ITA・SHLD:軍事・防衛ETFを比較(株価と配当、構成銘柄)

テーマ別ETF,軍事株

【徹底比較】ITA vs SHLD:伝統的防衛か、防衛近代化か?

【最新更新】 2026年4月時点の公開情報に基づき、AUM、経費率、銘柄数、上位構成、比較表を更新し、脚注の崩れや表ヘッダーの視認性も修正しました。[1]

【徹底比較】ITA vs SHLD:伝統的防衛か、防衛近代化か? あなたに合うETFはどっち?

【ITA】は、戦闘機、ミサイル、防衛システム、民間航空機などを手掛ける米国の航空宇宙・防衛企業に投資するETFです。一方、【SHLD】は、防衛分野の近代化を支える企業群に投資するETFで、テーマ上はサイバーセキュリティ、AI、ドローン、宇宙技術などを含みますが、実際の組入上位には大手防衛企業も多く並びます。

このページでは、同じ「防衛」関連ETFでも性格の異なるこの2本について、NISA等を活用した運用の参考となるように、概要、投資対象、ポートフォリオの特徴を比較しながら整理します。

*注意事項

・本記事で紹介するETFは、証券会社によっては取り扱いがない場合があります。

・投資判断は自己責任でお願いします。本記事は特定の銘柄への投資を推奨するものではなく、売買の結果について一切の責任を負うことはできません。


ETF紹介①:【ITA】伝統的な航空宇宙・防衛の巨人に投資

「ITA(iShares U.S. Aerospace & Defense ETF)」は、米国の航空宇宙・防衛セクター株で構成される指数への連動を目指すETFです。対象は、戦闘機、ミサイル、防衛装備、航空機製造などを担う、いわゆる伝統的な防衛・航空宇宙企業が中心です。顧客の多くが政府や政府関連機関であるため、民間景気だけで需要が大きく揺れにくいという特徴があります。

なお、ITAの純資産総額(AUM)は約$14.02B(2026年4月10日時点)、経費率は0.38%、保有銘柄数は44です。米国上場の航空宇宙・防衛ETFの中でも、規模と流動性の両面で使いやすい部類に入ります。[2]

【ITAの投資魅力】

  • ① 伝統的な防衛需要へのアクセス: 航空機、防空、ミサイル、電子戦など、国家安全保障の中核を担う企業群にまとめて投資できます。
  • ② 米国集中でわかりやすい: グローバル分散よりも、米国の防衛・航空宇宙大手に絞って投資したい人には理解しやすい設計です。
  • ③ 長期契約が多い業界特性: 大型案件や継続契約が多く、受注残や予算の見通しをもとに投資判断しやすい面があります。

【ITAの注意すべきリスク】

  • 政府予算への依存: 政策や調達方針の変更が業績に影響しやすい業界です。
  • 成長性の鈍化: 巨大企業中心のため、テーマ型ETFのような急拡大を常に期待できるわけではありません。
  • 構成の集中: 2025年12月31日時点のファクトシートでは、GE Aerospace 21.50%、RTX 16.27%、Boeing 8.20%で、上位3銘柄合計は45.97%に達しています。特定銘柄の値動きがETF全体に与える影響は小さくありません。[3]


ETF紹介②:【SHLD】未来の戦場を支える「防衛近代化」に投資

「SHLD(Global X Defense Tech ETF)」は、防衛技術の採用拡大から恩恵を受ける企業群への投資を目指すETFです。公式説明では、サイバーセキュリティ、AI・ビッグデータ、ロボティクス、先進的な軍事システムやハードウェアなどが対象領域とされています。

ただし、実際のポートフォリオは「純粋なサイバーETF」や「純粋なドローンETF」とは少し違います。SHLDの純資産総額(AUM)は約$8.54B(2026年4月10日時点)、経費率は0.50%、保有銘柄数は49で、上位銘柄にはLockheed Martin、RTX、General Dynamics、Rheinmetall、Palantirなどが並んでいます。つまり、実態としては防衛テック専業の寄せ集めというより、防衛近代化全体への投資と捉えたほうが近いETFです。[4]

【SHLDの投資魅力】

  • ① 防衛の高度化に乗りやすい: AI、ソフトウェア、センサー、ネットワーク、防衛電子機器など、防衛の高付加価値化から恩恵を受けやすい分野を含みます。
  • ② グローバル色がある: 米国だけでなく、ドイツ、韓国、英国、フランスなどの企業も組み入れられており、地域分散の性格があります。
  • ③ 伝統企業と新技術企業の橋渡し: 旧来型の重厚長大な防衛企業だけでなく、近代戦を支える技術企業にも触れられるのが特徴です。

【SHLDの注意すべきリスク】

  • 名称ほど「純テック」ではない点: 2026年3月31日時点のセクター内訳はIndustrials 89.1%、Information Technology 11.0%で、かなり工業寄りです。サイバーやAIだけを濃く取りたい人には、想像とズレる可能性があります。
  • 株価の変動性: テーマ性が強く、地政学、金利、期待先行の物色などで価格変動が大きくなりやすい面があります。
  • 海外銘柄を含むリスク: 為替や各国の防衛政策、規制、政治情勢の影響を受ける点は、米国中心のITAよりも意識しておきたいポイントです。


