EWG:ドイツETFの株価と配当

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【ドイツ株ETF】EWGとは?欧州経済の巨人への投資の魅力とリスクを解説

EWG(iシェアーズMSCIドイツETF / iShares MSCI Germany ETF)の情報を整理してみます。

このページではNISA等の積立や運用の参考となるように、投資信託の概要(連動するインデックス等)、配当・配当利回り、ポートフォリオ等のデータを紹介します。

*注意:投資判断は自己責任なので、銘柄(株や投信)の売買の結果について、本サイトは一切の責任を負うことはできません。

【ドイツ株ETF】EWGとは?欧州経済の巨人への投資の魅力とリスクを解説

国際分散投資を考える上で、欧州経済の中心であり世界有数の経済大国であるドイツは外せない存在です。高い技術力を誇る製造業や、世界的に有名なグローバル企業を数多く擁するドイツに、これ一本でまとめて投資できるのが、iシェアーズが提供する「EWG(iシェアーズ MSCI ドイツ ETF)」です。本稿では、ドイツ投資の魅力とリスクを整理し、EWGの中身を最新データで解説します。

🚀 2025年のEWGは堅調

年初来 +33.8%(NAV)と力強い推移(2025/10/9基準)。ドイツ株式市場(DAX)も2万4千ポイント台で推移し、史上高値圏を維持しています(2025/10/10)

ドイツ投資の魅力とリスク

投資の魅力:欧州の経済エンジン
  • 世界的な優良企業群: ソフトウェアのSAP、総合電機のSiemens、保険のAllianz、通信のDeutsche Telekom、化学・素材、機械・自動車など多彩なリーディング企業に一度に投資できます。
  • 高い技術力と製造業の厚み: 産業用ソフト×ハードの強み(いわゆるIndustry 4.0)が企業競争力の源泉。
  • 欧州経済の中核: ユーロ圏最大の経済で、域内動向を占ううえで重要。欧州委員会見通しでも域内成長は緩やかながらプラス維持の想定。
  • 防衛支出増の恩恵: 欧州の安全保障環境の変化を背景に、防衛関連のRheinmetallなどが上昇基調を牽引。
注意すべきリスク
  • 世界景気への敏感性: 輸出主導のため、世界経済の減速や需要調整の影響を受けやすい。
  • 通商・関税リスク: 米国や中国との貿易摩擦は企業収益の逆風となり得る(欧州の成長見通しは通商不確実性の影響を受けやすい)。
  • エネルギーコスト: ロシア産ガス依存の見直し過程で、エネルギー価格・供給安定は引き続き課題。
  • 為替(ユーロ)リスク: 本ETFは米ドル建て。ユーロ安はドル換算の基準価額にマイナス寄与。

【EWG】iシェアーズ MSCI ドイツ ETF の概要

MSCI Germany Indexに連動し、ドイツの大型・中型株に分散投資できるETFです(同指数はドイツ株式市場の約85%をカバー)。

EWGの基本情報とポートフォリオ

正式名称 iShares MSCI Germany ETF
連動指数 MSCI Germany Index(ドイツ大型・中型。カバー率約85%)
経費率 0.50%(最新プロスペクタス)
純資産総額 約20.26億ドル(2025/10/10)
30日SEC利回り 1.68%(2025/9/30)
12か月トレーリング利回り 1.63%(2025/9/30)
保有銘柄数 54銘柄(2025/10/9)
2025年パフォーマンス 年初来 +33.82%(NAV)(2025/10/9)
上位構成銘柄 SAP 16.16%、Siemens 9.91%、Allianz 7.96%、Deutsche Telekom 6.48%、Rheinmetall 4.81%、Munich Re 4.41%、Siemens Energy 3.99%、Deutsche Börse 3.12%、Infineon 2.83%、Deutsche Bank 2.79%(2025/6/30ファクトシート)
セクター比率 資本財 25.11%、金融 21.11%、情報技術 19.41%、一般消費財 8.56%、通信 7.40%、ヘルスケア 5.90%、素材 5.47%、公益 3.44%、生活必需品 1.69%、不動産 1.66%(2025/6/30ファクトシート)

※AUM・利回り・パフォーマンスは日々変動。上位銘柄・セクター比率は最新ファクトシートを基準とし、目安として掲載。

ポートフォリオを見ると、「工業国」のイメージ通り資本財の比率が最も高い一方、欧州最大級のソフトウェア企業SAP(情報技術)が最大構成となり、保険・資産運用を展開するAllianz(金融)や通信のDeutsche Telekomなども上位に位置します。2025年は防衛関連のRheinmetallの上昇が目立ち、指数寄与の面でもプラス要因となりました。

