BUG・HACK・CIBRを比較:サイバーセキュリティETFの株価と配当

サイバーセキュリティ,テーマ別ETF

サイバーセキュリティ企業に投資するETFのデータを比較してみます。

このページでは積立や資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート、ポートフォリオ等の情報を整理してみましょう

主要サイバーセキュリティETF 比較一覧:BUG・HACK・CIBR、あなたに合うのはどれ?

まずは、3つのETFの重要な違いを一覧表で素早く確認しましょう。

主要サイバーセキュリティETF比較一覧(2025年6月時点の参考情報)
ティッカー 名称 連動指数 組入銘柄数 経費率 純資産総額 (AUM)
BUG グローバルX サイバーセキュリティETF Indxx Cybersecurity Index 約25銘柄 0.50% 約8億ドル
HACK ETFMG Prime サイバーセキュリティETF Prime Cyber Defense Index 約60銘柄 0.60% 約20億ドル
CIBR ファーストトラスト NASDAQ サイバーセキュリティETF Nasdaq CTA Cybersecurity Index 約35銘柄 0.59% 約65億ドル

※経費率や純資産総額、銘柄数は常に変動します。最新の情報は各運用会社の公式サイトで必ずご確認ください。


各ETFの詳細解説

デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速し、私たちの生活やビジネスがますますオンラインに移行する中、サイバー攻撃の脅威は深刻さを増しています。このような時代背景から、社会の「デジタルな安全」を守るサイバーセキュリティ市場は、今後も継続的な成長が期待される重要な分野です。

それぞれのETFが持つ個性と特徴を詳しく見ていきましょう。

【CIBR】ファーストトラスト NASDAQ サイバーセキュリティETF

概要

純資産総額(AUM)で他を圧倒する、サイバーセキュリティETFの代表格。Nasdaqに上場する企業の中から、コンシューマー技術協会(CTA)が選定した銘柄で構成されています。

特徴

圧倒的な純資産総額と流動性の高さが最大の魅力。機関投資家からの資金も集まっており、安心して取引できる実績と安定感があります。業界の主要企業を中心に、バランスの取れたポートフォリオを構築しています。

上位組入銘柄の例

Broadcom, CrowdStrike, Palo Alto Networks, Infosys

出典: First Trust – CIBR

【HACK】ETFMG Prime サイバーセキュリティETF

概要

サイバーセキュリティETFの草分け的存在として知られています。ハードウェア、ソフトウェア、サービスだけでなく、航空宇宙・防衛といった多様な関連企業に投資します。

特徴

構成銘柄を「インフラを提供する企業」と「サービスを提供する企業」に分け、それぞれに均等にウェイトを配分する独自の「ティアウェイト方式」を採用。これにより、大手だけでなく新興企業にも光が当たりやすく、多様な企業群に分散投資できるのが魅力です。

上位組入銘柄の例

Cisco Systems, Broadcom, BAE Systems

出典: ETFMG – HACK

【BUG】グローバルX サイバーセキュリティETF

概要

サイバーセキュリティを事業の中核(売上の50%以上)とする、いわば「専業企業」に絞って投資するのが特徴のETFです。

特徴

構成銘柄数が約25と少なく、純粋なサイバーセキュリティ企業への集中度が高いポートフォリオです。また、米国企業だけでなく、技術力の高いイスラエル企業の比率が他のETFより高い傾向にあり、グローバルな視点で投資したい場合に面白い選択肢となります。

上位組入銘柄の例

CrowdStrike, Palo Alto Networks, Zscaler

出典: Global X ETFs – BUG


あなたに合うETFはどれ?選び方のポイント

3つのETFにはそれぞれ明確な個性があります。ご自身の投資スタイルに合わせて選びましょう。

実績と流動性を最重視する「王道」派なら → 【CIBR】
とにかく安心して取引したい、業界の主要企業にバランス良く投資したいという方に最適です。

独自の分散方法と多様性を好む「個性」派なら → 【HACK】
大手から新興まで、幅広い企業に分散投資したい方や、ユニークな銘柄選定に魅力を感じる方におすすめです。

グローバル視点と専門性を求める「集中」派なら → 【BUG】
米国だけでなくイスラエルなど、世界中の専業企業に集中投資して高い成長を狙いたい方に適しています。

日本の投資家が知っておくべき注意点

1. どうやって買うの?

今回ご紹介したETFは米国の取引所に上場していますが、SBI証券、楽天証券、マネックス証券といった日本の主要ネット証券で、外国株式取引口座を開設すれば購入可能です。

2. 為替リスクに注意

これらのETFはドル建ての商品です。そのため、ETF自体の株価が変動するだけでなく、円とドルの為替レートの変動(円高・円安)も損益に影響します。この為替リスクは常に意識しておきましょう。


免責事項:本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。




ポートフォリオの比較

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