銀ETF(SLV・SIL)の株価を比較する
銀と銀鉱株に投資する米国ETFのデータを比較し、情報を整理してみます。
積立や資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート、配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を紹介してみましょう
【銀・銀鉱株ETF】SLVとSILを徹底比較!シルバー投資の魅力と2つの方法
貴金属の中でも、銀(シルバー)は非常にユニークな特性を持つ資産です。金(ゴールド)と同様の安全資産としての価値を持ちながら、最先端産業に不可欠な素材としての顔も併せ持っています。今回は、銀に投資する代表的なETFである「SLV(銀現物)」と「SIL(銀鉱株)」を取り上げ、その根本的な違いと、銀投資の奥深い魅力を解説します。
銀投資の魅力:金融と産業、シルバーが持つ「二つの顔」
- 金融資産としての顔: “プアマンズ・ゴールド(貧者の金)"とも呼ばれ、金と同様にインフレヘッジや価値の保存手段として機能します。金に比べて価格が安いため、個人投資家でも手軽に投資しやすいのが特徴です。
- 産業用金属としての顔: 銀は非常に高い導電性を持ち、太陽光パネル、EV(電気自動車)、5G通信機器、電子部品など、グリーンエネルギーやデジタルトランスフォーメーションに不可欠な素材です。今後の産業の成長と共に、その需要はますます高まると期待されています。
【重要】銀現物ETF vs 銀鉱株ETF 徹底比較
銀への投資には、大きく分けて2つのアプローチがあります。
項目 | ① 銀現物ETF (SLV) | ② 銀鉱株ETF (SIL) |
---|---|---|
投資対象 | 銀の現物地金 | 銀鉱山会社の株式 |
値動きの特性 | 銀の価格に素直に連動 | 銀価格にレバレッジが効いた動きをすることがある(変動幅が大きい) |
主なリスク | 銀価格の変動リスク | 銀価格変動に加え、企業の経営リスクやカントリーリスクも負う |
分配金 | なし | あり |
性格 | ポートフォリオの「守り」と「産業需要」 | ポートフォリオの「攻め」 |
① 銀そのものに投資する「現物型ETF」
【SLV】iシェアーズ シルバー・トラスト
銀地金の価格(LBMA銀価格)に連動することを目指す、世界最大級の銀ETFです。企業の業績などを気にせず、純粋に銀の価格変動に投資したい場合に最適です。
連動対象 | 銀地金の価格 |
---|---|
経費率 | 0.50% |
純資産総額 | 約1.8兆円 |
分配金 | なし |
② 銀鉱山会社に投資する「株式型ETF」
【SIL】グローバルX シルバー・マイナーズETF
世界の銀鉱山会社の株式に分散投資します。銀価格が上昇すると、これらの企業の利益も拡大するため、株価は銀価格以上に大きく上昇する可能性があります(下落時も同様)。企業の成長や配当によるリターンも期待できます。
連動指数 | Solactive Global Silver Miners Total Return Index |
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経費率 | 0.65% |
純資産総額 | 約1,500億円 |
上位構成銘柄 | Wheaton Precious Metals, Pan American Silver, Fresnillo, Industrias Penoles, Hecla Miningなど |
国別比率 | カナダ (約59%), 英国 (約11%), 韓国 (約8%), 米国 (約6%) など |
分配金 | あり(年2回) |
※純資産総額は2025年6月時点の参考値であり、常に変動します。
まとめ:あなたの戦略に合うのはどちら?
- SLVが向いている人:
インフレヘッジや安全資産として、または銀価格そのものの上昇に直接的に賭けたい投資家。「金融」と「産業」の両面から銀の価値が上がると考える人に適しています。 - SILが向いている人:
銀価格の上昇を、より大きなリターンに繋げたい、リスク許容度の高い投資家。太陽光発電の普及など、銀の産業需要の拡大というテーマに、企業の成長を絡めて積極的に投資したい人。
銀は金とは一味違う、ダイナミックな魅力を持つ資産です。2つのETFの特性を理解し、ご自身のポートフォリオに合った形でその輝きを取り入れてみてはいかがでしょうか。
株価:過去~現在
※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
ポートフォリオ
次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄ははチャールズシュワブのサイト内のページを参照。