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日本の長者番付一覧(1位~50位)資産額、年齢、性別、業種等に要注目

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  フォーブスの最新号(2017年7月号)を見たら、日本の長者番付が載っていました。

 ネットでもランキングが公開されていたので、今回は、こちらを眺めてみたいと思います。

 注目のトップはソフトバンクの孫正義氏(資産額204億ドル=2兆2640億円)ですが、その要因としては、トランプ氏当選後の面会を契機に株価が急上昇したことが挙げられていました。資産増加額は番付内で最高値の55億ドル(6110億円)にのぼるようです(フォーブス前掲号、P56)。

 ネット版記事ではキーエンス創業者の滝崎武光氏の資産が株高によって昨年比51%も増えたことも紹介されていました。

 さて、上位50人に入る日本のお金持ちというのは、どんな顔ぶれなのでしょうか。

(前掲誌P59の解説によれば「日本の長者番付」は「ビリオネアランキング」とは違い、親族と共有する資産を含めて計算した金額。計算は3月24日時点の株価と為替に基づく。上位50位の資産総額は1520億ドル。前年の1370億ドルに比べると1割増しの金額になっている)

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日本の長者番付1位~50位の顔ぶれ

  • 1位 孫正義(59歳) 2兆2640億: ソフトバンク
  • 2位 柳井正(68歳)  1兆8200億:ファーストリテイリング
  • 3位 佐治信忠(71歳)1兆4650億:サントリーホールディングス
  • 4位 滝崎武光71歳)1兆3880億:キーエンス(センサー機器)
  • 5位 三木谷浩史(52歳)6770億楽天
  • 6位 高原慶一朗(86歳)5000億:ユニ・チャーム(紙おむつや生理用品等)
  • 7位 森章(80歳)4880億円:森トラスト(不動産開発)
  • 8位 毒島秀行(64歳)4660億:SANKYO(パチンコ)
  • 9位 伊藤雅俊(69歳)4100億:セブン&アイ・ホールディングス
  • 10位  三木正浩(61歳)4050億: ABCマート(靴のディスカウントストア)
  • 11位  韓昌祐(86歳)4000億:マルハン(パチンコ)
  • 12位  永守重信(72歳)3890億:日本電産(HDD用モーター製造)
  • 13位  似鳥昭雄(73歳)3660億:ニトリ(家具チェーン最大手)
  • 14位  前澤友作(41歳)3330億:スタートトゥデイ(ZOZOTOWN運営等)
  • 15位  重田康光(52歳)3310億:光通信(携帯、保険、OA機器)
  • 16位  森佳子(76歳、森稔夫人)2890億:森ビル(六本木ヒルズ等を開発)
  • 17位  木下盛好(68歳)2600億:アコム(消費者金融)
  • 18位  岡田和生(74歳)2440億:ユニバーサルエンターテインメント(パチスロ機製造等)
  • 19位  小林一俊(54歳)孝雄、正典2260億:株式会社コーセー(化粧品販売)
  • 20位  大塚実(94歳)裕司(63歳)2150億:大塚商会(コピー機リース)
  • 21位  多田直樹(54歳)高志:2090億:サンドラッグ(ドラッグストア) 
  • 22位  宇野正晃(70歳)2000億:株式会社コスモス薬品
  • 23位  武井博子(75歳、創業者夫人)1940億:武富士(消費者金融) 
  • 24位  多田勝美(71歳)1900億:大東建託(賃貸住宅大手)
  • 25位  笠原健治(41歳)1890億:mixi(SNS大手)
  • 26位  安田隆夫(67歳)1670億:ドン・キホーテ(ディスカウント)
  • 27位  島村恒俊(91歳)1550億:しまむら(ディスカウント)
  • 28位  石原昌幸(68歳)1440億:平和(パチンコ) 
  • 29位  鈴木郷史(63歳)1390億:ポーラ・オルビスホールディングス(化粧品製造・販売)
  • 30位  山海嘉之(58歳)1380億:サイバーダイン(医療福祉機器・サービス研究開発)
  • 31位  田中良和(40歳)1370億:グリー(SNS大手)
  • 32位  福嶋康博(69歳)1330億:スクウェア・エニックス(ゲーム大手)
  • 33位  福武總一郎(71歳)1320億:ベネッセ(通信教育)
  • 34位  上月景正(77歳)1310億:コナミ(ゲーム大手)
  • 35位  野田順弘(78歳)1280億:オービック(ソフトウェア大手)
  • 36位  松井道夫(64歳)1290億(千鶴子夫人との累計):松井証券
  • 37位  篠原欣子(82歳)1220億:テンプスタッフ(人材派遣)※日本女性CEO初ビリオネア
  • 38位  上原昭二(89歳)1210億:大正製薬
  • 39位  小川賢太郎(68歳)1170億:ゼンショーホールディングス(すき家等)
  • 40位  襟川陽一/恵子(年齢?)1150億:コーエーテクモ(ゲーム大手)
  • 41位  山西泰明(70歳)1145億:イズミ(スーパーマーケット)
  • 42位  石橋寛(70歳) 1140億:ブリヂストン(世界最大のタイヤメーカー)
  • 43位  佐藤洋治(71歳)1120億:ダイナムジャパン(パチンコ)
  • 44位  金沢要求/全求(年齢?)1170億:三洋物産(パチンコ)
  • 45位  里見治(75歳)1050億:セガ(ゲーム大手)
  • 46位  杉浦広一(66歳)930億:スギ薬局(ドラッグストア)
  • 47位  藤田晋(44歳)900億:サイバーエージェント(SNSやネット広告)
  • 48位  増田宗昭(66歳)880億:カルチュア・コンビニエンス・クラブ(TSUTAYA)
  • 49位  稲盛和夫(85歳)840億:京セラ・KDDI
  • 50位  馬場功淳(39歳790億:コロプラ(ゲーム)※最年少長者入り

