ダウ30銘柄

2018年が始まり、米国株が好調に滑り出した頃、米議会では予算を巡る攻防戦が始まりました。

よくある恒例の政争の一種ですが、これで上がりすぎた相場が適度に冷めれば、新しい「買い」のチャンスが出てくるのかもしれません。

トランプ政権発足一周年の頃合いにダウ30銘柄の動きを整理してみます。

※備考:「ダウの犬」戦略

ちなみに、NYダウを構成する30銘柄に関しては、昔から「ダウの犬」戦略と呼ばれる投資法があります。NYダウ30銘柄から、配当利回りが高い10銘柄を年末に選び(この銘柄が「犬」と呼ばれる)、10等分した投資資金をこの10銘柄に投資します。すでに持っている銘柄があれば、どれも均等になるように資金を均等配分し、1年間、全銘柄を保有し、得た配当金を再投資にあてるのです(そして、また配当利回りで10銘柄を再選定・・・同じ投資法を繰り返す)。割安株・高配当株を狙う、この戦略は、NYダウ平均を上回る成果が出ることが多いと言われてきました。

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ダウ工業株30種の平均株価の推移

まず、ダウ平均とS&P500、ナスダック、NYSE等の指標を比べてみます。

  • DIJ(ダウ平均):工業等を中心に大型の優良株30銘柄の平均値
  • S&P500:スタンダード&プアーズ社が選んだ優良銘柄500種から成る指数(時価総額の加重平均指数)
  • Nasdaq Composite:ナスダック市場の銘柄をもとにつくられた指数
  • NYSE Composite(NYSE総合指数):ニューヨーク証券取引所の全普通株からなる指数(時価総額の加重平均指数)。ダウに含まれない不動産投資信託や上場外国企業等を含む。

グーグル(アルファベット)やアマゾン、フェイスブック等が上場しているナスダックの伸びが際立っていますが、ダウも、2017年以降は急激な伸びを見せています。

筆者は高値買いを避け、適度な値段で株を買うべきだと考えているので、当サイトでは、グーグルやアマゾン、フェイスブックよりも、もう少し渋い伸びを見せる銘柄から優良株を見つけることを目指しています。

その意味では、まだダウ30銘柄は見逃せません。

セクター別に見たダウ銘柄の株価の推移

次に、ダウ銘柄をセクター別に見てみます。

情報技術

ダウ銘柄の中で情報技術セクターに属するのは以下の5種の銘柄です。

  • AAPL:アップル
  • MSFT:マイクロソフト
  • INTC:インテル
  • V:VISA
  • CSCO:シスコシステムズ
  • IBM:アイビーエム

この5種の株価の値動きは以下の通りです。

【1年チャート】

【3年チャート】

伸び率が目立つのはアップルやマイクロソフト、ビザ等です。

ただ、3年チャートで見るとマイクロソフトとビザがダントツの伸びでした。

次に、株の指標を見てみます(以下、単位は省略。データはブルームバーグHP〔2018/1/22閲覧〕)

  • TR=トータルリターン:%
  • 株価収益率(PER) :%
  • 12ヶ月1株当り利益 (EPS):米ドル
  • PSR=株価売上高倍率(PSR) :%
  • 直近配当=直近配当利回り(税込):%
   APPL MSFT  INTL   V  CSCO  IBM
1年TR 51.12 46.67 24.74 25.55 41.92 -1.1
PER 19.41 26.84 13.36 20.51  19.87 12.16
EPS 9.19 3.35 8.48  3.35 2.08 13.35
PSR 4.07 7.01 4.79  3.4 4.31 1.91
直近配当 1.41 1.87 1.89  2.43 2.81 3.7
  • アップルは言わずと知れた製造業の雄。主力商品はアイフォンやマック等。
  • マイクロソフトも説明は不要。近年はウィンドウズだけでなくクラウドやAI部門も強化している。
  • シスコ・システムズ(Cisco Systems)は通信、IT 業向けのインターネット・プロトコルに基づくネットワークや関連製品を設計・製造・販売。
  • インテルはマイクロプロセッサー等のコンピューター部品メーカー。幅広く関連製品を設計、製造、販売。
  • IBM=インターナショナル・ビジネス・マシーンズ。製品やサービス、ソフト等のコンピューター・ソリューションを提供する。

