VNM:ベトナムETFの株価と配当

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【ベトナム株ETF】VNMとは?アジア最後のフロンティアへの投資の魅力とリスク


VNM(ヴァンエックベクトル ベトナムETF)の情報を整理してみます。

このページでは積立や資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート、配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を紹介してみましょう

【ベトナム株ETF】VNMとは?アジア最後のフロンティアへの投資の魅力とリスク

「アジア最後のフロンティア」とも呼ばれ、高い経済成長率で世界から注目を集めるベトナム。その成長をポートフォリオに取り込むための代表的なETFが、ヴァンエック社が提供する「VNM(ヴァンエック・ベトナムETF)」です。この記事では、ベトナム投資の魅力と特有のリスクを整理し、VNMの具体的な中身と重要な注意点について詳しく解説します。

欧州ETFのデータを比較し、情報を整理してみます。このページでは、積立や資産運用の参考となるように、代表的なETF(投資信託)を7つ選び、その概要(連動するインデックス等)や株価チャート、配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を紹介します。(※HEDJとHEZUは株価推移と主要指標のみフォロー)

投資判断に不可欠な「経費率」や「投資対象の違い」を明確にしながら、それぞれのメリット・デメリットを徹底比較します。積立や資産運用の参考として、ぜひご活用ください。

※株価や配当利回り、経費率などのデータは常に変動します。最新の情報は各運用会社の公式サイトをご確認ください。

🚨 2025年7月28日 最新情報を反映

2025年7月2日、米国とベトナムが関税合意。ベトナム製品に20%、第三国からの迂回輸出品には40%を課す二段階方式です
[Reu]

市場は「46%→20%」への緩和を好感し、ナイキなど米アパレル株が上昇
[Pol]
VNM ETFは年初来+37.1%と堅調です
[Brief]

残る課題:原産地規則と中国迂回リスク

  • 詳細な Rules of Origin8月1日までに策定予定 だが遅延懸念
    [WaPo]
  • 米税関は「最小の中国含有でも40%対象」と示唆
    [HK]
  • ベトナムは 原産地詐欺防止の政令 を準備中
    [Reu]
  • ソーラーパネル追加関税など 反迂回 事例が既に発動
    [Clr]
  • シンクタンクは「中国部材依存が続けば再制裁リスク」と警鐘
    [L500]

ベトナム投資の魅力とリスク

投資の魅力:ポストチャイナの筆頭格
  • 高い経済成長率: ASEAN諸国の中でもトップクラスのGDP成長率を誇り、力強い経済拡大が続いています。ベトナム政府は2025年に8%の成長目標を設定しています。
  • 豊富な若年労働力: 平均年齢が約30歳と非常に若く、「人口ボーナス」が長期的な経済成長を支えます。
  • 地政学的な追い風: 「チャイナ・プラスワン」として、世界の製造業の生産拠点が中国からベトナムへ移管する動きが加速しています。
  • 関税合意による安定性: 米越関税合意により、ベトナムは英国、中国に続いて3番目にワシントンと貿易協定を締結した国となり、政府の外交努力の成果を示しています。
注意すべきリスク:フロンティア市場の課題
  • 市場の未成熟さ: ベトナム市場はMSCIの分類で「フロンティア市場」に位置づけられており、規制の不透明さや市場インフラの未整備といった課題があります。
  • 関税の長期的影響: 20%の関税が長期間続く場合、ベトナムでの生産コストが上昇し、他国との競争上、魅力が低下する可能性があります。
  • 通貨(ドン)リスク: ベトナム・ドンの対ドル為替レートが下落すれば、ドル建てのETFの価値も目減りします。
  • 不動産市場と金融システム: 不動産市況の悪化や、それに伴う金融システムの健全性には注意が必要です。
  • 政治・地政学リスク: 社会主義国としての政治体制や、南シナ海をめぐる近隣諸国との緊張関係もリスク要因です。