【ITA vs SHLD】基本情報の直接比較

「伝統」のITAと、「防衛近代化」のSHLD。名前は似ていても、実際の中身はかなり違います。

項目 ITA(伝統的防衛) SHLD(防衛近代化)
正式名称 iShares U.S. Aerospace & Defense ETF[2] Global X Defense Tech ETF[4]
純資産総額(AUM) $14.02B(2026年4月10日時点)[2] $8.54B(2026年4月10日時点)[4]
連動・設計 米国の航空宇宙・防衛セクター株で構成される指数への連動を目指す[2] Global X Defense Tech Index への連動を目指す設計[4]
投資対象の傾向 米国の伝統的な航空宇宙・防衛大手が中心[2] 防衛技術テーマを掲げつつ、実際は防衛大手+一部テック企業の混成[4]
地域性 米国中心[2] グローバル分散(米国、欧州、韓国など)[4]
セクター比率上位 Aerospace & Defense 99.75%(2025年12月31日時点)[3] Industrials 89.1%/Information Technology 11.0%(2026年3月31日時点)[4]
銘柄数 44(2026年4月9日時点)[2] 49(2026年4月9日時点)[4]
経費率 0.38%(現行目論見書ベース表示)[2] 0.50%(2026年4月10日時点表示)[4]
上位構成銘柄(例) GE Aerospace 21.50%、RTX 16.27%、Boeing 8.20%(2025年12月31日時点)[3] Lockheed Martin 9.05%、RTX 8.09%、General Dynamics 6.89%(2026年4月10日時点)[4]

※構成比、銘柄数、費用、AUMは変動します。特にITAの上位保有比率は2025年12月31日時点のファクトシート、SHLDの上位保有比率は2026年4月10日時点の公式ページに基づきます。

補足: SHLDは名称から「サイバー・AI中心の純粋な次世代防衛ETF」と見られがちですが、足元の組入実態ではLockheed Martin、RTX、General Dynamicsなどの大手防衛企業の比重も高く、むしろ防衛近代化全体を取りにいくETFと見るほうが実態に近いです。


まとめ:あなたのポートフォリオに合うのはどちらか?

ITAとSHLDは、どちらも「防衛」関連ETFですが、投資家が期待する値動きや役割はかなり違います。

■ ITAがポートフォリオに適している投資家

  • 安定性を重視する方: テーマ性よりも、伝統的な防衛大手へのまとまったエクスポージャーを重視したい方。
  • 米国防衛セクターを素直に取りたい方: 米国の航空宇宙・防衛産業そのものに投資したい方。
  • ポートフォリオのディフェンシブ寄りの中核として考えたい方。

■ SHLDがポートフォリオに適している投資家

  • 成長性を重視する方: 防衛の近代化、ソフトウェア化、高度化という流れを取り込みたい方。
  • 米国以外も含めて投資したい方: 欧州やアジアの防衛関連企業も含めたテーマ投資をしたい方。
  • ポートフォリオのサテライト枠として、成長余地とテーマ性を加えたい方。

結論

ITAが実績と集中度を備えた「米国防衛の本丸」だとすれば、SHLDは「防衛近代化の広めのバスケット」です。

安定感とわかりやすさを優先するならITA、よりテーマ性とグローバル性を重視するならSHLDが候補になります。なお、SHLDは名前の印象ほど“純テック”ではないため、その点を理解した上でポートフォリオに組み入れるかどうかを判断したいところです。

【注】(出典リンク)

  1. 更新基準(各ETFの公式ページ・公式資料) → iShares公式(ITA)Global X公式(SHLD) 確認日:2026-04-12
  2. ITA 基本情報(AUM・経費率・銘柄数・ベンチマーク等) → iShares公式(ITA) 確認日:2026-04-12
  3. ITA 構成比・上位保有(2025-12-31時点) → iShares Fact Sheet(ITA, PDF)iShares公式(ITA) 確認日:2026-04-12
  4. SHLD 基本情報・構成比・上位保有(2026-04-10/2026-03-31時点) → Global X公式(SHLD)SHLD Fact Sheet(PDF) 確認日:2026-04-12

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株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。




ITAの配当(分配金)と利回り

年間配当を1年の平均株価で割り、平均の利回りを計算してみます。

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 0.89% 1.229 6.9% 137.6 20.4%
2023 1.01% 1.15 10.6% 114.3 9.6%
2022 1% 1.04 26.8% 104.2 0.2%
2021 0.79% 0.82 -17.2% 104 18.6%
2020 1.13% 0.99 -41.1% 87.7 -17.1%
2019 1.59% 1.68 76.8% 105.8 6.5%
2018 0.96% 0.95 13.1% 99.4 21.9%
2017 1.03% 0.84 16.7% 81.5 30.4%
2016 1.15% 0.72 20% 62.5 5.2%
2015 1.01% 0.6 -10.4% 59.4 9.5%
2014 1.23% 0.67 15.5% 54.3 28.6%
2013 1.37% 0.58 -13.4% 42.2 29.8%
2012 2.06% 0.67 116.1% 32.5 6.9%
2011 1.02% 0.31 29.2% 30.4 11.4%
2010 0.88% 0.24 -22.6% 27.3 28.5%
2009 1.46% 0.31 40.9% 21.2 -22.3%
2008 0.8% 0.22 27.3


ポートフォリオの比較

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