金融

金融セクターに属するのは以下の5種の銘柄です

  • JPM:JPモルガン・チェース 金融
  • AXP:アメリカン・エキスプレス 金融
  • GS:ゴールドマン・サックス 金融
  • TRV:トラベラーズ 保険

2016年11月から17年3月頃までゴールドマンサックスは株価が急騰しましたが、その後はそれほどでもありません。

JPモルガンの一人勝ちになっています。

   JPM AXP  GS  TRV
1年TR 38.07  30.61  11.69  19.51 
PER 16.2  16.28  12.79  16.27 
EPS 6.98  6.02  20.02  8.47 
PSR 3.52  2.43  2.43  1.34 
直近配当 1.98  1.43  1.17  2.09 
  • アメリカン・エキスプレスは有名なクレカ会社。
  • JPモルガン・チェース・アンド・カンパニーは大手米銀行
  • ゴールドマン・サックス・グループは銀行持株会社。投資銀行業務や証券サービスなど幅広く業務を手掛ける
  • トラベラーズは米国を中心に展開する保険会社

ヘルスケア

ヘルスケアセクターに属するのは以下の4種の銘柄です。

  • JNJ:ジョンソン・エンド・ジョンソン ヘルスケア
  • MRK:メルク 医薬品
  • PFE:ファイザー 医薬品
  • UNH:ユナイテッドヘルス 保険

ユナイテッドヘルスの株価が猛烈に伸びています。

JNJも健闘していますが、ダウ平均と同水準でした。

   JNJ MRK  PFE  UNH
1年TR 32.43 1.02 20.83 55.68
PER 22.91 18.95 18.1 25.61
EPS 6.43 3.23 2.04  9.5
PSR 5.37 4.23 4.22 1.17
直近配当 2.28 3.13 3.68 1.23
  • ユナイテッドヘルス・グループは米国内外で管理医療システムを運営し、雇用主のために従業員の福利厚生プログラムを管理する。高齢者向けの介護サービスを展開したり、顧客にヘルスケア情報とリサーチを提供する。
  • ジョンソン・エンド・ジョンソンは世界的なヘルスケア製品メーカー
  • メルクもグローバル・ヘルスケア商品会社
  • ファイザーは研究開発に重きを置く世界的な医薬品会社

一般消費財サービス

一般消費財サービスセクターに属するのは以下の4種の銘柄です。

  • HD:ホーム・デポ 小売業
  • MCD:マクドナルド 外食
  • DIS:ウォルト・ディズニー 娯楽・メディア
  • NIKE:ナイキ その他製品

ホームデポとマクドナルドの伸びが際立っています。

ディズニーは意外と伸びていません。

   HD MCD  DIS  NIKE
1年TR 51.89 47.74 4.33 28.02
PER 27.94 27.66 19.4 29.1
EPS 7.21 6.37 5.7 2.31
PSR 2.41 6.1 3.15 3.18
直近配当 1.77 2.29 1.52 1.19
  • ホーム・デポはホームセンター運営会社(建築資材や住宅増改築製品等を販売)
  • マクドナルド:通称マック
  • ウォルト・ディズニー:エンターテインメントの雄
  • ナイキ(NIKE, Inc.)はスポーツ用品ブランド。スポーツ用の靴、衣料、用具等の開発、販売を行う

生活必需品

生活必需品セクターに属するのは以下の銘柄です。

  • KO:コカ・コーラ 飲料
  • PG:P&G 日用消費財
  • WMT:ウォルマート・ストアーズ 小売業

ここ1年でウォルマートは破竹の勢いに見えますが、長期で見ると、元の水準に戻ったようなものです。

ディフェンシブ銘柄だけあって、手堅いチャートが並んでいます。

  KO PG WMT
1年TR 17.96 7.37 59.69
PER 23.73 23.25 23.88
EPS 1.99 3.92 4.38
PSR 5.41 3.66 0.64
直近配当 3.14 3.03 1.95
  • コカ・コーラ:説明不要・・・。コークの会社です。
  • プロクター・アンド・ギャンブル:主な製品は、洗剤、清掃用品、紙・美容製品、飲食品、ヘルスケア用品など。
  • ウォルマート・ストアーズ:米国のメガ小売チェーン。 ディスカウントストアやスーパー等を経営。

