CRWD:クラウドストライクの業績
【2025年版】CrowdStrike (CRWD) 徹底分析:AI駆動型サイバーセキュリティのリーダー – FY2020-FY2024財務データと成長戦略
はじめに
CrowdStrike (クラウドストライク) は、AIを活用した次世代のエンドポイント保護プラットフォーム「Falcon」を提供する、サイバーセキュリティ業界のリーダー企業です。クラウドネイティブなアーキテクチャと独自の脅威インテリジェンス「Threat Graph」を強みに、世界中の企業のセキュリティ対策を革新しています。
この記事では、CrowdStrikeの過去の会計年度 (FY2020~FY2024を中心) の財務データを基に、ビジネスの急成長、AI戦略、そしてサイバーセキュリティ市場における競争優位性を、投資家の視点から分かりやすく解説します。
【免責事項および出典について】
- 本記事に掲載されている財務情報(特にFY2020からFY2024までの時系列データ)は、主にCrowdStrike Holdings, Inc.が米国証券取引委員会 (SEC) に提出している年次報告書 (Form 10-K)、四半期報告書 (Form 10-Q)、及び株主向け決算発表資料(Earnings Releases, Investor Presentationsなど)といった公式IR情報に基づいて作成されています。特にFY2024のデータは、2024年3月5日発表の「CrowdStrike Reports Fourth Quarter and Fiscal Year 2024 Financial Results」(2024年1月31日締め) および関連するForm 10-Kに基づいています。(Form 10-K for FY2024: CrowdStrike IR)
- 記事内の成長率 (CAGRなど) や一部の経営指標は、これらの公式データに基づき筆者が算出したものです。1株当たり指標は、主に希薄化後加重平均発行済株式数に基づいて算出しています。Non-GAAP指標については、公式発表資料を参照しています。
- 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券の購入や売却を推奨または勧誘するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
- データは記事作成時点で入手可能な情報に基づき、正確を期すよう努めておりますが、常に最新かつ完全な情報を保証するものではありません。必ずCrowdStrike社の公式IR情報をご確認ください。
- CrowdStrike社 投資家向け情報ページ: https://ir.crowdstrike.com/ (こちらから最新の10-K、10-Q報告書、決算関連資料などがご覧いただけます)
会計年度について: CrowdStrikeの会計年度は、前年2月1日から当年1月31日までです。例えば、本記事で「FY2024」と表記する会計年度は、2023年2月1日から2024年1月31日までの期間を指します。表内の年度表記は、この会計年度 (Fiscal Year, FY) に基づいています。
1. CrowdStrikeの長期的な業績:急成長と主要KPIの進捗
CrowdStrikeは設立以来、サイバーセキュリティ市場の旺盛な需要と、優れた製品力により驚異的な成長を遂げています。特にARR(年間経常収益)と顧客数の伸びがその成長を牽引しています。
1.1. 売上、ARR、利益、キャッシュフローの推移
CrowdStrikeの主要な業績とKPIの移り変わりを見てみましょう。SaaSビジネスの特性上、ARRの成長が特に重要視されます。
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会計年度 | 総売上高(百万$) | 売上成長率(YoY) | ARR(百万$) | ARR成長率(YoY) | 営業CF(百万$) | 純損失 (GAAP)(百万$) | Non-GAAP純利益(百万$) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
FY2020 | 481.4 | 92.7% | 600.5 | 91.9% | 40.6 | (141.8) | (31.8) |
FY2021 | 874.4 | 81.6% | 1,049.8 | 74.8% | 346.4 | (92.6) | 84.9 |
FY2022 | 1,451.6 | 66.0% | 1,731.4 | 65.0% | 575.0 | (234.8) | 225.7 |