【VNM】ヴァンエック・ベトナムETF の概要

MVISベトナム指数に連動し、ベトナム経済を代表する企業に投資するETFです。ただし、後述する重要な注意点があります。

VNMの基本情報とポートフォリオ

項目 詳細
正式名称 VanEck Vietnam ETF
連動指数 MVIS Vietnam Index
経費率 0.68%
純資産総額 約5.12億ドル
上位構成銘柄 Vinhomes, Hoa Phat Group, Vinamilk (Vietnam Dairy Products), Vietcombank, Masan Groupなど
セクター比率 不動産 (約28%), 生活必需品 (約18%), 金融 (約17%), 資本財 (約9%) など

※純資産総額等のデータは2025年7月時点の参考値であり、常に変動します。

関税合意後の業界への影響

PwCの2025年6月調査によると、ベトナムの製造業企業の86%が米国関税政策について深刻な懸念を表明しており、主要な懸念事項としてコスト増加、競争力の低下、サプライチェーンの混乱が挙げられています。特に製造業の78%が直接的または間接的に米国市場への露出を持っています。

VNMの重要な注意点:「ベトナム100%」ではない!

VNMのポートフォリオは、100%ベトナム企業で構成されているわけではありません。流動性の確保や、ベトナムで大きな売上を上げている外国企業を含めるという指数のルールにより、他の国の企業も含まれています。

【国別構成比率の目安】

  • ベトナム: 約70-80%
  • 台湾: 約10%
  • 韓国: 約5%
  • 日本: 約2%
  • その他

純粋なベトナム・カントリーファンドというよりは、「ベトナム中心のアジア株ファンド」と理解しておくことが重要です。

ベトナム政府の継続的な交渉努力

ベトナムの指導部は、トランプ大統領が発表した20%の関税に驚いており、より有利な関税率を確保していたと考えていたため、引き続き関税率の引き下げに向けて取り組んでいます。党書記長のト・ラム氏は交渉チームに対し、関税率をさらに下げるよう指示を出しています。

まとめ:ポートフォリオにおけるVNMの役割

VNMは、その高い成長ポテンシャルから大きなリターンが期待できる一方、フロンティア市場ならではの高いリスクを伴います。ベトナムの2024年の対米輸出はGDPの約30%を占めており、米国との貿易関係は極めて重要です。

関税合意後の投資判断のポイント:

  • 20%関税により短期的な調整圧力はあるものの、最悪のシナリオは回避
  • 関税が段階的に軽減される場合、ベトナムの成長軌道は維持される可能性
  • 長期的な「チャイナ・プラスワン」トレンドは継続

そのため、ポートフォリオの大部分を占める「コア」資産としてではなく、全体の数パーセント程度に留める「サテライト」資産として活用するのが賢明です。

ベトナムの長期的な成長ストーリーに期待しつつも、関税合意の詳細実施や今後の米越関係の動向を注視しながら、リスクを十分に理解した上で、ポートフォリオのスパイスとして少量加えることを検討してみてはいかがでしょうか。

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

配当金(分配金)と利回り

年間配当を1年の平均株価で割り、平均の利回りを計算してみます。

配当 平均株価
平均利回り 年累計 年伸び率
2023 5.28% 0.66 500% 12.5
2022 0.84% 0.11 10% 13.1
2021 0.64% 0.1 42.9% 15.7
2020 0.36% 0.07 -66.7% 19.3
2019 1.47% 0.21 75% 14.3
2018 0.74% 0.12 -29.4% 16.2
2017 0.99% 0.17 -45.2% 17.1
2016 2.11% 0.31 -41.5% 14.7
2015 3.71% 0.53 3.9% 14.3
2014 2.93% 0.51 -13.6% 17.4
2013 2.8% 0.59 63.9% 21.1
2012 1.84% 0.36 125% 19.6
2011 0.9% 0.16 -52.9% 17.7
2010 1.63% 0.34 1033.3% 20.9
2009 0.12% 0.03 25.2

ポートフォリオ

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。

投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄ははチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

ベトナム経済の現状

最後に、ベトナムの経済力を見ていきましょう。

ベトナムは社会主義国でしたが、冷戦の終わり頃から中国と同じく経済面での開放政策(ドイモイ)を進めました。

1986年の第6回党大会で市場経済システムの導入と対外開放からなるドイモイ(刷新)路線を継続。90年代には経済が好転し、1995~96年には9%台の経済成長率を記録しています。

