銅・鉄・ベースメタルETFの株価を比較(DBB・CPER・COPX・SLX)

コモディティ

ベースメタル(銅・鉄など工業金属)ETF比較 – 2026年更新版

最終更新:2026年4月12日

【2026年4月更新版】 経費率、ベンチマーク、指数ルール、税務上の注意点を、できるだけ一次情報ベースで整理し直しました。特にCPERの費用、SLXのベンチマーク変更、DBBの費用表示は旧版より解像度を上げています。

銅や鉄などのベースメタル関連ETFを比較します。

このページでは資産運用の参考として、各ETFの概要(連動指数など)や特徴、注意点をわかりやすく整理します。数値は変動するため、投資前に必ず公式サイト(運用会社・目論見書・ファクトシート等)で最新情報を確認してください。

ベースメタルETFの概要

2026年の注目ポイント

AIデータセンター、送配電網増強、EV、蓄電池など「電化」の進展で、銅需要は中長期で増えやすいテーマです。IEAの2025年見通しでは、銅需要は2040年までに約30%増える一方、現在の鉱山開発パイプラインのままでは2035年に約30%の供給不足が生じる可能性があると示されています。銅テーマに投資する場合は、景気循環だけでなく、供給制約と開発リードタイムも前提に入れておきたいところです。[1]

【DBB】インベスコ DB ベースメタルズ・ファンド

  • 連動指数:DBIQ Optimum Yield Industrial Metals Index Excess Return。アルミニウム、亜鉛、銅(Grade A)の先物で構成される指数で、オプティマムイールド方式により限月選択を行います。[2]
  • 特徴:銅・アルミ・亜鉛へ分散されるため、銅単独より値動きがややマイルドになりやすい一方、純粋な「銅テーマ」ではありません。[2]
  • 費用:2026年4月時点の公式ページでは、Management fee 0.75%Estimated futures brokerage fees and expenses 0.05%Total expense ratio 0.81%Net expense ratio 0.74%と表示されています。旧版の「0.75%」だけを見るより、総費用の見え方を分けて理解したほうが実態に近いです。[2]
  • 規模の目安:公式ページの表示では、総資産は約$303.94M、保有数は7です。[2]
  • 注意点:先物型のため、現物価格だけでなくロールコストや先物曲線の影響を受けます。[2]

【CPER】ユナイテッド・ステイツ・コパー・インデックス・ファンド

  • 目的:銅先物に特化。指数は SummerHaven Copper Index Total Return で、COMEX上場の銅先物から1本または3本の限月を月次で選ぶ設計です。[3]
  • 特徴:銅価格の需給テーマをダイレクトに取り込みやすい一方、先物ロールや期近・期先の形状(コンタンゴ/バックワーデーション)の影響を強く受けます。DBBよりもテーマ純度は高いですが、値動きも鋭くなりやすい商品です。[3]
  • 費用:2025年4月25日付のプロスペクタスでは、Management Fees 0.65%Other Fund Expenses 0.41%Total Annual Fund Operating Expenses 1.06%と記載されています。旧版で使っていた0.97%は二次情報ベースだったため、今回は一次資料ベースの1.06%へ修正しました。[3]
  • 税務:CPERはUSCFのコモディティ・プールで、USCFの税務情報ページではSchedule K-1の案内が明示されています。一般的な株式ETFとは税務書類の扱いが異なるため、購入前に必ず税務ページを確認したいところです。[3]

【COPX】グローバルX・コパー・マイナーズETF

  • 連動指数:Solactive Global Copper Miners Total Return Index。世界の銅採掘企業に幅広く投資する株式型ETFです。[4]
  • 特徴:銅価格だけでなく、企業の利益・配当・資本配分もリターン源泉になります。銅急騰局面ではレバレッジ的に上振れしやすい一方、不況局面では業績悪化で下振れしやすい点は、先物型ETFと大きく異なります。[4]
  • 経費率:0.65%(2026年4月10日時点の公式表示)。[4]
  • 規模の目安:純資産総額は約$7.46B、保有銘柄数は40です。[4]
  • 上位構成銘柄(2026年4月10日時点):Lundin Mining 6.34%、住友金属鉱山 5.90%、KGHM 5.70%、Freeport-McMoRan 5.60%、Glencore 5.59% など。セクター比率は2026年3月31日時点でMaterials 96.9%Industrials 3.1%です。[4]

