HD/LOWを比較:ホームデポとロウズカンパニーの違いとは
HDとLOWを違いを踏まえて比較します。(2026年5月更新)
ホームデポ(The Home Depot, Inc.)とロウズ(Lowe’s Companies, Inc.)は、米国ホームセンター業界の代表格です。
その株価の推移(チャート)、決算の予想と結果、配当金と利回り、業績(財務情報)はどうなっているのでしょうか。
これらの銘柄について、今後の見通しや将来性を探ってみます。
株価:過去~現在
※チャート左目盛り:株価推移(VCR:Vanguard Consumer Discretionary ETFを含めて比較)
※チャート右目盛り:10年国債利回り
決算(予想:結果)
株価や決算などについては以下の関連記事を参照
★ホームデポ(HD)決算:予想と結果 売上&EPS
★ロウズ・カンパニーズ(LOW)決算:予想と結果 売上&EPS
【ホームセンター対決】ホームデポ(HD) vs ロウズ(LOW)!王者HDか、配当王LOWか?
米国の住宅市場と消費の強さを象徴する2大企業、ホームデポ(HD)とロウズ(LOW)。両社は住宅リフォームやDIYの需要を取り込み、株主への力強い還元を続けてきました。しかし、業界No.1の「王者」ホームデポと、60年以上の連続増配を誇る「配当王」ロウズでは、その戦略と投資家にとっての魅力が異なります。
最重要ポイント:得意な顧客層の違い
両社の最大の違いは、メインターゲットとする顧客層にあります。
- ホームデポ(HD) → Pro顧客重視
建設業者・リフォーム業者など「Pro」が中核です。2024年6月に屋根材・外装材などの専門商材に強いSRS Distributionを約182.5億ドルで買収し、さらに2025年9月にはSRS子会社を通じてGMSの買収も完了しました。Pro向け商材・配送網・専門流通を広げる戦略が鮮明です。[1][2] - ロウズ(LOW) → DIY顧客に強く、近年はPro強化
伝統的にDIY(一般消費者)に強みがあります。一方で、2025年6月にArtisan Design Group(ADG)、2025年10月にFoundation Building Materials(FBM)の買収を完了し、Pro顧客向けの内装・建材流通を強化しました。ロウズはPro売上構成比を約30%と説明しています。[3][4][5]
比較サマリー:収益性のHD、連続増配のLOW
| 項目 | ホームデポ (HD) |
ロウズ (LOW) |
|---|---|---|
| 市場地位 | No.1 | No.2 |
| 得意顧客 | Pro顧客。SRS・GMS買収で専門業者向け商材と配送網を強化。 | DIY顧客に強く、ADG・FBM買収でPro顧客を強化中。 |
| 連続増配・配当実績 | 2026年3月支払い分で156四半期連続の現金配当。四半期配当は2.33ドルへ増配。[6] | 60年以上の連続増配を続ける配当王。2026年5月支払い分は四半期1.20ドル。[7] |
| 配当利回り 2026年5月8日終値付近 |
約2.9% 年額9.32ドル、株価317.45ドルで試算 |
約2.1% 年額4.80ドル、株価229.20ドルで試算 |
| PERの目安 2026年5月8日終値付近 |
約21.7倍 | 約19.0倍 |
| 2026年度会社見通し | 売上成長率+2.5〜+4.5%、既存店売上は横ばい〜+2.0%、調整後営業利益率12.8〜13.0%。[6] | 売上920〜940億ドル、既存店売上は横ばい〜+2.0%、調整後営業利益率11.6〜11.8%。[8] |
業績と成長性の詳細分析
コロナ禍の「巣ごもりDIYブーム」で両社ともに大きく業績を伸ばしましたが、その後は金利上昇、住宅売買の停滞、大型リモデリングの先送りで成長が鈍化しました。2025年度は両社とも既存店売上の大幅回復には至っていませんが、ホームデポはSRS買収で売上規模を押し上げ、ロウズはADG・FBM買収で2026年度売上見通しを大きく伸ばす形になっています。
| 年・期 | HD 売上高 (前年比) |
LOW 売上高 (前年比) |
|---|---|---|
| 2025年度 HD:期末2026年2月 LOW:期末2026年1月 |
1,647億ドル +3.2%[6] |
863億ドル +3.1%前後[8] |
| 2024年度 | 1,595億ドル +4.5%[9] |
837億ドル -3.1%[10] |
| 2023年度 | 1,527億ドル -3.0%[9] |
864億ドル -11.0%[10] |
