GS:ゴールドマンサックスの配当推移

配当,金融






【2025年12月更新】ゴールドマン・サックス (GS) 配当分析 – 配当引き上げ方針と業績・財務体力を点検

【2025年12月更新】ゴールドマン・サックス (GS) 配当分析 – 配当引き上げ方針と業績・財務体力を点検

🎯 直近アップデート(反映範囲:2025年Q2=2025年6月30日終了)

ゴールドマン・サックスは、ストレス資本バッファー(SCB)の低下を背景に、四半期配当を$3.00→$4.00へ引き上げる方針を公表しました(取締役会の通常決議を前提)。[4]
同時期の2025年Q2決算では、純収益$146億ドルEPS $10.91などが示され、株主還元の余力を裏付ける材料となっています。[1]

注:本稿は一次情報を優先し、2025年Q2までの公表値を表と本文に反映しています。[5]

世界トップクラスの投資銀行であるゴールドマン・サックス(GS)について、配当の持続性(配当政策・財務体力)と、直近業績の見え方を数値表を中心に整理します。

はじめに:この記事でわかること

GSの配当の魅力とリスクを、以下のポイントを通じて多角的に評価します。

  • GSの最新業績:2025年Q1~Q2(上半期)の業績・収益構造
  • 配当方針:配当引き上げ方針の背景と持続性の評価
  • 財務体力:CET1比率など自己資本指標の水準
  • 競合比較:大手金融との「株主還元・健全性」の見え方
  • 投資判断:配当の持続性と今後の注目点

ゴールドマン・サックスの現状(ざっくりまとめ)

  • 2025年上半期(Q1+Q2)業績ハイライト:
    • EPS(単純合算)$25.03(Q1: $14.12 + Q2: $10.91)[2][1]
    • 純収益(単純合算)$296.6億(Q1: $150.6億 + Q2: $146.0億)[2][1]
    • Q2:ROE 12.8%(年率換算)[1]
    • 運用資産(運用・管理資産等の定義は開示に従う):Q2時点で過去最高水準の記載あり[1]
  • 配当・株主還元:
    • 配当:四半期配当を$4.00へ引き上げる方針(公表ベース)[4]
    • 株主還元:配当と自社株買いの組み合わせで柔軟に実施(四半期ごとの変動あり)
  • 現状分析: 上半期の利益水準と資本比率のレンジからは、配当(方針)を支えうる余力は確認できます。一方で投資銀行・マーケッツ比率が高く、業績は市況要因の影響を受けます。
免責事項: 本分析は情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。

1. 2025年最新業績:2025年上半期(Q1~Q2)の確認

2025年Q1とQ2は、いずれも純収益が$140億~$150億台となり、投資銀行・トレーディング(マーケッツ)と資産運用(アセット&ウェルス)の両面を踏まえて評価する局面です。[2][1]

2025年上半期 業績サマリー(四半期+上半期合算+2024年通期)
項目 2025年Q1 2025年Q2 2025年上半期(単純合算) 2024年通期
希薄化後EPS $14.12 $10.91 $25.03 $31.52
純収益(10億ドル) $15.06 $14.60 $29.66 $50.90
純利益(10億ドル) $4.74 $3.70 $8.44 $11.30
ROE(年率換算) 16.9% 12.8% 10.2%

表のQ1・Q2は各四半期の公表値、上半期は単純合算です。一次情報は【注】参照。[2][1][3]

部門別収益の内訳(2025年Q2)

ここでは、記事内で参照頻度が高いQ2の部門別純収益を表に戻して整理します。[1]

部門別純収益(2025年Q2、10億ドル)
事業部門 2025年Q2 2025年Q1 前年同期比 備考(本文の読み筋)
インベストメント・バンキング $2.7 $2.3 +26% M&A・資本市場の回復局面
グローバル・マーケッツ $8.2 $9.0 +8% エクイティが牽引
 - エクイティ $4.3 $4.8 +36% ボラティリティ・取引量の影響
 - FICC $3.9 $4.2 -15% 金利・クレジット環境の影響
アセット&ウェルス・マネジメント $3.8 $4.1 -3% 運用・手数料収益の積み上げ
プラットフォーム・ソリューション $0.7 $0.7 +2% 構造改革の影響を受けやすい

部門別は、四半期の「構成比」が読みどころです。特にマーケッツ(トレーディング)は市況に連動しやすく、収益の振れが配当余力(増配のペース)に影響し得ます。一次情報は【注】参照。[1]

2. 配当政策と株主還元戦略

GSは配当と自社株買いを組み合わせる形で、資本規制と収益環境に合わせた株主還元を行います。今回の四半期配当$4.00への引き上げ方針は、SCBの低下(資本要求の変化)を背景としたものです。[4]

配当履歴と配当性向(再掲:表を復元)

配当履歴と配当性向(2020年~2025年)
年度 四半期配当 年間配当 増配率 配当性向(参考)
2020 $1.25 $5.00 +13.6% 20.2%
2021 $2.00 $8.00 +60.0% 13.5%
2022 $2.50 $10.00 +25.0% 33.3%
2023 $2.75 $11.00 +10.0% 48.1%
2024 $3.00 $12.00 +9.1% 38.1%
2025 $4.00(方針) $16.00(方針) +33.3%(方針) 約32%(参考)

配当性向(参考)の考え方:年間配当 ÷ EPS。2025年は、上半期EPS($25.03)を年換算して参考値として示しています(実績ではなく目安)。一次情報は【注】参照。[4][2][1]

総株主還元の推移(表を復元)

