銅・鉄・ベースメタルETFの株価を比較(DBB・CPER・COPX・SLX)

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ベースメタルETF比較|DBB・CPER・COPX・SLXの違い(2026年7月更新版)

最終更新:2026年7月17日

【2026年7月更新版】
DBB、CPER、COPX、SLXについて、経費率、純資産総額、保有資産、ベンチマーク、2026年のリターン、税務上の注意点を一次情報中心に更新しました。特に、IEAの銅供給不足見通し、SLXの費用上限期限、COPX・SLXの上位構成銘柄を最新データへ修正しています。[1][2][3][4][5]

銅、アルミニウム、亜鉛、鉄鋼などのベースメタル関連ETFを比較します。

このページでは資産運用の参考として、各ETFの投資対象、連動指数、費用、資産規模、保有内容、税務上の違いを整理します。金属先物へ投資するETFと、鉱山・鉄鋼企業の株式へ投資するETFでは、リターンを生み出す仕組みが異なります。

純資産総額や構成銘柄、先物の限月は変動します。投資前には運用会社の公式ページ、目論見書、ファクトシート、税務情報をご確認ください。

ベースメタルETFの概要

2026年の注目ポイント

AIデータセンター、送配電網、電気自動車、蓄電設備などの拡大は、銅需要を中長期的に押し上げる要因です。IEAの「Global Critical Minerals Outlook 2026」では、鉱山開発計画が進展したことで、2035年に予想される銅の供給不足は前年見通しの約30%から約25%へ縮小しました。それでも供給不足が残る見通しであり、鉱石品位の低下、開発費用、許認可、地政学などが供給拡大の制約になります。[1]

【DBB】インベスコ DB ベースメタルズ・ファンド

  • 連動指数:DBIQ Optimum Yield Industrial Metals Index Excess Return。アルミニウム、亜鉛、銅の先物で構成され、指数ルールに基づいて保有限月を選択します。[2]
  • 特徴:銅・アルミニウム・亜鉛へ分散する先物型商品です。銅だけに投資するCPERより金属分散が効きますが、アルミニウムや亜鉛の値動きによって銅価格との連動性が低下する場合があります。
  • 費用:2026年7月8日時点の公式表示では、Management Feeが0.75%、推定先物取引費用が0.05%、総経費率が0.81%、純経費率が0.74%です。[2]
  • 規模の目安:市場価値は約3.53億ドル、保有資産数は7(いずれも2026年7月8日時点)です。[2]
  • 2026年上半期リターン:NAVベースで+5.24%(2026年6月30日時点)でした。[2]
  • 注意点:DBBは現物金属を保管するETFではありません。先物の乗り換えによるロール損益、担保資産の利息、先物価格と現物価格の差がリターンへ影響します。
  • 税務:DBBは商品先物を利用するコモディティ・プールです。一般的な株式ETFとは税務書類や課税方法が異なる可能性があるため、日本の証券会社での取扱条件も確認する必要があります。

【CPER】ユナイテッド・ステイツ・コパー・インデックス・ファンド

  • 目的:銅先物へ特化する商品です。SummerHaven Copper Index Total Returnへの連動を目指します。[3]
  • 指数の仕組み:COMEXに上場する対象銅先物から、価格シグナルに基づいて1本または3本の限月を月次で選びます。2026年7月のベンチマーク構成先物は、2026年9月限、2026年12月限、2027年3月限でした。[3]
  • 特徴:DBBよりも銅テーマの純度が高く、銅価格の上昇・下落を直接反映しやすい商品です。一方、複数金属への分散がないため、銅固有の需給や投機的な値動きの影響を強く受けます。
  • 費用:2025年4月25日付目論見書では、Management Feesが0.65%、Other Fund Expensesが0.41%、Total Annual Fund Operating Expensesが1.06%と記載されています。2026年7月17日時点で公式サイトから確認できる費用説明も、目論見書の確認を前提としています。[3]
  • 先物構造:コンタンゴでは期近先物を売って相対的に高い期先先物へ乗り換えることで、ロール損が生じる場合があります。バックワーデーションでは反対にロール益が生じる可能性があります。
  • 担保資産:先物取引の担保として、現金、現金同等物、残存期間2年以下の米国政府債務などを保有します。担保から得られる利息もリターンへ影響します。[3]
  • 税務:CPERはCFTCの規制対象となるコモディティ・プールであり、米国の投資家向けにはSchedule K-1が案内されています。一般的な株式ETFとは異なる商品構造であるため、購入前にUSCFの税務情報と利用する証券会社の取扱条件を確認してください。[3]

