HD:ホームデポの配当推移
最新アップデート(2026年9月):ホームデポは2026年8月18日にFY2026第2四半期決算を発表しました。Q2売上高は478.61億ドルで前年同期比5.7%増、既存店売上は1.7%増、米国既存店売上は1.3%増、希薄化EPSは4.79ドルでした。会社はFY2026通期ガイダンスを据え置いています。[1] また、2026年8月20日に四半期配当2.33ドルを再度宣言し、2026年9月17日に支払うと発表しました。現行年率配当は9.32ドルです。[2]
ホームデポ(The Home Depot Inc、ティッカー:HD)の配当利回りと株価をチャート(直近90日間)で見てみます。
権利落ち日や配当性向(1株配当÷EPS、EPS比で配当を払い過ぎていないかを見る指標)に加え、営業キャッシュフロー、設備投資、買収による負債負担、住宅市場とプロ向け需要の動向も確認します。
配当利回りと株価の推移:3ヶ月チャート
年間利回り、配当成長率、配当性向、EPS等
年平均の配当利回りや配当成長率、配当性向、年間の1株配当、平均株価、通年EPSの推移を確認します。
配当額はHome Depot公式のDividend Historyを優先しています。2026年は通期が完了していないため、四半期配当2.33ドルを年率換算した9.32ドルと、最新の終了済み取引日である2026年9月16日終値302.47ドルを用いた参考値です。現時点の参考配当利回りは約3.08%です。[2][3]
| 年 | 配当 | 平均株価 /参考株価 |
年EPS | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 平均利回り /参考利回り |
成長率 | 配当性向 | 年計 | |||
| 2026 年率換算 |
約3.08% (9月16日終値) |
1.3% | 約63〜66% (会社EPS見通しベース) |
9.32 | 302.47 (9月16日終値) |
約14.23〜14.80 (会社見通しから算出) |
| 2025 | 2.49% | 2.2% | 64.7% | 9.20 | 370.12 | 14.23 |
| 2024 | 2.54% | 5.6% | 60.4% | 9.00 | 354.34 | 14.91 |
| 2023 | 2.96% | 7.7% | 56.4% | 8.36 | 287.58 | 14.83 |
| 2022 | 2.55% | 15.2% | 48.9% | 7.60 | 305.70 | 15.53 |
| 2021 | 2.05% | 10.0% | 55.3% | 6.60 | 334.30 | 11.94 |
| 2020 | 2.38% | 10.3% | 58.5% | 6.00 | 252.50 | 10.25 |
| 2019 | 2.57% | 32.0% | 55.9% | 5.44 | 211.40 | 9.73 |
| 2018 | 2.20% | 15.7% | 56.5% | 4.12 | 187.10 | 7.29 |
| 2017 | 2.22% | 29.0% | 55.2% | 3.56 | 160.40 | 6.45 |
| 2016 | 2.11% | 16.9% | 50.5% | 2.76 | 130.80 | 5.46 |
| 2015 | 2.00% | 25.5% | 50.1% | 2.36 | 117.90 | 4.71 |
| 2014 | 2.15% | 20.5% | 50.0% | 1.88 | 87.40 | 3.76 |
| 2013 | 2.06% | 34.5% | 52.0% | 1.56 | 75.70 | 3.00 |
| 2012 | 2.10% | 11.5% | 47.0% | 1.16 | 55.30 | 2.47 |
| 2011 | 2.83% | 9.5% | 51.7% | 1.04 | 36.80 | 2.01 |
| 2010 | 2.99% | 5.6% | 60.5% | 0.95 | 31.80 | 1.57 |
| 2009 | 3.54% | 0% | 67.2% | 0.90 | 25.40 | 1.34 |
| 2008 | 3.56% | 0% | 38.0% | 0.90 | 25.30 | 2.37 |
※2026年の配当性向は、現行年率配当9.32ドルと、FY2025希薄化EPS14.23ドルに対して「横ばい〜4%増」とするFY2026会社ガイダンスから計算した参考値です。FY2026の想定希薄化EPSは約14.23〜14.80ドルとなり、配当性向は約63.0〜65.5%です。[1]