| 2022年度 | 1,574億ドル +4.1% |
971億ドル 53週決算の影響含む |
| 2026年度見通し | 売上成長率+2.5〜+4.5% 調整後営業利益率12.8〜13.0% |
売上920〜940億ドル 調整後営業利益率11.6〜11.8% |
※B=10億ドル。HD/LOWは会計年度と週数が異なるため、各社開示に基づき比較。LOWの2022年度は53週決算です。
HDの現況:Pro向け専門流通を取り込み、規模の優位を拡大
ホームデポは2025年度に売上1,647億ドル、前年比3.2%増となりました。既存店売上は2025年度通期で0.3%増、米国既存店売上は0.5%増にとどまりましたが、SRS買収の効果もあり売上規模は拡大しています。[6]
- 2025年度通期:売上1,647億ドル、純利益142億ドル、希薄化後EPS14.23ドル。調整後EPSは14.69ドルでした。[6]
- 2025年度Q4:売上382億ドル、既存店売上0.4%増、米国既存店売上0.3%増でした。前年同期は14週、2025年度Q4は13週だったため、単純比較では曜日・週数の差もあります。[6]
- 2026年度見通し:売上成長率2.5〜4.5%、既存店売上は横ばい〜2.0%増、調整後営業利益率12.8〜13.0%を見込んでいます。[6]
- 投資家目線:住宅市場が弱くても、Pro向けの専門流通を取り込むことで市場シェアを広げられる点が強みです。一方で、買収後の利益率低下や負債増加には注意が必要です。
LOWの現況:配当王の実績は強いが、買収後の利益率が焦点
ロウズは2025年度に売上863億ドル超となり、2024年度の837億ドルから増収に転じました。2025年度Q4の既存店売上は1.3%増で、Pro、オンライン、ホームサービスが成長を支えました。[8]
- 2025年度Q4:売上206億ドル、既存店売上1.3%増、調整後希薄化EPS1.98ドルでした。[8]
- 2025年度通期:売上は860億ドル超、年間配当支払いは26億ドルでした。[8]
- 2026年度見通し:売上920〜940億ドル、既存店売上は横ばい〜2.0%増、調整後営業利益率11.6〜11.8%、調整後EPS12.25〜12.75ドルを見込んでいます。[8]
- 投資家目線:連続増配の実績は非常に強い一方、ADG・FBM買収による売上増が利益率やEPS成長にどこまでつながるかを確認する局面です。
配当の詳細比較:配当王LOWの歴史 × HDの高いキャッシュ創出力
ロウズは60年以上の連続増配を続ける配当王です。一方、ホームデポも長期にわたり配当を支払い続け、2026年3月支払い分で四半期配当を2.33ドルに引き上げました。HDは連続増配年数ではLOWに及びませんが、事業規模とキャッシュ創出力の大きさが魅力です。
| 年 | HD 年間配当 (増配率) |
LOW 年間配当 (増配率) |
|---|---|---|
| 2026 年率換算 |
9.32ドル 四半期2.33ドルベース |
4.80ドル 四半期1.20ドルベース |
| 2025 | 9.20ドル台 2.30ドル中心 |
4.80ドル 1.20ドル中心 |
| 2024 | 9.00ドル +7%台 |
4.40ドル +5%台 |
| 2023 | 8.36ドル +15%台 |
4.18ドル +30%台 |
| 2022 | 7.26ドル +10%前後 |
3.10ドル +30%台 |
| 2021 | 6.60ドル +10%前後 |
2.33ドル +9%台 |
| 2020 | 6.00ドル +6%台 |
2.13ドル +13%台 |
直近の定例配当は、HDが2.33ドル/四半期(年額9.32ドル)、LOWが1.20ドル/四半期(年額4.80ドル)です。[6][7]
2026年の見通し:住宅市場が弱い中で、Pro戦略の差が出る
2026年5月時点では、米国住宅市場はまだ力強い回復局面とは言いにくく、金利水準や住宅売買の停滞が大型リフォーム需要の重しになっています。そのため、HDとLOWの比較では、短期的な既存店売上よりも、Pro顧客向けの商材・物流・専門サービスをどれだけ利益ある形で伸ばせるかが重要です。
- HD:SRS・GMSを通じて、屋根材、外装材、内装建材などの専門流通に深く入り込みました。業界No.1の店舗網に専門流通を重ねることで、Pro顧客向けの競争力はさらに強まっています。
- LOW:ADG・FBM買収により、Pro向けの内装・建材流通を大きく補強しました。DIY依存を下げ、Pro比率を引き上げられれば、中期的な収益安定にプラスです。
結論:あなたに合うのはどちら?
