【QQQ】を参考にナスダック100指数の構成銘柄を整理します。NASDAQ-100指数は、NASDAQ市場に上場する非金融企業のうち、時価総額上位を対象に修正時価総額加重(modified market-cap)で構成される株価指数です〔1〕。この指数は四半期ごとにウェイト調整(3・6・9・12月)を行い、年1回(12月)に定期入替を実施します〔2〕。
以下では、指数連動ETFの代表である【QQQ】の最新ポートフォリオやコスト、セクター配分をもとに、投資判断に役立つポイントを解説します。*投資判断は自己責任でお願いします。
QQQ(ナスダック100ETF)の概要
インベスコQQQトラスト・シリーズ1(Invesco QQQ Trust, Series 1)はNASDAQ-100指数に連動する代表的ETFです。
・1999年設定/米国でも屈指の取引規模を持つETF
・経費率:0.20%(現行、公式)〔6〕
・30日SEC利回り:0.46%(2025/11/6時点、外部レポート)〔8〕
・P/E(加重調和平均):43.36(同指数を追うQQQMの最新FSを参照、目安値)〔7〕
・指数・ファンドとも四半期リバランス/年1回の再構成〔2・6〕
※QQQは現在「ユニット・インベストメント・トラスト(UIT)」ですが、オープンエンドETF構造への再分類(経費率0.18%への引下げ等を含む)が株主投票に付されています。
特別会合(2025/10/24)は成立に必要な投票数未達のため12月に延期となり、投票期限は12/4、会合は12/5へ再設定されています〔4・9〕。現時点では「提案継続中」であり、最終決定ではありません。
インデックスの設計(投資家向けポイント)
- 非金融を除外:NASDAQ-100は金融セクターを含まないのが最大の特徴。テック・通信・一般消費などの成長企業への偏りが生じやすい〔1〕。
- 修正時価総額加重:四半期ごとにTSO(発行株数)更新を反映し、単一銘柄24%上限、4.5%超の銘柄群合計48%上限などの集中抑制ルールを適用(必要時は段階的に20%・40%へ調整)。年次(12月)は個別14%上限・上位5銘柄合計38.5%等の制約を適用〔2〕。
- 年次入替(12月):選定ルールに基づき入替。特別リバランスの発動条件も明示されている〔2〕。
QQQの最新ポートフォリオ(抜粋)
上位10社の構成比(%)。2025/10/31時点で上位10銘柄の合計は53.29%。※日々変動。最新は公式「Holdings」を確認ください。〔8・6〕。
| 銘柄 | ティッカー | 比率 (%) |
|---|---|---|
| NVIDIA | NVDA | 9.95 |
| Apple | AAPL | 8.41 |
| Microsoft | MSFT | 7.91 |
| Broadcom | AVGO | 5.86 |
| Amazon.com | AMZN | 5.60 |
| Tesla | TSLA | 3.53 |
| Alphabet (A) | GOOGL | 3.47 |
| Alphabet (C) | GOOG | 3.24 |
| Meta Platforms (A) | META | 2.89 |
| Netflix | NFLX | 2.41 |
※全構成は公式「All Holdings」で日次開示。A/Cなど株式クラスも別掲されます〔6〕。
セクター配分(ICB分類)
QQQはしばしば「テック偏重」と表現されますが、ICBでは通信や一般消費も一定比率を占めます。2025/9/30時点:Technology 64.03%、Consumer Discretionary 18.29%、Health Care 4.21%、Telecommunications 3.71%、Industrials 3.66%、Consumer Staples 2.39%、Basic Materials 1.49%、Utilities 1.37%、Energy 0.48%、Real Estate 0.19%〔6〕。
| セクター | 比率 (%) | メモ |
|---|---|---|
| Technology | 64.03 | AI・半導体・クラウドの恩恵が大きい |
| Consumer Discretionary | 18.29 | AMZN/TSLA等の影響 |
| Telecommunications | 3.71 | 大型プラットフォームが含まれる |
| Health Care | 4.21 | メドテック等 |
| その他(工業・生活必需・素材・公益・エネルギー・不動産) | 9.76 | 分散は限定的 |
QQQ vs QQQM(どちらを使う?)
| 項目 | QQQ | QQQM |
|---|---|---|
| 指数 | いずれも Nasdaq-100(XNDX)に連動 | |
| 経費率(総経費) | 0.20%(提案可決なら0.18%へ)〔6・4〕 | 0.15%〔7〕 |
| 構造 | UIT(再分類提案は12月へ延期中)〔4・9〕 | オープンエンドETF |
| 流動性・オプション | 出来高が非常に多く、オプション市場も厚い | 長期積立向け(コスト優位)。オプション流動性はQQQに劣る |
結論:長期の買い持ち=QQQM、短期売買・オプション活用=QQQの使い分けが現実的。QQQがETF構造に移行し経費率が0.18%へ低下すれば差は縮小しますが、投票は12月に延期されています(結果待ち)〔4・9〕。
投資家のための分析ポイント
- リスク要因(集中×バリュエーション):上位10社が約53%(2025/10/31)を占め、バリュエーション(P/E)は40倍台。実質金利の上昇やAI投資循環の鈍化は複数銘柄で同時に逆風となり得ます〔8・7〕。
- 規則による集中緩和:指数は24%・4.5%/48%の上限(必要に応じ20%・40%)や、年次の14%・上位5銘柄38.5%などで極端な集中を抑制するよう設計〔2〕。
- マクロ感応度:QQQは成長株の塊のため、米金利(ターミナルレート/実質金利)やドル指数に敏感。金融引締め→マルチプル圧縮、緩和→拡大の力学が働きやすい。
- 分散の補完策:ボラティリティを抑えたい場合、配当・バリュー(VTV/VYM等)や等ウェイト(RSP)をサテライトで併用する手も。目的は「上振れ期待」を残しつつ「下振れ耐性」を付与すること。
- 積立の実務:定期積立(DCA)×年1回のリバランスで感情バイアスを抑制。QQQ/QQQMいずれも課税口座の配当再投資は税コストを意識。
出典・情報源
- Nasdaq:Nasdaq-100 概要(非金融の除外ほか)。
- Nasdaq:NASDAQ-100 Index Methodology(2025)(四半期調整・年次再構成、24%/4.5%・48%、年次14%・上位5銘柄38.5% 等)。
- (差替え不要)
- Invesco:Proxy vote information(UIT→ETF再分類提案、投票12/4まで継続)。
- SEC:Preliminary Proxy Statement(構造変更の詳細、税務影響なし等)。
- Invesco:All Holdings / Sector Allocation(日次の保有銘柄とセクター配分の公式開示。セクターは2025/9/30時点)。
- Invesco:QQQM 製品ページ(経費率0.15%、FSにP/E=43.36等)。
- Charles Schwab:QQQ Fund Report(2025/10/31時点のTop 10=53.29%、30日SEC利回り0.46% 等)。
- ETF.com:Invesco’s $400B QQQ ETF Faces Voting Delay(特別会合は12/5に延期)。
免責事項
本記事は情報提供のみを目的とし、特定商品の売買を推奨するものではありません。市場環境・数値は変動します。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