ホームデポ(HD)財務分析:小売大手の増配力と財務体質
着実に成長する配当の実績
ホームデポ(HD)の配当は、長期では大幅な増加基調を維持しています。2009年の年間配当0.90ドルから、FY2025には9.20ドルまで拡大しました。2026年2月には四半期配当を2.30ドルから2.33ドルへ引き上げ、年率換算9.32ドルとなりました。[4]
その後も2026年5月、8月に四半期2.33ドルの配当を維持しています。2026年8月20日の宣言分は、2026年9月3日時点の株主を対象に9月17日に支払われ、現金配当の支払いは158四半期連続となりました。[2]
配当成長率の推移と最近の動向
配当成長率は長期では高いものの、住宅市場の調整と利益成長の鈍化を背景に、近年は増配率が低下しています。
- 2017〜2019年:15〜32%程度の高い増配率
- 2020〜2022年:10〜15%程度の増配を維持
- 2023年:約7.7%増
- 2024年:約5.6%増
- 2025年:約2.2%増
- 2026年:四半期配当2.33ドルへ1.3%増配
増配率は明確に鈍化していますが、減配へ転じているわけではありません。現在は住宅関連需要が完全回復していない中で、利益とのバランスを取りながら小幅増配を継続する局面と見ることができます。
配当利回りと安定性
2026年9月16日終値302.47ドルに対し、現行年率配当9.32ドルの参考配当利回りは約3.08%です。2026年5月時点の記事では株価353.06ドルを基準に約2.64%でしたが、株価下落によって利回りは上昇しています。[3]
一方、配当性向はFY2025の約64.7%から、FY2026会社ガイダンスを前提として約63〜66%となる見込みです。利益に対する配当負担は2010年代より高くなっているため、今後の大幅増配余地は以前ほど大きくありません。
FY2026 Q2:既存店売上がプラス、利益も増加
FY2026第2四半期(2026年8月2日終了)は、売上高が47.861Bドルとなり、前年同期比5.7%増でした。既存店売上は1.7%増、米国既存店売上は1.3%増でした。純利益は4.766Bドル、希薄化EPSは4.79ドルで、前年同期の4.58ドルから増加しています。調整後EPSは4.92ドルでした。[1]
| 項目 | FY2026 Q2 | 前年同期比・補足 |
|---|---|---|
| 売上高 | 47.861B$ | +5.7% |
| 既存店売上 | +1.7% | 米国は+1.3% |
| 純利益 | 4.766B$ | 前年同期4.551B$ |
| 希薄化EPS | 4.79$ | 前年同期4.58$ |
| 調整後EPS | 4.92$ | 前年同期4.68$ |
| 営業利益 | 6.839B$ | 前年同期6.555B$ |
| 粗利益率 | 約33.7% | Q2実績 |
会社はQ2について、想定を上回る結果だったと説明しています。需要は幅広く、特に消費者が比較的小規模な住宅改善プロジェクトを継続したことが寄与しました。大規模リフォーム需要が全面的に回復したとは言いにくいものの、既存店売上がプラスを維持している点は改善材料です。[1]
FY2026上半期:営業キャッシュフローが大幅増
FY2026上半期(2026年8月2日までの6カ月)の売上高は89.626Bドル、純利益は8.055Bドル、希薄化EPSは8.09ドルでした。営業キャッシュフローは11.422Bドルとなり、前年同期の8.968Bドルから約27%増えています。[5]
| 項目 | FY2026上半期 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 89.626B$ | 85.133B$ |
| 純利益 | 8.055B$ | 7.984B$ |
| 希薄化EPS | 8.09$ | 約8.0$ |
| 営業CF | 11.422B$ | 8.968B$ |
| 設備投資 | 1.724B$ | 1.723B$ |
| 概算FCF | 約9.70B$ | 約7.25B$ |
| 配当支払 | 4.643B$ | 4.574B$ |
営業CFから設備投資を差し引いた単純なフリーキャッシュフローは約9.70Bドルで、配当支払4.643Bドルの約2.1倍です。営業CFそのものでは配当支払額の約2.5倍となっています。上半期だけで通期の配当安全性を断定することはできませんが、キャッシュフロー面では現在の配当を支える余力があります。[5]
2026年の見通し:Q2後もガイダンスを据え置き
ホームデポは2026年8月18日のQ2決算で、FY2026通期ガイダンスを据え置きました。[1]
- 総売上成長率:約2.5〜4.5%
- 既存店売上成長率:横ばい〜2.0%