【COPX】グローバルX・コパー・マイナーズETF

  • 連動指数:Solactive Global Copper Miners Total Return Index。世界の銅鉱山企業や銅採掘事業への依存度が高い企業へ投資する株式型ETFです。[4]
  • 特徴:銅価格だけでなく、採掘量、鉱石品位、生産コスト、エネルギー価格、人件費、為替、設備投資、配当、企業買収などがリターンへ影響します。
  • 経費率:0.65%(2026年7月16日時点)です。[4]
  • 規模の目安:純資産総額は約69.0億ドル(2026年7月16日時点)、保有銘柄数は40銘柄(2026年7月15日時点)です。[4]
  • 2026年6月末までの運用状況:直近1年間のNAVリターンは+76.50%、3年年率リターンは+29.68%(いずれも2026年6月30日時点)でした。ただし、短期間の高いリターンが継続するとは限りません。[4]
  • リスク指標:3年標準偏差は29.20%(2026年6月30日時点)であり、価格変動の大きいETFです。[4]
  • 分配:30日SEC利回りは0.31%、分配頻度は年2回(2026年7月16日時点)です。高配当よりも銅鉱山株の値上がり益を主な目的とする商品です。[4]

COPXの上位構成銘柄(2026年7月16日時点)

順位 銘柄 構成比率
1 BHP Group 5.62%
2 Teck Resources 5.26%
3 Antofagasta 5.17%
4 Southern Copper 5.13%
5 First Quantum Minerals 5.09%
6 Hudbay Minerals 5.07%
7 Glencore 5.02%
8 KGHM Polska Miedź 4.86%
9 Boliden 4.86%
10 Freeport-McMoRan 4.67%

2026年6月30日時点のセクター構成は、素材97.0%、資本財・産業3.0%でした。ETF名のとおり銅鉱山関連株へ集中していますが、BHPやGlencoreなど、銅以外の資源も生産する総合資源企業を含みます。[4]

【SLX】ヴァンエック・スチールETF

  • ベンチマーク:MarketVector Global Steel Index(MVSLXTR)。世界の鉄鋼生産や鉄鋼サプライチェーンに関わる企業を対象とします。[5]
  • 指数変更:2025年12月22日以降はMarketVector Global Steel Indexを使用しています。それ以前の指数実績はNYSE Arca Steel Indexに基づくため、長期リターンには異なる指数の実績が接続されています。[5]
  • 費用:総経費率は0.64%、純経費率は0.55%です。運用会社による費用上限措置は、少なくとも2027年5月1日まで継続される予定です(2026年7月16日時点)。[5]
  • 規模の目安:純資産総額は約1.61億ドル(2026年7月16日時点)、現金を含む保有資産数は49(2026年7月15日時点)です。[5]
  • 2026年リターン:年初来NAVリターンは+18.72%(2026年7月16日時点)でした。2026年6月30日時点では、直近1年間のNAVリターンが+51.41%でした。[5]
  • 分配:30日SEC利回りは2.46%、過去12カ月利回りは1.31%、分配頻度は年1回(2026年7月16日時点)です。[5]
  • 特徴:純粋な鉄鋼メーカーだけでなく、BHP、Vale、Rio Tinto、Fortescueなどの鉄鉱石・資源企業も多く含みます。そのため、鋼材価格だけでなく鉄鉱石価格、中国の建設需要、資源輸送、為替などの影響を受けます。

SLXの上位構成銘柄(2026年7月15日時点)

順位 銘柄 構成比率
1 BHP Group 7.68%
2 Vale 7.08%
3 Rio Tinto Plc 7.04%
4 Nucor 6.32%
5 ArcelorMittal 5.45%
6 Steel Dynamics 5.42%
7 日本製鉄 4.85%
8 Rio Tinto Ltd 4.73%
9 Reliance 4.60%
10 Fortescue 4.48%

2026年6月30日時点のセクター構成は、素材94.22%、エネルギー3.93%、資本財・産業1.88%でした。国別ではオーストラリア29.37%、米国21.08%、ブラジル9.64%、日本9.38%などとなっています。[5]

ベースメタルETF:比較表

ETF 投資対象 費用 資産規模 主なポイント
DBB 銅・アルミニウム・亜鉛の先物 総経費率0.81%
純経費率0.74%
約3.53億ドル
2026-07-08
3金属へ分散。先物曲線とロールの影響を受ける。[2]
CPER 銅先物 総年間運営費1.06%
2025-04-25目論見書
変動 銅への純度が高い。K-1など商品構造・税務の確認が必要。[3]
COPX 世界の銅鉱山・資源株 0.65% 約69.0億ドル
2026-07-16
銅価格に加え、企業利益、コスト、配当、設備投資が影響。[4]
SLX 鉄鋼・鉄鉱石・資源関連株 総0.64%
純0.55%
約1.61億ドル
2026-07-16
鉄鋼メーカーと上流資源株を組み合わせた構成。[5]