FY2023 | 2,241.2 | 54.4% | 2,556.9 | 47.7% | 940.1 | (183.2) | 468.0 |
FY2024 | 3,055.8 | 36.3% | 3,441.8 | 34.6% | 1,166.6 | (46.9) | 735.8 |
CAGR (年平均成長率) FY20-FY24 | |||||||
総売上高 | 58.7% | – | – | – | – | – | – |
ARR | – | – | 54.7% | – | – | – | – |
出典: CrowdStrike Holdings, Inc. 公式IR資料 (年次報告書 Form 10-K、決算発表資料等) より筆者作成。CAGRは上記データに基づき筆者算出。Non-GAAP純利益は調整後数値。
- 総売上高・ARR: FY2020からFY2024の4年間で、売上高は約6.3倍、ARRは約5.7倍と驚異的な成長を達成。CAGRも50%を超えています。
- 営業キャッシュフロー (営業CF): 事業規模の拡大と効率化に伴い、急速に増加。FY2024では11億ドル超のキャッシュを生み出しています。
- 純損益: GAAPベースでは依然として損失を計上する年度もありますが、株式報酬費用(SBC)などの非現金支出を除いたNon-GAAPベースではFY2021から黒字化し、利益額も大きく伸長しています。これはSaaS成長企業によく見られる傾向です。
1.2. 収益性:高い成長を維持しつつ利益率も改善
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会計年度 | GAAP 粗利率 |
Non-GAAP 粗利率 |
GAAP 営業利益率 |
Non-GAAP 営業利益率 |
営業CF率 | FCF率 |
---|---|---|---|---|---|---|
FY2020 | 72.1% | 75.1% | -27.9% | -6.0% | 8.4% | 2.5% |
FY2021 | 74.2% | 77.5% | -9.9% | 4.6% | 39.6% | 33.6% |
FY2022 | 73.8% | 77.1% | -13.7% | 10.0% | 39.6% | 30.5% |
FY2023 | 74.7% | 78.0% | -6.9% | 15.2% | 41.9% | 33.0% |
FY2024 | 75.6% | 78.4% | -0.8% | 20.0% | 38.2% | 30.3% |
出典: CrowdStrike Holdings, Inc. 公式IR資料より筆者作成。各利益率は対応する利益と売上高より算出。FCF率は (営業CF – 設備投資) / 売上高 で算出。
- 粗利率: Non-GAAPベースで70%台後半と高い水準を維持しており、強力なSaaSビジネスモデルを示しています。
- 営業利益率: GAAPベースでは損失ですが、Non-GAAPベースではFY2021に黒字転換後、FY2024には20.0%まで改善。成長投資を続けながらも収益性を高めています。
- 営業CF率・FCF率: 非常に高い水準を維持しており、特にFCF率は30%前後で推移。これは「Rule of 40」(売上成長率+FCF率が40%以上)の観点からも優れたパフォーマンスです。FY2024では売上成長率36.3% + FCF率30.3% = 66.6% となります。
1.3. コスト構造:成長を支える投資配分
CrowdStrikeは、市場シェア拡大と技術革新のために積極的な投資を行っています。
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会計年度 | 売上総利益率 (Non-GAAP) |
販売・マーケティング費率 (Non-GAAP) |
研究開発(R&D)費率 (Non-GAAP) |
一般管理費率 (Non-GAAP) |
---|---|---|---|---|
FY2022 | 77.1% | 38.8% | 20.2% | 8.0% |
FY2023 | 78.0% | 36.3% | 19.2% | 7.3% |
FY2024 | 78.4% | 34.3% | 17.8% | 6.3% |
出典: CrowdStrike Holdings, Inc. 公式IR資料より筆者作成。各費用率はNon-GAAPベースの費用を売上高で除して算出(売上総利益率を除く)。
(注: コスト構造はNon-GAAPベースで近年のデータを掲載。GAAPベースでは株式報酬費用の影響が大きくなります。)
