NVDA/AMDを比較:エヌビディアとアドバンストマイクロデバイセズの違いとは

AI(人工知能),半導体,情報技術,銘柄比較

NVDAとAMDを違いを踏まえて比較します。(2026年5月更新)

エヌビディア(NVIDIA Corporation)とアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(Advanced Micro Devices, Inc.)は、半導体やGPUの代表的な銘柄です。

その株価の推移(チャート)、決算の予想と結果、業績(財務情報)はどうなっているのでしょうか。

これらの銘柄について、今後の見通しや将来性を探ってみます。

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移(SOXX:iShares Semiconductor ETFを含めて比較)

※チャート右目盛り:10年国債利回り

決算(予想:結果)

株価や決算については以下の関連記事を参照

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)決算:予想と結果 売上&EPS
エヌビディア(NVDA)決算:予想と結果 売上&EPS

重要ポイント:これらは「配当株」ではありません

まず大前提として、NVDAとAMDは配当金を目的として投資する銘柄ではありません。

  • AMD → 配当なし
    AMDはIR FAQで、現時点では現金配当を支払っていないと明記しています。成長投資、AI・データセンター向け製品開発、自社株買いなどが株主還元・資本配分の中心です。[1]
  • エヌビディア → 配当は“おまけ”
    エヌビディアは2024年の10対1株式分割後、四半期配当を0.01ドル/株に引き上げ、その後も同水準を継続しています。2026年度通期には自社株買いと配当で411億ドルを株主に還元しましたが、投資家が期待する主なリターンは配当ではなく、AI需要による業績成長と株価上昇です。[2]

両社への投資は、あくまで事業の成長性に期待するものだと理解しておきましょう。

勝敗を分ける?エヌビディアの「CUDAの堀」

エヌビディアの強さはハードだけではありません。長年積み上げた開発基盤CUDA、GPU、CPU、ネットワーク、ライブラリ、ラックスケールシステムをまとめたフルスタック戦略が堀(Moat)になっています。AMDもROCmの改良を急いでいますが、2026年時点では、AI開発者・クラウド事業者・サーバーメーカーを巻き込んだエコシステムでは、まだNVDAが優位です。[3][4]

比較サマリー:支配者のNVDA、挑戦者のAMD

項目 エヌビディア
(NVDA)
AMD
市場での立ち位置 AI向けGPU・アクセラレータ市場のリーダー。データセンター売上は2026年度通期で1,937億ドルに達しました。[2] No.2の挑戦者。EPYC CPU、Instinct GPU、Ryzen、組み込み向けなど、CPU・GPU・FPGAを含む多角ポートフォリオで追撃。
強み CUDA、Blackwell、Vera Rubin、NVLink、ネットワークまで含めたフルスタック。 EPYC CPUのシェア拡大、Instinct GPUの成長、ROCmの改善、CPU・GPU両方を持つ柔軟性。
主力AI製品
2026年5月時点
Blackwell(B200/GB200/GB300 NVL72)を中心に、次世代Vera Rubinへ展開。[3] MI300X、MI325X、MI350/MI355X、次世代MI450・HeliosラックスケールAI基盤へ展開。[4]
配当方針 ごく僅かな配当。
四半期0.01ドル/株。[2]
配当なし[1]
PERの目安
2026年5月8日終値付近
52.7倍
株価215.20ドル、EPS 4.08ドルベース
149倍
株価455.19ドル、EPS 3.05ドルベース
時価総額の目安
2026年5月8日終値付近
5.27兆ドル 0.75兆ドル

業績と成長性の詳細分析

NVDAはデータセンター需要の急拡大で異次元の成長を継続しています。2026年度通期の売上は2,159億ドルで、前年比65%増でした。AMDもAIアクセラレータとEPYC CPUの拡大で2025年通期売上が346億ドル、前年比34%増となり、2026年Q1も前年比38%増と高成長を続けています。[2][5][6]

最新四半期の実績(発表ベース)

会社/期 売上高
(前年比)
トピック
NVDA:FY2026 Q4
2026年2月25日発表
681億ドル
+73% YoY[2]
データセンター売上は623億ドル、前年比75%増。Blackwell需要が成長を牽引し、FY2027 Q1売上見通しは780億ドル±2%です。[2]
AMD:2026年Q1
2026年5月発表
102.53億ドル
+38% YoY[6]
データセンター売上は58億ドル、前年比57%増。EPYCとInstinct GPUの需要が伸び、2026年Q2売上見通しは112億ドル±3億ドルです。[6]
NVDA 売上高
(前年比)
AMD 売上高
(前年比)
2026
NVDA:FY2026
AMD:2026年Q1のみ
2,159億ドル
+65%[2]
2026年Q1:102.53億ドル
+38%[6]
2025 1,305億ドル
+114%[7]
346億ドル
+34%[5]
2024 609億ドル
+126%[7]
258億ドル
+13.7%[8]
2023 270億ドル
+0.2%
227億ドル
-3.9%
2022 269億ドル
+61.4%
236億ドル
+43.6%
2021 167億ドル
+52.7%
164億ドル
+68.3%
2020 109億ドル 98億ドル

※B=10億ドル。NVDAは1月期、AMDは12月期。NVDAの2026年行はFY2026通期、AMDの2026年行は2026年Q1の四半期データです。

NVDAの現況:Blackwellが本格化し、次はVera Rubinへ

エヌビディアは、2026年度Q4に売上681億ドル、2026年度通期に売上2,159億ドルを記録しました。データセンター売上は通期で1,937億ドルとなり、全社売上の大部分を占めています。[2]