日本の長者番付ベストテン(2015~17年)

(※以下、15年⇒16年⇒17年の順位)

  • 孫正義(2位⇒2位⇒1位)
  • 柳井正(1位⇒1位⇒2位)
  • 佐治信忠(3位⇒3位⇒3位)
  • 滝崎武光(5位⇒4位⇒4位)
  • 三木谷浩史(4位⇒5位⇒5位)
  • 高原慶一朗(6位⇒7位⇒6位)
  • 森章(10位⇒6位⇒7位)
  • 毒島邦雄(8位⇒8位⇒8位)
  • 伊藤雅俊(9位⇒10位⇒9位)
  • 三木正浩(11位⇒11位⇒10位)

 フォーブスのサイトで見た順位変動ですが、森章氏以外はあまり変わっていません。

日本の長者番付1位・孫正義氏の大構想

SoftBank World 2017」が7月20日に開催され、孫正義氏(ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長)が基調講演を行っています(講演動画⇒「動画配信 | ニュース | 企業・IR | ソフトバンクグループ」)

 そこでは、産業革命を筋肉の力の拡張、情報革命を脳細胞の力の拡張にたとえ、最近の大きな企業買収についての説明が行われました。

 ソフトバンクがIoTの世界で90%のシェアを持つアームを買収したのは2016年9月です(アームのチップは世界中のスマホの99%以上に使われている)。そして、2017年6月にはロボットを開発するボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)を、グーグルの親会社のアルファベットから買収しました。

 この背景にあるのは、今まではPCやインターネット、スマホの革新が続いていたのですが、今後はその中に入るマイクロプロセッサーの進化が重視されるという、孫氏の読みがあります。

 孫氏は人工知能が人間に勝ち始めており、人工知能はデータで鍛えられることに注意を喚起し、データ取得の基盤となる英半導体設計大手アーム(ARM Holdings plc)に着目したと指摘しています。

 孫氏は、70億人による「70億回線の世界」ではなく、世界にある約1兆のモノが生み出す「1兆回線」をつなぎたいと述べました。今後は人工衛星まで含めたデータのネットワークをつくり、人間の回線数を競い合うのではなく、モノが生み出す回線数を競おうとしているわけです。