資本財サービス

ダウ銘柄の中で資本財サービスに属するのは以下の5種の銘柄です。

  • BA:ボーイング 航空・防衛
  • CAT:キャタピラー 重機
  • MMM:スリーエム 化学
  • UTX:ユナイテッド・テクノロジーズ 航空系の複合企業
  • GE:ゼネラル・エレクトリック 総合電機

5種の株価の値動きを3年と1年で見てみます。

【3年】

shihonzai3years_

【1年】

shihonzai1year_

ボーイングの伸び率が100%以上なので、えらいことになっています。

キャタピラーの伸び率も1年で75%以上、3年で100%。

MMMは平均越え、UTXはまあまあの伸びですが、GEだけは一人負けしています。

銘柄をトータルリターン等の指標で見てみます。

   BA CAT  MMM   UTX  GE
1年TR 117.67 84.89 42.32   25.55 -44.95 
PER 29.84 32.5 29.26  20.51   13.42
EPS 11.32   5.24 8.48   6.63  1.21
PSR 2.25  2.38  4.79  1.83  1.18 
直近配当 2.03  1.83  1.89  2.06 2.95 
  • ボーイングは有名すぎる航空機メーカー。軍用・民用、宇宙開発まで幅広く手掛ける。
  • キャタピラー(Caterpillar Inc.)は重機メーカー。建設、鉱業、林業向け機械の製造や販売を行う
  • ユナイテッド・テクノロジーズ(United Technologies Corporation)は航空機事業を中心とした複合企業
  • ゼネラル・エレクトリック(GE)も製造業の複合企業。航空機のエンジや太陽光発電、水処理、一般家庭向け電気製品等、幅広い製品を提供。
  • 3Mは電子、電気通信、工業、消費者・オフィス製品等、幅広く多角化を進める製造業。ポストイットの製造元。

エネルギー

ダウ銘柄の中でエネルギーセクターに属するのは以下の銘柄です。

  • エクソン・モービル(XOM) 石油
  • シェブロン(CVX) 石油

筆者は2017年にエクソンモービルを買いましたが、今となってシェブロンを買えばよかったと後悔しています。

  XOM CVX
1年TR 5.34 18.13
PER 24.57 45.61
EPS 3.55 2.88
PSR 1.66 1.98
直近配当 3.53 3.29%

エクソンモービルもシェブロンも石油事業の上流と下流分野、天然ガス、化学事業をてがける総合エネルギー企業です。

素材

ダウ銘柄の中でエネルギーセクターに属するのは以下の銘柄です。

  • ダウ・デュポン(DWDP) 化学

株価の値動きを3年と1年で見てみます。

  • 1年トータルリターン:36.07%
  • 株価収益率(PER) :26.67
  • 12ヶ月1株当り利益 (EPS):2.85
  • 株価売上高倍率(PSR) :2.26
  • 直近配当利回り:2%

ダウデュポンは2017年にダウ・ケミカルとデュポンの経営統合によって成立した総合化学メーカー(9月に発足)

電気通信

ダウ銘柄の中で電気通信セクターに属するのはベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)です。

株価の値動きを3年と1年で見てみます。

  • 1年トータルリターン:3.35%
  • 株価収益率(PER) :13.88
  • 12ヶ月1株当り利益 (EPS):3.74
  • 株価売上高倍率(PSR) :1.7
  • 直近配当利回り:4.55%

ベライゾン・コミュニケーションズは有線音声・データや無線サービス、ネット、電話帳発行等を行っている。

株価の値上がりよりも高配当企業として要注目です。

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