【SLX】ヴァンエック・スチールETF

  • ベンチマーク(現行):MarketVector Global Steel Index(MVSLXTR)。VanEck公式では、SLXはこの指数の価格・利回りパフォーマンスへの連動を目指すと説明されています。[5]
  • 重要:2025年12月22日以降、指数データは旧来のNYSE Arca Steel Indexではなく、MarketVector Global Steel Indexに切り替わっています。旧版で触れていた「2025年12月19日取引終了後の変更」は、現在ではすでに新指数ベースの運用に移行済みです。[5]
  • 経費率:Gross 0.60%Net 0.56%。加えて、運用会社は費用を0.55%以内に抑えるための費用上限措置を少なくとも2026年5月1日まで継続すると説明しています。[5]
  • 規模の目安:純資産総額は約$154.48M、保有数は42です。[5]
  • 上位構成銘柄(2026年4月9日時点):Rio Tinto Plc 8.06%、BHP Group 8.05%、Vale 7.26%、Rio Tinto Ltd 6.80%、Nucor 6.14% など。現行のSLXは、純粋な「鉄鋼メーカーETF」というより、鉄鋼サプライチェーン上流の大手資源株もかなり含む構成になっています。[5]

ベースメタルETF:比較表

ETF 投資対象 費用(目安) 主なポイント
DBB 銅・アルミ・亜鉛(先物) 総経費率 0.81%/ネット 0.74%[2] 3金属へ分散、オプティマムイールド方式を採用[2]
CPER 銅(先物) 1.06%(2025年4月25日付プロスペクタス)[3] 銅価格にダイレクト、K-1など税務の確認が必須[3]
COPX 銅鉱山株(株式) 0.65%[4] 企業業績・配当もリターン源泉、ボラティリティは高め[4]
SLX 鉄鋼・資源関連企業(株式) ネット 0.56%(費用上限 0.55%は2026年5月1日まで)[5] 景気・インフラに敏感、2025年12月下旬から新指数へ移行済み[5]

投資のポイント(使い分け)

  • 金属そのものの値動きを取りに行く:分散ならDBB、銅特化ならCPER
  • 企業の成長も取り込みたい:銅はCOPX、鉄鋼・資源サプライチェーンはSLX[4][5]
  • ボラティリティ管理:先物型(DBB・CPER)は、コンタンゴ/バックワーデーションの影響を受ける点に注意。現物価格とリターンが乖離し得ます。[2][3]
  • 為替リスク:いずれも米ドル建て。円で保有するとドル円の変動がトータルリターンに影響します。
  • 税務:コモディティ先物型は税区分や書式が株式ETFと異なる場合があります。特にCPERはUSCFの税務情報を必ず確認したい商品です。[3]

2026年の戦略ヒント

  • AI・半導体・電化:銅需要増はCPER/COPXの追い風になり得ます。IEAは、電力網、EV、蓄電池などを背景に、銅需要の増加と供給不足リスクを同時に指摘しています。[1]
  • 景気循環と資源株:SLXは鉄鋼需要だけでなく、上位組入れに資源株も多く含むため、鉄鋼市況だけでなく資源価格や中国景気の影響も受けやすい構成です。[5]
  • 供給制約:新規鉱山・精錬能力の立ち上げ長期化は価格の下支え要因になりやすい一方、政策・許認可・地政学が前提を変えます。需給テーマを追うなら、前提の定期更新が欠かせません。[1]

投資前チェックリスト

  • 各ETFのProspectus / Fact Sheet / Taxを確認(費用、指数ルール、ロール方法、税務)。[2][3][4][5]
  • 先物型はロールコストや基差により、現物価格とリターンが乖離しうる。
  • テーマ性が強くボラティリティも高い分野です。ポートフォリオのサイズ管理と分散を徹底。

免責事項:本記事は情報提供を目的としており、特定商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

ミニ解説:先物型ETF(DBB/CPER)は「現物価格」ではなく、先物カーブとロールの影響を受けます。株式型(COPX/SLX)は商品価格に加えて企業収益・配当・財務・資本支出の影響も受けるため、同じ「銅」「鉄鋼」テーマでもリスク源泉が異なります。[2][3][4][5]

【注】(出典リンク)

  1. 銅需給の中長期見通し → 一次:IEA「Global Critical Minerals Outlook 2025」Overview一次:IEA Executive Summary 確認日:2026-04-12
  2. DBB 公式情報(指数・費用・資産規模・先物型の性格) → 一次:Invesco(DBB)一次:DBB 10-K / SEC一次:DBB 424B3 / SEC 確認日:2026-04-12
  3. CPER 公式情報(指数・費用・税務) → 一次:USCF(CPER)一次:CPER Prospectus(2025-04-25)一次:USCF Tax Information 確認日:2026-04-12
  4. COPX 公式情報(指数・費用・AUM・保有数・上位組入れ) → 一次:Global X(COPX) 確認日:2026-04-12
  5. SLX 公式情報(現行ベンチマーク・費用・保有数・指数変更) → 一次:VanEck(SLX) 確認日:2026-04-12

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、経費率などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

ポートフォリオ

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、セクター別比率はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