EWG:ドイツETFの株価と配当
EWG(iシェアーズ MSCI ドイツ ETF/iShares MSCI Germany ETF)の最新情報を整理します。[1]
このページでは、NISAの成長投資枠や長期運用の参考となるよう、ETFの概要、分配利回り、リターン、ポートフォリオの構造を、2026年7月中旬までに公表されたデータに基づいて解説します。EWGをNISAで購入できるかどうかは証券会社の取扱商品によって異なるため、利用する証券会社で確認してください。
【ドイツ株ETF】EWGとは?欧州経済の巨人への投資の魅力とリスクを解説
国際分散投資において、ドイツは欧州を代表する株式市場の一つです。企業向けソフトウエア、産業機械、保険、半導体、防衛、エネルギー設備などの分野で世界的に事業を展開する企業を数多く擁しています。
こうしたドイツの大型株・中型株へ一本で投資できるのが、ブラックロックの「EWG(iシェアーズ MSCI ドイツ ETF)」です。2026年7月時点の構成銘柄やリターンに加え、ドイツ経済の成長力、通商政策、エネルギーコストなどの投資リスクを確認します。
📈 2026年上半期までの運用状況
2025年通期のNAVリターンは+35.15%でしたが、2026年上半期のNAVリターンは-0.51%となりました。さらに、2026年7月15日時点の年初来NAVリターンは-0.50%です。2025年に大きく上昇した反動に加え、ドイツ株の業種間・銘柄間で値動きに差が生じています。[1]
ドイツ投資の魅力と注視すべきリスク
投資の魅力:欧州のグローバル企業への集中投資
- 世界市場で事業を展開する企業:2026年6月30日時点の上位銘柄には、産業機械・自動化のSiemens、保険大手のAllianz、企業向けソフトウエアのSAP、エネルギー設備のSiemens Energy、半導体のInfineon Technologiesなどが含まれます。[2]
- 防衛・インフラ投資の拡大:ドイツ政府は、防衛支出を2029年までにGDP比3.5%へ引き上げる方針を示しています。防衛装備、電力設備、輸送、通信などに関連する企業には、中長期的な需要増加が期待されます。[3]
- 米国株とは異なる業種構成:EWGは2026年7月15日時点で、資本財・産業が30.07%、金融が22.70%を占めています。米国の主要株価指数よりも、産業・金融の影響を受けやすい構成です。[1]
- バリュエーション:MSCI Germany Indexの2026年6月30日時点の予想PERは14.36倍、実績PERは15.82倍、PBRは1.86倍でした。成長期待だけでなく、景気や金利、企業利益の変化を織り込んだ水準である点を確認する必要があります。[2]
注意すべきリスク
- 輸出と通商政策の影響:ドイツ企業は米国、中国、欧州各国などへ広く製品を輸出しています。ドイツの対米輸出額は2025年12月に前年同月比12.9%減少しており、関税、景気減速、為替、需要変動が製造業の業績を左右します。[4]
- エネルギーコスト:ドイツでは再生可能エネルギーへの移行が続く一方、電力価格は国際的に高い水準にあります。電力やガスの消費量が多い化学、素材、機械などの企業では、エネルギー価格が利益率を圧迫する可能性があります。[5]
- 国内経済の低成長:欧州委員会は、ドイツの実質GDP成長率を2025年の+0.2%に続き、2026年は+0.6%、2027年は+0.9%と予測しています。公共投資の拡大は支援材料ですが、個人消費や民間設備投資の回復が遅れる可能性があります。[6]
- 為替リスク:EWGは米ドル建てで取引されますが、投資先企業の株価は主にユーロで形成されます。日本の投資家は、ユーロと米ドルの変動に加えて、円と米ドルの変動による影響も受けます。
- 単一国への集中:EWGはドイツ株だけに投資する単一国ETFです。世界株ETFや欧州株ETFよりも、ドイツの政策、景気、企業構成の影響を強く受けます。
【EWG】iシェアーズ MSCI ドイツ ETFの概要(2026年7月時点)
EWGはMSCI Germany Indexへの連動を目指すETFです。同指数はドイツ株式市場の大型株・中型株で構成され、ドイツの浮動株調整後時価総額のおよそ85%をカバーします。2026年6月30日時点の指数構成銘柄数は53銘柄でした。[2]
EWGの基本情報とポートフォリオ
| 正式名称 | iShares MSCI Germany ETF |
|---|---|