 モノとモノとの通信、ヒトとモノとの通信でデータが生まれますが、「データが生まれるところには、90%の確率でアームのチップがある」と述べ、このチップから得られるビッグデータを活かして、人工知能を鍛えていきたいと述べています。この人工知能をロボットに組み込み、「スマートロボット」をつくり、ロボットと人間が共生する時代をつくろうとしているわけです。

 孫氏は「シンギュラリティ」は未来に必ず来ると述べました。

 シンギュラリティ(Singularity)とは、人工知能が人間の能力を超える技術的特異点のことです。孫氏はそれを人間を不幸にするためではなく、幸福な未来をつくるために使いたいと述べました。つまり、ビッグデータで鍛えらたAIやスマートロボットを用いて新たな技術インフラをつくろうとしているわけです。

 これは孫氏の野望なのか、それとも未来社会のための変革なのか。

 その是非が今後、問われることになるでしょう。

日本の長者番付2位:柳井氏は2年後に会長専念

 一方、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は10月20日に2年後を目途に社長職を譲り、会長職に専念することを表明しました。

 世界一の衣料品会社を目指す柳井氏も2年後に70歳になります。今後は経営を「監督」しながら会社に関わるわけですが、今後は後継者の選定(もしくは「後継者育成計画」)が大きな課題になります。

(出所:日経電子版「ファストリ柳井氏、2年後に会長専念 社内から社長」2017/10/21)

2年後に会長専念」となる頃には「執行役員など内部から選ぶ」ことになります。日経記事では、その考えを以下のように説明しました。

  • 「実際の経営は若い人がしないといけない」
  • 市場の構造改革に対応し、スピード感ある経営判断を下すには、体力やIT(情報技術)などの知見がある若い経営者が必要であるため。
  • 後継者は「今の執行役員の中から一番ふさわしい人が最高経営責任者になる」
  • 現在、執行役員にあたる人は40人強。執行役員の2人の実子は後継の社長候補ではないという。
  • 「会長職」はアドバイスする立場だが「創業者に引退はない」。
  • 柳井氏は過去、「65歳での社長引退」を撤回したこともある。

 孫氏は「まだまだ自分が攻めるぞ」という論調でしたが、柳井氏は年齢の問題もあって、そろそろ、自分以外の者に譲って事業を拡大しなければいけなくなっています。

 創業から発展する段階を経て、その次にある、守成をしながら事業を継続的に大きくするという難しい課題に直面しています。

 柳井氏の後継者の選定がうまく行くかどうかは、今後の企業経営の貴重なケーススタディになりそうです。

日本の長者番付3位:佐治氏は事業継承の成功例?

 佐治信忠氏はサントリーを発展させた元会長の佐治敬三氏(1919-1999)の後を継ぎました。敬三氏はビール事業だけでなく、文化事業や財界活動にも尽力した人気経営者でした。信忠氏は海軍で技術将校をしていた父を「学者タイプ」と評しています。

(以下、出所は「ビールに執念の遺伝子」サントリー佐治氏、父を語る NIKKEI STYLE

「創業者の祖父(鳥井信治郎氏)は根っからの商売人だったが、おやじは実はそうではないんです。たぶん、研究者になりたかったんでしょう。経営者になり、ずいぶん努力したんでしょうね」

 そして、敬三氏の業績として「ビール事業への参入」を挙げています。

「それで今のサントリーがある。ウイスキーだけだったらつぶれていたでしょうね。ウイスキーは手工業的な世界ですが、ビール事業に参入したことでサントリーは近代的な企業に生まれ変わった」

 「資金の回転も早く、いわば装置産業」であるビール事業で会社を変えたことに敬意を表しています。

 祖父⇒父⇒子と事業を三代にわたって継いできた佐治家は、事業承継の成功例と言えるのかもしれません。

日本の長者番付の特徴:資産額、年齢、性別、業種等

 金額で見ると1位~4位が1兆円以上。5位の三木谷氏が6770億円。6位~45位は5000億円~1050億円なので、意外と近い金額で多数の長者が並んでいます。

 長者番付でも突き抜けた4名(孫正義氏:2兆2640億円、柳井正氏:1兆8200億円、佐治信忠:1兆4650億円、滝崎武光氏:1兆3880億円)とそれ以外のメンバーとの差が非常に大きいことが分かります。