  • FY2026 Q4:売上681億ドル、前年比73%増。GAAP希薄化後EPSは1.76ドル、非GAAP希薄化後EPSは1.62ドルでした。[2]
  • FY2026通期:売上2,159億ドル、前年比65%増。GAAP純利益は1,201億ドル、GAAP希薄化後EPSは4.90ドルでした。[2]
  • FY2027 Q1見通し:売上780億ドル±2%を見込んでいます。ただし、中国向けデータセンター計算売上は見通しに含めていないと明記しています。[2]
  • 製品面:Blackwell世代が成長の中心で、次世代のVera Rubinでは72基のRubin GPUと36基のVera CPUを統合するラックスケール基盤が示されています。[3]
  • 投資家目線:業績は圧倒的ですが、時価総額が5兆ドルを超え、PERも50倍台です。成長が続く限り評価は正当化されやすい一方、成長率鈍化や中国規制、AI投資循環の変化には敏感です。

AMDの現況:AI・EPYCで急伸。ただし評価も急上昇

AMDは2025年通期に売上346億ドル、前年比34%増を記録しました。2026年Q1も売上102.53億ドル、前年比38%増となり、データセンターが主役になっています。[5][6]

  • 2025年通期:売上346億ドル、GAAP純利益43億ドル、GAAP希薄化後EPS2.65ドル、非GAAP希薄化後EPS4.17ドルでした。[5]
  • 2026年Q1:売上102.53億ドル、前年比38%増。GAAP希薄化後EPSは0.84ドル、非GAAP希薄化後EPSは1.37ドルでした。[6]
  • データセンター:2026年Q1のデータセンター売上は58億ドルで前年比57%増。EPYC CPUとInstinct GPUの需要拡大が寄与しました。[6]
  • 製品面:MI350シリーズはクラウド事業者で展開が進み、MI450シリーズとHeliosラックスケールAI基盤は2026年第3四半期以降の展開が予定されています。[4]
  • 投資家目線:AMDはNVDAに比べてAIアクセラレータのシェアは小さいものの、CPU、GPU、AI PC、組み込みまで成長余地があります。ただし、2026年5月時点の株価上昇により、実績PERは非常に高く、期待先行の銘柄になっています。
ミニ解説:PERは将来期待の織り込み度を示す目安に過ぎません。NVDAはすでに巨大な利益を出している「現在の勝者」、AMDは成長率と将来シェア拡大に期待が集まる「追撃者」です。どちらもAI需要が鈍化した場合はバリュエーション調整を受けやすいため、売上成長率だけでなく、粗利率、営業利益率、在庫、顧客集中、中国規制の影響も確認したいところです。

結論:あなたに合うのはどちら?

両社への投資は、AI計算需要の成長カーブとエコシステムの持続性に対する見立てで決まります(分析更新日:2026年5月9日)。

「現在の勝者」に乗り、市場の支配力に賭けるなら → エヌビディア(NVDA)

Blackwellの本格展開により、NVDAはAIデータセンターの中心銘柄であり続けています。CUDA、NVLink、ネットワーク、ラックスケールシステムまで含めたフルスタック優位は短期で崩れにくく、2026年度通期の売上2,159億ドル、データセンター売上1,937億ドルという実績が高い評価を支えています。[2][3] 一方で、時価総額はすでに5兆ドル規模に達しており、成長率の鈍化やAI設備投資の一時的な減速が起きると、株価の変動は大きくなりやすい点に注意が必要です。

「挑戦者の伸びしろ」と「分散」を取りに行くなら → AMD

AMDは、EPYC CPUInstinct GPUの両方でデータセンター需要を取り込める点が強みです。2026年Q1のデータセンター売上は58億ドル、前年比57%増となり、2026年Q2の売上見通しも112億ドル±3億ドルと強気です。[6] MI350、MI450、Heliosといったロードマップに加え、ROCmの改善も進んでいます。[4] ただし、NVDAとの差はまだ大きく、株価はすでに高い成長期待を織り込んでいます。AMDを選ぶなら、「AI GPUでどこまでシェアを取れるか」と「EPYCの成長が利益率をどこまで押し上げるか」を継続的に確認したいところです。


※本ページの分析は2026年5月9日時点の公開情報に基づいています。株価指標(PER等)は変動が大きいため、最新の公式情報・信頼できる金融データサイトで確認してください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

【注】(出典リンク)

  1. AMD配当方針 → 一次情報:AMD IR「FAQ:Does AMD pay a cash dividend?」(確認日:2026-05-09)
  2. NVDA FY2026 Q4・通期決算、配当、自社株買い → 一次情報:NVIDIA「NVIDIA Announces Financial Results for Fourth Quarter and Fiscal 2026」(確認日:2026-05-09)
  3. NVDA Vera Rubin・Blackwell後継プラットフォーム → 一次情報:NVIDIA「NVIDIA Vera Rubin Platform」(確認日:2026-05-09)
  4. AMD MI350・MI450・Helios・ROCm → 一次情報:AMD「AMD Unveils Strategy to Lead the $1 Trillion Compute Market and Accelerate Next Phase of Growth」(確認日:2026-05-09)
  5. AMD 2025年Q4・通期決算 → 一次情報:AMD IR「AMD Reports Fourth Quarter and Full Year 2025 Financial Results」(確認日:2026-05-09)
  6. AMD 2026年Q1決算・Q2見通し → 一次情報:AMD IR「AMD Reports First Quarter 2026 Financial Results」(確認日:2026-05-09)
  7. NVDA FY2025・FY2024通期決算 → 一次情報:NVIDIA「NVIDIA Announces Financial Results for Fourth Quarter and Fiscal 2025」(確認日:2026-05-09)
  8. AMD 2024年Q4・通期決算 → 一次情報:AMD IR「AMD Reports Fourth Quarter and Full Year 2024 Financial Results」(確認日:2026-05-09)

Posted by 南 一矢