投資のポイント(使い分け)

  • 金属価格へ直接投資したい:銅・アルミニウム・亜鉛への分散ならDBB、銅特化ならCPER
  • 鉱山会社の利益成長も取り込みたい:銅鉱山株ならCOPX
  • 鉄鋼と鉄鉱石の景気循環へ投資したい:鉄鋼メーカーと資源企業を含むSLX
  • ロールリスクを避けたい:株式型のCOPX・SLXには先物のロールコストはありません。ただし、企業業績、設備投資、操業停止、政治、労働争議などのリスクが加わります。
  • 現物価格との連動を重視する:先物型でも現物金属のスポット価格と完全には一致しません。先物曲線、保有限月、担保利息、費用を確認する必要があります。
  • 為替リスク:4本とも米ドル建てで売買されます。COPXとSLXでは、投資先企業の豪ドル、カナダドル、英ポンド、ブラジルレアルなどの変動も企業価値へ影響します。
  • 税務:DBBとCPERは商品先物型であり、株式ETFとは商品構造や米国での税務書類が異なります。日本の投資家も証券会社の取扱条件を事前に確認してください。

2026年の戦略ヒント

  • AI・送配電網・電化:銅需要の構造的な増加は、CPERとCOPXの中長期的な支援材料になり得ます。ただし、IEAの2026年見通しでは、新規鉱山計画の進展によって2035年の予想供給不足が約25%へ縮小しています。供給見通しは固定的ではありません。[1]
  • 景気循環:工業金属は世界の製造業、建設、中国景気の影響を受けます。構造的な需要増加が見込まれても、景気後退局面では短期的に価格が下落する可能性があります。
  • COPXの価格変動:2026年6月30日時点の3年標準偏差は29.20%です。銅価格が上昇する局面では利益が増幅される可能性がある一方、価格下落やコスト増加時には下落も大きくなり得ます。[4]
  • SLXの構成変化:2025年12月の指数変更後は、BHP、Vale、Rio Tintoなどの上流資源企業が上位を占めています。鉄鋼需要だけでなく、鉄鉱石市況や中国の建設需要も確認する必要があります。[5]

投資前チェックリスト

  • 各ETFの目論見書、ファクトシート、保有資産一覧、税務情報を確認する。
  • DBBとCPERでは、現在保有する先物限月とロール方法を確認する。
  • COPXとSLXでは、上位銘柄、国別構成、採掘する金属、企業ごとの生産コストを確認する。
  • 純資産総額、出来高、売買スプレッドを確認する。
  • テーマ型商品であるため、ポートフォリオ全体に占める比率を管理する。

免責事項:本記事は情報提供を目的としており、特定商品の売買を推奨するものではありません。費用、純資産総額、構成銘柄、利回り、リターンは変動します。投資判断は最新の公式情報を確認したうえで、ご自身の責任で行ってください。

ミニ解説:先物型のDBBとCPERでは、金属価格に加えて先物カーブ、ロール損益、担保利息がリターンへ影響します。株式型のCOPXとSLXでは、商品価格に加えて企業収益、採掘・製造コスト、配当、財務、設備投資が影響します。同じ銅・鉄鋼テーマでも、先物型と株式型は代替関係ではなく、異なるリスクを持つ商品です。

【注】(出典リンク)

  1. 銅需給の中長期見通し → 一次情報:IEA「Global Critical Minerals Outlook 2026」Executive Summary(確認日:2026-07-17)
  2. DBBの指数・費用・資産規模・保有数・リターン → 一次情報:Invesco DB Base Metals Fund公式ページ一次情報:DBB年次報告書(SEC)(確認日:2026-07-17)
  3. CPERの指数・限月選択・費用・担保・税務 → 一次情報:USCF CPER公式ページ一次情報:CPER目論見書一次情報:USCF税務情報(確認日:2026-07-17)
  4. COPXの指数・費用・純資産・保有数・上位銘柄・リターン・利回り → 一次情報:Global X Copper Miners ETF公式ページ一次情報:COPXファクトシート(確認日:2026-07-17)
  5. SLXの指数・指数変更・費用・純資産・上位銘柄・リターン・利回り → 一次情報:VanEck Steel ETF公式ページ(確認日:2026-07-17)



株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、経費率などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

ポートフォリオ

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、セクター別比率はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