その後、アジア経済危機でダメージを受けたものの、2000年~2010年の平均経済成長率は7%台となり、高成長を続けました。

2020年は感染症対策がうまくいったので、今後の経済回復が期待されています。

ここで、世界銀行のデータバンクから主要統計を閲覧してみます。






ベトナム経済の現状と将来予測


ベトナム経済の現状と将来予測

ベトナムは社会主義国でしたが、1986年のドイモイ(刷新)政策以降、市場経済システムの導入と対外開放を進め、目覚ましい経済成長を遂げてきました。特に2000年代以降は安定して高い成長率を維持しています。

2020年のコロナ禍においても、効果的な感染症対策によりプラス成長を確保し、その後の経済回復への期待が高まっています。ここでは、世界銀行のデータなどに基づき、ベトナム経済の現状と今後の見通しを見ていきます。

名目GDP・成長率・予測(世界銀行データ)

(※名目GDPの単位は10億ドル、成長率は%)

名目GDP
(10億ドル)
実質成長率
(%)
備考
2020 346.6 2.9 COVID-19影響
2021 366.5 2.6 感染症対策成功
2022 410.3 8.0 急速な回復
2023 408.8 5.0 減速も堅調
2024 476.4 7.1 力強い回復
2025予測 5.8 世界銀行予測
2026予測 6.1 世界銀行予測

一人当たりGDP・人口・雇用統計(最新データ)

(※一人当たりGDPの単位はドル、人口は百万人、失業率・労働力は%)

一人当たりGDP
(ドル)
人口
(百万人)
失業率
(%)
労働力参加率
(%)
2020 3,540 97.3 2.1
2021 3,756 98.2 2.4
2022 4,110 99.5 1.5 67.8
2023 4,110 100.3 1.7 68.2
2024 4,717 101.3 2.2 68.6
📊 2024年労働市場のハイライト
  • 労働力人口:5,300万人(15歳以上、前年比57.5万人増)
  • 失業者数:106万人(前年比9,000人減)
  • 平均月収:770万ドン(約304ドル、前年比8.6%増)
  • 都市部失業率:2.5%、農村部失業率:2.1%
  • 不完全雇用率:1.8%(前年比0.18ポイント改善)

主要経済指標の長期的推移(2005-2020年)

(※実質GDPは2015年米ドル基準。実質GDP/名目GDPの単位は億ドル、一人当たりGDPの単位はドル、人口は万人、失業率はILO方式)

実質GDP 名目GDP 実質成長率 (%) 1人当りGDP (実質) 人口 失業率 (%)
2005 854 576 7.5 1018 8383 ..
2006 913 664 7.0 1079 8462 ..
2007 978 774 7.1 1145 8542 2.0
2008 1034 991 5.7 1198 8624 ..
2009 1089 1060 5.4 1251 8709 1.7
2010 1159 1159 6.4 1318 8797 1.1
2011 1232 1355 6.2 1386 8887 1.0
2012 1296 1558 5.2 1443 8980 1.0
2013 1367 1712 5.4 1506 9075 1.3
2014 1448 1862 6.0 1579 9171 1.3
2015 1545 1932 6.7 1667 9268 1.8
2016 1641 2053 6.2 1753 9364 1.8
2017 1753 2238 6.8 1853 9460 1.9
2018 1877 2452 7.1 1964 9554 1.2
2019 2009 2619 7.0 2082 9646 2.0
2020 2067 2722 2.9 2122 9741 3.3
🌟 ベトナム経済の注目ポイント
  • 過去40年の奇跡的成長:1986年ドイモイ開始時の一人当たりGDP約700ドルから2024年には4,717ドルへ
  • 貧困撲滅の成功:極貧率(1日3.65ドル未満)が2010年の14%から2023年には4%未満へ
  • 人口ボーナス継続:1億人を超える人口の58%が労働年齢、平均年齢32歳
  • 世界経済での存在感:GDP規模で世界35位前後、ASEANでは4番目の経済大国


Posted by 南 一矢