- 販売・マーケティング費率: 売上高の30%台半ばを投資。市場拡大とブランド認知度向上に注力していますが、売上成長に伴い比率は低下傾向にあります。
- 研究開発(R&D)費率: 売上高の17-20%程度と高水準を維持。AIや新モジュールの開発など、技術的優位性の確保に積極的です。
1.4. 投資家向け指標と主要KPI:1株あたりの価値と顧客基盤
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会計年度 | SPS ($)(1株当たり売上高) | CFPS ($)(1株当たり営業CF) | Non-GAAP EPS ($)(希薄化後) | 顧客数(Subscription) | Net Retention Rate(NRR / DBNRR) |
---|---|---|---|---|---|
FY2020 | 2.60 | 0.22 | (0.17) | 5,431 | 124% |
FY2021 | 3.90 | 1.54 | 0.34 | 9,896 | 125% |
FY2022 | 6.22 | 2.46 | 0.89 | 16,325 | 123.9% |
FY2023 | 9.32 | 3.91 | 1.86 | 23,019 | 120%+ (会社開示) |
FY2024 | 12.47 | 4.76 | 2.91 | 29,017 | 120%+ (会社開示) |
Non-GAAP EPS CAGR (FY21-24) | – | – | 104.6% | – | – |
出典: CrowdStrike Holdings, Inc. 公式IR資料より筆者作成。SPS, CFPSは筆者算出。Non-GAAP EPS、顧客数、NRRは公式発表に基づく。FY21からのNon-GAAP EPS CAGR。NRRの表記は時期によりDBNRRとNet Retention Rateが混在。
- Non-GAAP EPS: FY2021の0.34ドルからFY2024の2.91ドルへと急成長(CAGR 104.6%)。株主価値向上に大きく貢献しています。
- 顧客数: FY2024末で29,017社と、継続的に増加。大企業から中堅・中小企業まで幅広く顧客基盤を拡大しています。
- Net Retention Rate (NRR/DBNRR): 常に120%を超える高い水準を維持。既存顧客によるアップセル・クロスセルが順調に進んでいることを示しており、CrowdStrikeのプラットフォーム戦略の成功を物語っています。
- 複数モジュール利用顧客: FY2024 Q4時点で、サブスクリプション顧客の64%が5つ以上、43%が6つ以上、27%が7つ以上のモジュールを利用しており、プラットフォーム化が深化しています。
2. ビジネスモデル:「Falcon」プラットフォームとAIによる防御
CrowdStrikeの強みは、クラウドネイティブな「Falcon」プラットフォームと、その中核をなすAI技術にあります。
- Falconプラットフォーム:
- 単一の軽量エージェントで、エンドポイントセキュリティ(EDR、次世代アンチウイルス)、クラウドセキュリティ(CWPP)、アイデンティティ保護(ITDR)、セキュリティ運用(XDR、SIEM)、脅威インテリジェンスなど、多岐にわたるセキュリティ機能(モジュール)をSaaSモデルで提供。
- 顧客は必要なモジュールを選択・追加でき、拡張性に優れる。
- Threat Graph®:
- 世界中からリアルタイムで収集される膨大なセキュリティイベントデータ(FY2024 Q4時点で1週間あたり約30兆件以上)を相関分析する、クラウドベースのグラフデータベース。
- AI/機械学習を活用し、未知の脅威や攻撃の予兆を検知・予測。
- AI/機械学習の活用:
- マルウェア検知、振る舞い分析、脅威ハンティングなど、Falconプラットフォームのあらゆる側面にAIが組み込まれている。
- 生成AIを活用した「Charlotte AI」は、セキュリティ担当者の運用効率を大幅に向上させることを目指している。
- SaaSモデルとARR:
- サブスクリプションベースの収益モデルにより、安定したARR (Annual Recurring Revenue / 年間経常収益) を構築。
- 高いNRR (Net Retention Rate) が示す通り、既存顧客からの収益拡大が成長ドライバーの一つ。
現在の主要モジュール群と市場機会 (FY2024時点)
CrowdStrikeはエンドポイントセキュリティから、クラウド、アイデンティティ、データ保護、次世代SIEMへと急速にプラットフォームを拡張しています。同社は自社のTAM(Total Addressable Market:獲得可能な最大市場規模)を2024年に約1000億ドル、2028年には2250億ドルに拡大すると見込んでいます。