両社の比較は、「業界No.1の規模と収益性」と「絶対的な連続増配の実績」のどちらをより高く評価するかの選択になります。
「経営の質・規模・Pro市場での強さ」を重視するなら → ホームデポ(HD)
ホームデポは、業界最大手としての規模、Pro顧客への強さ、買収による専門流通の拡大が魅力です。2025年度は売上1,647億ドル、2026年度も売上成長率2.5〜4.5%を見込んでいます。調整後営業利益率見通しも12.8〜13.0%と、依然として高い収益性を維持する計画です。[6] ただし、SRS・GMS買収後は統合費用、負債、利益率の変化を丁寧に見る必要があります。
「配当の歴史とPro強化による追い上げ」を重視するなら → ロウズ(LOW)
ロウズは、60年以上の連続増配という非常に強い配当実績を持ちます。2026年度は売上920〜940億ドルを見込み、ADG・FBM買収によりPro向けの品揃えと流通網を強化しています。[7][8] 一方で、調整後営業利益率見通しは11.6〜11.8%でHDよりやや低く、買収による売上増が利益率改善に結びつくかが重要です。配当王としての安心感はありますが、今後は「増配の歴史」だけでなく「Pro強化の成果」を確認したい銘柄です。
※本ページの分析は2026年5月9日(日本時間)時点の公開情報に基づいています。投資判断はご自身の責任でお願いします。
【注】(出典リンク)
- HDのSRS Distribution買収 → 一次情報:Home Depot「The Home Depot Completes Acquisition of SRS Distribution」(確認日:2026-05-09) ↩
- HDのGMS買収完了 → 一次情報:Home Depot「The Home Depot and its Subsidiary SRS Distribution Complete Acquisition of GMS」(確認日:2026-05-09) ↩
- LOWのADG買収完了 → 一次情報:Lowe’s「Lowe’s Completes Acquisition of Artisan Design Group」(確認日:2026-05-09) ↩
- LOWのFBM買収完了 → 一次情報:Lowe’s「Lowe’s Completes Acquisition of Foundation Building Materials」(確認日:2026-05-09) ↩
- LOWのPro売上構成比 → 一次情報:Lowe’s「Investor Fact Sheet 2025」(確認日:2026-05-09) ↩
- HD 2025年度決算・2026年度見通し・配当 → 一次情報:Home Depot「The Home Depot Announces Fourth Quarter and Fiscal 2025 Results; Increases Quarterly Dividend; Provides Fiscal 2026 Guidance」(確認日:2026-05-09) ↩
- LOWの直近配当 → 一次情報:Lowe’s「Lowe’s Companies, Inc. Declares Cash Dividend」(確認日:2026-05-09) ↩
- LOW 2025年度決算・2026年度見通し → 一次情報:Lowe’s「Lowe’s Reports Fourth Quarter 2025 Sales and Earnings Results」(確認日:2026-05-09) ↩
- HD 2024年度・過去売上 → 一次情報:Home Depot「2025 Annual Report」/Home Depot「2024 Annual Report」(確認日:2026-05-09) ↩
- LOW 2024年度・過去売上 → 一次情報:Lowe’s「2025 Form 10-K」/Lowe’s「2024 Annual Report」(確認日:2026-05-09) ↩


ミニ解説:2026年は「既存店売上の回復」よりも「Pro買収の消化」が焦点
2026年度の会社見通しでは、HDもLOWも既存店売上は横ばい〜2%増程度です。つまり、住宅リフォーム需要が急回復する前提ではありません。むしろ注目点は、HDがSRS・GMSを、LOWがADG・FBMをどれだけ利益ある成長に変えられるかです。買収で売上は増えますが、統合費用や利益率低下も起こりやすいため、営業利益率の推移をあわせて見る必要があります。