ITA・SHLD:軍事・防衛ETFを比較(株価と配当、構成銘柄)
【徹底比較】ITA vs SHLD:伝統的防衛か、防衛近代化か? あなたに合うETFはどっち?
【ITA】は、戦闘機、ミサイル、防衛システム、民間航空機などを手掛ける米国の航空宇宙・防衛企業に投資するETFです。一方、【SHLD】は、防衛分野の近代化を支える企業群に投資するETFで、テーマ上はサイバーセキュリティ、AI、ドローン、宇宙技術などを含みますが、実際の組入上位には大手防衛企業も多く並びます。
このページでは、同じ「防衛」関連ETFでも性格の異なるこの2本について、NISA等を活用した運用の参考となるように、概要、投資対象、ポートフォリオの特徴を比較しながら整理します。
*注意事項
・本記事で紹介するETFは、証券会社によっては取り扱いがない場合があります。
・投資判断は自己責任でお願いします。本記事は特定の銘柄への投資を推奨するものではなく、売買の結果について一切の責任を負うことはできません。
ETF紹介①:【ITA】伝統的な航空宇宙・防衛の巨人に投資
「ITA(iShares U.S. Aerospace & Defense ETF)」は、米国の航空宇宙・防衛セクター株で構成される指数への連動を目指すETFです。対象は、戦闘機、ミサイル、防衛装備、航空機製造などを担う、いわゆる伝統的な防衛・航空宇宙企業が中心です。顧客の多くが政府や政府関連機関であるため、民間景気だけで需要が大きく揺れにくいという特徴があります。
なお、ITAの純資産総額(AUM)は約$14.02B(2026年4月10日時点)、経費率は0.38%、保有銘柄数は44です。米国上場の航空宇宙・防衛ETFの中でも、規模と流動性の両面で使いやすい部類に入ります。[2]
【ITAの投資魅力】
- ① 伝統的な防衛需要へのアクセス: 航空機、防空、ミサイル、電子戦など、国家安全保障の中核を担う企業群にまとめて投資できます。
- ② 米国集中でわかりやすい: グローバル分散よりも、米国の防衛・航空宇宙大手に絞って投資したい人には理解しやすい設計です。
- ③ 長期契約が多い業界特性: 大型案件や継続契約が多く、受注残や予算の見通しをもとに投資判断しやすい面があります。
【ITAの注意すべきリスク】
- 政府予算への依存: 政策や調達方針の変更が業績に影響しやすい業界です。
- 成長性の鈍化: 巨大企業中心のため、テーマ型ETFのような急拡大を常に期待できるわけではありません。
- 構成の集中: 2025年12月31日時点のファクトシートでは、GE Aerospace 21.50%、RTX 16.27%、Boeing 8.20%で、上位3銘柄合計は45.97%に達しています。特定銘柄の値動きがETF全体に与える影響は小さくありません。[3]
ETF紹介②:【SHLD】未来の戦場を支える「防衛近代化」に投資
「SHLD(Global X Defense Tech ETF)」は、防衛技術の採用拡大から恩恵を受ける企業群への投資を目指すETFです。公式説明では、サイバーセキュリティ、AI・ビッグデータ、ロボティクス、先進的な軍事システムやハードウェアなどが対象領域とされています。
ただし、実際のポートフォリオは「純粋なサイバーETF」や「純粋なドローンETF」とは少し違います。SHLDの純資産総額(AUM)は約$8.54B(2026年4月10日時点)、経費率は0.50%、保有銘柄数は49で、上位銘柄にはLockheed Martin、RTX、General Dynamics、Rheinmetall、Palantirなどが並んでいます。つまり、実態としては防衛テック専業の寄せ集めというより、防衛近代化全体への投資と捉えたほうが近いETFです。[4]
【SHLDの投資魅力】
- ① 防衛の高度化に乗りやすい: AI、ソフトウェア、センサー、ネットワーク、防衛電子機器など、防衛の高付加価値化から恩恵を受けやすい分野を含みます。
- ② グローバル色がある: 米国だけでなく、ドイツ、韓国、英国、フランスなどの企業も組み入れられており、地域分散の性格があります。
- ③ 伝統企業と新技術企業の橋渡し: 旧来型の重厚長大な防衛企業だけでなく、近代戦を支える技術企業にも触れられるのが特徴です。
【SHLDの注意すべきリスク】
- 名称ほど「純テック」ではない点: 2026年3月31日時点のセクター内訳はIndustrials 89.1%、Information Technology 11.0%で、かなり工業寄りです。サイバーやAIだけを濃く取りたい人には、想像とズレる可能性があります。
- 株価の変動性: テーマ性が強く、地政学、金利、期待先行の物色などで価格変動が大きくなりやすい面があります。
- 海外銘柄を含むリスク: 為替や各国の防衛政策、規制、政治情勢の影響を受ける点は、米国中心のITAよりも意識しておきたいポイントです。
【ITA vs SHLD】基本情報の直接比較
「伝統」のITAと、「防衛近代化」のSHLD。名前は似ていても、実際の中身はかなり違います。
| 項目 | ITA(伝統的防衛) | SHLD(防衛近代化) |
|---|---|---|
| 正式名称 | iShares U.S. Aerospace & Defense ETF[2] | Global X Defense Tech ETF[4] |
| 純資産総額(AUM) | 約$14.02B(2026年4月10日時点)[2] | 約$8.54B(2026年4月10日時点)[4] |
| 連動・設計 | 米国の航空宇宙・防衛セクター株で構成される指数への連動を目指す[2] | Global X Defense Tech Index への連動を目指す設計[4] |
| 投資対象の傾向 | 米国の伝統的な航空宇宙・防衛大手が中心[2] | 防衛技術テーマを掲げつつ、実際は防衛大手+一部テック企業の混成[4] |
| 地域性 | 米国中心[2] | グローバル分散(米国、欧州、韓国など)[4] |
