NVDA/AMDを比較:エヌビディアとアドバンストマイクロデバイセズの違いとは
NVDAとAMDを違いを踏まえて比較します。(2025年6月更新)
エヌビディア(NVIDIA Corporation)とアドバンストマイクロデバイセズ(Advanced Micro Devices, Inc.)は、半導体やGPUの代表的な銘柄です。
その株価の推移(チャート)、決算の予想と結果、業績(財務情報)はどうなっているのでしょうか。
これらの銘柄について、今後の見通しや将来性を探ってみます。
株価:過去~現在
※チャート左目盛り:株価推移(SOXX:iShares Semiconductor ETFを含めて比較)
※チャート右目盛り:10年国債利回り
※株価の成長率や52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、PBR、PSR、時価総額などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。今後の見通しの参考情報として目標株価も掲載。
株価推移や成長率比較については以下の関連記事を参照
決算(予想:結果)
決算の予想:結果のグラフについては以下の関連記事を参照
★アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)決算:予想と結果 売上&EPS
★エヌビディア(NVDA)決算:予想と結果 売上&EPS
【AI半導体頂上決戦】エヌビディア(NVDA) vs AMD!絶対王者か、最強の挑戦者か?
現在の株式市場の主役であり、AI(人工知能)革命を牽引する2大半導体メーカー、エヌビディア(NVDA)とアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)。AIモデルの学習や実行に不可欠なGPU(画像処理半導体)市場で、両社は熾烈な競争を繰り広げています。
本記事では、AI市場で圧倒的な支配を築く「絶対王者」エヌビディアと、その牙城に挑む「最強の挑戦者」AMDの、驚異的な業績、株主還元、そして将来性を徹底的に比較・分析します。
最重要ポイント:これらは「配当株」ではありません
まず大前提として、NVDAとAMDは配当金を目的として投資する銘柄ではありません。
- AMD → 配当なし
AMDは現在、配当金を一切支払っていません。利益のすべてを研究開発(R&D)や事業成長のために再投資しています。 - エヌビディア → 配当は"おまけ"以下
NVDAは配当を支払っていますが、株価の急騰により利回りは0.0x%台と、ほぼゼロに等しい水準です。株主還元の中心は、株価上昇(キャピタルゲイン)と自社株買いです。
両社への投資は、あくまで事業の成長性に期待するものであることを理解する必要があります。
勝敗を分ける?エヌビディアの「CUDAの堀」
エヌビディアの強さは、単なるハードウェアの性能だけではありません。同社が長年かけて構築してきた「CUDA」というソフトウェア開発プラットフォームが、他社が追随できない強力な「堀(Moat)」となっています。世界中のAI開発者がCUDAを使い慣れているため、たとえ他社のGPUが安価で高性能でも、簡単には乗り換えられないのです。このエコシステムが、エヌビディアの独占的な地位を支えています。
比較サマリー:支配者のNVDA、挑戦者のAMD
項目 | エヌビディア (NVDA) | AMD |
---|---|---|
市場での立ち位置 | AI向けGPU市場の絶対的リーダー (シェア80%以上) | No.2の挑戦者。CPUでもインテルと競合。 |
強み | ソフトウェア「CUDA」による強力なエコシステム(堀) | CPU、GPU、FPGAなど多様な製品ポートフォリオ |
主力AI製品 | H100, B100/B200 (Blackwell) | Instinct MI300X |
配当方針 | ごく僅かな配当のみ | 配当なし |
PER (株価収益率) | 約70倍 | 約50倍 |
業績と成長性の詳細分析
エヌビディアの業績は、AIブームがいかに凄まじいかを物語っています。データセンター事業の爆発的な成長により、売上高は前年比で2倍、3倍になる異常事態となっています。AMDも堅調に成長していますが、その規模と勢いはNVDAには及びません。
年 | NVDA 売上高 (前年比) | AMD 売上高 (前年比) |
---|---|---|
2024 | $60.92 B (+125.9%) | $22.80 B (-3.9%) |
2023 | $26.97 B (+0.2%) | $23.72 B (+44.1%) |
2022 | $26.91 B (+61.4%) | $16.46 B (+68.3%) |
2021 | $16.68 B (+52.7%) | $9.78 B (+45.1%) |
2020 | $10.92 B | $6.74 B |
※B=10億ドル。両社は決算月が異なるため、各社会計年度に基づき比較しています。
結論:あなたに合うのはどちら?
両社への投資は、AI市場の未来をどう予測するかにかかっています。
「現在の勝者」に乗り、市場の支配力に賭けるなら → エヌビディア (NVDA)
AIのゴールドラッシュで、ツルハシとジーンズを売って最も儲けているのがエヌビディアです。「CUDA」という強力な堀を持つ限り、その支配は続くと考えるのが合理的です。高いバリュエーションはリスクですが、それを正当化するだけの圧倒的な成長性と収益性を誇ります。市場のリーダーに順張りしたい投資家向けの選択肢です。
「挑戦者の割安さ」と「多様性」に賭けるなら → AMD
エヌビディアの独占を快く思わない巨大テック企業(Microsoft, Googleなど)が、AMDの製品を積極的に採用する可能性があります。AI市場が拡大し続ける中で、強力なNo.2として大きな成長を遂げるポテンシャルは十分にあります。NVDAほどの熱狂がない分、バリュエーション(株価評価)に割安感があり、CPUやゲーム機向け事業など、AI以外の安定した収益源を持つことも魅力です。
※本ページの分析は2025年6月9日時点の公開情報に基づいています。投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任において行ってください。