 年齢を見ると、30代は50位の馬場氏(39歳)しかいません。40代は4人。50代は5人。39歳~59歳の年齢層は1割程度しかいないのは、日本では新規企業が大をなすことが難しいことを暗示しているようにも思えます。

 女性では夫人としてランキング入りしている人が多く、女性経営者として大をなしたのは、テンプスタッフの篠原氏が際立っています。篠原氏は日本人女性経営者で初めて10億ドル以上の富を築きました。

 そのほか、長者番付には、出身校や出身地等のデータもあるので、長者入りした面々の傾向を見てみます。

 業種で伸びているのは、通信やテクノロジー、ゲーム等です。

 筆者としては、パチンコ(パチスロ含む)が6社もあり、全体の1割を占めていたことに不安を感じました。こんなにパチンコ関係者が大儲けして、日本は大丈夫なのでしょうか。

 ネット系(SNS大手やZOZOTOWN、楽天、ヤフージャパンを傘下に置くソフトバンク、サイバーエージェント等)も7社経営者(もしくは創業者)がランキング入り。

 ゲームは5社ですが、グリーやミクシー、サイバーエージェント等のゲーム事業をカウントした場合は8社となります。そのほか、薬品系が4社、化粧品が2社、ディスカウントストアが3社ほどランキング入りしています。

 出身校(中退含む)を見ると、慶應大学が7人、早稲田大が4人、日本大学が3人、東大が2人、関西大学が2人、青山学院大が2人。大学中退の人は2名いました。

 出身地では東京が7人。兵庫が6人。大阪は3人でした。ただ、日本各地から長者は出ています。

 いろいろと見ていくと、長者番付からも日本経済の現状が透けて見えるようにも思えます。

 フォーブスの世界富豪ランキングの面々と比べてみると、意外な発見があるかもしれません。

 世界富豪ランキングの特徴は、とにかく数字の桁が大きいことと、意外と若い人が入っているあたりでしょうか。

 国別に富豪の数をカウントしてみるのも一興かもしれません。

日本の長者5人:フォーブス誌はどこに着目

 ちなみに、フォーブス誌(2017/4/6)は5人の長者にスポットライトを当てています(「日本長者番付クローズアップ 今年注目の5人を紹介」)。フォーブスが注目したのは以下の5名でした。 

篠原欣子(37位):1年で保有資産30%増

日本初の「たたき上げ女性ビリオネア(資産10億ドル以上の富豪)」。東京のワンルームアパートに事務所を構え、人材派遣会社テンプスタッフを設立。1 

似鳥昭雄(13位):1年で保有資産3割以上増(9億ドル増)

家具大手ニトリホールディングスは17年2月期の売上高は5129億円、純利益は599億円で、18期連続の増益を達成。

上月景正(34位):1年で保有資産42%増

コナミホールディングスの創業者兼会長。2014年以来3年ぶりにビリオネア入り。

小川賢太郎(39位):1年で株価が30%増

牛丼チェーン「すき家」などを運営するゼンショーホールディングスの創業者。

前澤友作(14位):1年で保有資産36%増

2016年にピカソの「女の半身像(ドラ・マール)」を2260万ドル(約25億円)やジャンミシェル・バスキアの無題の絵画を約5700万ドル(約62.4億円)で落札したことを紹介。

※『週刊現代(2017/9/2』(P60~63)も前澤友作氏に注目。

 年間670万人の購買者を誇るZOZOTOWN(日本最大級ファッションサイト)を運営するスタートトゥディ社の時価総額は366億円(07年)⇒1兆円(2017年)に急成長。前澤氏は若い頃はバンドに明け暮れながらも自宅でカタログ通販を開始。経営に専念し、異例のアパレルネット通販に挑戦。試着してから購入という常識を打ち破った。千葉への郷土愛から千葉に100億円豪邸を建築。美術館も建築予定。持前の美的センスのため、絵や茶の湯には使うお金を惜しまない。

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