総株主還元額(配当+自社株買い、10億ドル)
期間 純利益 配当 自社株買い 総還元額 還元率(参考)
2023年 $8.5 $3.6 $6.5 $10.1 119%
2024年 $11.3 $3.9 $8.1 $12.0 106%
2025年Q1 $4.7 $1.0 $2.2 $3.2 約68%
2025年Q2 $3.7 $1.0 $3.0 $4.0 約108%

四半期単位では自社株買いの増減が還元率を動かしやすく、配当(固定的)+買い戻し(調整弁)という構図になります。一次情報は【注】参照。[2][1]

3. 財務体力:自己資本比率(CET1等)

銀行・証券の収益が好調でも、配当・買い戻しの余力は資本規制(要求水準)に左右されます。ここでは本文で参照頻度が高い自己資本指標を、表として戻します。[1]

自己資本指標 2024年末 2025年Q1末 2025年Q2末 規制要件(会社開示ベース)
CET1比率 14.7% 14.6% 14.5% 13.6% → 10.9%(変更予定の記載)
Tier1資本比率 16.3% 16.2% 16.1% (レンジは開示に従う)
総自己資本比率 19.8% 19.7% 19.6% (レンジは開示に従う)
SLR(補完レバレッジ比率) 6.0% 5.9% 5.8% 5.0%
自己資本比率の「どの程度の余裕があるか」は、配当・自社株買いの上限を実務的に決める重要変数です。一次情報は【注】参照。[4][1]

自己資本比率の意味と重要性

CET1比率(普通株式等Tier1比率):銀行の財務健全性を示す重要指標。質の高い自己資本が、リスクアセットに対してどの程度あるかを示します。

読み方: 「規制要件に対するバッファー」と「収益の変動(損失耐性)」をセットで見ます。


4. 流動性と資金調達の安定性(表を復元)

十分な流動性の確保と安定的な資金調達は、グローバル金融機関の事業継続性の根幹です。

指標 2022年末 2023年末 2025年Q2末(本稿表示) 規制上の最低水準
LCR(流動性カバレッジ比率) 142% 137% 約140% 100%
NSFR(安定調達比率) >100% >100% >100% 100%
HQLA(適格流動資産) 約$390B 約$380B 約$375B N/A
流動性指標は開示箇所が分散しやすい項目です。本稿の表示は「本記事の元構成」を維持するため再掲していますが、最終的には一次情報の該当開示での照合が推奨です。[1][3]

5. リスク管理(信用リスク・市場リスク等)(表を復元)

GSは信用・市場・オペレーショナル等のリスクを包括的に管理しています。ここでは記事内で参照していた「貸倒関連」の簡易表を戻します(四半期の詳細は開示に従って評価)。[3]

指標 2020年 2022年 2023年 2025年上半期(本稿表示)
貸倒引当金費用(百万ドル) 3,099 615 558 約600
純貸倒(百万ドル) N/A 167 236 約200
貸倒関連は景気循環やポートフォリオ構成(与信・担保・顧客層)の影響を受けます。マーケッツ収益と異なり、ストレス局面で「遅れて効く」こともあるため、配当余力を見る際は資本比率とセットで確認します。

6. 競合他行との比較(表を復元)

金融機関 配当利回り(参考) 四半期配当(参考) ROE(直近) CET1比率
ゴールドマン・サックス (GS) 約2.2% $4.00(方針) 12.8%(Q2) 14.5%
モルガン・スタンレー (MS) 約3.4% 約$0.90 約15% 約15.0%
JPモルガン・チェース (JPM) 約2.1% 約$1.25 約21% 約15.3%
バンク・オブ・アメリカ (BAC) 約2.4% 約$0.26 約15% 約11.8%
比較表の「利回り」は株価で動きます。本稿は元の表構成を維持するため再掲しており、最終的には各社の一次情報(配当と資本比率)+株価で評価してください。

7. 投資家が注意すべきリスク

  • 市場ボラティリティ依存: トレーディング収益は市況の影響を受け、四半期ごとの振れが大きくなり得ます。
  • 規制環境の変化: SCBなど資本要求の変化は、配当・買い戻しの余力を直接左右します。[4]
  • ディール活動への依存: 投資銀行手数料はM&AやIPO市場の温度感に敏感です。
  • 地政学的リスク: 国際金融市場の分断・規制強化は、取引・投資銀行業務に波及し得ます。

8. 結論:配当の持続性と今後の見通し

2025年上半期の利益水準と自己資本比率のレンジからは、配当(方針)を支えうる余力は確認できます。[2][1]
一方で、GSは投資銀行・マーケッツ比率が高く、業績は市況に左右されるため、「業績の振れ」と「資本規制(要求水準)」の両方を定点観測するのが実務的です。[4]

免責事項

本レポートは、Goldman Sachsの公式発表資料等の公開情報に基づく分析であり、投資助言を構成するものではありません。投資判断は投資家自身の責任において行ってください。

最終更新日: 2025年12月28日
次回更新予定: 2026年2月(2025年Q4決算発表後の反映を想定)

【注】(出典リンク)

  1. 2025年Q2決算(一次情報)→ GS Pressroom(Q2 2025 Results)決算資料PDF(確認日:2025-12-28)
  2. 2025年Q1決算(一次情報)→ GS Pressroom(Q1 2025 Results)決算資料PDF(確認日:2025-12-28)
  3. 2024年通期(一次情報)→ GS Pressroom(Q4 & Full Year 2024 Results)決算資料PDF(確認日:2025-12-28)
  4. 配当引き上げ方針(一次情報)→ GS Pressroom(Stress Capital Buffer Statement)(確認日:2025-12-28)
  5. 本稿の反映範囲(編集注)→ Q2 2025の一次情報(確認日:2025-12-28)



Posted by 南 一矢