NVDA/AMDを比較:エヌビディアとアドバンストマイクロデバイセズの違いとは

AI(人工知能),半導体,情報技術,銘柄比較

NVDAとAMDを違いを踏まえて比較します。(2025年11月更新)

エヌビディア(NVIDIA Corporation)とアドバンストマイクロデバイセズ(Advanced Micro Devices, Inc.)は、半導体やGPUの代表的な銘柄です。
その株価の推移(チャート)、決算の予想と結果、業績(財務情報)はどうなっているのでしょうか。
これらの銘柄について、今後の見通しや将来性を探ってみます。

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移(SOXX:iShares Semiconductor ETFを含めて比較)

※チャート右目盛り:10年国債利回り

※株価の成長率や52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、PBR、PSR、時価総額などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。今後の見通しの参考情報として目標株価も掲載。

株価推移や成長率比較については以下の関連記事を参照

AMD:アドバンスト・マイクロ・デバイセズの今後の見通し

NVDA:エヌビディアの今後の見通し

決算(予想:結果)

決算の予想:結果のグラフについては以下の関連記事を参照

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)決算:予想と結果 売上&EPS

エヌビディア(NVDA)決算:予想と結果 売上&EPS

重要ポイント:これらは「配当株」ではありません

まず大前提として、NVDAとAMDは配当金を目的として投資する銘柄ではありません。

  • AMD → 配当なし
    公式に「現時点で配当計画はない」と明言。フリーキャッシュフローは成長投資・自社株買いに充当しています。[1]
  • エヌビディア → 配当は“おまけ”
    2024年の10対1株式分割後、四半期配当を$0.01/株に引き上げ(2024-05-22発表)。その後も同水準で継続しています。主な株主還元は自社株買いと成長による株価上昇です。[2]

両社への投資は、あくまで事業の成長性に期待するものだと理解しておきましょう。

勝敗を分ける?エヌビディアの「CUDAの堀」

エヌビディアの強さはハードだけではありません。長年積み上げた開発基盤CUDAが堀(Moat)となり、AI向けアクセラレータ市場で80〜90%程度のシェアとの推計が多く、優位性の源泉になっています。[3][4]

比較サマリー:支配者のNVDA、挑戦者のAMD

項目 エヌビディア (NVDA) AMD
市場での立ち位置 AI向けGPU/アクセラレータの絶対的リーダー(80〜90%推計)[3][4] No.2の挑戦者。CPU(EPYC/ Ryzen)でもインテルと競合。
強み ソフトウェアCUDA+フルスタック(GPU/CPU/ネットワーク/ライブラリ)。 CPU・GPU・データセンターSoCの多角ポートフォリオとROCmエコシステム。
主力AI製品(2025年時点) Hopper(H100/H200)→ Blackwell(B200/GB200 NVL72)[5][6] Instinct MI300X(量産)→ MI325X(2024年Q4出荷開始)→ MI350シリーズ(2025年下期)。[7][8]
配当方針 ごく僅かな配当(利回り極小)。[2] 配当なし[1]
PER(直近の目安) 50倍台(変動大、2025-11-05時点の目安)。[9] 80倍前後(変動大、2025-11-05時点の目安)。[10]

業績と成長性の詳細分析

NVDAはデータセンター需要の急拡大で異次元の成長を継続。AMDもAIアクセラレータとEPYCで大幅増収に復帰しています。

最新四半期の実績(発表ベース)

会社/期 売上高(前年比) トピック
NVDA:FY2026 Q2(2025-08-27発表) $46.7B (+56% YoY)(前期比+15%)。[13] データセンターが牽引、配当$0.01継続を明記。Blackwell本格展開へ。[13]
AMD:2025年Q3(2025-11-04発表) $9.246B (+36% YoY)[14] データセンター売上が$4.90B(+80% YoY)へ。MI300/EPYCが拡大。[14]

