EWC·EWW:カナダとメキシコETFの比較

海外ETF

カナダとメキシコの最新ETFデータを比較し、情報を整理しました。米国経済と密接に関係するこれら2カ国は、2026年現在の高金利維持やニアショアリングの進展といったマクロ環境下で、投資家に異なる選択肢を提示しています。

このページでは資産運用の参考となるよう、ETFの概要や最新の利回り、2026年Q1(第1四半期)末時点のポートフォリオ詳細を解説します。

*注意:投資判断は自己責任です。数値は変動するため、最終的な意思決定の前に必ず各運用会社の一次情報を確認してください。[2][4]

【国別ETF】カナダ(EWC)・メキシコ(EWW) – 米国の隣人への投資を考える

米国株を主軸とする投資家にとって、地理的・経済的な結びつきが最も強いカナダとメキシコは、分散投資の第一候補となります。先進資源国としての安定感を持つカナダと、製造拠点の北米回帰(ニアショアリング)の主役であるメキシコは、対照的な投資特性を持っています。ここでは、iシェアーズの代表的ETF「EWC」「EWW」の最新状況を分析します。

【EWC】iシェアーズ MSCI カナダ ETF

カナダ市場の時価総額上位企業で構成される、同国投資のスタンダードです。2026年Q1時点でも、強固な銀行セクターと、エネルギー・素材といった資源関連企業がポートフォリオの屋台骨を支えています。[2]

カナダ(EWC)投資の魅力とリスク(2026年版)

投資の魅力
  • G7の安定性:先進国ならではの法整備と政治的安定。
  • 資源価格の感応度:原油や天然ガスの輸出増は、国内経済と通貨(加ドル)の押し上げ要因。[3]
  • 利子率環境:高金利下での大手銀行の収益安定性がETFの底堅さに寄与。
注意すべきリスク
  • セクター偏重:金融とエネルギーで約50%を占めるため、特定セクターの影響が大きい。[3]
  • 通商政策:トランプ政権下での関税見直し議論は、製造業や資源輸出のコスト増を招く懸念があります。[1]

EWCの基本情報とポートフォリオ

項目 詳細(2026-03-31 / 2026-04-10時点)
連動指数 MSCI Canada Custom Capped Index。[2]
経費率(年率) 0.50%。[2]
純資産総額(AUM) $4.15B(2026-04-10時点)。[2]
分配金利回り 12か月トレーリング:2.58%(2026-03-31時点)。[2]
(参考)30日SEC利回り 2.42%(2026-03-31時点)。[3]
上位構成銘柄(例) Royal Bank of Canada (6.52%)、Toronto-Dominion Bank (5.85%)、Shopify (5.42%)、Enbridge (4.12%)など。[3]
セクター構成(上位) 金融 (35.8%)、エネルギー (18.2%)、工業 (12.5%) など。[3]

【EWW】iシェアーズ MSCI メキシコ ETF

サプライチェーンの地域化を追い風に、中南米最大の製造拠点へと進化を続けるメキシコに投資します。2026年に入り、内需の堅調さと輸出企業の成長が両輪となっています。[4]

メキシコ(EWW)投資の魅力とリスク(2026年版)

投資の魅力
  • ニアショアリングの進展:米国向け製造拠点の集積による設備投資の継続。
  • 魅力的な利回り:カナダ等の先進国ETFに比べ、高い分配金利回りが期待できる傾向。
  • 内需拡大:賃金上昇と人口増に伴う、生活必需品や通信セクターの成長。[5]
注意すべきリスク
  • 政治的不透明感:国内政策の変化や治安問題といった新興国特有のリスク。
  • 通貨(ペソ)ボラティリティ:米金利との格差縮小によるペソ安リスク。
  • 対米通商アクション:米国境措置やUSMCA(米墨加協定)の運用厳格化による輸出企業の利益圧迫。[1]

EWWの基本情報とポートフォリオ

項目 詳細(2026-03-31 / 2026-04-10時点)
連動指数 MSCI Mexico IMI 25/50 Index (Net)。[4]
経費率(年率) 0.50%。[4]
純資産総額(AUM) $2.12B(2026-04-10時点)。[4]
分配金利回り 12か月トレーリング:3.85%(2026-03-31時点)。[4]
(参考)30日SEC利回り 3.52%(2026-03-31時点)。[5]
上位構成銘柄(例) Grupo Mexico (13.1%)、FEMSA (11.8%)、America Movil (10.2%)、Banorte (9.1%)など。[5]
セクター構成(上位) 生活必需品 (34.2%)、素材 (19.1%)、金融 (17.5%) など。[5]

まとめ:2026年の戦略的使い分け

  • EWC(カナダ)低ボラティリティな先進国分散を求める投資家向け。2025年末以降、株価成長期待の高いテック(Shopify等)の比率が微増しており、バリュー一辺倒から変化の兆しが見られます。
  • EWW(メキシコ)成長性とインカムの両取りを狙うアクティブな分散。生活必需品の比率が3割を超えており、世界景気が減速しても「食べ物や通信」といった底堅い需要がリターンを下支えする構造です。

いずれも米国市場(S&P 500)との相関は高いものの、カナダは「資源・金融」、メキシコは「製造・消費」という独自の強みを持っています。通商政策のヘッドラインに注意しつつ、ポートフォリオの5〜10%程度の枠で、特性を補完し合うように保有するという戦略が考えられます。

北米三カ国(USMCA)の経済圏は、地政学リスクが高まる中で一つの強固なブロックとして再評価されています。カナダの資源安定性とメキシコの製造成長性、どちらをあなたのポートフォリオの「スパイス」として取り入れたいとお考えですか?

ミニ解説:2026年Q1末時点では、分配金利回りでEWW(約3.8%)がEWC(約2.6%)を大きく上回っています。ただし、メキシコペソは対ドルでの変動が大きく、日本円ベースでのリターンは為替の動きに支配される側面が強いため、利回りだけで判断せず、ペソ・円のトレンドにも注目してください。[4][5]

【注】(出典リンク)

  1. 北米通商リスクと関税の動向(2026-03):CRS(米議会調査局)USMCA & Tariffs Update(確認日:2026-04-12)
  2. EWC公式サイト(純資産・分配金・基本データ):iShares MSCI Canada ETF (EWC)(確認日:2026-04-12)
  3. EWCファクトシート(セクター・上位構成:2026-03-31):EWC Fund Fact Sheet (PDF)(確認日:2026-04-12)
  4. EWW公式サイト(純資産・分配金・基本データ):iShares MSCI Mexico ETF (EWW)(確認日:2026-04-12)
  5. EWWファクトシート(セクター・上位構成:2026-03-31):EWW Fund Fact Sheet (PDF)(確認日:2026-04-12)

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。




配当金(分配金)と利回り

年間配当を1年の平均株価で割り、平均の利回りを計算してみます。


ポートフォリオ

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、セクター別比率はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢


EWC EWW
2024 2.16% 2.6%
2023 2.35% 3.09%
2022 2.08% 2.75%
2021 1.76% 1.66%
2020 2.42% 2.57%
2019 2.3% 2.56%
2018 2.11% 2.25%
2017 1.71% 1.55%
2016 2.04% 2.52%
2015 2.36% 1.51%