- 新規出店:約15店舗
- 粗利益率:約33.1%
- 営業利益率:約12.4〜12.6%
- 調整後営業利益率:約12.8〜13.0%
- 実効税率:約24.3%
- 純支払利息:約23億ドル
- 希薄化EPS:FY2025の14.23ドルから横ばい〜4.0%増
- 調整後希薄化EPS:FY2025の14.69ドルから横ばい〜4.0%増
- 設備投資:売上高の約2.5%
Q2決算は会社想定を上回りましたが、通期見通しは引き上げられませんでした。ガイダンスにはIEEPA関連の関税還付が含まれており、想定外の燃料費、エネルギー費、商品仕入れコストの一部を相殺すると会社は説明しています。したがって、売上だけでなく、粗利益率と営業利益率がどこまで維持されるかを見る必要があります。[1]
プロ向け事業:SRS・GMS・HVACへ拡大
ホームデポは、DIY需要だけでなくプロ顧客向け事業を成長の柱としています。2025年9月にはSRSを通じてGMSの買収を完了し、乾式壁、天井材、鉄骨フレームなどの専門建材流通を拡張しました。さらに2026年5月には、HVAC機器・部品の卸売会社Mingledorff’sを約11億ドルで買収し、SRSに新たなHVAC事業を加えました。[6]
FY2026 Q2末時点でホームデポは2,364店舗と1,340超のSRS拠点を運営しています。プロ顧客向けに、店舗、専門流通、デジタル、配送を一体化する戦略が進んでいます。[1]
この戦略は中長期の成長余地を広げる一方、買収に伴う無形資産償却や利払い負担も増やします。したがって、GAAP EPSだけでなく調整後EPSとの差、営業利益率、負債水準を見る必要があります。
財務体質:株主資本は増加したが負債は大きい
FY2026 Q2末(2026年8月2日)の総資産は109.384Bドル、総負債は92.767Bドル、株主資本は16.617Bドルでした。自己資本率は単純計算で約15.2%です。現金・現金同等物は2.085Bドルでした。[5]
| 項目 | FY2026 Q2末 | FY2025末 |
|---|---|---|
| 総資産 | 109.384B$ | 105.095B$ |
| 総負債 | 92.767B$ | 92.282B$ |
| 株主資本 | 16.617B$ | 12.813B$ |
| 自己資本率 | 約15.2% | 約12.2% |
| 現金・現金同等物 | 2.085B$ | 1.389B$ |
ホームデポは長年の自社株買いによって巨額の自己株式を保有しているため、会計上の株主資本が小さくなりやすい企業です。このため、自己資本比率だけを見て財務危機と判断するのは適切ではありません。一方、SRSやGMSなど大型買収後は負債と利払い負担が増えているため、今後も営業CF、純支払利息、債務削減の動きを確認する必要があります。
まとめ:長期配当投資家にとってのホームデポとは?
ホームデポは、DIY・住宅改善市場の大手として、住宅市場の景気循環を受けながらも長期的に配当を拡大してきました。FY2025の売上高は164.7Bドル、希薄化EPSは14.23ドルで、FY2026 Q2では売上高47.861Bドル、希薄化EPS4.79ドルとなりました。[4][1]
2026年9月時点で注目できる点は以下です。
- 現行四半期配当2.33ドル、年率9.32ドルを維持
- 2026年9月16日終値ベースの参考配当利回りは約3.08%
- FY2026 Q2既存店売上が1.7%増とプラス
- FY2026上半期の営業CFが11.422Bドルへ増加
- FY2026上半期の概算FCFが約9.70Bドル
- プロ向け事業をSRS・GMS・Mingledorff’sを通じて拡大
- 一方、FY2026の通期EPS成長見通しは横ばい〜4%増と大幅成長ではない
- 配当性向は約60%台半ばで、過去より増配余地が小さくなっている
- 買収後の負債・利払い負担を継続して確認する必要がある
投資家へのポイント:ホームデポは、現在の配当利回りだけを見ると以前よりインカム面の魅力が高まっています。一方、住宅市場の本格回復はまだ明確ではなく、利益成長も会社見通しでは限定的です。今後は、既存店売上の改善が続くか、大型リフォーム需要が戻るか、プロ向け事業が買収コストを上回る利益成長につながるかが重要になります。
次回の確認ポイント:Home DepotのFY2026第3四半期決算は2026年11月17日に予定されています。Q3では、既存店売上、住宅改善需要、プロ向け販売、粗利益率、関税・燃料コスト、SRS/GMS統合、FY2026通期ガイダンスの変更有無を確認したいところです。[7]
よくある質問(FAQ)
Q: ホームデポの配当はどの程度安全ですか?
