GSとMSを比較:ゴールドマンサックスとモルガンスタンレーの違いとは

銘柄比較

GSとMSを違いを踏まえて比較します。(2025年7月更新)

ゴールドマンサックス(Goldman Sachs)とモルガンスタンレー(Morgan Stanley)は投資銀行の代表格です。
その株価の推移(チャート)、決算の予想と結果、配当金と利回り、業績(財務情報)はどうなっているのでしょうか。
これらの銘柄について、今後の見通しや将来性を探ってみます。

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移(XLF:Financial Select Sector SPDR Fundを含めて比較)

※チャート右目盛り:10年国債利回り

※株価の成長率や52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、PBR、PSR、時価総額などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。今後の見通しの参考情報として目標株価も掲載。

決算(予想:結果)と配当

決算の予想:結果については以下の関連記事を参照

ゴールドマンサックス(GS)決算:予想と結果 売上&EPS

モルガンスタンレー(MS)決算:予想と結果 売上&EPS

【ウォール街の巨人対決】ゴールドマン・サックス (GS) vs モルガン・スタンレー (MS)

伝統か安定か? ― ビジネスモデルと株主還元を最新データで徹底比較

指標ミニガイド

ROE / ROTCE
自己資本(または有形自己資本)に対する利益率。高いほど稼ぐ力が強い。
CET1 比率
最も厳しい自己資本規制の比率。規制最低線(約8%)を大きく上回ると安全余力大。
P/B
株価 ÷ 1 株当たり簿価。<1 倍は簿価割れ、>1 倍はプレミアム評価。
配当利回り
年間配当 ÷ 株価。インカム投資家の注目ポイント。

1 | 収益構造の決定的な違い

◆ ゴールドマン・サックス(GS)

  • 核は 投資銀行+トレーディング。市場好況時の爆発力が大。
  • 2023〜25 年は資産・ウェルス・マネジメントの拡大で安定収益を強化。
  • 2025/7 時点のウェルスマネジメント運用資産 $2.9 T。

◆ モルガン・スタンレー(MS)

  • 収益の 45% 以上を占めるウェルス・マネジメントが“手数料エンジン”。
  • Eaton Vance 買収後、運用資産 $6.6 Tで世界最大級の WM プレーヤー。
  • 市場サイクルに左右されにくい安定モデルだが、ROE は GS より低め。

2 | 2024 通期ハイライト

指標 (FY 2024) GS MS
純収益 $53.51 B[1] $61.8 B[2]
純利益 $14.28 B[1] $13.4 B[2]
ROE 12.7 %[3] 13.9 %[2]
CET1 比率 14.6 %[3] 15.0 %[2]

3 | 株価バリュエーション & 配当 (2025/7/25 終値)

項目 GS MS
株価 $728.98[4] $143.01[5]
簿価/株 (BVPS) $349.74[6] $61.59[7]
P/B 2.1 倍 2.3 倍
年間配当 $16.00[8] $4.00[9]
配当利回り 2.2 % 2.8 %
連続増配年数 14 年 12 年

4 | 強みとリスク

◆ ゴールドマン・サックス

  • 強み:市場回復時のレバレッジ効果が大/資産運用拡大で ROE 改善余地。
  • リスク:市場ボラティリティに業績が直結。高 ROE でも収益変動は最大。

◆ モルガン・スタンレー

  • 強み:ウェルス・マネジメント由来の安定手数料/CET1 15 %台の厚い資本。
  • リスク:プレミアム評価(P/B >2 倍)で割安感は限定的。成長ペース鈍化も懸念。

5 | 投資判断のヒント

◆ 攻めの高βを狙うなら GS
市場サイクルに賭け、高い ROE と増配余地を取り込む戦略。ただし下落局面ではブレが大きい点に注意。
◆ 安定インカムを重視するなら MS
WM ビジネスが下支えし、配当も着実に増加。株価の爆発力より防御力を求める投資家向け。

免責事項:本記事は情報提供のみを目的とし、特定銘柄の推奨ではありません。投資判断は自己責任でお願いします。

参考・出典

  1. GS 2024 通期決算リリース
  2. MS 2024 通期決算リリース (PDF)
  3. GS 2024 アニュアルレポート
  4. Yahoo! Finance ― GS 株価
  5. Yahoo! Finance ― MS 株価
  6. GS 8‑K (2025/7/16)
  7. MS 2Q25 補足資料
  8. GS 配当増額発表 (2025/6/24)
  9. MS 配当増額発表 (2025/6/27)

※本ページの分析は2025年7月28日時点の公開情報に基づいています。投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任において行ってください。

Posted by 南 一矢