| ティッカー | EWG |
| 上場市場 | NYSE Arca[1] |
| 設定日 | 1996年3月12日[1] |
| 連動指数 | MSCI Germany Index(Net)[1] |
| 経費率(年率) | 0.49%(現行目論見書ベース、2026年7月16日確認)[1] |
| 純資産総額 | 約15.15億ドル(2026年7月16日時点)[1] |
| 保有銘柄数 | 52銘柄(2026年7月15日時点)[1] |
| 分配頻度 | 年2回(半年ごと)[1] |
| 30日SEC利回り | 1.84%(2026年6月30日時点)[1] |
| 過去12カ月分配利回り | 2.00%(2026年6月30日時点)[1] |
| 直近の分配金 | 1口当たり0.831581ドル(権利落ち日:2026年6月15日、支払日:2026年6月18日)[1] |
| 2025年通期リターン | +35.15%(NAV、2025年12月31日時点)[1] |
| 2026年上半期リターン | -0.51%(NAV、2026年6月30日時点)[1] |
| 2026年年初来リターン | -0.50%(NAV、2026年7月15日時点)[1] |
| 30日平均出来高 | 1,074,924口(2026年7月15日時点)[1] |
| 売買スプレッド | 30日中央値0.02%(2026年7月15日時点)[1] |
上位構成銘柄(2026年6月30日時点)
| 順位 | 銘柄 | 主な事業 | 構成比率 |
|---|---|---|---|
| 1 | Siemens | 産業機械・自動化 | 12.65% |
| 2 | Allianz | 保険・資産運用 | 9.54% |
| 3 | SAP | 企業向けソフトウエア | 8.47% |
| 4 | Siemens Energy | 発電・送電設備 | 7.78% |
| 5 | Infineon Technologies | 半導体 | 6.46% |
| 6 | Deutsche Telekom | 通信 | 4.96% |
| 7 | Munich Re | 再保険 | 3.86% |
| 8 | Deutsche Bank | 銀行・金融 | 3.26% |
| 9 | DHL Group | 物流 | 2.96% |
| 10 | Bayer | 医薬品・農業関連 | 2.88% |
上位10銘柄の合計は、2026年6月30日時点で62.82%です。約50銘柄へ投資するETFですが、実際のリターンはSiemens、Allianz、SAP、Siemens Energy、Infineon Technologiesなどの上位企業に大きく左右されます。[2]
セクター比率(2026年7月15日時点)
| 資本財・産業 | 30.07% |
|---|---|
| 金融 | 22.70% |
| 情報技術 | 14.15% |
| 一般消費財 | 7.66% |
| ヘルスケア | 7.03% |
| コミュニケーション | 6.03% |
| 素材 | 4.94% |
| 公益事業 | 4.82% |
| 生活必需品 | 1.50% |
| 不動産 | 0.92% |
| 現金・デリバティブ等 | 0.17% |
※純資産総額、利回り、保有銘柄数、構成比率は日々変動します。指数の構成銘柄数とETFの保有銘柄数は、現金や取引処理中の資産などの取り扱いにより一致しない場合があります。[1][2]
まとめ:2026年のポートフォリオにおけるEWG
EWGは、2026年7月時点で、次のような役割を持つETFです。
- ドイツの産業・金融企業への投資:Siemens、Allianz、SAP、Siemens Energyなど、世界市場で事業を展開するドイツ企業へまとめて投資できます。
- 米国大型テクノロジー株への集中を緩和:資本財・産業と金融の比率が高いため、米国株指数とは異なる業種構成をポートフォリオへ追加できます。
- 防衛・電力インフラ投資への間接的な参加:欧州の防衛力強化や電力網整備に伴う需要を取り込める可能性があります。
- 単一国ETFとしての明確な特性:欧州全体ではなくドイツに投資対象を限定するため、ドイツ株が他の欧州市場を上回ると判断する場合に利用しやすいETFです。
一方、EWGはドイツ国内の景気だけでなく、米国や中国を含む世界経済、通商政策、エネルギー価格、ユーロ相場の影響を受けます。2025年通期にはNAVベースで35.15%上昇しましたが、2026年上半期は0.51%下落しており、前年の上昇がそのまま続くとは限りません。
