要があります。[3]
  • 利回り指標(参考):30日SEC利回り2.99%、平均最終利回り3.48%(2026-07-13時点)。[3]

【IHY】ヴァンエック・インターナショナル・ハイイールド債ETF

  • 主な投資対象:主に米国外の企業が発行するハイイールド社債(投資不適格級社債)。対象債券は米ドル、カナダドル、英ポンド、ユーロ建てであり、「インターナショナル」は主として発行体が米国外であることを示します。[4]
  • 連動インデックス:ICE BofA Global ex-US Issuers High Yield Constrained Index(指数ティッカー:HXUS)。[4]
  • 特徴:高いインカムを狙う代わりに、信用リスクが高いETFです。経費率0.40%有効デュレーション3.10年平均残存年数13.28年(2026-06-30時点)。保有銘柄数は532(2026-07-13時点)です。[4]
  • 国別比率(上位例):英国13.25%、フランス11.72%、オランダ8.40%、カナダ8.16%、ルクセンブルク7.98%(2026-06-30時点)。[4]
  • 信用格付け構成:BB 60.01%、B 30.28%、CCC 3.90%、D 0.46%、C 0.01%、BBB 1.74%、無格付け2.78%(2026-06-30時点)。BB格とB格が大部分を占めます。[4]
  • 分配頻度:毎月。直近では2026-07-01を権利落ち日として、1口当たり0.1001ドルが分配されています。[4]
  • 利回り指標(参考):30日SEC利回り5.78%、分配利回り5.55%、過去12カ月利回り5.77%(2026-07-14時点)。2026-06-30基準のファクトシートにおける30日SEC利回りは5.79%でした。[4]

投資のポイントと注意点

1.「信用リスク」の違いを理解する

単純な「安全性ランキング」ではなく、発行体の信用リスクに限って大まかに整理すると、概ね BWX・IGOV ≳ BNDX ≫ IHY と考えられます。

BWXとIGOVは投資適格国の国債が中心です。BNDXは国債だけでなく、政府機関債、社債、証券化商品も含む投資適格中心の広範なETFです。IHYはBB格・B格を中心とする投資不適格級社債で構成されているため、景気後退や企業の資金調達環境が悪化する局面では、価格下落や債務不履行のリスクが相対的に高くなります。[1][2][3][4]

ただし、国債中心のETFでも元本が保証されるわけではありません。各国の財政状況、格付けの変更、政治情勢、流動性、金利、為替などによって価格は変動します。

2.「為替リスク」を忘れない

BNDXは、米ドル以外の通貨と米ドルの為替変動をヘッジする設計です。しかし、日本円で投資する場合は、ETF自体が米ドル建てで取引されるため、USD/JPYの為替リスクが残ります。ヘッジ付きだから日本円から見た為替リスクが完全に消えるわけではありません。[1]

BWXとIGOVは現地通貨建て国債を投資対象としているため、債券価格や金利変動に加えて、各国通貨と米ドルの変動が米ドルベースの投資成果に影響します。日本円で保有する場合は、さらに米ドルと日本円の為替変動も加わります。[2][3]

IHYも米ドルだけでなく、カナダドル、英ポンド、ユーロ建ての債券を含むため、信用リスクと金利リスクに加えて複数通貨の影響を受けます。[4]

3.金利環境の変化に注意

債券ETFは一般に、市場金利が上昇すると価格が下落し、市場金利が低下すると価格が上昇しやすい性質があります。デュレーションは、この金利変動に対する価格感応度を示す代表的な指標です。

BWXのオプション調整後デュレーションは7.43年IGOVの有効デュレーションは7.40年(いずれも2026-07-13時点)であり、今回取り上げたETFの中では金利変動の影響を比較的強く受けます。[2][3]

BNDXも平均デュレーション6.6年(2026-05-31時点)と近い水準ですが、投資対象が投資適格の広範な債券であり、非米ドル通貨を米ドルに対してヘッジしている点がBWXやIGOVと異なります。[1]

IHYの有効デュレーションは3.10年(2026-06-30時点)と短く、金利変動に対する直接的な感応度は国債系ETFより小さめです。ただし、景気悪化時には企業の信用力に対する懸念から信用スプレッドが拡大し、国債金利が低下していても価格が下落することがあります。[4]

ミニ解説:本文で併記した「30日SEC利回り」は、直近30日間に得た利息収入からファンド経費を差し引き、一定の方法で年率換算した標準化指標です。実際の分配利回りや、今後受け取れる分配金の水準を保証するものではありません。同種の債券ETFについて、足元のインカム水準を比較するための補助指標として利用するのが適切です。[1][2][3][4]
免責事項:本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。最新の情報は各運用会社の公式サイトでご確認ください。

【注】(出典リンク)