| セクター比率上位 | Aerospace & Defense 99.75%(2025年12月31日時点)[3] | Industrials 89.1%/Information Technology 11.0%(2026年3月31日時点)[4] |
| 銘柄数 | 44(2026年4月9日時点)[2] | 49(2026年4月9日時点)[4] |
| 経費率 | 0.38%(現行目論見書ベース表示)[2] | 0.50%(2026年4月10日時点表示)[4] |
| 上位構成銘柄(例) | GE Aerospace 21.50%、RTX 16.27%、Boeing 8.20%(2025年12月31日時点)[3] | Lockheed Martin 9.05%、RTX 8.09%、General Dynamics 6.89%(2026年4月10日時点)[4] |
※構成比、銘柄数、費用、AUMは変動します。特にITAの上位保有比率は2025年12月31日時点のファクトシート、SHLDの上位保有比率は2026年4月10日時点の公式ページに基づきます。
補足: SHLDは名称から「サイバー・AI中心の純粋な次世代防衛ETF」と見られがちですが、足元の組入実態ではLockheed Martin、RTX、General Dynamicsなどの大手防衛企業の比重も高く、むしろ防衛近代化全体を取りにいくETFと見るほうが実態に近いです。
まとめ:あなたのポートフォリオに合うのはどちらか?
ITAとSHLDは、どちらも「防衛」関連ETFですが、投資家が期待する値動きや役割はかなり違います。
■ ITAがポートフォリオに適している投資家
- 安定性を重視する方: テーマ性よりも、伝統的な防衛大手へのまとまったエクスポージャーを重視したい方。
- 米国防衛セクターを素直に取りたい方: 米国の航空宇宙・防衛産業そのものに投資したい方。
- ポートフォリオのディフェンシブ寄りの中核として考えたい方。
■ SHLDがポートフォリオに適している投資家
- 成長性を重視する方: 防衛の近代化、ソフトウェア化、高度化という流れを取り込みたい方。
- 米国以外も含めて投資したい方: 欧州やアジアの防衛関連企業も含めたテーマ投資をしたい方。
- ポートフォリオのサテライト枠として、成長余地とテーマ性を加えたい方。
結論
ITAが実績と集中度を備えた「米国防衛の本丸」だとすれば、SHLDは「防衛近代化の広めのバスケット」です。
安定感とわかりやすさを優先するならITA、よりテーマ性とグローバル性を重視するならSHLDが候補になります。なお、SHLDは名前の印象ほど“純テック”ではないため、その点を理解した上でポートフォリオに組み入れるかどうかを判断したいところです。
【注】(出典リンク)
- 更新基準(各ETFの公式ページ・公式資料) → iShares公式(ITA) → Global X公式(SHLD) 確認日:2026-04-12 ↩
- ITA 基本情報(AUM・経費率・銘柄数・ベンチマーク等) → iShares公式(ITA) 確認日:2026-04-12 ↩
- ITA 構成比・上位保有(2025-12-31時点) → iShares Fact Sheet(ITA, PDF) → iShares公式(ITA) 確認日:2026-04-12 ↩
- SHLD 基本情報・構成比・上位保有(2026-04-10/2026-03-31時点) → Global X公式(SHLD) → SHLD Fact Sheet(PDF) 確認日:2026-04-12 ↩
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株価:過去~現在
※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
ITAの配当(分配金)と利回り
年間配当を1年の平均株価で割り、平均の利回りを計算してみます。
| 年 | 配当 | 株価 | |||
| 平均利回り | 年累計 | 年伸び率 | 平均株価 | 年伸び率 | |
| 2024 | 0.89% | 1.229 | 6.9% | 137.6 | 20.4% |
| 2023 | 1.01% | 1.15 | 10.6% | 114.3 | 9.6% |
| 2022 | 1% | 1.04 | 26.8% | 104.2 | 0.2% |
| 2021 | 0.79% | 0.82 | -17.2% | 104 | 18.6% |
| 2020 | 1.13% | 0.99 | -41.1% | 87.7 | -17.1% |
| 2019 | 1.59% | 1.68 | 76.8% | 105.8 | 6.5% |
| 2018 | 0.96% | 0.95 | 13.1% | 99.4 | 21.9% |
| 2017 | 1.03% | 0.84 | 16.7% | 81.5 | 30.4% |
| 2016 | 1.15% | 0.72 | 20% | 62.5 | 5.2% |
| 2015 | 1.01% | 0.6 | -10.4% | 59.4 | 9.5% |
| 2014 | 1.23% | 0.67 | 15.5% | 54.3 | 28.6% |
| 2013 | 1.37% | 0.58 | -13.4% | 42.2 | 29.8% |
| 2012 | 2.06% | 0.67 | 116.1% | 32.5 | 6.9% |
| 2011 | 1.02% | 0.31 | 29.2% | 30.4 | 11.4% |
| 2010 | 0.88% | 0.24 | -22.6% | 27.3 | 28.5% |
| 2009 | 1.46% | 0.31 | 40.9% | 21.2 | -22.3% |
| 2008 | 0.8% | 0.22 | – | 27.3 | – |
ポートフォリオの比較
次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