ドイツ企業の競争力や欧州の防衛・インフラ投資に期待できる一方、約50銘柄の単一国ETFであることを踏まえ、世界株ETFや欧州株ETFとの役割の違いを確認した上で利用する必要があります。
EWGの連動対象は、通常の時価総額加重型であるMSCI Germany Indexです。特定銘柄を一律10%などに制限する固定的な「25/50キャップ指数」ではありません。このため、企業の時価総額や浮動株比率が上昇すれば、構成比率が10%を超えることがあります。
2026年6月30日時点では、最大構成銘柄はSAPではなくSiemensの12.65%でした。上位5銘柄の合計は44.90%であり、EWGの値動きを確認する際は、ドイツ経済全体だけでなく上位企業の決算や株価も重要になります。[7]
【注】(出典リンク)
- EWGの経費率・純資産・利回り・銘柄数・リターン・分配金・流動性・セクター構成 → iShares MSCI Germany ETF公式ページ / iShares EWGファクトシート(確認日:2026-07-17) ↩
- MSCI Germany Indexの定義・銘柄数・上位銘柄・バリュエーション → MSCI Germany Index公式ページ(確認日:2026-07-17) ↩
- ドイツの防衛支出方針 → ドイツ連邦政府「A start has been made」 / ドイツ連邦政府・2026年7月首脳会見(確認日:2026-07-17) ↩
- ドイツの対米輸出実績 → ドイツ連邦統計局・2025年12月貿易統計 / ドイツ連邦統計局・外国貿易統計(確認日:2026-07-17) ↩
- ドイツの電力価格と産業政策 → ドイツ連邦経済・エネルギー省「Electricity prices」 / ドイツ連邦経済・エネルギー省「Modern industrial policy」(確認日:2026-07-17) ↩
- ドイツのGDP成長率と経済見通し → 欧州委員会・ドイツ経済予測 / ドイツ連邦経済・エネルギー省・景気見通し(確認日:2026-07-17) ↩
- MSCI Germany Indexの時価総額加重と構成比率 → MSCI Germany Index公式ページ / MSCI指数メソドロジー資料(確認日:2026-07-17) ↩
株価:過去~現在
※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイで変動をフォロー。
配当(分配金)と利回り
年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*当サイトは特別配当(分配金)を含めて計算するので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高く計上されることがあります)
| 年 | 配当 | 株価 | |||
| 平均利回り | 年累計 | 年伸び率 | 平均株価 | 年伸び率 | |
| 2025 | 2.71% | 0.880 | 16.1% | 32.5 | 9.1% |
| 2024 | 2.54% | 0.758 | -0.1% | 29.8 | 12.5% |
| 2023 | 2.86% | 0.759 | -3.9% | 26.5 | 3.9% |
| 2022 | 3.10% | 0.790 | 192.6% | 25.5 | -24.8% |
| 2021 | 0.80% | 0.270 | -58.5% | 33.9 | 22.8% |
| 2020 | 2.36% | 0.650 | -11.0% | 27.6 | 0.4% |
| 2019 | 2.65% | 0.730 | -1.4% | 27.5 | -10.4% |
| 2018 | 2.41% | 0.740 | 10.4% | 30.7 | 0.7% |
| 2017 | 2.20% | 0.670 | 9.8% | 30.5 | 20.6% |
| 2016 | 2.41% | 0.610 | 22.0% | 25.3 | -9.6% |
| 2015 | 1.79% | 0.500 | -20.6% | 28.0 | -6.0% |
| 2014 | 2.11% | 0.630 | 46.5% | 29.8 | 11.6% |