まとめ:ポートフォリオにおけるEWGの役割

EWGは、国際分散ポートフォリオで以下の役割を期待できます。

  • 欧州へのコア投資: 欧州最大の経済大国ドイツにまとめて投資し、域内エクスポージャーを確保。
  • 世界的な優良製造業へのアクセス: 個別株では手間のかかるBtoBリーダー群(機械・化学・インフラ・産業用IT等)に分散投資。
  • 景気敏感資産としての活用: 世界景気の拡大局面では輸出主導のドイツ企業が恩恵を受けやすい。
  • 地政学的変化の恩恵: 欧州の防衛支出・産業政策の変化は一部セクターの追い風。

一方で、通商摩擦・エネルギー・為替の各リスクは常に点検が必要です。こうした点を踏まえたうえで、ドイツ企業の競争力に期待する投資家にとって、EWGはポートフォリオの重要な一部となり得ます。

【出典・情報源】


株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイで変動をフォロー。




配当金(分配金)と利回り

年間累計の分配金(米ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 2.62% 0.758 -0.1% 28.9 11.8%
2023 2.93% 0.759 -3.9% 25.9 -22.2%
2022 3.1% 0.79 192.6% 25.5 -24.7%
2021 0.8% 0.27 -58.5% 33.9 22.6%
2020 2.35% 0.65 -11% 27.6 0.4%
2019 2.65% 0.73 -1.4% 27.5 -10.3%
2018 2.41% 0.74 10.4% 30.7 0.7%
2017 2.2% 0.67 9.8% 30.5 20.3%
2016 2.41% 0.61 22% 25.3 -9.6%
2015 1.78% 0.5 -20.6% 28 -5.9%
2014 2.12% 0.63 46.5% 29.8 11.6%
2013 1.61% 0.43 -25.9% 26.7 22.4%
2012 2.66% 0.58 -13.4% 21.8 -7%
2011 2.86% 0.67 139.3% 23.4 9.2%
2010 1.31% 0.28 -49.1% 21.5 12.8%
2009 2.89% 0.55 -54.5% 19 -30.2%
2008 4.44% 1.21 27.3

 

ポートフォリオ

このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率はチャールズシュワブのサイト内ページを参照。
セクター別比率、構成銘柄一覧(配当利回り&配当性向などのファンドのデータはブラックロック「EWG」ページを参照(日足で更新)


ドイツの経済力

最後に、ドイツの経済力を見ていきましょう。
ここで、世界銀行のデータバンクから主要統計を閲覧してみます。

実質GDPと成長率

(※実質GDPは2015年米ドル基準。単位は億ドル )

実質GDP 名目GDP 実質成長率
2005 29109 28458 0.73
2006 30220 29922 3.82
2007 31119 34212 2.98
2008 31418 37300 0.96
2009 29629 33978 -5.69
2010 30867 33964 4.18
2011 32079 37444 3.93
2012 32213 35273 0.42
2013 32354 37327 0.44
2014 33069 38839 2.21
2015 33562 33562 1.49
2016 34311 34675 2.23
2017 35230 36817 2.68
2018 35613 39753 1.09
2019 35989 38883 1.06
2020 34344 38464 -4.57
2021 35,415 42,267 3.12
2022 36,053 41,725 1.80
2023 35,872 44,687 -0.50
2024 35,942 45,370 0.20

一人当たりGDP/人口/失業率

(*失業率はILO方式。一人当たりGDP〔実質〕の単位はドル、人口は万人)

【ドイツ】

1人当りGDP 人口 失業率
2005 35296 8247 11.17
2006 36685 8238 10.25
2007 37827 8227 8.66
2008 38263 8211 7.53
2009 36176 8190 7.74
2010 37746 8178 6.97
2011 39961 8027 5.82
2012 40053 8043 5.38
2013 40119 8065 5.23
2014 40835 8098 4.98
2015 41087 8169 4.62
2016 41665 8235 4.12
2017 42622 8266 3.75
2018 42956 8291 3.38
2019 43312 8309 3.14
2020 41259 8324 4.31
2021 42,559 8,332 3.61
2022 43,202 8,347 3.06
2023 42,898 8,362 3.20
2024 42,950 8,375 3.15

Posted by 南 一矢