3. 財務の健全性:強力なキャッシュ創出力と成長投資
CrowdStrikeは急成長を遂げながらも、財務基盤の強化を進めています。
3.1. 資産・負債・資本の推移
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会計年度 | 総資産(百万$) | 総負債(百万$) | 株主資本(百万$) | 自己資本率 | 現金及び 短期投資(百万$) |
---|---|---|---|---|---|
FY2020 | 1,586.2 | 985.0 | 601.2 | 37.9% | 912.6 |
FY2021 | 3,157.0 | 1,846.9 | 1,310.1 | 41.5% | 1,913.4 |
FY2022 | 4,494.3 | 2,749.5 | 1,744.8 | 38.8% | 2,000.1 |
FY2023 | 5,350.8 | 3,087.5 | 2,263.3 | 42.3% | 2,667.2 |
FY2024 | 6,453.7 | 3,683.6 | 2,770.1 | 42.9% | 3,471.7 |
出典: CrowdStrike Holdings, Inc. 公式IR資料 (年次報告書 Form 10-K) より筆者作成。
- 自己資本比率: 40%前後で安定的に推移。成長投資のための資金調達と内部留保のバランスを取っています。
- 現金及び短期投資: FY2024末で約34.7億ドルと潤沢な手元資金を保有。M&Aやさらなる成長投資への余力を示しています。
3.2. キャッシュフロー分析:フリーキャッシュフローと株主還元
CrowdStrikeは強力な営業キャッシュフローを生み出し、それをフリーキャッシュフロー(FCF)として成長投資や財務基盤強化に充当しています。
フリーキャッシュフロー (FCF) = 営業キャッシュフロー (Operating CF) – 設備投資額 (Capital Expenditures, CapEx)
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会計年度 | 営業CF(百万$) | 設備投資(CapEx)(百万$) | FCF(百万$) | FCFマージン |
---|---|---|---|---|
FY2020 | 40.6 | 28.3 | 12.3 | 2.5% |
FY2021 | 346.4 | 52.3 | 294.1 | 33.6% |
FY2022 | 575.0 | 80.3 | 494.7 | 34.1% (*10-KではFCF 441.8Mと記載あり、CapExの定義による差か) |
FY2023 | 940.1 | 199.5 | 740.6 | 33.0% (*10-KではFCF 676.8M) |
FY2024 | 1,166.6 | 240.9 | 925.7 | 30.3% (*10-KではFCF 849.7M) |
出典: CrowdStrike Holdings, Inc. 公式IR資料 (年次報告書 Form 10-K) より筆者作成。FCFマージンはFCF/売上高。(*)10-K記載のFCFとは計算基礎が若干異なる場合があるため、公式資料も参照ください。
CrowdStrikeは高いFCFマージンを誇り、FY2024では30.3%に達しました(会社の定義では30.9%のAdjusted FCF)。この潤沢なキャッシュフローは、技術開発、販売網拡充、戦略的買収といった成長戦略を支える重要な源泉です。現時点では配当は行っておらず、成長投資を優先しています。
4. 資本効率性と収益性:株主資本を効率的に活用
CrowdStrikeは、成長企業として積極的な投資を行いつつも、資本効率の改善に努めています。Non-GAAPベースで見ると、収益性は着実に向上しています。
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会計年度 | ROA (GAAP)(総資産利益率) | ROE (GAAP)(自己資本利益率) | ROA (Non-GAAP)(推定) | ROE (Non-GAAP)(推定) |
---|---|---|---|---|
FY2020 | -8.9% | -23.6% | -2.0% | -5.3% |
FY2021 | -2.9% | -7.1% | 2.7% | 6.5% |
FY2022 | -5.2% | -13.5% | 5.0% | 12.9% |