NVDA 売上高 (前年比) AMD 売上高 (前年比)
2025(NVDA:FY2025)/2024(AMD:FY2024) $130.5 B (+114%)[11] $25.8 B (+13.7%)[12]
2024(NVDA:FY2024)/2023(AMD:FY2023) $60.9 B (+126%)[11] $22.68 B (-3.9%)[12]
2023 $26.97 B (+0.2%)[15] $23.60 B (+43.6%)[16]
2022 $26.91 B (+61.4%)[15] $16.43 B (+68.3%)[16]
2021 $16.68 B (+52.7%)[15] $9.76 B (+45.1%)[16]
2020 $10.92 B[15] $6.74 B[16]

※B=10億ドル。NVDAは1月期、AMDは12月期。年次の最新値は各社公式IR([11][12])に基づき、過去年次はMacrotrendsで補完([15][16])。

結論:あなたに合うのはどちら?

両社への投資は、AI計算需要の成長カーブとエコシステムの持続性に対する見立てで決まります(分析更新日:2025-11-05)。

「現在の勝者」に乗り、市場の支配力に賭けるなら → エヌビディア (NVDA)

Blackwell(B200/GB200 NVL72)の量産・出荷でフルスタック優位を拡大。CUDA依存は短期で解けにくく、売上・利益の実績が高い評価を支えます。順張りでベスト・イン・クラスを取りに行く選択肢です。[5][6][11][13]

「挑戦者の伸びしろ」と「分散」を取りに行くなら → AMD

MI300/MI325X/MI350のロードマップに加え、EPYCの成長も追い風。クラウド各社の“マルチベンダー志向”に乗れば、No.2拡大の余地は大きい。収益源の多様性も強みです。[7][8][14]


※本ページの分析は2025年11月5日時点の公開情報に基づいています。株価指標(PER等)は変動が大きいため、最新の公式/信頼サイトで確認してください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

ミニ解説:PERは将来期待の織り込み度を示す目安に過ぎません。四半期決算(NVDA:FY2026、AMD:2025)で成長率と粗利が想定通りかを必ず確認しましょう。[9][10]

【注】(出典リンク)

  1. AMD配当方針 → AMD IR FAQ(配当なし明記)(確認日:2025-11-05)
  2. NVDA配当$0.01(分割後) → NVIDIA Newsroom(2024-05-22)Reuters(補足)(確認日:2025-11-05)
  3. AIアクセラレータ市場シェア(NVDA優勢の推計) → Reuters:84%言及(2024-12-20)(確認日:2025-11-05)
  4. 市況・構造見通し(NVDA優勢継続の文脈) → Omdiaプレス(2025-08)(確認日:2025-11-05)
  5. NVDA GB200 NVL72 製品ページ(構成/性能の概要) → NVIDIA公式(確認日:2025-11-05)
  6. NVDA Blackwell アーキテクチャ解説 → NVIDIA公式(確認日:2025-11-05)
  7. AMD MI325X 出荷計画(2024年Q4〜) → AMDニュースリリース(2024-10-10)(確認日:2025-11-05)
  8. AMD MI350 シリーズ(2025年発表/ロードマップ) → AMD公式ブログ(2025-06-12)(確認日:2025-11-05)
  9. NVDAの直近PERの目安(TTM) → Macrotrends – NVDA P/E(確認日:2025-11-05)
  10. AMDの直近PERの目安(TTM) → Macrotrends – AMD P/E(確認日:2025-11-05)
  11. NVDA 2025年通期 売上$130.5B(+114%)等 → NVIDIAプレスリリース(2025-02-26)(確認日:2025-11-05)
  12. AMD 2024年通期 売上$25.8B(+13.7%)等 → AMD IR(2025-02-04)(確認日:2025-11-05)
  13. NVDA FY2026 Q2(売上$46.7B、配当継続等) → NVIDIAプレスリリース(2025-08-27)(確認日:2025-11-05)
  14. AMD 2025年Q3(売上$9.246B、DC$4.90B) → AMD IR(2025-11-04)(確認日:2025-11-05)
  15. NVDA過去年次(補完) → Macrotrends – NVDA Revenue(確認日:2025-11-05)
  16. AMD過去年次(補完) → Macrotrends – AMD Revenue(確認日:2025-11-05)

Posted by 南 一矢