  1. BNDX主要指標(指数名、経費率、平均デュレーション、30日SEC利回り、保有債券数、平均実効満期、国別比率、信用格付け、為替ヘッジ) → Vanguard BNDX公式ページVanguard ETF Profile(PDF)Vanguard Prospectus(PDF) 確認日:2026-07-15
  2. BWX主要指標(指数名、投資対象、経費率、分配頻度、保有数、デュレーション、平均残存年数、利回り、信用格付け、基準日:主に2026-07-13) → State Street BWX公式ページState Street Factsheet(PDF) 確認日:2026-07-15
  3. IGOV主要指標(指数名、経費率、分配頻度、保有数、30日SEC利回り、有効デュレーション、加重平均満期、国別比率、信用格付け、基準日:主に2026-07-13) → iShares IGOV公式ページiShares Factsheet(PDF) 確認日:2026-07-15
  4. IHY主要指標(指数名、対象通貨、経費率、保有数、有効デュレーション、平均残存年数、国別比率、信用格付け、分配、30日SEC利回り、基準日:主に2026-06-30〜2026-07-14) → VanEck IHY公式ページVanEck Factsheet(PDF) 確認日:2026-07-15

過去~現在株価

※左目盛り:株価推移(最大20分ディレイ)
※右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル



配当(分配金)と利回り

年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*当サイトは特別配当(分配金)を含めて計算するので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高く計上されることがあります)

BNDXの利回り

分配金 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 4.25% 2.150 4.9% 50.6 2.6%
2024 4.16% 2.050 -6.0% 49.3 1.4%
2023 4.49% 2.180 240.6% 48.6 -3.8%
2022 1.27% 0.640 -68.2% 50.5 -11.9%
2021 3.51% 2.010 246.6% 57.3 -0.7%
2020 1.01% 0.580 -69.1% 57.7 1.4%
2019 3.30% 1.880 19.0% 56.9 4.4%
2018 2.90% 1.580 39.8% 54.5 0.0%
2017 2.07% 1.130 16.5% 54.5 -0.5%
2016 1.77% 0.970 16.9% 54.8 3.2%
2015 1.56% 0.830 9.2% 53.1 3.3%
2014 1.48% 0.760 65.2% 51.4 3.4%
2013 0.93% 0.460 49.7

BWXの利回り

分配金 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 2.30% 0.520 20.9% 22.6 6.1%
2024 2.02% 0.430 13.2% 21.3 0.9%
2023 1.80% 0.380 37.0% 21.1 -4.8%
2022 1.22% 0.270 12.5% 22.2 -18.4%
2021 0.88% 0.240 0.0% 27.2 1.8%
2020 0.90% 0.240 -4.0% 26.7 4.3%
2019 0.98% 0.250 8.7% 25.6 0.0%
2018 0.90% 0.230 130.0% 25.6 3.2%
2017 0.40% 0.100 24.8 -3.5%
2016 25.7 -1.5%
2015 26.1 1.8%
2014 3.60% 0.920 -9.8% 25.6 2.3%
2013 4.06% 1.020 -13.6% 25.1 -0.8%
2012 4.66% 1.180 -38.9% 25.3 2.4%
2011 7.81% 1.930 271.2% 24.7 8.3%
2010 2.28% 0.520 8.3% 22.8 4.6%
2009 2.20% 0.480 -69.4% 21.8 3.3%
2008 7.44% 1.570 21.1

IGOVの利回り

分配金 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 1.44% 0.620 169.6% 43.2 6.7%
2024 0.57% 0.230 40.5 3.3%
2023 0.00% 0.00 -100.0% 39.2 -7.1%
2022 0.09% 0.040 -80.0% 42.2 -19.8%
2021 0.38% 0.200 52.6 1.7%
2020 51.7 4.0%
2019 0.24% 0.120 -20.0% 49.7 0.8%
2018 0.30% 0.150 7.1% 49.3 3.4%
2017 0.29% 0.140 -79.7% 47.7 -1.0%
2016 1.43% 0.690 666.7% 48.2 5.7%
2015 0.20% 0.090 -92.4% 45.6 -10.4%
2014 2.34% 1.190 -7.8% 50.9 1.8%
2013 2.58% 1.290 -39.7% 50.0 -0.2%
2012 4.27% 2.140 -46.2% 50.1 -4.0%
2011 7.62% 3.980 75.3% 52.2 3.4%
2010 4.50% 2.270 8.1% 50.5 -0.6%
2009 4.13% 2.100 50.8

IHYの利回り

分配金 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 5.48% 1.250 8.7% 22.8 7.5%
2024 5.42% 1.150 4.5% 21.2 6.0%
2023 5.50% 1.100 20.9% 20.0 -1.5%
2022 4.48% 0.910 -11.7% 20.3 -19.8%
2021 4.07% 1.030 -10.4% 25.3 5.4%
2020 4.79% 1.150 0.0% 24.0 -2.0%
2019 4.69% 1.150 9.5% 24.5 -0.8%
2018 4.25% 1.050 -0.9% 24.7 -1.6%
2017 4.22% 1.060 -9.4% 25.1 5.9%
2016 4.94% 1.170 -6.4% 23.7 -1.7%
2015 5.19% 1.250 -12.0% 24.1 -11.1%
2014 5.24% 1.420 -14.5% 27.1 0.7%
2013 6.17% 1.660 26.9


ポートフォリオ

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品の構成比率を見てみます。
債権の格付けなどの比率はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