FY2023 | -3.4% | -8.1% | 8.7% | 20.7% |
FY2024 | -0.7% | -1.7% | 11.4% | 26.6% |
出典: CrowdStrike Holdings, Inc. 公式IR資料より筆者作成。GAAP ROA/ROEは期末残高ベース。Non-GAAP ROA/ROEはNon-GAAP純利益と期末残高を用いて筆者推定。
- ROE (Non-GAAPベース推定): FY2024で約26.6%と高い水準に達しており、株主資本を効率的に活用して利益を生み出していることを示唆します。GAAPベースではまだマイナスですが、Non-GAAPではSaaSビジネスの収益性の高さが表れています。
- ROA (Non-GAAPベース推定): こちらも改善傾向にあり、FY2024で約11.4%。
- 競合との比較では、Palo Alto Networks (PANW) の直近年度のNon-GAAP ROEは非常に高い水準(FY23で50%超の例も)、Zscaler (ZS) は成長投資フェーズでROEはマイナスまたは低い傾向が見られます。CrowdStrikeのNon-GAAP ROEは、高成長SaaS企業として良好なレベルにあります。(各社の会計基準や報告時期により単純比較は困難なため、あくまで参考値です)
5. AI戦略と技術的優位性:「Threat Graph」と「Charlotte AI」
CrowdStrikeの競争力の源泉は、AIと機械学習を駆使した先進的な技術にあります。
- Threat Graph®:
- 前述の通り、クラウドネイティブなグラフデータベースであり、世界中のエンドポイント、ワークロード、アイデンティティ、データから収集される膨大なテレメトリデータをリアルタイムで分析。
- これにより、攻撃のパターンを学習し、未知の脅威や高度な攻撃も早期に検知・予測。競合他社に対する大きな差別化要因となっています。
- AI/MLモデル:
- Falconプラットフォーム全体に、振る舞い検知、マルウェア分析、脆弱性評価など、様々なAI/MLモデルが組み込まれています。
- これにより、誤検知を低減しつつ、検知精度と対応速度を向上させています。
- Charlotte AI (生成AI):
- セキュリティ専門家が自然言語で質問することで、脅威調査、インシデント対応、ポリシー管理などを迅速かつ効率的に行えるように支援する生成AIアシスタント。
- セキュリティ運用の属人化解消やスキルギャップの緩和に貢献し、より多くの組織が高度なサイバーセキュリティを実現できるようになることが期待されています。2023年のFal.Conカンファレンスで発表され、順次機能が拡充されています。
- 研究開発への継続投資:
- FY2024の研究開発費はGAAPベースで8.2億ドル(売上の26.9%)、Non-GAAPベースで5.4億ドル(売上の17.8%)。この積極的な投資が、技術的リーダーシップを維持する上で不可欠です。
6. 市場での強みとライバル:競争激化のサイバーセキュリティ市場
CrowdStrikeは、エンドポイント検出・対応(EDR)、拡張検出・対応(XDR)、クラウドワークロード保護(CWPP)などの主要市場でリーダーの一角を占めています。
市場シェアや評価に関する記述は、IDC、Gartner、Forresterなどの各種業界レポートやメディア報道に基づく一般的な認識ですが、具体的な数値や調査時期は変動するため、最新情報は別途ご確認ください。
- 市場での評価:
- GartnerのMagic Quadrant for Endpoint Protection PlatformsやForrester Wave™: Endpoint Detection And Response Providersなどで、リーダーとして高く評価されています。
- IDCのWorldwide Modern Endpoint Security Market Shareレポートでも上位にランクイン。
- 競合環境:
- エンドポイントセキュリティ市場: Microsoft (Defender for Endpoint), SentinelOne, Palo Alto Networks (Cortex XDR), VMware Carbon Blackなど多数。
- XDR/SIEM市場: Microsoft Sentinel, Splunk, Palo Alto Networks, IBM, Secureworksなど、従来のSIEMベンダーや他のプラットフォームベンダーとの競争が激化。