A: FY2025の年間配当9.20ドルに対して希薄化EPSは14.23ドルで、配当性向は約64.7%でした。FY2026は年率配当9.32ドルに対し、会社の希薄化EPS見通しをもとにすると配当性向は約63〜66%です。
また、FY2026上半期の営業CF11.422Bドルに対して配当支払は4.643Bドル、設備投資後の概算FCFは約9.70Bドルでした。現時点では利益・キャッシュフローの両面で配当を賄える水準ですが、配当性向は低くないため、大幅な増配が続くとは限りません。[5]
Q: 2026年のガイダンスが慎重でも、増配は続きますか?
A: 2026年2月に四半期配当を2.33ドルへ1.3%引き上げ、その後5月・8月も2.33ドルを維持しているため、会社が安定配当を重視していることは確認できます。[2]
ただし、FY2026の希薄化EPS成長見通しは横ばい〜4.0%増です。配当性向も60%台半ばにあるため、今後の増配率は住宅市場、利益成長、買収後の利払い負担、フリーキャッシュフローによって左右されます。
Q: GMS買収は配当にどう影響しますか?
A: GMS買収はすでに2025年9月に完了しています。SRSを通じて乾式壁、天井材、鉄骨フレームなどの専門建材流通を加え、プロ向け市場での事業基盤を広げました。さらに2026年5月にはMingledorff’sを買収し、HVAC流通へも参入しています。[6]
長期的にはプロ顧客の支出を取り込める可能性がありますが、短期的には買収資金、利払い、無形資産償却が利益とキャッシュフローへ影響します。配当を見る場合も、買収による売上成長だけでなく、負債削減と営業CFの推移を見る必要があります。
Q: 2026年9月時点の配当利回り約3.1%は高いですか?
A: 2026年9月16日終値302.47ドルに対する年率配当9.32ドルの利回りは約3.08%です。2025年の平均利回り約2.49%や2024年の約2.54%より高い水準です。[3]
ただし、配当利回り上昇の一部は株価下落によるものです。利回りだけで判断するのではなく、住宅市場の回復、既存店売上、EPS、キャッシュフロー、負債をあわせて見る必要があります。
最終更新:2026年9月17日
データはFY2025通期実績、FY2026第2四半期・上半期実績、2026年8月時点のFY2026通期ガイダンス、2026年9月16日までに確認できる株価・配当情報に基づいています。
【注】(出典リンク)
- FY2026第2四半期決算・既存店売上・EPS・FY2026通期ガイダンス → 一次情報:Home Depot「Second Quarter Fiscal 2026 Results」 → SEC EDGAR「FY2026 Q2 Earnings Release」(確認日:2026-09-17) ↩
- 2026年8月配当・四半期2.33ドル・支払日2026-09-17 → 一次情報:Home Depot「Declares Quarterly Dividend of $2.33」 → Home Depot IR「Dividend History」(確認日:2026-09-17) ↩
- 2026年9月16日株価・配当利回り計算 → 参考情報:StockAnalysis「Home Depot Stock Price History」(確認日:2026-09-17) ↩
- FY2025通期決算・EPS・増配・2026ガイダンス当初値 → 一次情報:Home Depot「Fourth Quarter and Fiscal 2025 Results」 → Home Depot Annual Reports(確認日:2026-09-17) ↩
- FY2026上半期CF・設備投資・配当支払・Q2貸借対照表 → 一次情報:SEC EDGAR「Home Depot FY2026 Q2 Form 10-Q」 → Home Depot「Quarterly Earnings 2026」(確認日:2026-09-17) ↩
- GMS・Mingledorff’s買収とプロ向け事業拡張 → 一次情報:Home Depot「Completes Acquisition of GMS」 → Home Depot「SRS Distribution Completes Acquisition of Mingledorff’s」(確認日:2026-09-17) ↩
- FY2026第3四半期決算予定日 → 一次情報:Home Depot「Events & Presentations」(確認日:2026-09-17) ↩