| 2013 | 1.61% | 0.430 | -25.9% | 26.7 | 22.5% |
| 2012 | 2.66% | 0.580 | -13.4% | 21.8 | -6.8% |
| 2011 | 2.86% | 0.670 | 139.3% | 23.4 | 8.8% |
| 2010 | 1.30% | 0.280 | -49.1% | 21.5 | 13.2% |
| 2009 | 2.89% | 0.550 | -54.5% | 19.0 | -30.4% |
| 2008 | 4.43% | 1.210 | – | 27.3 | – |
ポートフォリオ
このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率はチャールズシュワブのサイト内ページを参照。
セクター別比率、構成銘柄一覧(配当利回り&配当性向などのファンドのデータはブラックロック「EWG」ページを参照(日足で更新)
ドイツの経済力
最後に、ドイツの経済力を見ていきましょう。
ここで、世界銀行のデータバンクから主要統計を閲覧してみます。
実質GDPと成長率
(※実質GDPは2015年米ドル基準。単位は億ドル )
| 実質GDP | 名目GDP | 実質成長率 | |
| 2005 | 29109 | 28458 | 0.73 |
| 2006 | 30220 | 29922 | 3.82 |
| 2007 | 31119 | 34212 | 2.98 |
| 2008 | 31418 | 37300 | 0.96 |
| 2009 | 29629 | 33978 | -5.69 |
| 2010 | 30867 | 33964 | 4.18 |
| 2011 | 32079 | 37444 | 3.93 |
| 2012 | 32213 | 35273 | 0.42 |
| 2013 | 32354 | 37327 | 0.44 |
| 2014 | 33069 | 38839 | 2.21 |
| 2015 | 33562 | 33562 | 1.49 |
| 2016 | 34311 | 34675 | 2.23 |
| 2017 | 35230 | 36817 | 2.68 |
| 2018 | 35613 | 39753 | 1.09 |
| 2019 | 35989 | 38883 | 1.06 |
| 2020 | 34344 | 38464 | -4.57 |
| 2021 | 35,415 | 42,267 | 3.12 |
| 2022 | 36,053 | 41,725 | 1.80 |
| 2023 | 35,872 | 44,687 | -0.50 |
| 2024 | 35,942 | 45,370 | 0.20 |
一人当たりGDP/人口/失業率
(*失業率はILO方式。一人当たりGDP〔実質〕の単位はドル、人口は万人)
【ドイツ】
| 1人当りGDP | 人口 | 失業率 | |
| 2005 | 35296 | 8247 | 11.17 |
| 2006 | 36685 | 8238 | 10.25 |
| 2007 | 37827 | 8227 | 8.66 |
| 2008 | 38263 | 8211 | 7.53 |
| 2009 | 36176 | 8190 | 7.74 |
| 2010 | 37746 | 8178 | 6.97 |
| 2011 | 39961 | 8027 | 5.82 |
| 2012 | 40053 | 8043 | 5.38 |
| 2013 | 40119 | 8065 | 5.23 |
| 2014 | 40835 | 8098 | 4.98 |
| 2015 | 41087 | 8169 | 4.62 |
| 2016 | 41665 | 8235 | 4.12 |
| 2017 | 42622 | 8266 | 3.75 |
| 2018 | 42956 | 8291 | 3.38 |
| 2019 | 43312 | 8309 | 3.14 |
| 2020 | 41259 | 8324 | 4.31 |
| 2021 | 42,559 | 8,332 | 3.61 |
| 2022 | 43,202 | 8,347 | 3.06 |
| 2023 | 42,898 | 8,362 | 3.20 |
| 2024 | 42,950 | 8,375 | 3.15 |