- クラウドセキュリティ市場: Palo Alto Networks (Prisma Cloud), Check Point, Wiz, Laceworkなど、多くのスタートアップも含む。
CrowdStrikeの強み:
- クラウドネイティブアーキテクチャ: 拡張性、展開の容易さ、リアルタイム性に優れる。
- 単一エージェント・単一プラットフォーム: 運用負荷を軽減し、TCO(総所有コスト)を削減。
- 強力なAI/MLとThreat Graph: 高度な脅威検知能力と予測防御。
- 急速なイノベーションとモジュール拡充: 市場ニーズに迅速に対応し、プラットフォームの価値を継続的に向上。
- 高い顧客満足度とNRR: 製品力と顧客サポートが評価されている。
7. FY2025年の見通しと今後のポイント:プラットフォーム戦略の深化
CrowdStrike経営陣は、FY2025年も力強い成長と収益性改善の継続を見込んでいます。(下記は、FY2024第4四半期決算発表時(2024年3月5日)に示されたFY2025年度に関する会社ガイダンスです。最新のガイダンスはCrowdStrike社のIR情報をご確認ください。)
FY2025年度 会社予想:
- 総売上高: 39.24億ドル ~ 39.89億ドル (前年度比 約28-31%増)
- ARR (年間経常収益)の純増額: 非開示だが、力強い成長を想定
- Non-GAAP営業利益: 8.63億ドル ~ 9.13億ドル
- Non-GAAP純利益: 8.99億ドル ~ 9.49億ドル
- Non-GAAP EPS (希薄化後): 3.77ドル ~ 3.97ドル
上記ガイダンスは、CrowdStrike社が過去に発表した情報に基づくものであり、将来の業績を保証するものではありません。
FY2025 Q1実績 (2024年6月4日発表 2024年4月30日締):
CrowdStrikeはFY2025 Q1決算を発表し、好調なスタートを切りました。
- 総売上高: 9.21億ドル (前年同期比33%増)、ガイダンス上限超過
- ARR: 36.5億ドル (前年同期比33%増)
- Non-GAAP EPS: 0.93ドル、ガイダンス上限超過
会社はFY2025通期ガイダンスを上方修正しました。
- 総売上高: 39.76億ドル ~ 40.11億ドル
- Non-GAAP EPS (希薄化後): 3.93ドル ~ 4.03ドル
投資家が注目すべきポイントとリスク:
- プラットフォーム戦略の浸透: 複数モジュール採用顧客の拡大と、それによるARR成長の持続性。特に次世代SIEMやクラウドセキュリティ分野でのシェア獲得。
- AI技術の進化と収益化: Charlotte AIの本格展開と、それがもたらす顧客価値向上および競争優位性の強化。
- マクロ経済の影響: 景気後退懸念による企業のIT予算削減リスクと、サイバーセキュリティ投資の優先度。
- 競争環境の激化: Microsoftなど巨大IT企業の参入や、専門ベンダーとの価格競争。
- 株式報酬費用 (SBC): GAAP利益への影響と、将来的な株主希薄化リスク。Non-GAAP指標との乖離。
- M&A戦略: 成長加速のための戦略的買収とその統合の成否。
8. まとめ:CrowdStrikeはサイバーセキュリティの未来を担うか?
CrowdStrikeは、クラウドネイティブなプラットフォーム、AIを活用した高度な脅威検知能力、そして強力なビジネスモデルにより、サイバーセキュリティ市場で急成長を遂げてきました。
- 強み: 先進的な技術基盤 (Falcon, Threat Graph)、高い成長率とARR、優れたNRR、強力なキャッシュ創出力、拡大するTAM。
- 今後の鍵: プラットフォーム戦略の深化とクロスセル推進、AIイノベーションの継続と収益化、マクロ経済や競争環境への適応力、そしてGAAPベースでの収益性改善。
サイバー攻撃が高度化・巧妙化する現代において、CrowdStrikeが提供するAI駆動型のセキュリティソリューションへの需要は引き続き旺盛であると予想されます。同社がイノベーションを続け、市場リーダーとしての地位をさらに強固なものにできるか、その成長戦略と実行力に今後も大きな注目が集まります。
本記事は、公開情報に基づき筆者の分析を加えたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行うようにしてください。本分析は、CrowdStrike Holdings, Inc.の公式IR情報および信頼できると考えられる情報源に基づいていますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。常に最新の公式情報をご参照ください。
最終更新日時: 2025年6月4日